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映画『あさがくるまえに』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『あさがくるまえに』の概要:事故で脳死状態になってしまった高校生シモン。コーディネーターのトマはシモンの両親に臓器提供の話を持ちかける。心臓疾患を患うクレールの症状は悪化し、残る道は臓器移植しかないと医師から説明される。

映画『あさがくるまえに』の作品情報

あさがくるまえに

製作年:2016年
上映時間:104分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:カテル・キレヴェレ
キャスト:タハール・ラヒム、エマニュエル・セニエ、アンヌ・ドルヴァル、ドミニク・ブラン etc

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映画『あさがくるまえに』の登場人物(キャスト)

トマ(タハール・ラヒム)
医療コーディネーター。脳死状態となったシモンから臓器を摘出し、臓器移植することを両親に勧める。
クレール(アンヌ・ドルヴァル)
変性心臓疾患で闘病する女性。音楽家だったが今は活動していない。マックスとサムという二人の息子がいるが夫とは離婚。アンという同性の恋人がいたが、彼女の夢の実現のために別れている。
マリアンヌ(エマニュエル・セニエ)
シモンの母親。事故に遭ったという連絡を受けて病院に駆けつける。臓器移植の話に戸惑い悩む。夫のヴィンセントとは別居中。シモンの他に幼い娘がいる。

映画『あさがくるまえに』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『あさがくるまえに』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『あさがくるまえに』のあらすじ【起】

シモンは恋人のジュリエットと過ごした後、夜も明けきらないうちに彼女の部屋を抜け出し、友達とサーフィンをしに行った。明け方の波を大いに楽しんだシモンたちだったが、疲れた彼らは帰りの車の中で居眠りをしてしまう。そのせいで車は事故を起こし、シートベルトをしていなかったシモンは重傷を負ってしまった。

病院に緊急搬送されたシモンはCTスキャンにかけられた。所持していた学生証から母親のマリアンヌに連絡が行き、知らせを受けた彼女は息子の元へと飛んでいった。到着したマリアンヌは医師からシモンの容態を伝えられる。シモンは事故により脳内出血しており、それはかなりの広範囲で起こっていると説明された。

程なくして別居中の夫ヴィンセントが到着。両親が揃ったところで医師は詳細を説明し始めた。シモンが到着した時、彼はすでに昏睡状態だった。脳内出血は多量で、他の医師の立ち合いの結果、手術をするには遅すぎると判断された。シモンはすでに脳死状態で目覚めることはない。医療機器を外せば死んでしまう状態にあった。

泣き崩れる両親たちを前に、コーディネーターのトマがある話を切り出してきた。それは臓器移植についてだった。もし、同意してくれるなら臓器を待つ人たちを救うことができるとトマは説得した。しかし、たった今、子供の状況を聞かされた両親に冷静な判断などできるはずもなく、機嫌を悪くしたヴィンセントはマリアンヌを連れて帰っていってしまった。彼らの去り際、トマは臓器移植ができる時間は限られていると告げた。

映画『あさがくるまえに』のあらすじ【承】

マリアンヌとヴィンセントは家に戻ったが、多くを語ろうとはしなかった。二人には冷静になるまでの時間が必要だった。シモンはどこにでもいる活発な高校生で、父から教わったサーフィンと自転車、音楽、そして、恋人のジュリエットのことが大好きだった。両親は息子ならどのような決断を下すだろうかと思いを巡らせ、ひとつの答えに辿り着く。

トマの所へ戻ってきたマリアンヌとヴィンセントは臓器移植に同意した。臓器提供についていくつかの説明をしたトマは、自分も手術に立ち会い、シモンを見守ることを約束する。両親はベッドに横たわるシモンに寄り添った後、肩を落としながら病院を後にしていった。

3年前から変性心臓疾患を患っているクレールは長く治療を続けていたが、症状が悪化したため病院の近くに引っ越すことになった。世話焼きで心配性のマックスと、明るくやんちゃなサムという二人に息子に付き添われながら、彼女は都会へとやってきた。

担当医のモレはクレールに状況を説明。心臓は少しずつ肥大しており、薬も効かなくなってきている。残る方法は心臓移植しかない。だが、クレールはそこまでして延命する必要があるのだろうかと悩んでいた。

昔の恋人アンのピアノコンサートに向かったクレール。二人は数年ぶりに再会し、アンは車でクレールを送って行った。クレールの病気を聞いたアンは今まで何も言わなかったことを怒ったが、その夜はクレールのそばに寄り添って眠ってくれた。

映画『あさがくるまえに』のあらすじ【転】

シモンの臓器がドナー登録され、臓器移植が正式に可能になった。管理会社はすぐに臓器を待つ医師の元へ連絡した。電話を受けたモレは病院へと戻り、シモンの心臓がクレールに適合するかどうか確認。問題ないことが分かると、すぐに部下に心臓を取りに行かせた。

部下の医師は助手を連れて小型機に乗り込み、心臓を摘出しに向かった。手術が始まり、胸を切開。いざ、心臓を摘出する段階になった時、トマがそれを制した。トマはシモンのスマートフォンを取り出すと、それを彼に装着した。シモンに意識は無かったが、トマは語りかけた。“ご両親から、妹さんから、おばあちゃんから君にキスを。この音は恋人のジュリエットが選んだ音だ”。彼はそう言うと再生ボタンを押した。

大動脈が遮断され、心臓が動きを止めた。医師は丁寧にメスで心臓を切り離し、心臓は氷で冷やされてボックスの中に慎重に仕舞われた。

クレールに連絡が入り、心臓の到着を待つ間に手術の準備をすると言われる。マックスはすぐに駆けつけたが、サムは飛行機に乗れず、車で行くと言った。クレールはサムの到着を待ちたかったが、その時間は無いとモレから強く言われた。もしかしたら、これが息子たちに会える最後かもしれない。そう思ったクレールは、崩れるように泣き出した。

映画『あさがくるまえに』の結末・ラスト(ネタバレ)

シモンの心臓は飛行機に運び込まれ、医師の管理の元、クレールの病院へと向かっていた。空港から病院までは白バイが先導した。手術のために滅菌シャワーを浴びたクレールは手術室へ。

モレがクレールの胸を切開し、同じ頃、シモンの心臓が病院に到着した。取り出された心臓をモレは細心の注意を払って縫合。大動脈を縫い付け、血液の遮断を解除。これで心臓が動けば手術は成功だ。しばらくして心臓は細動し始めた。電気ショックを与えると確かな反応を示し、やがてその鼓動は正常で正確な動きを刻むようになった。手術の成功を確信したモレから思わず笑顔がこぼれた。

心臓を摘出されたシモンの遺体をトマは丁寧に拭いてあげた。マリアンヌの携帯にトマから臓器摘出が無事に行われたこと、シモンを大切に扱ったことについてのメールが届く。ヴィンセントにそのことを報告に行った彼女は彼にもたれかかり、二人は黙ったまま、窓の外を眺めていた。

病院に面会に行ったアンは、待合室で眠りこけるマックスとサムの姿を見つける。クレールの医療機器が外され、同時に彼女は目を覚ました。彼女は涙を流しながら笑顔を作った。その笑顔は幸せと感謝に満ち溢れていた。

映画『あさがくるまえに』の感想・評価・レビュー

臓器移植までのプロセスを丁寧に追いかけている。シモンの両親の心の動きについての演出が不足しすぎている感じもしなくはない。が、実際はあんな感じかもしれない。移植までの時間は限られ、早急な決断を求められている感じが出ている。過去についてなどの細かい説明がほとんど無視されているのもいい。臓器提供者、提供先の詳細については何も分からないからだ。どちら側にも愛する人、愛してくれる人がいることを伝えるために絞った演出はとても良かったと思う。(MIHOシネマ編集部)


美しくて、儚くて、苦しい。「生と死」について考えさせられる作品でした。「臓器移植」をテーマにした今作。とにかくセリフが少なくて静かに「生と死」を考えさせられました。死は一瞬だということ。生と死は表裏一体だということ。理解しているつもりでもこうやって映像にされると、苦しくて胸がえぐられるような気持ちになりました。
突然、家族が脳死と判断されたら自分は臓器移植に同意できるだろうか?もし、自分が臓器の提供を待っている側だとしたら…。とにかく深い作品です。(女性 30代)


本作は、心臓移植に関するヒューマンドラマ作品。
お互いのことは一切分からない臓器提供者と提供される側、遺族や医療関係者といった周囲の人々との関係性が丁寧に描かれており、ドナー登録者に対する敬意を感じる演出で、全てが美しかった。
特に、シモンにイヤホンを付けて、大好きだった波の音を流すシーンが印象的で、死に直面した人の悲しみを感じずにはいられなかった。
テーマは重厚だが、ストーリーは深い静寂の中で淡々と進行していき、映像の美しさや音響が心に残る作品。(女性 20代)


フランスのル・アーヴルという港町が舞台となっており、全体的に青みがかった絵画のような映像美にまず感動します。そして、若者の突然の死から始まるストーリーに、吸い込まれるように見入りました。臓器提供する人、される人の両者を描いた作品で、両者は全くの他人です。しかしながら、それぞれの生死が繋がっているような描き方が神秘的でした。セリフは少なくとも、家族や医師、コーディネーターらの心情はきちんと伝わってきて静かに涙を流しました。(女性 30代)

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