映画『アナーキー(2014)』の概要:相思相愛だったポステュマスとイノジェン。彼らは互いに永遠の愛を誓い合った。しかし、二人の仲は周囲の人たちの企みによって引き裂かれてしまう。それでも相手のことを思い続ける二人だったが……。
映画『アナーキー』の作品情報
上映時間:98分
ジャンル:サスペンス、フィルムノワール
監督:マイケル・アルメレイダ
キャスト:イーサン・ホーク、エド・ハリス、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジョン・レグイザモ etc
映画『アナーキー』の登場人物(キャスト)
- ヤーキモー(イーサン・ホーク)
- ポステュマスの前に現れた男。恋人の愛を信じるポステュマスに、彼女が本当に愛を貫くか賭けようと持ちかける。
- シンベリン(エド・ハリス)
- 麻薬王。警察に賄賂を渡すことで、捕まらずに現在の地位を築いてこられた。クイーンを溺愛するようになってから、彼の人生は狂いだす。
- クイーン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)
- シンベリンの後妻。金を目当てに彼と付き合う。
- ポステュマス(ペン・バッジリー)
- シンベリンのファミリーに所属し、イノジェンと相思相愛の関係にあったが、クイーンの息子とポステュマスを結婚させたいと思うシンベリンによって、仲を引き裂かれてしまう。
- イノジェン(ダコタ・ジョンソン)
- シンベリンの娘。イノジェンとの恋仲にある。
映画『アナーキー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アナーキー』のあらすじ【起】
自転車に乗って夜の運動場で逢引するポステュマスとイノジェン。二人は別れを予感しながら愛を誓う。そこにシンベリンが現れ、ポステュマスを脅して追い払う。二人の仲を引き裂かれたポステュマスは悲しみに暮れる。助手席に乗っていたクイーンはイノジェンに心を開いて欲しいと訴えるが、イノジェンはそれを無視する。
ポステュマスは自分のアジトにやってきたヤーキモーにイノジェンの貞淑さを自慢する。そんな女はいないと言い切るヤーキモーは、それだけ自信があるのなら、イノジェンの貞操を賭けてみようじゃないかとポステュマスに提案する。イノジェンを信じているポステュマスはそれに応じた。
賄賂のダイヤを支払うため、警察署にやってきたシンベリンは、これを最後に自由にしろと訴える。シンベリンは警察に賄賂を支払うことで、これまで捕まらずに麻薬王としての地位を築き上げてきた。そんな彼が長く続いていた警察との関係を変えようとしたのは、クイーンによる入れ知恵だった。しかし、警官は賄賂の継続を要求してきた。シンベリンは頷いてその場を後にしたが、それは建前だった。
映画『アナーキー』のあらすじ【承】
ポステュマスの代理人としてイノジェンに近づいたヤーキモーは、ポステュマスが浮気している現場を押さえたと彼女に告げる。そして、優しい言葉で落ち込むイノジェンを励まし、誘惑しようとする。しかし、イノジェンはヤーキモーにはなびかなかった。ヤーキモーは作戦を変え、あえて真実を打ち明け、イノジェンの誠実さを賞賛する。そうして、彼女の警戒心を解いたヤーキモーは、一晩預かって欲しい荷物があると言い、その場を後にした。
自分たちとの関係を変えようとするシンベリンへの見せしめに、警察は彼の手下を捕まえ、拷問にかけていた。部下がシンベリンの手下を暴行する脇でダイヤを換金して得た金を数える警官。一方、シンベリンの他の手下は町をパトロール中の警官を襲撃した。
荷物として屋敷に潜り込んだヤーキモーは、眠っているイノジェンとのツーショットを撮ったり、身体的特徴を記録していった。それを証拠として持ち帰り、ヤーキモーはポステュマスの前で勝ち誇った。イノジェンに裏切られたと思い込んだポステュマスは、彼女に復讐することを決意する。
映画『アナーキー』のあらすじ【転】
かつてシンベリンの部下として働いていたが、警察のスパイとして嫌疑をかけられ、組織を追われた男がいた。彼は組織を逃げ出す直前、腹癒せにシンベリンの二人の息子を奪い、自分の子として育てていた。人里離れた場所でひっそりと暮らす三人。
恋人を呼び出し、部下に殺すよう指示したポステュマス。しかし、ポステュマスの部下は彼女を殺さず、自分がポステュマスから受けた命令を白状した。彼に疑われるくらいなら死ぬと言い出すイノジェンをポステュマスの部下は制止し、ポステュマスは誰かに嘘を吹き込まれたに違いないと自身の見解を語る。身の潔白を証明するために犯人探しをするよう促すポステュマスの部下。イノジェンは疑いを払拭する決意をした。
屋敷では、クイーンの息子が、イノジェンが家を出たことに気づいた。ポステュマスの元に向かったのだろうと考えたクイーンの息子は、どうあっても自分になびかないイノジェンを辱めてやろうと計画する。先回りをしてポステュマスを先に殺し、彼に変装して一喜一憂させてやる。そう考えたクイーンの息子は、ポステュマスの元部下に、彼が着ていた服を用意させ、それを着込んでイノジェンの後を追った。
映画『アナーキー』の結末・ラスト(ネタバレ)
独り、自分を陥れた者を探すイノジェン。食料を求めて忍び込んだ小屋で彼女は、シンベリンの元部下、そして、連れ去られたシンベリンの息子たちと遭遇する。相手の素性を知らないシンベリンの元部下は夜もふけるからと、彼女を家に泊めた。
明くる日、シンベリンの元部下たちは家の近くにクイーンの息子がやって来たのを見つけた。彼らは追い払うだけのつもりだったが、誤ってその息子を殺してしまう。それから小屋に戻ると、イノジェンがポステュマスの部下から貰った薬を飲んで死んでいた。シンベリンの元部下たちは、殺してしまったクイーンの息子と共に彼女を埋葬する。
死んだはずのイノジェンが蘇った。彼女は傍に麻袋に詰められた遺体を見つけた。首のないその遺体はポステュマスの服を着ていたため、イノジェンは彼が死んだと誤解する。悲しみに暮れていると遺棄されたクイーンの息子の首を頼りに捜査していた警官に救われる。警察車両に乗って自宅に戻る途中、彼女はシンベリンと警官たちの抗争現場を目撃する。彼女が町を離れていた間に、両者の争いは激化していたのだ。シンベリンは警官を捕らえ、勝利宣言をした。そこにはポステュマスの姿もあった。彼は一時の怒りに身を任せ、イノジェンを殺してしまったと思い込んでおり、その罪滅ぼしのためシンベリンに処刑してもらおうとやって来たのだった。ポステュマスの姿を見つけたイノジェンは彼に駆け寄る。事実を知った二人は互いに抱き合った。そこに、クイーンが自殺したという知らせが医者からもたらされる。報道で息子の死を知り、後を追ったというのだ。クイーンは死に際に、シンベリンとは金目当てで結ばれ、そこに愛はないということ。イノジェンに渡した薬は劇薬で、遺産を独り占めするために彼女を殺そうとしていたことを白状した。医者はそこに補足した。クイーンは自分に劇薬の調達を依頼してきた。誰かを殺すつもりだと見抜いた自分が、劇薬を仮死薬に摩り替えたと。
全ては、クイーンの企みから始まっていた。その誤解が解けたとき、シンベリンは警察との取引を再開することを約束し、平和が戻ったと宣言した。
映画『アナーキー』の感想・評価・レビュー
見始めてすぐ感じた、すごく舞台っぽい長セリフに、俳優たちの独特の演技っぽさ。気になって調べてみたところ、シェイクスピアの戯曲『シンベリン』を現代風のクライムサスペンスに映画化した作品だそう。納得はしましたが、もう少し舞台っぽさを無くしてアレンジしてもよかったのでは?と感じてしまいました。
ミラ・ジョヴォヴィッチにイーサン・ホーク、エド・ハリスに大好きなジョン・レグイザモ。豪華な俳優陣にわくわくしましたが、ストーリーはそれほどでした。これなら舞台をしっかり見る方がいいかなと感じます。(女性 30代)
シェイクスピア原作に気づいてから観る人いますかね。シェイクスピアの知識があればまだ楽しめたかもしれません。観始めてから不思議なセリフに違和感を覚え、終始気になってしょうがないです。設定はシェイクスピアっぽいのですが、現代版としての表現としては間違っていると思います。アクションがすっからかんなことにも驚きです。イーサン・ホークなど豪華なキャストが揃っているのも、作品の完成度と反比例していて違和感です。(男性 20代)
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