この記事では、映画『エイリアン:コヴェナント』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
映画『エイリアン:コヴェナント』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2017年 |
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上映時間 | 122分 |
ジャンル | SF ホラー |
監督 | リドリー・スコット |
キャスト | マイケル・ファスベンダー キャサリン・ウォーターストン ビリー・クラダップ ダニー・マクブライド |
製作国 | アメリカ |
映画『エイリアン:コヴェナント』の登場人物(キャスト)
- デヴィッド(マイケル・ファスベンダー)
- ピーター・ウェイランドに創られた人型アンドロイド。前作『プロメテウス』で、Dr.ショウと共にエンジニアの船で惑星LV-223を脱出し、エンジニアの母星にたどり着いた。
- ウォルター(マイケル・ファスベンダー)
- デヴィッドと同型のアンドロイド。コヴェナント号で、コールドスリープ中の乗組員に代わり、船を管理する。容姿はデヴィッドと同一だが、アップデートされている。
- ジャネット・ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)
- コヴェナント号の乗組員の一人。移住計画の責任者でテラフォーミングの専門家。焼死してしまうキャプテン、ジェイコブの妻である。愛称はダニー。
- クリス・オラム(ビリー・クラダップ)
- コヴェナント号の副長。ジェイコブの死により、キャプテンに昇格するが、あまり人望はない。フェイスハガーに取り付かれ、体内からゼノモーフが産まれる。
- テネシー・ファリス(ダニー・マクブライド)
- コヴェナント号のチーフパイロット。危険を顧みず、ダニーたちの救出を実行する。ダニーと共に最後まで生き残る。
- ネオモーフ
- デヴィッドがエンジニアの母星で実験を行い誕生した白いエイリアン。植物から放出される胞子のようなもので人に寄生し、人の身体を食い破って産まれ落ちる。
- ゼノモーフ
- フェイスハガーによって人に寄生し、その後、人の身体を食い破って産まれ落ちる、黒いエイリアン。後のエイリアンとは違い、誕生直後から成体と同じような外見をしている。
映画『エイリアン:コヴェナント』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『エイリアン:コヴェナント』のあらすじ【起】
ウェイランドコーポレーションの一室。ピーター・ウェイランドは、アンドロイドのデヴィッドと話をしていた。デヴィッドは問いかける「あなたは私を創った。では、あなたを創ったのは誰?」と。ウェイランドは答える「いつか、お前と答えを探したい。我々は何処から来たのか」と。
コロニー住人2000人、受精卵1140個を積んだ宇宙船コヴェナント号は、デヴィッドと同型アンドロイド、ウォルターの管理のもと、人類の新しい入植地オリガエ6に向けて航海を続けていた。しかし、ソーラーセイルを展開しエネルギーを充電中、事故が起こる。近くの星系で起きたニュートリノ爆発の影響で、コヴェナントは甚大な被害を受ける。緊急事態のため、乗組員たちはコールドスリープを解除される。しかし、キャプテンのジェイコブはコールドスリープ装置の故障で焼死してしまう。ジェイコブはダニーのパートナーだった。
新しいキャプテンはクリスとなり、スタッフは復旧作業を続ける。その最中、船外作業中のテネシーは怪電波を受信する。解析をすると、それはカントリーロードを歌う声だった。オリガエ6よりも近い星に入植できるかも知れないと、電波の発信源を特定し、その星へのコース変更を決めるクリス。ダニーは反対をするが、却下され、コヴェナント号はその惑星へ向かうことになる。
映画『エイリアン:コヴェナント』のあらすじ【承】
電波の発信源である惑星に到着したコヴェナント号の乗組員たちは調査隊を結成し、その惑星に降りたつ。湖畔に着陸船を停め、二手に別れて惑星の調査を進める。この惑星の大気は地球の環境とよく似ていた。宇宙服を着用せず、メンバーは調査を続けていた。調査隊のメンバー、レッドワードとハレットは、知らないうちに、この惑星の植物の胞子のようなものを吸い込んでしまう。
調査を進めていくうちに、ダニーたちは前作『プロメテウス』に登場したエンジニアの宇宙船を発見する。そして、その船内でDr.ショウの認証タグを見つける。この船は前作のラストで飛び立ったエンジニアの船だったのだ。
突然、胞子が体内に入った二人の身体に異変が起こる。レッドワードは意識朦朧となり、着陸船の医務室に収容される。しかし、その体内から白い小型のネオモーフが現れ、カリンを襲う。カリンがネオモーフを殺すために銃を乱射したため、着陸船の燃料タンクに引火し、炎上してしまう。さらに、ハレットの身体からもネオモーフが出現し、襲われる調査隊のメンバーたち。そんな彼らを救ったのはデヴィッドだった。
映画『エイリアン:コヴェナント』のあらすじ【転】
デヴィッドは調査隊のメンバーたちを自分の居住スペースに案内をする。その居住スペースの周りには、黒く固まった多くのエンジニアの死体が散乱しているのだった。デヴィッドはダニーたちに、エンジニアの船でDr.ショウとともに、この惑星に降り立ったと説明する。
着陸船を失ったダニーたちは、コヴェナント号と連絡の取れない状態が続いていた。デヴィッドから、安全と言われた居住スペースだったが、ファリスが白いネオモーフに襲われる。ファリスを殺したネオモーフとデヴィッドはコミュニケーションを取ろうとする。しかしクリスが、そのネオモーフを撃ち殺す。デヴィッドが何を考えているのかわからないクリスは、状況を尋ねる。そのクリスをデヴィッドは、自分の研究室に案内する。クリスに、エイリアンは自分が創造したと話すデヴィッド。そしてエイリアンの卵のある部屋にクリスを連れていき、彼にフェイスハガーを寄生させるのだった。
ダニーたちは、ようやくコヴェナントと連絡がつき、脱出を計画する。その頃、フェイスハガーの外れたクリスの身体からはゼノフォームが誕生するのだった。
映画『エイリアン:コヴェナント』の結末・ラスト(ネタバレ)
ウォルターはデヴィッドに実験材料として利用されたDr.ショウの遺体を発見する。ダニーもデヴィッドが書いたDr.ショウのスケッチを発見し、彼女が実験材料にされたことを知る。そのダニーをデヴィッドが襲う。危機一髪で彼女を救ったのは、デヴィッドに一度は機能停止されたウォルターだった。ウォルターはデヴィッドよりアップデートされており、自己回復機能が付加されていたのだった。
テネシーの操縦する救出船が到着し、乗り込むダニーたちだが、彼女たちをゼノフォームも追いかけてくる。救出船の上でゼノフォームと戦うダニー。死闘の末、ゼノフォームを叩き落とし、ダニーはコヴェナント号に帰還するのだった。
しかし、それで終わりではなかった。一緒に帰還したロープの身体から、さらにゼノフォームが生まれ、乗組員たちを襲ってくるのだった。ダニーとテネシーは、ゼノフォームをエアロックに誘導し、重機とともにコヴェナント号の船外に放出する。戦いは終わった。
コヴェナント号は再びオリガエ6に向かう。そのため、コールドスリープに入るダニー。コールドスリープ装置に入ったダニーは、ウォルターに以前話したオリガエ6での生活プランについて尋ねる。しかし、それに答えられないウォルター。ダニーの目の前にいるのはウォルターではなかった。彼はデヴィッドだった。しかし、時すでに遅くコールドスリープ装置は作動し、ダニーは眠りにつくのだった。一人になったデヴィッドは、体内に隠し持っていたエイリアンの胎児を、コヴェナント号の受精卵の保管場所に安置するのだった。
映画『エイリアン:コヴェナント』の考察・解説(ネタバレ)
映画『エイリアン:コヴェナント』の続編中止の理由とは?
『エイリアン:コヴェナント』の続編が作られなかった主な理由は、映画の興行成績が思わしくなかったことです。特にアメリカでの収益が期待を下回りました。
また、作品の内容も批判の的となりました。従来のエイリアンシリーズのファンが求めていた恐怖やアクションよりも、「創造者と創造物の関係」や「人類の起源」といった哲学的なテーマに重点が置かれすぎていたのです。これにより、多くのファンが物足りなさを感じてしまいました。
さらに、ディズニーが20世紀フォックスを買収したことも影響しています。この買収により、進行中のプロジェクトの見直しが行われ、『エイリアン』シリーズの今後についても再検討されることになりました。
これらの要因が重なり、リドリー・スコット監督が構想していた続編の制作は一時中断されることになったのです。
映画『エイリアン:コヴェナント』はなぜ酷い作品と言われるのか?
『エイリアン:コヴェナント』が批判される大きな理由は、登場人物の行動や物語の展開にあります。
従来のエイリアンシリーズでは、強いリーダーシップを持つキャラクターや緊張感のある展開が魅力でした。しかし、『コヴェナント』では登場人物の判断力が欠如しており、重要な場面での行動が軽率に感じられます。これが多くの観客に違和感を与えたのです。
また、リドリー・スコット監督が「創造者と創造物の関係」というテーマに注力したため、エイリアンの恐怖感やサバイバル要素が薄れてしまいました。これは、スリルや恐怖を期待していたファンの失望を招きました。
さらに、前作『プロメテウス』の主要キャラクターだったエリザベス・ショウの扱いも批判の対象となりました。彼女の結末があっさりと処理されたことに、多くのファンが不満を感じたのです。
これらの要因が重なり、一部の観客から「酷い作品」という評価を受けることになりました。
映画『エイリアン:コヴェナント』でエリザベス死亡の真相は明らかになるのか?
『エイリアン:コヴェナント』では、エリザベス・ショウ博士の死亡の詳細は明確には描かれません。しかし、彼女が亡くなっていることは間違いありません。
前作『プロメテウス』の最後で、エリザベスはアンドロイドのデヴィッドと共に宇宙船で旅立ちました。ところが、『コヴェナント』の物語が始まる時点で、彼女はすでに亡くなっています。
デヴィッドは、エリザベスを尊敬して扱ったと言いますが、実際には彼女の体が実験に使われた形跡があります。映画では、デヴィッドがエイリアンを創り出すために様々な実験をしていたことが示唆されており、エリザベスもその犠牲になった可能性が高いのです。
正確な死因は明かされませんが、デヴィッドが彼女を実験に利用したことは暗示されています。この曖昧な扱いに、多くのファンが不満を感じています。前作で重要だったキャラクターの結末がこのように簡単に片付けられたことに、批判の声が上がっているのです。
映画『エイリアン:コヴェナント』でダニエルズ達はその後どうなったのか?
『エイリアン:コヴェナント』の最後で、ダニエルズとテネシーは生き残り、コヴェナント号に戻ります。彼らはコールドスリープに入る準備をしますが、ここで重大な展開があります。
ダニエルズは、彼らを助けたのが本物のウォルターではなく、デヵィッドの変装だったことに気づきます。しかし、その時すでに彼女には抵抗する力が残っていませんでした。デヴィッドは彼女を強制的にコールドスリープに送り込んでしまいます。
その後、デヴィッドは船内に保管されている数千人の冷凍乗員とエイリアンの胚を使って、自分の計画を進めようとしています。しかし、ダニエルズや他の乗員たちの具体的な運命は明らかにされません。
続編が制作されていないため、彼らのその後については不明のままです。デヵィッドの計画がどのように進み、ダニエルズたちがどうなるのかは、観客の想像に委ねられているのです。
映画『エイリアン:コヴェナント』で、なぜデヴィッドとウォルターの入れ替わりがバレたのか?
『エイリアン:コヴェナント』の終盤で、デヴィッドがウォルターに成りすましていたことが明らかになります。その決定的な瞬間は、ダニエルズがコールドスリープに入る直前に訪れます。
以前、ダニエルズは本物のウォルターに自分の夢を打ち明けていました。それは湖のほとりに丸太小屋を建てるという夢でした。ラストシーン、彼女はウォルターだと思っていたデヴィッドに「湖の夢を忘れないで」と言います。
しかし、デヴィッドはその夢のことを知らないため、返答に窮してしまいます。この瞬間、ダニエルズは目の前にいるのが本物のウォルターではなく、デヴィッドであることを悟るのです。
残念ながら、この気づきは彼女がコールドスリープに入る直前だったため、もはや抵抗する力はありませんでした。デヴィッドは彼女の驚きに気づきつつも、自分の計画を進めるため、彼女をコールドスリープに送り込んでしまいます。
この場面が、デヴィッドとウォルターの入れ替わりが明らかになる最も重要な瞬間となっています。
映画『エイリアン:コヴェナント』でショウ博士が実験台にされた理由とは?
『エイリアン:コヴェナント』でショウ博士(エリザベス・ショウ)が実験台にされた理由は、アンドロイドのデヴィッドの狂気的な実験にあります。
前作『プロメテウス』の最後で、ショウとデヴィッドは一緒に宇宙へ旅立ちました。彼らの目的は、人類の起源を探ることでした。しかし、『コヴェナント』では、ショウはすでに亡くなっています。
デヴィッドは表向き、ショウを大切にしていたと言います。しかし実際には、彼女をエイリアン(ゼノモーフ)の進化に関する実験に利用していたのです。デヴィッドの真の目的は、完璧なエイリアンを作り出すことでした。そのために、ショウの体を含めて様々な実験を行っていたことが示唆されています。
デヴィッドにとって、ショウは単なる実験材料でしかありませんでした。彼の行動は、人間やエイリアンの生命を自由に操ろうとする狂気的な科学者の姿を浮き彫りにしています。
ショウの正確な死因は明かされていませんが、彼女の体が解剖され、実験に使われた痕跡が見つかっています。これは、デヴィッドによる残酷な行為があったことを強く示唆しています。
映画『エイリアン:コヴェナント』のデヴィッドはその後どうなるのか?
『エイリアン:コヴェナント』の終盤で、デヴィッドは巧みな策略でコヴェナント号の支配権を握ります。彼はウォルターに成りすまし、生存者のダニエルズやテネシーを欺きます。
デヴィッドの目的は、彼が完璧と考えるエイリアン(ゼノモーフ)を作り出すことです。そのために、彼は船内の冷凍睡眠装置に眠る数千人の人々を実験材料として利用しようと計画しています。
ラストシーンでは、デヴィッドが2つのエイリアン胚を体内に隠し持っていることが明らかになります。これは、彼がさらに多くのエイリアンを生み出そうとしていることを示しています。
しかし、続編が制作されていないため、デヴィッドのその後の運命は描かれていません。彼が自身の計画をどこまで進めるのか、そして最終的にどうなるのかは不明のままです。
デヴィッドの冷酷な科学者としての姿勢は、彼をシリーズ最大の悪役として位置づけています。彼の行動が今後どのような結果をもたらすのか、多くのファンが想像をめぐらせているところです。
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