映画『オーストラリア(2008)』の概要:オーストラリアの大自然を舞台に、人と人とのつながりを描いた2009年公開のアメリカ・オーストラリア合作映画。バズ・ラーマン監督をはじめ、オーストラリア出身者を中心とするキャストで製作された。
映画『オーストラリア』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:165分
- ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、アドベンチャー
- 監督:バズ・ラーマン
- キャスト:コール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン、デヴィッド・ウェンハム、ブライアン・ブラウン etc
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映画『オーストラリア』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『オーストラリア』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『オーストラリア(2008)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『オーストラリア』 あらすじ【起・承】
第二次世界大戦前。
イングランド貴族のサラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)は、オーストラリアにいる夫を追って、彼が所有する“ファラウェイ・ダウンズ”という牧場に向かう。
サラの夫は、信頼を寄せているドローヴァー(ヒュー・ジャックマン)という男にサラを迎えに行かせる。だが、粗野なドローヴァーはサラを迎えに行ったダーウィンの町で喧嘩を起こし、サラとの最悪な出会いを果たす。
馬が合わないサラとドローヴァーは道中で絶えず口喧嘩をしていたが、なんとか“ファラウェイ・ダウンズ”に到着する。
だが、サラを迎えたのは夫の亡骸と荒れた牧場だった。そしてそこで、牧場の使用人の息子で、白人とアボリジニのハーフでもあるナラという少年と出会う。
夫がアボリジニのキング・ジョージによって殺されたと牧場の管理人ニール・フレッチャーから聞いたサラだったが、ナラのおかげでフレッチャーが影で悪事を働いていたことに気づいたサラは彼を解雇して牧場から追い出す。実はフレッチャーこそがサラの夫を殺害した犯人だった。
ナラや使用人たちの生活を守るため、そして帰国する資金を作るため、残った1500頭の牛を軍の食肉買付部に売ることを決意するサラ。
牛追いを生業とするドローヴァーたちと結託して出発準備をするサラたち。だがそんな最中に、ナラの母親が不慮の事故で命を落としてしまう。
いつしかナラに母性を抱くようになっていたサラは、彼の母親代わりになることを決める。
そしてついに出発の日を迎える。
全員で力を合わせ、1500頭の牛を連れてダーウィンへと向かうサラ一行。
食肉王カーニーの部下でもあるフレッチャーたちの妨害を受けながらも、サラたちはなんとかダーウィンへと到着する。
そして、カーニーたちよりも先に船に牛を積んだサラたちは軍との契約が完了し、全員が幸せを掴む。
ともに旅をするにつれて互いに惹かれ合ったサラとドローヴァーは結ばれ、サラはナラを養子に迎える。
そして、牧場を引き続き管理することを決意したサラは全員でファラウェイ・ダウンズを再興する。
映画『オーストラリア』 結末・ラスト(ネタバレ)
ファラウェイ・ダウンズを立て直して仲間とともに幸せに暮らしていたサラだったが、ナラがアボリジニのしきたりでもあるウォークアバウトに旅立ったことをきっかけに、サラとドローヴァーの間に意見の食い違いが生じて2人は離別する。
祖父のキング・ジョージとウォークアバウトに出たナラは、混血児であるということを理由に警察に捕まってしまう。
そして、戦争が始まる。
サラはナラを救うために駆けつけるが既に手遅れで、ナラは他の子供たちと一緒に伝道の島へ疎開させられる。
カーニーを暗殺して会社を乗っ取り、事実上の実権を握っていたフレッチャーは、ファラウェイ・ダウンズの土地と引き換えにナラを救うことをサラに提案する。
土地の売買契約を結び、ナラと再会することを心待ちにするサラ。だが、そんな彼女を日本軍の爆撃が襲う。
一方、牛追いに出ていたドローヴァーは日本軍に侵攻されたことを知ってダーウィンへと馬を走らせる。
火の海と化したダーウィンの被害は甚大で、ドローヴァーはサラが死んだことを直感する。そして、ナラがいる伝道の島も爆撃されたことを聞いたドローヴァーは、ナラが生きていることを信じて現地へと向かう。
日本軍の攻撃を受けながらもなんとか生きていた子供たちを見つけるドローヴァー。そしてその中にはナラの姿もあった。
子供たちを救いダーウィンまで辿り着いたドローヴァーとナラは、サラとの再会を果たす。彼女は生きていたのだった。
再会した3人はファラウェイ・ダウンズに戻ることを決める。
だが、そんな彼らを、妻を失い理性を失ったフレッチャーが銃で狙っていた。
そのことに気づいたキング・ジョージは、フレッチャーを殺してナラを救う。そして、フレッチャーこそがナラの本当の父親であることを告げる。
後日、ファラウェイ・ダウンズに戻り再び幸せな生活を手に入れたサラたち3人。だが、ナラがウォークアバウトに旅立つ日がやってくる。
ナラとの別れを惜しみながらも、サラとドローヴァーはナラを信じて見送るのであった。
映画『オーストラリア』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『オーストラリア(2008)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
舞台的セットと広大な自然美の融合
バズ・ラーマン監督といえば、『ムーラン・ルージュ』や『華麗なるギャツビー』などで見られるように、美術セットへの強いこだわりが感じられる監督の一人だ。
豪華で、かつ舞台的な印象を受けるセットは美しく、細かい部分まで計算されていることが分かる。彼の全ての作品で美術監督を務めたキャサリン・マーティンと結婚していることからも、彼の美しさに対する執念めいたものを感じる。
そんなバズ・ラーマン監督が本作では、従来の舞台的なセットにオーストラリアの広大な自然美を見事に融合させている。
出身地であるからこそ知っているオーストラリアが持つ神秘的な生命力を余すことなく映し出し、計算されつくした美術セットの配置も物語にマッチしていて心地よい。
監督が持つ特性を活かしつつ、テーマに沿った自然的な美しさも観客に体験させてくれる。
人種を超えた人とのつながり
本作では、ナラという少年が物語の鍵を握っている。この子がまたとんでもなく可愛い。あんなキラキラした目でまっすぐ見つめられたら、もう母性を止めることはできない。
サラとドローヴァーは、ナラを通して本当の自分を見つけ、人とのつながりを感じられるようになる。
人種差別が当たり前のあの時代。そんな概念に惑わされず、自分が信じる道を突き進む彼女たちは勇ましく美しい。
伝道の島に連れて行かれる時にナラがサラに言った「歌で呼ぶよ」という言葉。なんて素敵なんだろう。人種という概念を超え、本当の人とのつながりを見せてくれたこの作品に感謝したい。
最初から最後までずっと自分勝手で傲慢な態度を取ってくるフレッチャーに本当にイライラさせられました。フレッチャーに巻き込まれるサラやナラが可哀想でたまりませんでしたが、そんな困難をも乗り越えていこうとするサラの強さは、同じ女性として尊敬します。
後半に出てくる日本軍の描き方は日本人にとっては気持ちの良いものではありませんが、今作のストーリーを描くためには必要だったのでしょう。
サラとドローヴァーの愛を感じたナラはきっと勇敢で愛に溢れた大人になるだろうと感じました。(女性 30代)
映画『オーストラリア』 まとめ
本編は165分と少し長めだが、物語に惹き込まれるからあまり苦に感じない。
2部構成になっているのも良かった。他人同士だった3人が血のつながり以上のつながりで結ばれていく第1部。その後離散するが、離れることによってより強くなったつながりで3人が再会を果たす第2部。落としどころを2つ作って観客を飽きさせないストーリーは、オーストラリアの自然と同じくらい見応えがあった。
貴族のサラと野蛮なドローヴァーという正反対の2人が惹かれあっていくラブストーリーの面も物語にうまく絡んでいて楽しめた。
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