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映画『アナザヘヴン』あらすじとネタバレ感想

この記事では、映画『アナザヘヴン』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アナザヘヴン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『アナザヘヴン』の結末までのストーリー
  • 『アナザヘヴン』を見た感想・レビュー
  • 『アナザヘヴン』を見た人におすすめの映画5選

映画『アナザヘヴン』 作品情報

アナザヘヴン

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:131分
  • ジャンル:SF、ホラー
  • 監督:飯田譲治
  • キャスト:江口洋介、市川実和子、原田芳雄、柏原崇 etc

映画『アナザヘヴン』 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『アナザヘヴン』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『アナザヘヴン』のあらすじを紹介します。

遺体から脳を取り出し、料理して現場に残すという、異常な猟奇殺人事件が立て続けに起こる。
ひとりの目撃者の証言と似顔絵から、女子大生の柏木千鶴が犯人として浮上する。
奇妙なことに、行方不明者のリストの中に彼女の名前があり、殺害方法は怪力でないと不可能だった。
とあるマンションの一室で柏木千鶴が発見されるが、彼女には脳が無かった。
やがて彼女は命を落し、事件は解決と思われた。
だが、柏木千鶴の犯行に疑いを抱く刑事、早瀬マナブは、かつて関わった事件の関係者で勘の鋭い朝子と、犯人像について考えをめぐらせる。

柏木千鶴の最後の現場で生き残った男性、木村敦は、柏木千鶴と同じ犯行を始める。
犯人は人間の脳に入り込む異質な存在だと考えるマナブ。
そして、その異質な存在”ナニカ”は、マナブに目をつける。
彼は先輩刑事の飛鷹と共に木村を追い詰めるが、双方怪我を負い、木村には逃げられてしまう。

”ナニカ”は警察病院勤務の女医、笹本に入り込み、警察署で暴れた後、マナブに会いに来た朝子の中に入り込む。
飛鷹を振り切り朝子の元に向かうマナブと、飛鷹に力を貸す、犯罪マニアで飛鷹とマナブのファンだという青年。
朝子と再会したマナブだったが、やがて朝子も”ナニカ”に侵食され始める。
そして朝子の口から明らかになる”ナニカ”の正体。

そして多くの犠牲を払って、事件は幕を下ろした。

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映画『アナザヘヴン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『アナザヘヴン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

グロテスクな印象だけの作品

猟奇事件の犯人は未来からやってきた水だった、という設定は面白いものの、料理に関しての表現がとにかくグロテスク過ぎる。
一連の事件と共に増える、脳料理レシピの会話は、悪い印象しか与えられていない。
監察医と飛鷹刑事の”今までで最も最悪だった現場”の話も、気持ち悪いだけだ。

羊たちの沈黙」シリーズのハンニバル・レクター博士をテーマにした海外ドラマ「ハンニバル」でも、人間の体を調理する設定は存在するが、標的にされる人間がグレーゾーンの犯罪者や礼儀が存在しない人間ばかりなので、どこか納得してしまうものがある。
しかし、この脳料理殺人犯の”ナニカ”には、見境なく犯行を行うため、気持ち悪さしか存在しない。
特に、柏木千鶴の時は、色仕掛けも厭わないために、更に嫌な印象のストーリーになっている。

とにかく脳料理という設定があまりにも強烈で、それ以外に印象が残らない映画になってしまっている。

”ナニカ”に脳を乗っ取られると脳腫瘍が出来るため、頭痛薬を大量に服用していた笹本女医が”ナニカ”だと朝子が確信するきっかけになっているのだが、それをマナブに連絡した後、彼女はマナブにつきまとわないと言っている。
その後すぐにマナブに会いに来るのは釈然としない印象を与え、一般人(しかも前科がある様子)の朝子が、警察署に入ってこれた説明が全く無く、ストーリーに矛盾を感じさせる。

キスシーンで話題にもなったキャスティング

公開当時、人気の高かった柏原崇を”ナニカ”に取り憑かれた殺人犯にし、江口洋介とのキスシーンは世間を驚かせた。
朝子からマナブへ乗り移ろうとする水の動き、乗っ取っている人間の限界を表す、涙のように目から流す血液など、特殊な映像は凝っていて驚くばかり。
誰に乗り移っているかわからずに、疑心暗鬼になるマナブと飛鷹の行動もよく出来ている。

飛鷹を助ける犯罪マニアの青年が飛鷹のサインを求めるなど、2人のシーンの会話は、ちぐはぐで笑える。
だが、朝子の遺体を抱えてマナブと飛鷹が燃える家を出た後、雨が降り出すというラストは、他の作品「クロスファイア」に似た印象を与え、ありきたりなイメージだ。


見ていて思わず笑ってしまうほど美しさの欠けた描写が多く、どういう意図でこの作品を作ったのか気になってしまいました。グロテスクで過激な描写をアピールしたいならとことんそれをやりきればいいのに、無駄な会話や軽はずみな行動で矛盾点を作ってしまい、台無しにしている気がしました。だからと言って脳みそを調理するシーンが雑かと言うとそうではありません。もういいよと言いたくなるほどグロテスクな描写なので途中で見るのを辞める人もいるでしょう。
どちらにしても、振り切っていない作品で中途半端な印象でした。(女性 30代)


本作は、人間ではない何者かによる死体の脳みそを取り出すという連続猟奇殺人事件と事件を追う2人の刑事の行く末を描いたSFサスペンスホラー作品。
昭和時代を感じる映像の雰囲気やキャストの若さに驚いた。
そして、スリリングでサイコパスなストーリー、後半で急展開を迎えるところ、それだけでなく、見えない「何か」の正体を想像しながら観れて臨場感を感じられた。
タイトルの意味の捉え方も人それぞれ違った解釈ができるところも興味深い。(女性 20代)


独特な世界観とグロテスクな描写が癖になる一本でした。脳を食らう存在が乗り移るという設定が新鮮で、誰が犯人なのか疑心暗鬼になるサスペンス感がたまらなかったです。特に、香苗の豹変ぶりには鳥肌。終盤、愛を問う展開に突き進むのも意外で、単なるホラーに終わらない深みを感じました。(30代 男性)


社会派サスペンスかと思いきや、後半から一気に超常現象に振り切る展開に驚かされました。香苗が実は「それ」に憑依されていたと明かされるシーンは、衝撃的で切なかったです。人間の欲望と愛の危うさを描き切った作品。もう少し尺をとって深堀りしてほしかったけど、好きな一本です。(40代 女性)


最初はよくある刑事ドラマだと思って見ていたら、途中から完全に異次元のホラーになってびっくりしました。脳を媒介にして乗っ取るという設定は斬新で、サイコホラー好きにはたまらない内容。香苗のキャラが魅力的だったので、終盤の悲劇は本当にきつかったです。(20代 男性)


ホラー・サスペンス・ラブストーリーが絶妙にミックスされた独特な作品でした。市川実日子さん演じる香苗の透明感と狂気が素晴らしく、彼女に感情移入してしまう自分に驚きました。欲望と愛が裏表であることを見せつけられる、異色のラストも印象的です。(50代 女性)


後半からグロ描写がどんどん加速して、最初の印象と全然違う世界に引き込まれました。脳を乗っ取る異形の存在という設定は、厨二心を刺激される感じで面白かったです。ただ単に怖いだけじゃなく、人間の心の弱さに切り込んでいるところが深いです。(30代 女性)


ミステリーを装った異色のホラー映画でした!最初は理詰めで事件を追う刑事たちのドラマだと思ったのに、香苗が覚醒するあたりから一気にカオスに。愛や欲望をテーマにしていて、単純な善悪では語れない後味がクセになりました。(10代 男性)


時代を感じる演出もありつつ、テーマ自体は今見ても十分通用する内容でした。誰もが持つ心の隙間を突く存在「それ」が恐ろしく、人間の弱さにフォーカスしている点がリアル。香苗をめぐる愛憎劇に飲み込まれるような感覚を味わいました。(60代 男性)


「愛とは何か」という重たいテーマを、ホラー仕立てで描き切った珍しい作品でした。香苗の最後の叫びには思わず胸が締め付けられました。怖いのに切ない、不気味なのに美しい。そういう相反する感情を呼び起こす、稀有な映画だと思います。(20代 女性)

映画『アナザヘヴン』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アナザヘヴン』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

CURE

この映画を一言で表すと?

あなたの心に潜む闇を暴き出す、究極の心理サスペンス。

どんな話?

不可解な連続猟奇殺人事件を追う刑事・高部が、催眠術によって操られた犯人たちの存在に辿り着きます。記憶の断片や心の隙間を突かれる恐怖がリアルで、観る者の精神を徐々に追い詰める、黒沢清監督の傑作ホラーサスペンスです。

ここがおすすめ!

説明を極力排除した静かな恐怖演出と、徐々に心を侵されていく感覚がクセになります。心理描写の深さは圧巻で、観終わった後もしばらく不安が残るほど。『アナザヘヴン』の不穏な空気感が好きな人には間違いなく刺さります!

感染

この映画を一言で表すと?

病院という閉鎖空間で起こる、恐怖と絶望の連鎖。

どんな話?

経営難に苦しむ病院で、謎の感染症患者を受け入れたことから起こる不可解な現象。医師たちが一人また一人と狂気に飲み込まれていきます。見えない「恐怖」がじわじわと追い詰めてくる、極限のサイコホラーです。

ここがおすすめ!

派手な演出は少ないものの、じわじわと精神を侵食していく不安感がたまりません。閉鎖された空間と緊張感、そして人間の弱さが浮き彫りになる構成は、『アナザヘヴン』が好きな方にはたまらないはずです。

羊たちの沈黙

この映画を一言で表すと?

知能犯とFBI訓練生の緊迫した心理戦が織りなすサイコスリラーの金字塔!

どんな話?

若きFBI訓練生クラリスが、猟奇殺人鬼バッファロー・ビルを追うため、収監中の天才精神科医であり殺人鬼のハンニバル・レクターに協力を求めます。2人の駆け引きと、犯罪捜査の裏に潜む人間の心理描写が圧巻のサスペンス映画です。

ここがおすすめ!

キャラクター同士の濃密な心理戦が極上のスリルを生み出します。レクター博士のカリスマ的存在感とクラリスの成長が見事に交錯し、最後まで目が離せません。知的でスリリングなサスペンスを求める方に超おすすめ!

スプリット

この映画を一言で表すと?

23人の人格を持つ男が引き起こす、緊張と恐怖のサバイバル劇!

どんな話?

女子高生3人が誘拐され監禁された先に現れたのは、23もの人格を持つ男ケヴィン。彼らは「24番目の人格」の誕生に翻弄されながら、脱出を試みます。M・ナイト・シャマラン監督が放つ、予測不能のサイコスリラーです。

ここがおすすめ!

ジェームズ・マカヴォイの圧巻の一人多役演技が最大の見どころ。スリリングな展開に息を呑みつつ、人間の心の闇とサバイバル本能を描く構成も秀逸です。『アナザヘヴン』のような異常心理を扱った作品が好きなら絶対に楽しめます!

パラサイト 半地下の家族

この映画を一言で表すと?

格差社会の歪みが招く、ブラックユーモアと恐怖の傑作!

どんな話?

半地下で暮らす貧困一家が、裕福な家族に次々と寄生していく過程を描きながら、やがて制御不能な悲劇へと突き進む物語。笑いと緊張感が絶妙に交錯し、社会の暗部をえぐり出す韓国映画の金字塔です。

ここがおすすめ!

表面的なコメディタッチから一転、後半に向けて加速する緊迫感と不穏さが圧巻。ジャンルを超えたスリリングな展開に心を鷲掴みにされます。人間の欲望や破滅を描いた物語が好きな方には絶対に刺さる一本です!

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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