映画『甘い鞭』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「甘い鞭」のネタバレあらすじ結末と感想

甘い鞭の概要:17歳の少女奈緒子。彼女は1ヶ月という短くてとてつもなく長い間、暗い地下室へ拉致され暴行される。それから15年後、美人不妊治療医として不妊治療に悩む患者の心に寄り添い活躍する傍ら、奈緒子には男の嗜虐心を駆り立てるSMクラブのM嬢「セリカ」という裏の顔を併せ持っていた。表と裏の二重生活の根源には、いつもあの事件があった。

甘い鞭の作品情報

甘い鞭

製作年:2013年
上映時間:118分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:石井隆
キャスト:壇蜜、間宮夕貴、中野剛、中島ひろ子 etc

甘い鞭の登場人物(キャスト)

岬奈緒子(32歳:壇蜜 / 17歳:間宮夕貴)
不妊治療を専門とする勤務女医。その一方でSMクラブの売れっ子M嬢「セリカ」としての顔も持つ。そんな彼女には、1ヶ月拉致監禁され暴行され続けた凄絶な過去のトラウマがあった。
藤田赳夫(中野剛)
17歳の奈緒子を誘拐した男。地下室に幽閉し様々な暴行を加え奈緒子を凌辱するが、1ヶ月ののち奈緒子に殺害される。
岬加代子(中島ひろ子)
奈緒子の母親。暴行された奈緒子を受け入れられずに末期がんで死ぬまで奈緒子とは和解しきれず溝は埋まらなかった。
木下景子(屋敷紘子)
奈緒子がセリカとして働くSMクラブの社長。S嬢としても働いている。
醍醐(竹中直人)
SMクラブの上得意。S嬢である木下景子をいたぶるため、M嬢セリカとの立場逆転を要望する。
神山(伊藤洋三郎)
真性のサディストと木下景子に言われている。真性のM嬢としてセリカを指名する。

甘い鞭のネタバレあらすじ

映画『甘い鞭』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

甘い鞭のあらすじ【起】

17歳の奈緒子はその日水泳部の練習に出かける。普段と同じ他愛もない会話を交わし、娘を見送る母親。しかしその日の夕方、娘奈緒子が帰ってくることはなかった。激しい夕立の降る中、奈緒子は自宅近くの丸い屋根の家に住む男、藤田赳夫に地下室へ拉致される。

一向に帰ってこない娘を案じて警察へ通報するも、事件性がないと判断され聞き込みだけの対応がされる。それから1ヶ月後、若い警察官と玄関先で世間話をする母親のもとへ、突如裸でバスローブをまとった血だらけの少女が現れる。

変わり果てながらも戻ってきた娘を見て、母は歓喜して涙を流し抱きしめるどころか、まるで化け物でも見るかのような冷めた眼差しを向ける。父親もどう接していいのか困惑し、その後単身赴任先で病死。凄絶な日々を過ごしてきた奈緒子は、家族に受け入れられるどころか唯一の居場所さえなくす。

深く傷つき妊娠していた奈緒子に、検査から堕胎までを担当した女医は何度も何度も繰り返し「大丈夫」と声をかけ、強く抱きしめる。暖かな湯のような存在の女医が冷え切った奈緒子の心を癒し、彼女も医者になろうと決意させる。

甘い鞭のあらすじ【承】

15年後、岬奈緒子は不妊治療を専門とする女医として活躍している。しかし、どれだけの時間が経ち、人々から忘れ去られようとも、奈緒子の中からあの事件が消えることはない。末期がんを患いホスピスに入っている母親も、片時も忘れさせないかのように奈緒子に会いに来るよう電話を寄越す。会いに行くたびに奈緒子がどれだけ自分を憎んでいるかと愚痴る母親。事件後奈緒子が立ち直ろうとも、それまで存在して幸せな家族は二度と戻ってくることはなかった。

母親の病室で奈緒子は着替えをする。勤務医とは別の夜の仕事。SMクラブでのM嬢の仕事。真っ黒な衣装に派手な化粧を施した奈緒子は「セリカ」に変身する。クラブのオーナー木下景子が所有している廃倉庫に車を走らせ、今宵も指名してくる客の前で四つん這いになり鞭で打たれる。客の要望に従って体を縛られM字開脚につるし上げられる。

脳裏に浮かぶのは、激しく抵抗し逃げようとする奈緒子を縛り、天井から吊るしあげる藤田赳夫。どれだけ奈緒子が泣き、許しを請おうとも藤田はズボンのベルトを奈緒子に向って振り下ろす。最後には泣きながら奈緒子に謝罪し、藤田はいつも一方的な愛を告げる。

甘い鞭のあらすじ【転】

2夜続けてセリカにM嬢の仕事が入る。上得意の醍醐はオーナーでS嬢の木下景子をベッドに縛り付けると、セリカに鞭を渡し木下景子をいたぶるように命じる。初めて経験する痛みを必死にこらえる木下景子を見て、セリカの中に17歳の奈緒子がよみがえる。

地下室で常に裸で過ごし、過度のストレスと度重なる性交渉により熱を出した奈緒子。そんな彼女を必死に看病する藤田。弱々しくベッドに横たわる奈緒子に、藤田は両親が亡くなって10年、一人寂しかった身の上を語る。しかし、奈緒子にとってそんな話はどうでもよく、彼女の脳裏には常にいつ殺されるのかという恐怖が支配していた。奈緒子は藤田が食べさせたリンゴをわざと吐き出し、吐しゃ物を片付ける藤田の目を盗んで果物ナイフをベッドマットにそっと隠す。

過去の自分が木下景子に重なり、セリカは一心不乱に鞭を振り下ろし続ける。やめてと叫び声をあげる木下景子を見ていると、セリカの口の中に奇妙な味が広がる。それは15年前に感じた甘い味を彷彿とさせるが、奈緒子が求めているものとは違っていた。

甘い鞭のあらすじ【結】

醍醐とのSMプレイを終わらせた木下景子から、3夜連続だが指名が入っていると告げられる。真性のサディスト、神山という男。SMクラブに入ってから2年、15年前に感じた甘い味の記憶を思い出したいと思っていた彼女は、その男に会えば思い出せるかもしれないと期待に胸を膨らませる。

神山は初めて会った奈緒子に、「お前を殺す」と告げる。SMクラブは安全が保障されたうえで行われるプレイ。だが神山はSMクラブの契約を無視してセリカの首を締め上げ、ナイフで衣服を破り捨てると一番痛みを伴う鞭でセリカの白い肌を傷つける。セリカの脳裏には「殺される」という恐怖がめぐり、神山からは見えないように隠しながらナイフを手に取り、セリカを犯してと腰を振り誘う。興奮してセリカの上にまたがる神山。

激しい痛みは、果物ナイフの紛失に気付き奈緒子をベルトで痛めつける藤田と重なる。17歳の奈緒子の身体中に夥しい数の傷跡ができる。ベッドマットに隠していたナイフをバスローブに忍ばせた奈緒子は、血液で汚れたシーツや部屋を掃除するために戻ってくる藤田を待つ。戻ってきた藤田に、忍ばせていた果物ナイフを勢いよく突き刺す。2人で一緒に過ごしたいと言い息絶えた藤田をベッドまで引きずり、奈緒子は彼が一緒に踊りたいと言っていたワルツを流してあげた。

セリカは神山の腹部に何度も何度も憎しみを込めてナイフを突き立てる。息絶えた神山からナイフを抜き、手についた神山の血をそっと舐める。よみがえるあの甘い味。セリカと神山の異変に気付いた木下景子と用心棒の鳴海が駆けつける。セリカの目にはあの日自分を拒否した母と父が映し出される。「怒らないで」と母に許しを請いながら、抱きしめようとする母と父にナイフを突き刺す。足元に倒れた木下景子と鳴海の死体。

セリカはゆっくりと歩きだし、目の前にもう1人いた17歳の自分にナイフを振り上げる。そのとき背後からそっと白い手が伸びてきて、自らを傷つけようとするセリカを制止した。

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