この記事では、映画『15歳、アルマの恋愛妄想』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『15歳、アルマの恋愛妄想』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』 作品情報

- 製作年:2011年
- 上映時間:76分
- ジャンル:コメディ、青春
- 監督:ヤンニッケ・シースタ・ヤコブセン
- キャスト:ヘレーネ・ベルグスホルム、マーリン・ビョルホフデ、ベアテ・ステフリング、マティアス・ミーレン etc
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』 あらすじ【起・承】
自分が住んでいる田舎が死ぬほどつまらないと思っている15歳のアルマ。
今日も、母親に隠れて家で「テレフォンセックス」の真っ最中だ。
そんなアルマの目下、気になっているのは片思い中のアルトゥールの事だ。
彼となら、このつまらない田舎を出て行ってもいい。
そんな事をいつも妄想している毎日だ。
ある日、アルマはパーティに出かける。もちろん、アルトゥールも来ている。
なんとなくワクワクしているアルマ。
ちょっとだけ、ザワザワしている会場を出て外で涼んでいると、
そこへアルトゥールが現れた。
たいした会話もなしに、見つめ合う二人…。
と、アルトゥールがそっと自分の性器を出しアルマの太もも辺りに押し付けてきた。
驚きの出来事に、パーティへ戻ると友人にこっそりとこの話をするアルマ。
二人の側にアルトゥールがやってきた。友人はアルトゥールにその事を訪ねる。
しかし、アルトゥールの返答は「そんな事していない、ひどいな」だった。
困惑するアルマ。
なぜあんな事したのに、してないっていうの?
帰ってきたアルマはベッドの中で悶々としていた。
そんな時、友人のイングリットが訪ねてきた。
アルトゥールの事で「あんな事言うなんて、軽蔑されるわよ」と言う。
そんなイングリットをなんだか変な気持ちで見ているアルマ。
イングリットがグロスを塗る姿になんとなく「妄想」をしてしまう。
その結果、イングリットの胸を触ってしまい。彼女は怒って出ていった。
次の日から、アルマの学校生活は大変な事になってしまった。
初日は、悪口を書いたメモが回ってきた。
次の日は、一人ぼっち。
三日目は、完全に仲間外れ…。
例の出来事が学校中に広まってしまって、アルマは孤立してしまったのだ。
通学のバスの中で、アルトゥールに声をかけてみたが無視された…。
そんな学校の帰り道、バスから降りてそんな私をアルトゥールが追ってきて、一緒に私の家にいってHをする。
そんな妄想も虚しいだけ。
ちょっといきがって、同級生の子から「ハシシ」を買って吸ってみたけど、
だから、どうだってこともなかった。
そんな時、母親に「テレフォンセックス」をしていたのがばれてしまう。
すごい請求額に、スーパーのレジのバイトをする事にしてなんとかすると約束するアルマ。
バス停で、一休みするのがアルマの息抜きだった。
今日も、なんとなくバス停に座っているとイングリットの双子の妹のサラがやってきた。
「ここ(バス停)では、あなたと話すけど、学校では無理よ」と言われる、アルマ。
アルマは「分かった」とだけ言った。
アルバイトが始まった。
レジの仕事はピーク以外はヒマだった。
一通り説明をしてもらった後、またもや「Hな妄想」に入るアルマ。
そんな妄想中、アルトゥールが妹を連れ雑誌を買いに来る。
アルトゥールの視線がなんとなく痛い。
アルマは苛立ってくる、アルトゥールにどういう事だと迫ってもまったく認めない。
学校では、先生でさえうざく思えてきた。
同級生が誕生日パーティを開くとお知らせを配っているが、
自分だけは「ダメ」だと言われてしまう。
そんな中、アルバイト中にサラが訪ねてくる。
バイト先のスーパーの裏でなんとなく話を交わす。
二人は、この小さな町にあきあきしていた。
憂さを晴らすように、売り物のリンゴを投げつけてみてはみるものの、解決なんかしない…。
アルマのモヤモヤは限界まできていた。
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』 結末・ラスト(ネタバレ)
ある日、自分でもどうしていいかわからなくなったアルマは、
依然よくかけていた「テレフォンセックス」へ電話をしてみた。
相手に自分は誰にも必要とされてないと嘆く。
電話の先の主はそんなことはないという「忘れなさい」と。
しかも、忘れるのにはアルコールが最適だと…。
キッチンでお酒をくすね飲んでいると、母と誰かの会話が聞こえてきた。
自分の事を言っている。
なんとなくたまりかねたアルマは、酒瓶を持ったまま家を飛び出した。
アルトゥールを訪ねると、彼が家へ招き入れてくれた。
そんなアルトゥールに事のもう一度真相を迫ってみた。
結局彼は突いた事は認めたが、みんなの前では認めないという。
しかも。別の町に去年お祭りで知り合った「恋人」がいるという。
もしかしたら、アルトゥールは自分の事を好きでいてくれたからあんな事をしてくれたのかも?と思っていたアルマにはショックな言葉だった。
アルマはそのまま家には帰らず、ヒッチハイクをして首都、オスロに向かった。
あそこにはイングリット達の姉、マリアがいる。
マリアはアルマ達の憧れの存在だったのだ。
突然の訪問ではあったが、マリアは歓迎してくれた。
一方、家では母親が戻らないアルマを心配し始めていた。
隣人に聞いたところ、夜出かけた事、最近アルマが最近孤立していた事を教えてくれた。
オスロでは、アルマがなぜここへ訪ねて来たかの理由を話していた。
パーティでの出来事、それによって孤立してしまった事を…。
マリアと共同生活をしている仲間は暖かく、誰も彼女の事を否定しなかった。
翌日、アルマはバスに乗って自分の町へ帰っていった。
そんなアルマを母親は抱きしめて迎えてくれた。
その夜、アルマをアルトゥールが訪ねてきた。
この前の夜の事を謝りにきたのだ。
そして、「アルマの事が好きだ」と「僕らは似た者同士だろう?」と。
その問いかけにアルマは答えた「男の子は、あなただけではないし、私は、臆病者ではない」と、
告白を突っぱねると、アルマはドアを閉めた。
次の日、なんとなくすっきりした顔をしたアルマがバスに乗っていた。
次のバス停では、サラとイングリットが乗ってきた。
アルマの顔を見るなりサラは笑いながら「遠くに行ってきたようね」という。
笑顔で「マリアは元気よ」と答えるアルマ。
学校の校門をくぐると、アルトゥールがたっていた。
思わず笑顔になるアルマ。
彼の上にはこう書かれていた。【アルトゥールはアルマを突きました。】
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
背伸びをしたい年頃
小さな町がつまらなくて、どうしようもなく思える…。
「性」について興味があるのに、表立ってそんな言えるわけない…。
世間的にダメだといわれている、アルコールや煙草。どういうものなんだろう?
そんな気持ちがいっぱいのあの頃。
アルマもそんな気持ちでいっぱい。もちろん好きな男の子も気になる。
アルマの妄想や行動はちょっといき過ぎ?と思えるところもあるけど、
なんとなく自分を、自分自身の身体も気持ちも持て余し気味。
そんな感じがすごくよく出ています。
他の方はそんなことないのかしら?
いるいるこんな子
アルマの親友役の双子の二人なんですが、もう見ていて「ああいるこんな子」と何度呟いたでしょう。
特に、同じ男の子を好きになるイングリット役の女の子。
まあ、この作品の中では憎まれ役になってしまうのですが。
異性の前ではせっせと「グロス」を塗り。好きな男が自分に気があるように周りの人たちには伝える。
この「いるいる感」や細かい彼らの言動やしぐさがこの年代のなんだかわからないモヤモヤが
さり気なく伝わってきて、なんとなくのリアルさが出ているように感じました。
そして、彼女達が彼女達のルールで町の看板に中指を立てるシーンなんかも
なんとなくかわいらしくさえ見えました。
思春期はみんな妄想家?
なんかこの作品を見ていると、この頃の「性」が気になりだした女の子がみんなあんな風に妄想しているのか?
って印象も受けなくもないですけど、それはないかなーと思います。
ちょっと過剰ではないかと思いますよ。
ちょっぴり過激だけど、あるあると共感できる今作。アルマの妄想や行動は冷静に考えたらヤバすぎるのですが、きっと誰もが「こっそり」考えていたり、していたりすることで何もおかしくは無いんです。
こっそりしていれば当たり前だったことも、公になってしまうとヤバいやつになってしまうんですよね。大人になりたいけど、考えは子供で未熟。だから傷ついたりモヤモヤしてしまうのですが、それこそが思春期で誰もが通る道なんだなと妙に納得してしまいました。(女性 30代)
アルマが性的妄想に悩まされ、クラスメイトとの関係がこじれていく展開は観ていて苦しくなりました。特にアルトゥルに触られたと信じ込み、学校中に「嘘つき」だとされて孤立する場面は痛々しく、同年代ならではの残酷さを突き付けられます。けれどラストで母に気持ちを打ち明け、少し救いが見える描写は温かかったです。青春の恥ずかしさと孤独を正直に描いた秀作でした。(20代 男性)
最初はアルマの妄想シーンに笑っていたのに、彼女が噂に追い込まれて孤立する姿に心が締め付けられました。「変態」と呼ばれることの痛みや、欲望を持つ自分を受け入れられない苦しみは、誰しも一度は感じる思春期の共通体験だと思います。母親との関係が回復し、少しずつ前に進もうとする姿には救いがありました。(30代 女性)
アルマが自分の欲望を「普通じゃない」と悩む描写はリアルで共感を呼びました。特に妄想と現実の境界があいまいになり、周囲に誤解されてしまう流れは切実で、思春期特有の不安を突き付けられるようでした。終盤で母に受け入れられる瞬間は、それまでの孤独が少し和らぐように感じ、観客にも温かさを残します。(40代 男性)
北欧映画らしい静かな映像とユーモアが印象的でした。性的妄想というテーマを大胆に描きながら、決して下品にならず、思春期の「自分でも制御できない衝動」を誠実に捉えていると思います。アルマが嘘つき扱いされて孤立する展開は苦しいですが、母親に支えられて少しずつ自分を肯定していく姿は観る者に希望を与えます。(20代 女性)
アルマがアルトゥルの一件でクラスから白い目で見られるシーンは、本当に残酷でした。自分の妄想を真実と思い込み、結果的に孤立してしまう彼女の姿は痛ましい。けれど、母との関係修復が物語に救いを与えています。性への好奇心を抱くことを「恥ずかしい」と感じる気持ちは普遍的で、その葛藤を描いた本作には強いリアリティを感じました。(50代 男性)
アルマ役の女優の表情が素晴らしく、妄想にふける時の高揚感と孤立した時の絶望感が見事に伝わってきました。性的欲望を抱える少女の姿を笑いと痛みの両方で描ききった点は見事です。母の存在が最終的に彼女を救う要素となり、単なるコメディでは終わらない深さがありました。青春映画の隠れた名作だと思います。(30代 男性)
自分の学生時代を思い出しながら観ました。性的な妄想や衝動は誰もが抱くのに、それを知られると途端に「変」と見られてしまう。その恐怖をアルマは体現していました。クラスメイトの残酷さが辛い反面、母が彼女を受け止める姿に救いを感じました。大人になっても忘れがたい思春期の記憶を呼び起こす作品でした。(40代 女性)
アルマの物語は笑える青春映画であると同時に、強烈な痛みを伴うものでした。クラスの中で孤立し、「嘘つき」「変態」と扱われる彼女の姿は胸が苦しくなります。それでも母親の支えがあったからこそ、彼女は再び自分を肯定できたのだと思います。単なるティーン映画ではなく、成長と赦しの物語として心に残りました。(10代 女性)
妄想と現実の境界が崩れていく演出が面白かったです。観客は時に彼女の妄想を現実と勘違いしそうになり、その混乱がアルマの心理を体感させます。欲望を描きながらも、最後には親子の愛情に帰結する物語は爽やかな余韻を残しました。大胆さと優しさが同居する青春映画でした。(50代 女性)
映画『15歳、アルマの恋愛妄想』を見た人におすすめの映画5選
ジュノ
この映画を一言で表すと?
10代の妊娠と葛藤をユーモラスに描いた、等身大の青春成長ストーリー。
どんな話?
16歳の少女ジュノは予期せぬ妊娠をきっかけに、親や友人、そして自分自身と向き合わざるを得なくなります。養子縁組を選択しながらも、葛藤や恋愛感情に揺れ動く姿が描かれ、思春期の複雑さとユーモアが絶妙に絡み合います。軽快な会話と音楽も印象的な作品です。
ここがおすすめ!
ユーモアと温かさを持ちながら、若者が直面する「性」や「選択」を真摯に描いています。エレン・ペイジの自然体の演技は共感を呼び、思春期の悩みや孤独を抱えた観客に優しく寄り添います。アルマの物語が好きな人には必ず刺さる青春映画です。
ヴァージン・スーサイズ
この映画を一言で表すと?
閉ざされた少女たちの心を切り取った、幻想的で切ない青春叙事詩。
どんな話?
厳格な家庭で育つリズボン家の5人姉妹は、自由を奪われた生活に苦しみながら青春を過ごします。近所の少年たちは彼女たちを憧れとともに見つめますが、その結末は悲劇的なものとなります。少女たちの心情と、青春の儚さを美しい映像で表現しています。
ここがおすすめ!
ソフィア・コッポラ監督の繊細なタッチが、少女期の閉塞感や不安定な感情を美しく描き出しています。『アルマの恋愛妄想』と同じく思春期の不安と孤独をテーマにしており、観る人に深い余韻を残す名作です。映像美と音楽も必見です。
キャリー
この映画を一言で表すと?
思春期の少女が抱える孤独と抑圧が恐怖へと変貌するホラー青春映画。
どんな話?
内気な少女キャリーは学校ではいじめられ、家庭では狂信的な母に支配されていました。しかしプロムでの屈辱をきっかけに超能力を暴走させ、惨劇を引き起こしてしまいます。青春の苦しみと怒りを恐怖に昇華させた異色の物語です。
ここがおすすめ!
『アルマの恋愛妄想』同様に、少女が社会から孤立し「異質な存在」とされる痛みを描いています。こちらはホラーというジャンルを通してその心情を極端に表現。観終わった後に強烈な印象を残す傑作です。
スプリング・ブレイカーズ
この映画を一言で表すと?
欲望と衝動に突き動かされる少女たちの危うい青春を描いた異色ドラマ。
どんな話?
退屈な学生生活に飽きた女子大生4人が、春休みを刺激的に過ごそうと犯罪に手を染め、やがて裏社会に足を踏み入れていく物語。友情、欲望、快楽が入り混じり、鮮烈で危険な青春の断片を描き出します。
ここがおすすめ!
『アルマの恋愛妄想』が性への好奇心を真正面から描いたように、本作も若者の欲望と衝動を赤裸々に描きます。ポップな映像とダークなテーマの対比が強烈で、観る人に衝撃を与える青春映画です。
シークレット・ダイアリー・オブ・ア・コールガール
この映画を一言で表すと?
性と自立を赤裸々に描く、大人へと成長していく女性の物語。
どんな話?
実在する高級コールガールの体験記を基に、女性の視点から「性」と「アイデンティティ」を描いた作品です。主人公は社会人としての日常と、夜の顔を持ちながら、欲望と自立の間で葛藤していきます。ユーモラスかつ人間的な側面が強調されたストーリーです。
ここがおすすめ!
アルマが抱えていた「性と自分自身の在り方」というテーマを、大人の女性の視点でさらに深めた作品です。性をめぐる葛藤をリアルに描きながらも、軽やかなユーモアで観やすい仕上がりになっています。青春期の延長線上にある物語として必見です。






みんなの感想・レビュー
ちょっとエロくて、でも性に目覚める気持ちに初めて共感出来る映画だった!アルマの親友が町の看板に中指立ててたのもかわいい!この映画と主人公のアルマが大好き!最高の映画でした!