この記事では、映画『明日の記憶』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『明日の記憶』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『明日の記憶』の作品情報

上映時間:122分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:堤幸彦
キャスト:渡辺謙、樋口可南子、坂口憲二、吹石一恵 etc
映画『明日の記憶』の登場人物(キャスト)
- 佐伯雅行(渡辺謙)
- 広告代理店で部長を務めるやり手のサラリーマン。50歳を前にアルツハイマー病と診断され退職することにする。家にこもり妻の介助が必要な自分を執拗に責めるようになっていく。
- 佐伯枝美子(樋口可南子)
- 穏やかで良妻賢母の妻。いつも夫を支えているが病気がわかってからは夫の代わりに仕事を持ち、病気の進行と共に自分の感情もむき出しにしていく。
映画『明日の記憶』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『明日の記憶』のあらすじ【起】
1人の男性が車椅子に乗りながら、無気力に一点を見つめている。
その横で妻らしき女性が名前や写真が飾ってあるボードを持って、話しかける。
佐伯雅行は都内の広告代理店に勤めるサラリーマンである。
部長というやりがいのあるポジションで、日々忙しく充実した時間を過ごしていた。
最近一人娘の妊娠がわかり、結婚することも決まり、公私共に順調なはずであった。
しかし最近、仕事で物忘れが酷くなって来た自分に気がつくようになった他、割れるような頭痛に見舞われることも増え体調について考えるようになっている。
そんなある日。
いつものように会社から帰った佐伯は、自分の部屋で本を読んでいた。
そこへ入って来た妻は夫が読んでいる本が医学書であること、印がついたページが鬱病の箇所であることが気になる。
しかも夫が帰りがけに買ってきた男性用のシェービングクリームを見て驚いた。
ここのところ何個も買ってきては、洗面台に妻が閉まっていたのである。
妻は佐伯に「病院に行こう」と勧めた。
病院では35歳の若い医者が担当した。
簡単なテストの見立てでは鬱病では無く、アルツハイマーでは無いかということだった。
佐伯はまさか自分がそんな病気にかかるとは思いも寄らず、その言葉に動揺を隠せないでいる。
その日の帰り、その病気についての本を買い込み自宅で1人読んでいた。
映画『明日の記憶』のあらすじ【承】
日が空いたが、妻と精密検査を受けるため、再度病院を訪れた佐伯はMRIの結果を聞きに診察室に入った。
やはりアルツハイマー病で間違い無いと診断を受ける。
あまりのショックに取り乱しその場で医者に文句を叫び始めると、ドアを開け屋上に走り出した。
妻と医師は慌てて追いかけたが、佐伯は屋上の柵を越えている。
「患者の気持ちも無視し、診断を簡単にしているのだろう」と悲痛の胸の内を叫ぶ佐伯に、医師は「自分の父親も同じ病気である。」と言った。
そして「今自分に出来る事をしたいから、佐伯さんにも諦めないで欲しい」と強く懇願する。
この言葉により佐伯は治療を開始することに決め、妻はそれを支えていこうと食事や漢方など自分にも出来る事を調べて夫のために尽くすことに決める。
しかし、会社でも佐伯の態度がおかしいと噂になり始めてしまった。
15分前には来て会議に用意している佐伯だったのに、取引先との約束を忘れたり、遅刻したり。
挙げ句の果てに自分の会社のある渋谷で道に迷い、部下に電話で誘導してもらう始末。
スタッフの顔を忘れないように、名刺に似顔絵を書いて見返したりもしていた。
映画『明日の記憶』のあらすじ【転】
そんな佐伯の様子を気にした上司が彼を部屋に呼び、「薬を飲んでいるんだってな」と切り出してきた。
会社には内緒にしていたはずだったのに、何故ばれたのかわからない。
その事を聞いてきたのには理由があった。
現在佐伯の会社は佐伯が中心となって仕事を取ってきた大きなプロジェクトを抱えていたため、一丸となって成功させることに集中しようとしているところである。
そこで佐伯が担当だと上手く回らないということで、この件から外れてくれということだった。
しかも希望退職したらどうかと提案してきた。
佐伯は会社を辞めるのは嫌だと退職は希望しなかったが、その部署に残るのは当然難しく「資料管理課」という厄介払いされた者が送られる課に配属になった。
そこは通路途中にある誰もが目に入る部署で、佐伯はより目立つ存在となってしまう。
そのことに腹を立てた元部下達が、佐伯が原因で言い合いになっているのを耳にした。
実は佐伯が薬を飲んでいるというのをばらしたのが佐伯の可愛がっていた部下で、それを避難する部下達と揉めていたのである。
佐伯は「病気は本当の事だから」とその場をなだめると、退職願いを書いた。
映画『明日の記憶』の結末・ラスト(ネタバレ)
妻と佐伯は陶芸をたしなんでいた。
会社を辞めた後は2人で陶芸教室に通い、妻も金のために昔のツテを頼り陶芸店で働くことにする。
家に籠もり気味の佐伯は、孫が来るのが楽しみで、最初は穏やかに暮らしていたが病気の進行は止まってはくれなかった。
妻が食事の用意をしていってくれても、レンジで暖めたまま忘れてしまったり、お釜を開けっ放しにしたり。
妻も頑張ってはいたが精神的にも限界が迫っていた。
ある日、仕事でトラブルがあり遅く帰ると、佐伯は自分を責め、妻を羨ましがり絡んでくる。
さすがに声を荒げて今までの鬱憤を声にすると、佐伯は持っていた皿で妻の頭を殴ってしまった。
そのことで自分に対してショックを受けた佐伯は泣き叫ぶが、妻は「病気のせいだから」と落ち着かせようとする。
妻は友人から介護ホームのチラシをもらって、それを隠していた。
しかし、佐伯は翌日妻が仕事に行くと1人でそこまで向かい、説明を聞く。
てっきり妻のために見学に来ていると思った職員は「自分がお世話になるかもしれない」と言われ驚いた。
その帰り道、妻と思い出深い山に登り陶芸をする佐伯。
一晩そこで野宿し、帰ろうと山を下りるとそこに妻が待っていた。
微笑む妻に佐伯は「どうかしましたか?」と不思議そうに声をかける。
ついに妻のことも忘れてしまったのだ。
妻は泣きながら「駅まで一緒に」という佐伯の後ろについて、ゆっくり歩き始める。
映画『明日の記憶』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ずっと涙が止まりません。こういう作品って辛いし、悲しいし、苦しくなるのがわかっていても観てしまうんですよね。仕事も家庭も充実した生活を送っていた夫が突然「若年性アルツハイマー」になってしまったら…。もし自分だったらと置き換えて考えてみましたが、こんなに献身的に夫のことを支えてあげることは出来ないかもしれないと感じました。
自分も家族も周りの人も、みんなが苦しい気持ちを共有することで、1人だけの苦しみではなくなる。納得は出来なくても、理解してあげることでどれだけ心が楽になるか、本当に胸が締め付けられる思いでした。(女性 30代)
仕事一筋で生きてきた主人公が、若年性アルツハイマーを宣告されてから徐々に日常が崩れていく過程がとてもリアルだった。最初は小さな物忘れだったのに、会議で言葉が出なくなる場面や、帰り道が分からなくなる場面は見ていて胸が苦しくなる。家族に迷惑をかけることを恐れて会社を辞める決断も切なかった。特に印象的だったのは、最後に妻の名前さえ思い出せなくなりながらも、彼女の手を握っているシーン。記憶が消えても感情だけは残るのかもしれないと感じさせるラストだった。(30代 男性)
若年性アルツハイマーというテーマがとても重く、観ていて何度も涙が出そうになった。渡辺謙が演じる主人公は最初は仕事ができるエリートなのに、少しずつ自分の能力を失っていく姿が本当にリアル。特に、会社でミスをして周囲の視線に耐えられなくなる場面はとてもつらかった。そんな中でも妻が最後まで寄り添い続ける姿が印象的だった。ラストで夫が妻の名前を思い出せないのに、それでも一緒に歩いているシーンが切なくて忘れられない。(20代 女性)
映画『明日の記憶』は、病気の恐ろしさだけでなく家族の絆も描いている作品だと感じた。主人公は若年性アルツハイマーを宣告され、社会的な立場も記憶も少しずつ失っていく。特に会社を辞める決断をする場面は、仕事に誇りを持っていた人だからこそ辛い選択だったと思う。妻の支えが物語の中心になっていて、彼女の強さと優しさに胸を打たれた。最後に名前を忘れてしまっても手をつないでいる二人の姿は、とても静かな感動があった。(40代 男性)
観終わったあと、しばらく言葉が出ないほど心に残る映画だった。主人公が自分の異変に気づき、病院で診断を受ける場面はとても現実的で怖かった。記憶が失われていくことの恐怖や、自分が自分でなくなっていく不安が伝わってくる。家族の負担を考えて距離を置こうとする主人公の気持ちも切ない。そんな彼を支え続ける妻の存在がとても大きかった。ラストの穏やかなシーンは悲しさと温かさが混ざった印象的な終わり方だった。(30代 女性)
この映画は病気の物語でありながら、人間の尊厳について考えさせられる作品だった。主人公は仕事でも家庭でも責任ある立場だったが、病気によってそのすべてが崩れていく。特に会社の会議で混乱してしまう場面は見ていて苦しかった。自分の異変を自覚しているからこそ、彼の苦悩がより強く伝わってくる。最後に記憶を失っても妻の存在に安心しているような表情を見せる場面は、言葉以上の愛情を感じた。(20代 男性)
病気の進行がとてもリアルに描かれていて、観ている側も不安になるほどだった。最初は物忘れ程度だったのに、徐々に仕事ができなくなり、日常生活にも支障が出てくる。家族に迷惑をかけたくないという思いから、主人公が孤独になっていく姿が切ない。それでも妻が寄り添い続ける姿が救いだった。最後に夫が妻の名前を思い出せなくても、一緒に歩いている場面は涙が止まらなかった。静かながらとても深い映画だった。(50代 女性)
アルツハイマーというテーマを真正面から描いた作品で、とても考えさせられた。主人公が自分の記憶が失われていくことを理解しているからこそ、その恐怖がリアルに伝わってくる。特に家族の写真を見ても思い出せなくなる場面はとてもつらい。妻の支えがなければ成り立たない物語で、彼女の存在が本当に大きい。ラストで二人が一緒に歩いている姿は、記憶ではなく感情でつながっているように感じられた。(40代 女性)
社会人として成功していた人物が、突然病気によってすべてを失っていく過程が印象的だった。最初は信じられない様子だった主人公が、少しずつ現実を受け入れていく姿がリアル。会社を辞める決断や、家族との関係の変化も丁寧に描かれている。妻が最後まで彼を支え続ける姿は本当に強いと思った。ラストシーンは派手な演出はないが、静かな感動があってとても印象的だった。(30代 男性)
この映画を観て、家族の存在の大きさを改めて感じた。主人公は若年性アルツハイマーを宣告され、仕事も日常生活も少しずつ失っていく。自分の変化に気づいているからこそ、彼の苦しみが伝わってくる。そんな彼を見守る妻の姿がとても印象的だった。最後に名前を思い出せなくても、二人が穏やかに一緒にいる姿に深い愛情を感じた。静かな映画だが、とても強いメッセージがある作品だった。(20代 女性)
映画『明日の記憶』を見た人におすすめの映画5選
百万円と苦虫女
この映画を一言で表すと?
傷つきながらも自分の居場所を探す、静かで切実な再生の物語。
どんな話?
些細な事件をきっかけに前科がついてしまった鈴子は、居づらくなった日常を離れ、百万円貯まるたびに別の町へ移る生活を始めます。知らない土地で働き、また去るという日々の中で、彼女は人との距離や自分の弱さと向き合っていきます。派手な展開はないものの、孤独と再出発を丁寧に描いた作品です。
ここがおすすめ!
静かなトーンの中で人物の心情をじっくり描く点が、映画『明日の記憶』と通じています。大きな事件よりも、日常の中で揺れる感情を丁寧にすくい取っているのが魅力です。主演の演技も自然で、観る側がそっと寄り添うように物語へ入り込めます。余韻の残る人間ドラマが好きな人におすすめです。
八日目の蝉
この映画を一言で表すと?
失ったものと向き合う女性たちの痛みを描く、深く胸に残るドラマ。
どんな話?
不倫相手の子どもを誘拐し、自分の娘として育てた女性と、その子として育った恵理菜。事件から年月が経ち、大人になった恵理菜は、自分の人生や母性、過去の傷と向き合うことになります。加害と被害、愛情と罪悪感が複雑に絡み合い、簡単には割り切れない感情が静かに描かれていきます。
ここがおすすめ!
家族の絆や喪失、言葉にできない感情を描く力が非常に強い作品です。映画『明日の記憶』のように、観る人の心にじわじわと入り込み、観終わった後もしばらく余韻が消えません。感情を大きく煽るのではなく、登場人物の痛みを丁寧に見せていく演出が見事で、重厚な人間ドラマを求める人にぴったりです。
おくりびと
この映画を一言で表すと?
死を通して生きる意味を見つめ直す、温かくも切ない感動作。
どんな話?
職を失ったチェロ奏者の大悟は、故郷に戻って新しい仕事を探す中で、遺体を棺に納める納棺師の仕事に出会います。最初は戸惑いながらも、さまざまな死と向き合ううちに、彼は人を送り出すことの尊さを知っていきます。死を扱いながらも、人生のぬくもりを感じさせる物語です。
ここがおすすめ!
重いテーマを扱いながら、悲しみだけで終わらせない優しさがある点で、映画『明日の記憶』を好きな人におすすめです。人生の終わりや家族の関係を丁寧に描きつつ、静かな感動へと導いてくれます。派手な演出に頼らず、表情や間で感情を伝える日本映画らしい繊細さがあり、深い余韻を味わえる一本です。
ぼくたちの家族
この映画を一言で表すと?
家族の危機を通して絆を見つめ直す、切実で温かなホームドラマ。
どんな話?
ある日、母が脳腫瘍と診断され、家族の生活は一変します。これまでそれぞれに問題を抱え、どこかバラバラだった家族が、母を支えるために向き合わざるを得なくなります。治療費や生活の不安、言えなかった本音が少しずつ明らかになる中で、家族の形がゆっくりと変わっていく物語です。
ここがおすすめ!
病気によって揺らぐ家族の日常を描く点で、映画『明日の記憶』と非常に相性の良い作品です。大げさに美化せず、現実的な悩みや家族の不器用さをしっかり描いているのが魅力。だからこそ登場人物の言葉や行動がリアルに響きます。家族をテーマにした、静かで誠実なドラマを観たい人におすすめです。
愛を積むひと
この映画を一言で表すと?
喪失の先にある再生を描いた、穏やかで心に沁みるヒューマンドラマ。
どんな話?
妻を亡くした篤史は、北海道の静かな土地で一人暮らしを始めます。生前の妻が残した手紙に導かれるように、彼は少しずつ周囲の人と関わり、自分の過去や孤独と向き合っていきます。悲しみを抱えながらも、他者とのつながりの中で再び生きる力を取り戻していく姿が丁寧に描かれます。
ここがおすすめ!
喪失と向き合う大人の心情を静かに描いており、映画『明日の記憶』が持つ落ち着いた感動に近い魅力があります。北海道の風景も美しく、物語全体に優しい空気が流れているのも印象的です。派手な出来事よりも、人が少しずつ前を向いていく過程を大切にしているので、しみじみと味わえる作品を探している人におすすめです。



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