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映画『8人の女たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『8人の女たち』の概要:ある冬の朝、とある屋敷の主人の死体が発見される。その場に集まった8人の女達は、お互いに疑いを抱きながら犯人を探る。フランスを代表する女優達が一堂に会した、ミュージカル仕立てのシニカルな劇場型ミステリー。

映画『8人の女たち』の作品情報

8人の女たち

製作年:2002年
上映時間:111分
ジャンル:ミステリー、ミュージカル
監督:フランソワ・オゾン
キャスト:ダニエル・ダリュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール etc

映画『8人の女たち』の登場人物(キャスト)

ギャビー(カトリーヌ・ドヌーヴ)
殺された屋敷の主人マルセルの妻。マミーの長女で、シュゾンとカトリーヌの母親。ゴージャスで優雅な美女。高慢なところがあり、周囲に対して威丈高に振る舞う。
オーギュスティーヌ(イザベル・ユペール)
ギャビーの妹で、マミーの次女。偏屈なひねくれ者で、ギャビーにコンプレックスを抱いている。心臓が弱い。生活力が無く、姉夫婦の家に身を寄せている。
マミー(ダニエル・ダリュー)
ギャビーとオーギュスティーヌの母親。老齢のため足が弱っており、車椅子で生活している。ギャビーの家で同居している。
シュゾン(ヴィルジニー・ルドワイヤン)
ギャビーの長女。真面目な優等生タイプ。大学に通うために離れて暮らしており、久々に帰省する。
カトリーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)
ギャビーの次女。17歳。大人の世界に憧れ、周囲から子供扱いされることにうんざりしている。推理小説を愛読している。
ルイーズ(エマニュエル・ベアール)
屋敷に最近入ったメイド。ミステリアスな美貌の悪女で、今までの勤め先で雇い主と関係を持ち、家庭を破壊してきた。
ピエレット(ファニー・アルダン)
マルセルの妹。元ヌードダンサー。退廃的な色気のある美女。兄に金を無心するため、最近屋敷の近所へ越してきた。
シャネル(フィルミーヌ・リシャール)
屋敷の古参のメイド。シュゾンとカトリーヌの教育係。長年、レズビアンであることを隠してきた。
マルセル(ドミニク・ラムレ)
ギャビーの夫。シュゾンとカトリーヌの父親。大変なお人好し。本編ではセリフがなく、後ろ姿のみで登場する。

映画『8人の女たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『8人の女たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『8人の女たち』のあらすじ【起】

森の中に、古めかしい一軒の屋敷が建っている。ある冬の日の朝、シュゾンを迎えに行ったギャビーの車が屋敷の前に止まる。久しぶりに実家に帰省したシュゾンは、マミーやシャネルに出迎えられ、ルイーズと初対面する。オーギュスティーヌは久々に会う姪に嫌味を言い、カトリーヌは姉の帰還を喜ぶ。

女達は、お茶を飲みながら、屋敷の主人マルセルの人の良さを呆れながらも賛美する。ギャビーは、オーギュスティーヌが昨夜に五回もトイレに行ったことに文句を言い、オーギュスティーヌは、カトリーヌが読書する明かりが邪魔で眠れなかったと言い返す。

二階のマルセルの部屋へ朝食を運んだルイーズは、ベッドで背中を刺されて死んでいるマルセルを発見し、叫び声を上げる。カトリーヌは、警察が来るまで誰も現場を荒らさないよう、咄嗟に部屋に鍵をかける。カトリーヌから鍵を受け取り、ギャビー、オーギュスティーヌ、シュゾンはマルセルの部屋に入り、マルセルの遺体を確認する。

女達は警察に電話をかけるが、電話線が切れている。ルイーズが屋敷で飼っている犬が吠えなかったことに気付き、女達は、犯人がまだ家の中にいるか、近くにいるのではないかと考える。

ギャビーに犯人ではないかとからかわれ、腹を立てたオーギュスティーヌは部屋へ引きこもる。マミーがいきなり車椅子から立ち上がってオーギュスティーヌを追いかけたため、一同は驚く。ギャビーは、マミーが、死んだマミーの夫の株券を隠し持っていることを知っている。

シュゾンとカトリーヌは、昨夜の午前0時にマルセルにハーブティーを運んだと言うルイーズを疑う。ルイーズは、昨夜、シャネルがこの場にいないピエレットと隠れてカードゲームをしていたことを明かす。カトリーヌは、シャネルから真相を聞き出そうとするが、シャネルは何も答えない。シャネルはシュゾンに、ルイーズが悪女であることを耳打ちする。

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映画『8人の女たち』のあらすじ【承】

マミーは、昨夜、所持していた株券をマルセルに譲ろうとしたが、実は破産していたマルセルは受け取らなかった、とシュゾンに打ち明ける。いつのまにか株券が無くなっていることに気付いたマミーは、家の中の誰かが盗んだと言って騒ぎ立てる。

マミーが父親の株券を隠していたことに腹を立てたオーギュスティーヌは、ギャビーが株券を盗んだと言ってギャビーに掴みかかる。ギャビーは直接警察を呼びに行こうと外出する。皆に責められ、オーギュスティーヌは、他人に理解されない悲しみを切々と訴える。

オーギュスティーヌは、ギャビーがマルセルから金を引き出して誰かに渡そうとしていた、と皆に話す。車の配線が切られていたため、警察に行けずギャビーが帰ってくる。

ピエレットが屋敷へ入ってくる。ピエレットは、早朝にマルセルが殺されたとの匿名電話を受けて屋敷にやってきた。ピエレットは、マルセルの死を確認するためにマルセルの部屋に入ろうとするが、屋敷に来たこともないのに何故マルセルの部屋がわかるのか、と皆に疑われる。いつのまにかマルセルの部屋の鍵がすり替えられており、誰も部屋に入ることができない。

オーギュスティーヌと同じ読書クラブに入っているピエレットは、オーギュスティーヌの後に借りた本に挟まっていた、オーギュスティーヌがマルセルに宛てた手紙を皆の前で読み上げる。オーギュスティーヌがマミーの株券をマルセルに貢ごうとしていたことが、明るみに出る。

シュゾンは、シャネルがピエレットと密会していることを暴露する。シュゾンは、自分以外の7人の行動を洗い直して犯人を探るが、カトリーヌは、シュゾンが昨夜遅くにマルセルの部屋に入っていったことを明らかにして反撃する。実は妊娠しているシュゾンは、マルセルに相談するために前日に帰郷していたことを明かす。

女達は、徒歩で警察へ行こうと考えるが、大雪のために門が開けられず、敷地から出られない。

映画『8人の女たち』のあらすじ【転】

ギャビーは、婚前妊娠したシュゾンを非難する。シュゾンはピエレットから、ギャビーはマルセルと結婚した時点で他の男性の子を身籠っていたことを聞かされる。

持病の心臓病が原因でオーギュスティーヌが気絶するが、オーギュスティーヌに必要な注射薬が家中から無くなっている。シュゾンがギャビーのベッドの下から注射薬を発見し、オーギュスティーヌは一命を取り留める。

ギャビーとピエレット、シュゾンはマルセルの遺産について揉める。マルセルはまだ遺書を書いておらず、シュゾンは、マルセルは生前にシュゾンに遺産を残そうと考えていた、と
話す。ギャビーはシュゾンに、実の父親はマルセルではなく、ギャビーのかつての恋人であることを打ち明ける。ギャビーは、父親の面影を残すシュゾンを抱きしめる。

シャネルは、真夜中にマルセルを訪ねてきたピエレットを迎えたことを白状する。レズビアンのシャネルは、ピエレットを守るために嘘をついていた。ギャビーはシャネルを軽蔑する。ピエレットは、ルイーズが5年前からマルセルと関係を持っていたことを明かす。

シャネルは、真相がわかった、と叫んで外へ飛び出す。シャネルが帰ってきたと同時に銃声が鳴り響く。シャネルは倒れて死んだふりをし、口をきかなくなる。皆は、犯人がシャネルを脅して口封じしたのだと考える。

オーギュスティーヌは、ルイーズに色気の秘訣を尋ねるが、自分には無理だと諦める。マミーの口から、マミーが自分の夫を殺したことを聞いたオーギュスティーヌは、頭に血が上ってマミーの首を絞める。止めに入ったギャビーは、騒ぐマミーの頭を瓶で殴って気絶させ、納屋に運び込む。

シュゾンは、お腹の子供の父親はマルセルであることをカトリーヌに打ち明ける。ギャビーに責められたルイーズは、マルセルではなくギャビーに憧れて屋敷に来たと告白する。ピエレットのバッグから小銃が見つかり、皆はピエレットを疑う。

映画『8人の女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

自分の生き方に嫌気が差したオーギュスティーヌは、見た目を変えて美女に大変身する。シュゾン達は、梯子で門を越えられるか試すため、屋敷の外へ出る。

ギャビーと二人きりになり、ピエレットは、ギャビーに愛人がいることを確かめる。ピエレットは愛に生きようとしたギャビーに理解を示し、皆にギャビーの秘密を明かさずにいた。ピエレットの話から、ギャビーは自分の愛人が、ピエレットが貢いでいた相手だと知る。取っ組み合いになった二人は、次第に女性同士の愛の快感に目覚めてキスを交わし、シュゾン達にその場を目撃される。

シャネルは皆をホールに集め、全てを知っているカトリーヌに真相を語らせる。カトリーヌは、昨夜、一晩中マルセルの部屋に隠れ、事の一部始終を見ていた。

夜10時、マルセルの部屋にやってきたマミーは、マルセルに株券を渡さないため、株券は盗まれたと嘘を吐いた。10時半、マルセルに好意を寄せるオーギュスティーヌが、マルセルにご機嫌伺いにやってくる。11時、ギャビーが、マルセルを破産させた協同経営者と家を出るため、マルセルに別れ話をする。

11時半、ルイーズがマルセルに迫る。12時、ピエレットがマルセルに金を無心しにやってくる。ピエレットに付き添っていたシャネルは、マルセルに嫉妬する。12時半、シュゾンがマルセルに妊娠を打ち明ける。

朝6時、カトリーヌは人生に疲れて泣くマルセルと相談し、今回の偽装殺人を仕組んだ。マルセルは、実はまだ生きている。途中、シャネルが真相に気付いたため、カトリーヌは空砲を撃ってシャネルを脅した。

カトリーヌがマルセルの部屋に入った途端、マルセルは自分の頭に銃を突きつけて自殺する。カトリーヌは、全員でマルセルを殺したのだ、と女達を責める。8人の女達は、罪の重さと人の一生の虚しさに感じ入る。

映画『8人の女たち』の感想・評価・レビュー

豪勢なお屋敷で起こった殺人事件、そしてその犯人捜し…という非常にクラシックな推理小説のような映画です。
しかしそこはオゾン監督の映画ということで、話は二転三転し、次々と秘密が明かされていきます。登場人物はほぼ女性のみですが、どの女性にも秘密があります。最後は決して一筋縄ではいかないものですが、暗いものではありません。
そして何より女優達の衣装がとてもファッショナブルで、大人の女性が見るととても楽しい映画だと思います。(女性 30代)

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