この記事では、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』の作品情報
上映時間:124分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ロバート・レッドフォード
キャスト:ブラッド・ピット、クレイグ・シェイファー、トム・スケリット、ブレンダ・ブレシン etc
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』の登場人物(キャスト)
- ノーマン・マクレーン(幼少期:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット / 青年期:クレイグ・シェイファー / 老年期:アーノルド・リチャードソン)
- モンタナ州ミズーラ出身の青年。幼い頃から文章を書くことが好きで、父親から作文の指導を受けて育った。誠実かつ生真面目で、弟から『教授面』とからかわれているが、見かけによらず実は腕っぷしが強い。弟と同じく、釣りを愛している。
- ポール・マクレーン(幼少期:ヴァン・グラベージ / 青年期:ブラッド・ピット)
- ノーマンの弟。兄と共に、小さい頃から父親から釣りを教えられてきた。天才的な釣りの技能をもっている。陽気で無鉄砲な好青年で、周囲の人々を明るい気分にさせる。次第に賭けにのめり込んでいく。
- マクレーン牧師(トム・スケリット)
- ノーマンとポールの父親。長老会派の牧師。キリスト教の教義と釣りの精神性を息子たちに説く。厳格だが、穏やかで深い慈愛に満ちている。
- マクレーン夫人(ブレンダ・ブレッシン)
- ノーマンとポールの母親。家族思いの心優しく控えめな女性。
- ジェシー・バーンズ(エミリー・ロイド)
- ノーマンの恋人。モンタナ州ハンナで一番の雑貨屋の娘。朗らかで勇敢。思ったことをはっきり口にする。
- ニール・バーンズ(ステファン・シェレン)
- ジェシーの兄。アメリカ西海岸の大学に通っている。横柄なナルシスト。
- ローハイド(スーザン・トレイラー)
- 10年前の美人コンテストの優勝者。現在は酒浸りの日々を送っている。
- メイベル(ニコール・バーデット)
- ポールのかつての恋人。インディアンの若い情熱的な女性。
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のあらすじ【起】
1910年代、モンタナ州ミズーラ。ノーマンとポールの兄弟は、父親のマクレーン牧師から、キリスト教長老派の教えと、釣りの技法を教えられる。マクレーンは、釣りは神聖な行為だと息子達に説く。
幼い頃から、ノーマンとポールの性格は正反対である。ノーマンは落ち着いており、文章を書くことを好むが、ポールは明るくいたずら好きである。マクレーンは、午前中は二人に勉強させるが、午後は自由時間としており、ノーマン達は、毎日、川へ釣りに出かけている。
第一次世界大戦後、各地で人手不足となり、16歳になったノーマンは材木局で働き始め、ポールはプールの監視員をしながら、毎夕、釣りをしている。
ある日、ノーマンとポールは、町の名声を得るため、友人達とボートで滝を下ろうと計画する。激しい急流を前に友人達は怖気付くが、ノーマンとポールは二人で挑戦し、無事に滝を下る。マクレーンは、帰宅した二人を叱り、盗んだボートを弁償するよう言い付ける。ノーマンは父に何も言い返さずに従うが、ポールは自分が悪いと言ってノーマンを庇おうとする。
翌朝、何も気に留めていないポールがノーマンに悪戯をしたことがきっかけで、二人は人生で一回きりの兄弟喧嘩をする。仲直りした二人は、いつものように釣りをする。

映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のあらすじ【承】
ポールは、類まれなる釣りの才能を開花させる。ノーマンはダートマス大学の寮に入り、ほとんど帰省せずに6年間を過ごす。学生生活の中で、ノーマンは人に教える楽しみを見出す。ポールは、釣りを続けながら地元の大学に通い、卒業後はモンタナ州ヘレナの新聞社に入社する。
6年後、卒業したノーマンは、将来の目標をはっきりと定められないまま故郷へ戻り、複数の大学の教職に応募する。ノーマンはヘレナの新聞社へ行ってポールに会い、再会を喜んだ二人は川へ釣りに出かける。ノーマンは、6年の間にポールが芸術的な釣りのセンスを身につけていたことに気付く。程なくして、ノーマンは、ポールが賭博に夢中になっていることを知る。
独立記念日の夜、町ではパーティーが催される。ノーマンは、パーティー会場で見かけたジェシーに一目惚れしてダンスに誘うが、曲が始まったところで花火が打ち上がり、ジェシーと離れ離れになる。後日、ノーマンはジェシーに電話をかけ、週末のデートの約束を取り付ける。
デート当日、ノーマンはジェシーと共にレストランへ行き、インディアンの女性メイベルを連れたポールと偶然会う。メイベルは白人達からあからさまな差別を受けているが、ポールは気にせずメイベルを連れ歩いている。4人は同じテーブルに着き、楽しいひと時を過ごす。ノーマンはジェシーにダンスを申し込み、二人は初めて一緒に踊る。デートの後、ノーマンは、美しい文章で綴ったラブレターをジェシーに送る。
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のあらすじ【転】
ある夜、ノーマンは警察から連絡を受け、メイベルを侮辱した男と殴り合いになって拘留されたポールを迎えに行く。ノーマンは、刑務所の所長から、ポールが賭場の常連になっており、喧嘩で何回も逮捕されていることを聞かされる。ノーマンはポールに失望し、二人の間に溝が生じる。
ジェシーの兄ニールが西海岸の大学から帰省する日、ジェシーはノーマンを家族に紹介する。ジェシーの家族に勧められ、ノーマンは次の金曜にニールと釣りに行く約束をする。ニールはノーマンを連れて密造酒を出す店へ行き、酔って近くにいたローハイドをナンパする。ノーマンは、店を出て離れてヘレナへ行き、金曜の釣りに一緒に来てくれるよう、ポールに頼む。
金曜日、泥酔状態のニールは、ローハイドを連れて約束の時間に遅れてやってくる。川辺に着くまでにニールはノーマン達とはぐれ、ローハイドと裸で日光浴を始める。ノーマンとポールは、ニールを放り出して思い思いに釣りを満喫する。
ノーマンは、真っ赤に日焼けしたニールを、ニールの車で自宅に送り届ける。ニールの様子を見たジェシーや家族は、ノーマン達の責任だと言ってノーマンを責める。足が無いノーマンは、ジェシーに家まで送ってくれるよう頼む。道の一部が川の増水のために通れなくなっており、ジェシーは、危険を顧みずに近くの線路に乗り入れて道を迂回する。ノーマンは、ジェシーの豪胆さに驚く。
別れ際、ノーマンはジェシーに想いを告白するが、ジェシーに素気無くされて落ち込む。
ある夜、久しぶりに家族四人が揃い、ノーマン達は一家団欒の夕食を楽しむ。ポールは持ち前の陽気さで場を盛り上げるが、突然に席を外して賭場へ行ってしまう。
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』の結末・ラスト(ネタバレ)
ある日、ノーマンは、シカゴ大の英文科教授への採用決定の通知を受け取る。数日後、ジェシーからノーマンに、再会を望む手紙が届く。ノーマンはジェシーに会い、シカゴ大への就職が決まったことを告げ、一緒にシカゴへ来てくれるようジェシーに申し込む。
ノーマンは、ヘレナの酒場までポールに会いに行き、ジェシーへの想いが真剣であることを語る。ノーマンの恋の成就を祝して、二人は夜中まで上機嫌で酒を飲み交わす。
酔ったポールは、ノーマンを車で町外れの賭場へ連れて行く。ポールがギャンブル客達とトラブルを起こしたため、ノーマンはポールを連れて帰ろうとするが、ポールはまだ残ろうとする。ノーマンは、ポールが賭けが原因で借金まみれになっていることを責め、ポールをその場に置いて帰ろうとする。ポールはノーマンを呼び止め、翌日にマクレーンと三人で釣りに行こうと約束を取り付ける。
翌朝、ノーマンからシカゴ大の教授職を得たことを告げられ、ポールと両親は大いに喜ぶ。その後、ノーマンとポール、マクレーンは川に釣りに行く。ノーマンはポールに、ジェシーに求婚するつもりであることを打ち明け、ポールもシカゴに来るよう誘うが、ポールはモンタナを離れる気が無いと言って断る。
ノーマンとマクレーンが岸辺で語らっている間、ポールは釣りに熱中するあまりに急流に足を取られて流される。ノーマン達が心配する中、ポールは大きな鱒を抱えて戻ってくる。ノーマンは、ポールの美しい釣り姿を眺め、ポールこそがフライ・フィッシングの寵児だと確信する。
シカゴへ発つ前日、ノーマンは警察に呼び出され、賭けのトラブルが原因で殺されたポールの遺体と対面する。ノーマンは、ポールが惨たらしく殺されたことを両親に話す。ポールの死後、両親はポールについて何も話さなくなるが、ノーマンは、彼らがポールをずっと想っていることを知っている。
年老いたノーマンは、ジェシーに先立たれた後に故郷へ戻る。ノーマンは釣りを続けながら、何があっても絶えず流れ続ける川に万感の想いを寄せる。
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ある意味、この映画によって人生が変わりました。それほどまでに影響を受けた作品です。お酒の呑み方なんかもここから教わりました。
家族愛、自然美、監督、俳優、どこを切り取っても最高のヒューマンドラマです。
フライフィッシングというものは、数ある釣りの中でも大変難しい様ですが、これを観たらきっとやりたくなります。姿がとてもかっこいいですから。(女性 20代)
モンタナの美しい自然と兄弟の成長が交錯する物語に胸を打たれました。特にラスト、ポールが破滅的な道を歩みながらも自由であろうとした姿が忘れられません。家族であっても救えないものがあるという現実に切なくなりました。映像も音楽も素晴らしいです。(20代 男性)
ブラッド・ピットの若き日の輝きが印象的で、ポールというキャラクターにぴったりでした。兄ノーマンとの対比が美しく、愛しているのに分かり合えない兄弟の距離感がリアルでした。フライフィッシングのシーンも美しく、川の流れが人生そのもののようでした。(30代 女性)
静かで美しい映画でした。特にモンタナの川の景色が息を呑むほど素晴らしかったです。ポールの破滅は悲しいですが、最後にノーマンが彼を愛していたことを受け止めるシーンに救いを感じました。ロバート・レッドフォードの語りも優しく心に沁みました。(40代 男性)
自然の美しさと人生の儚さをこれほどまでに繊細に描いた映画は少ないと思います。家族愛や兄弟愛がテーマですが、それ以上に「人は他人を完全には理解できない」という深いメッセージが心に残りました。観終わった後、じんわり涙が出ました。(50代 女性)
冒頭の穏やかな牧歌的な雰囲気から、物語が次第に切なくなっていく流れがとても自然でした。フライフィッシングを通して描かれる父と息子、兄弟の関係に、何とも言えない哀愁を感じます。ポールの最期はとても悲しいけれど、静かに胸に響きました。(10代 男性)
若い頃に見た時と、大人になってから見た時で、感じ方が全く違った作品でした。今見ると、父親の無言の愛情や、息子たちへの祈りのような眼差しがとても重く感じます。人生の不条理を受け入れるしかない、そんな切なさがこの映画には詰まっています。(30代 男性)
自然がまるで登場人物の一人のように生き生きと描かれていて、とても印象的でした。特に川の流れと家族の運命がシンクロしているようで、観ていて心が洗われる気分になりました。ブラッド・ピットの美しさと儚さも、この映画を特別なものにしていました。(20代 女性)
人生には手の届かないものがあると、静かに教えてくれる映画でした。家族を愛していても、救えないことがある。そんな無力感に涙が止まりませんでした。ナレーションが詩のように美しく、何度も聞き返したくなる作品でした。(40代 女性)
あの時代、あの土地だからこその生き方が丁寧に描かれていて、歴史映画としても楽しめました。ポールは自由を選んだのではなく、自由であるしかなかったのだと感じました。重すぎず、かといって軽くもない絶妙なバランスの名作だと思います。(50代 男性)
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』を見た人におすすめの映画5選
スタンド・バイ・ミー
この映画を一言で表すと?
少年たちの冒険と成長を描いた、永遠の青春映画。
どんな話?
1950年代、オレゴン州の田舎町を舞台に、4人の少年たちが「行方不明になった死体を探しに行く」という冒険に出る物語。道中で友情や成長、家庭環境への葛藤を体験し、彼らは少し大人になっていきます。
ここがおすすめ!
友情と喪失、成長という普遍的なテーマが胸に深く刺さります。美しい自然の風景と、少年たちの心の揺れを繊細に描く演出は、『リバー・ランズ・スルー・イット』を好きな人には間違いなく響くはずです!
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
この映画を一言で表すと?
心に傷を抱えた天才青年の再生と成長の物語。
どんな話?
天才的な数学の才能を持ちながらも自らの可能性を拒絶するウィルが、心理学者ショーンとの出会いを通して自分自身と向き合い、成長していく過程を描くヒューマンドラマです。
ここがおすすめ!
自己との葛藤や、支え合う人との絆の大切さを温かく描いています。静かだけれど深く心に届く物語が、『リバー・ランズ・スルー・イット』と同様に、観る人にじんわりとした感動を与えてくれます。
遠い空の向こうに
この映画を一言で表すと?
夢を追う少年たちのまっすぐな情熱が胸を打つ感動作。
どんな話?
炭鉱町で暮らす少年ホーマーは、ソ連の人工衛星スプートニクを見て宇宙への夢を抱きます。逆境に負けず、ロケットを作ることに挑戦する彼と仲間たちの奮闘と成長を描いた、実話をもとにした物語です。
ここがおすすめ!
地方の自然と少年たちの純粋な情熱が見事に描かれており、夢を諦めないことの大切さを実感できます。自然と人間模様を丁寧に映し出すこの作品は、『リバー・ランズ・スルー・イット』が好きな人にピッタリです。
ツリー・オブ・ライフ
この映画を一言で表すと?
生命の奇跡と家族の絆を圧倒的な映像美で描く叙事詩。
どんな話?
1950年代のアメリカ南部を舞台に、厳格な父と優しい母のもとで成長する少年の視点から、家族愛、失われたもの、そして人生そのものを壮大なスケールで描きます。映像と音楽による詩的な体験が待っています。
ここがおすすめ!
壮大な自然描写と繊細な家族の物語が心に深く染み渡ります。映像表現が非常に詩的で、観る者にさまざまな解釈を許す奥行きも。自然と人間の営みを描く『リバー・ランズ・スルー・イット』に感動した方には必見です!
マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
この映画を一言で表すと?
喪失と成長を、温かくユーモラスに描いた北欧の名作。
どんな話?
1950年代のスウェーデン、病弱な母と暮らす少年イングマルは、家庭の事情で田舎に預けられます。そこでの新たな出会いや体験を通じて、少しずつ成長していく姿を描いた、優しくも切ない物語です。
ここがおすすめ!
シンプルだけど力強い成長の物語に、笑いと涙が同居しています。少年の視点で描かれる世界の美しさと残酷さが、『リバー・ランズ・スルー・イット』を愛する人の心にもきっと響くことでしょう。
みんなの感想・レビュー
It was absolutely interesting story.
I was faschinated with a strict father that was almost like my father.
モンタナ州が凄く美しく、いつか訪れたら最高です。以前オクラホマ州に住んでいました。
母親が他界後、ちょくちょくビザが切れるまで私に会いに来てくれた父親は最高でした。
男兄弟の絶妙な距離感が釣りによって表現された話。実際、性格の違う兄弟を持つ人間には胸に迫るものがある。二人の間を流れる時間は川の水と同じく過ぎていくが彼らの距離は変わらないまま。それは片方が死んでからも永遠に続いていくと思う。ブラッド・ピットの美しさが世に知られた映画でもあり、大きな鱒を抱えて笑いながら帰ってくる彼のシーンだけでも観る価値がある。構造や社会問題を意識せずにゆったりとした時間を感じるのも楽しい。