映画『アンチヴァイラル』の概要:近未来、セレブがかかった病気のウイルスに感染することが大流行している。ある有名女優を崇拝しているシドは、彼女のウイルスを体内に取り込んだことから奇病を発症する。現代のセレブ信仰に警鐘を鳴らす、ディストピアSF。
映画『アンチヴァイラル』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:SF、ミステリー
監督:ブランドン・クローネンバーグ
キャスト:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、サラ・ガドン、マルコム・マクダウェル、ダグラス・スミス etc
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映画『アンチヴァイラル』の登場人物(キャスト)
- シド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)
- 病気にかかったセレブのウイルスを取り扱う企業『ルーカス・クリニック』の社員。女優ハンナ・ガイストを崇拝しており、ハンナとの一体感を味わうため、ハンナのウイルスを摂取している。自社商品のウイルスを違法に改造し、闇ルートに売っている。
- ハンナ・ガイスト(サラ・ガドン)
- 世界中で有名なセレブの美人女優。ルーカス・クリニックと独占契約を結び、自身のウイルスや細胞の検体を提供している。
- アベントロス(マルコム・マクダウェル)
- ハンナの主治医。ハンナが発症した正体不明の病気の原因を探る。自身もセレブ信仰者。
- アービッド(ジョー・ピングー)
- セレブの細胞から作られた培養肉を販売する精肉店の店主。シドから非合法のウイルスを買っている。
- レビン(ジェームス・ケイド)
- アービッドの知人。裏社会で非合法な商売をしている。シドが、ハンナの新しいウイルスについて秘密を握っていると気付く。
- デレク(レイド・モーガン)
- シドの同僚。ハンナのウイルス採取を担当している。ルーカス・クリニックから盗み出した端末で違法なウイルスを作り、横流ししている。
- ドリアン(ニコラス・キャンベル)
- ルーカス・クリニックの社長。大衆のセレブ信仰心理を利用してビジネスにしている。
- ミナ(ウェンディ・クルーソン)
- ルーカス・クリニックのライバル社『タッセル』の女性社長。
- ポートランド(ジョージ・チョルコフ)
- ハンナの夫。ハンナの死の真相を告げるため、シドに接近する。
映画『アンチヴァイラル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アンチヴァイラル』のあらすじ【起】
近未来、セレブ信仰が過剰化しており、人々の間では、セレブの体から採取されたウイルスに感染することが流行している。ウイルスの管理と販売を行っている企業『ルーカス・クリニック』では、客にセレブのウイルスを注射で打って提供している。
ルーカス・クリニックの社員シドは、ウイルスを求めてやってくる客達をカウンセリングし、各々に適したウイルスを与えている。ある日、シドは、有名女優ハンナ・ガイストのウイルスを求めてやってきた男性を担当し、ハンナが発症したヘルペスウイルスを男性に注射する。
ルーカス社では、ウイルスの性質を人間の顔にイメージ化する端末を開発しており、社長のドリアンは、シドに端末の管理を任せている。この端末でウイルスのイメージを加工すると、ウイルスの遺伝子情報を自由に設計することができる。
シドは、非合法の端末を自宅に隠し持っており、自分の体に取り込んだウイルスを使って違法ウイルスを作り出し、闇ルートに流している。ある時、シドは、セレブの代表格アリア・ノーブルのウイルスを客に注射した後に、隠れて自分にも打ち、自宅で新たなウイルスのサンプルを作る。
シドは、過剰なウイルス摂取が原因で、慢性的な体調不良に陥っている。毎朝、シドは複数の薬を服用し、不健康な食事をする。連日、テレビではセレブ信仰の危険性についての討論が報道されている。
映画『アンチヴァイラル』のあらすじ【承】
世間では、セレブの細胞から作られたクローン肉が一般的な食品として売られている。ある日、シドは精肉店オーナーのアービッドを訪れ、新しく作ったサンプルを売ろうとするが、アリアの新しいウイルスは既に出回っているため断られる。
数日後、シドの同僚のデレクが違法ウイルスを製造した罪で逮捕され、シドはデレクの仕事を受け継ぐ。デレクは、ハンナのウイルス採取を担当していた。ハンナが新たに病気のかかったため、シドは、ウイルスを採取するためにハンナに会いに行く。
シドはハンナが宿泊しているホテルに行き、ベッドに横たわっているハンナから速やかに採血する。その後、シドはトイレに駆け込み、ハンナの血液を自分に注射器で打つ。
シドの体調は一層悪化し、ある日、客の対応中に気分が悪くなって早退する。シドが自宅の端末で自分の血液を調べると、今までに見たことのないウイルスが検出される。突如、シドは自分の体が端末と一緒になっている幻覚に襲われて気絶する。
翌朝、目覚めたシドは、端末が故障していることに気付く。シドは、自宅のアパートの管理人室のテレビを見て、ハンナが謎の奇病にかかって突然死したことを知る。
映画『アンチヴァイラル』のあらすじ【転】
ハンナの死は大々的に報じられ、人々はハンナのクローン肉を求めて精肉店に殺到している。シドはアービッドに、端末の修理部品を取り扱う業者を紹介するように頼む。アービッドはシドに、ハンナの最後のウイルスを提供するよう要求するが、シドはしらばっくれる。
数日後、シドはアービッドから、闇社会の商人のレビンを紹介される。シドがレビンに端末の部品を依頼すると、レビンはハンナのウイルスを提供するよう、シドに交換条件を出す。シドが断ると、レビンの仲間はシドを殴って気絶させる。
シドがハンナのウイルスを盗んだことを知っていたアービッドとレビンは、拘束したシドから大量に採血し、皮膚組織の一部を採取する。
気絶したシドは、アービッド達に路上に放り出される。目覚めたシドがカフェで休んでいるところへ、ハンナの夫だと名乗るポートランドともう一人の男がやってくる。シドは、ポートランド達の車に乗せられ、森の奥の屋敷へ連れていかれる。
シドは、ハンナの主治医アベントロスから、ハンナがかかった奇病のウイルスは、ハンナだけが感染するように、何者かがハンナの古いウイルスを作り変えたものであったことを知る。
シドは、口から血を流しながらベッドで臥せっているハンナに会う。ハンナの死亡は、パニックを避けるためのカモフラージュであった。ハンナは、同じ病気に感染しているシドに、二人とも死期が近いことを打ち明ける。
ハンナのマネージャーは、ルーカス社内にいるハンナの奇病のウイルスを作った犯人を暴くよう、シドに依頼する。
映画『アンチヴァイラル』の結末・ラスト(ネタバレ)
シドは、ルーカス社の社員記録を調べ、以前にデレクがハンナの古いウイルスを持ち出していたことに気付く。シドはデレクとも取引していたアービッドに会い、デレクが裏で何をしていたか聞き出そうとするが、アービッドに暴力を振るわれて追い返される。
シドはデレクの自宅に侵入し、隠されていた端末から、改造されたハンナのウイルスを発見する。シドが帰宅すると、ポートランドからシド宛に、端末の修理部品が届いている。
シドは再び屋敷へ行き、アベントロスの診察を受ける。アベントロスは、ルーカス社のライバルであるテッサー社が、ハンナを殺害したウイルスで特許を取り、商品化しようとしているという情報を得ている。
帰宅したシドは、レビンの手下達に捕らえられ、真っ白な部屋に監禁される。タッセル社は、ハンナの死因のウイルスを商品化しようと企んでいる。タッセル社のスパイであるレビンは、ウイルス研究のため、何日もかけてシドから大量に採血する。
ある日、シドは採血に来たレビンに襲いかかり、その隙に部屋から逃げ出す。シドは、タッセル社の社長ミナとコンタクトを取る。シドは、ハンナが実はまだ存命で、ハンナからウイルスを直接に採取することが可能であることを、ミナに打ち明ける。シドは、その代わりとして、タッセル社での雇用をミナに要求する。
ミナはシドと共に、ハンナの細胞を利用してハンナの肉体そのものを作る装置を開発する。装置の中には、永久保存されたハンナの醜い死体が収められている。シドは、ハンナの肉体とずっと一緒にいられることに至福を感じている。
映画『アンチヴァイラル』の感想・評価・レビュー
主人公のシドは、あまり表に感情を出さない性格で、視聴者が見られる彼の内面描写も限られていたため、シドが何をしたいのかは、結末まで見ないと分からないと言えるだろう。私は見ている間、シドが何をしたいのか、あまり分かっていなかったのだが、結末を見てやっと彼の気持ちを知れたような気がする。
シドはラストシーンで、誰にも邪魔をされないように、部屋に鍵をかけ、ハンナと二人きりになった後、彼女の肉体から流れる血を一人で飲み始める。これはおそらくシドの独占欲であり、シドからハンナへの愛情なのだろう。つまり、シドの一番の願望はハンナの独占であり、この結末は彼にとってはハッピーエンドだったのかもしれない。(女性 20代)
セレブに憧れを持った主人公が、セレブの血から採取したウイルスを自分の体内に取り込むことで、憧れのセレブと自分が一つになれるという異常な思考を持つ様子を描いたSFミステリー。
全体的に白を基調としていて、鮮血の赤色が際立って綺麗だった。
それに加えて主人公シドの病的なビジュアルが、より一層作品の世界観を深めていて、不穏な雰囲気から高い芸術性を感じた。
特にセレブの腕に切り込みを入れて血を吸うシーンは、狂気じみていながらも美しく感じた。(女性 20代)
「流行」って怖いですよね。思いもしなかったものが急に流行りだしたり、昨日まで大人気だったものが急に嫌われたり。この作品ではセレブのウイルスを体内に入れることが流行になっているそう。かなり面白そうな設定にわくわくします。
主演はケイレブ・ランドリー・ジョー。彼の独特の雰囲気が大好きなんです。色白でどこか影があるような謎を感じる役が本当に似合います。
期待値が高すぎたせいか、ラストまで物足りないまま終わってしまいました。1度見れば十分かなという作品です。(女性 30代)
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