映画『ベイブ』の概要:『ベイブ』(原題:Babe)は、豚の体重当てコンテストの景品として農場に貰われた子豚ベイブのコメディ映画。アカデミー賞では計7部門にノミネートされ、視覚効果賞を受賞した。
映画『ベイブ』 作品情報
- 製作年:1995年
- 上映時間:92分
- ジャンル:ファンタジー、コメディ
- 監督:クリス・ヌーナン
- キャスト:ジェームズ・クロムウェル、マグダ・ズバンスキー、ゾーイ・バートン、ポール・ゴダード etc
映画『ベイブ』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
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映画『ベイブ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ベイブ』のあらすじを紹介します。
農夫のアーサーは、子豚の体重を当てるゲームで見事言い当て、景品としてその子豚をもらい受ける。当初アーサーは、思いがけず手に入れた子豚を、大人になるまで飼ってたくさん食べさせて丸々太ったら捌いて食肉にしようと考えていた。
そんなことは全く知る由もない子豚のベイブ。知らない土地に連れてこられ、引き離された母親を恋しがっていた。それを見かねたのが牧羊犬のフライだ。牧場に慣れるまで、自分の子供達と同じように世話をして、母親代わりとなる。ベイブもそんなフライを「ママ」と呼び慕う。そして、牧羊犬であるフライの姿を見てベイブもそれを真似て動くようになる。
アーサーはベイブが牧羊犬のようなことをする珍しい様に驚くだけだった。しかし、ある日羊泥棒が現れ、ベイブは危機をアーサーに知らせに走る。その一件からアーサーはベイブを牧羊豚にするべく訓練するようになる。ベイブはしっかり務めようと奮闘するが、羊たちは牧羊犬と違い威厳のないベイブを馬鹿にする。同じく牧羊犬のレックスにも冷たくされ、なかなかうまくいかない。そんなベイブに優しく助言してくれたのが老いた羊のメーだった。
ある日、野犬に襲われてメーが死んでしまう。ベイブは野犬を追い払うが、アーサーは血の付いたベイブを見て犯人ではないかと疑うが、フライや羊たちの助力もあって誤解が解ける。
その後、アーサーはベイブを牧羊犬コンテストに出場させようと考える。ところが、一連の事件を経て主人の信頼を得たベイブは可愛がられ、それに嫉妬した猫は「豚は食べられるために飼われているのだ」と言う。ショックを受けたベイブは家を飛び出す。翌朝、コンテスト当日。ベイブの姿が見当たらないことに気付いたアーサーは、レックスらと共にベイブを探し出し、なんとかコンテストに間に合う。
だが、コンテスト会場で審査員たちは「牧羊犬」でなく「牧羊豚」が出場すると知り、問題となる。一方、ベイブも見慣れない羊に対面し、まるで相手にされず困り果てるが――
映画『ベイブ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ベイブ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
特殊効果が見事
動物がメインとなる映画では、まず動物に演技をさせるのは不可能なので、撮影には苦労する。大体の映画では、時間をかけて動物を撮影し、撮りたいシーンにあう行動をした瞬間を切り取って成り立つ。しかし本作では、動物の間で言葉が話されるし、たくさんの動物が多くの場面で登場するのもあってか、CGやSFXのアニマトロニクスの技術を用いて本物の動物と融合させている。それが動物の演技を可能にしている。まるでアニメーションのように多彩な表現ができるけれど、実写として違和感のない映像になっている。実際の動物の映像だけでは表現しきれない表情や口の動きも人間のように豊かで細かい。公開されたのは90年代半ば頃なので、ものすごい技術だなあと驚いた。さすが、アカデミー賞で受賞するだけある。
農場の動物たちのコミュニティ
アーサーの農場には、いろんな動物がいる。犬・猫・羊・アヒルなどさまざま。アーサーとベイブの信頼関係を築く話というよりもむしろ、動物の社会がメインのように感じた。なにしろ動物がしゃべるのだから。農場の動物たちの社会は、まるで人間社会と同じで、上下関係はあるし、優しい動物もいれば意地の悪い動物もいる。そんな中に新参者のベイブが入り込んで、いろんな動物と次第に打ち解けていく。そして最後には牧羊豚として羊をまとめあげるまでに成長するのだ。本当に人間のサクセスストーリーを豚に置き換えた感じで面白い。よくアニメでは猫がいじわるな役で登場するが、この映画でもそう。また、アヒルはうるさいというのも多くの人がイメージする通りだと思う。実際の動物社会はどんな感じなんだろうかと少し気になった。これなら子供が観ても動物の感情を直接感じ取れるので分かりやすくて面白いのではないかと思った。
本来人間に食されるために育てられる子豚が、牧場で牧場豚としての地位を手に入れるというお話。動物たちの芝居が自然なのは、監督やスタッフの並々ならぬ苦労の賜物だろう。
どこまでも純粋でかわいい子豚ベイブに癒され、その純粋さに影響されていく牧場の生き物たちに感動する。一言で言うと「優しい世界」。でも薄皮一枚を挟んで動物たちの置かれている過酷な状況も垣間見れる絶妙な匙加減だ。
この作品を見てベジタリアンになろうとは思わないが、食卓に並ぶ肉を見て食べられるために処理された動物がいるのだ、という想像力を働かせるきっかけになった。(男性 30代)
「紅の豚」と並び、豚へのイメージをひっくり返してくれる作品。子豚のベイブを中心に、農場内の動物や人間の生活を描いたドラマです。動物たちは人語を理解でき、動物どうしは会話できるという設定です。ユーモアあふれる会話や動きから、生き生きとした動物を感じられて、どれもこれも皆愛くるしかったです。ただ愉快で楽しいだけでなく、生き物役割といったシリアスも描かれていて締める部分はしっかりと締めているのが凄いです。(男性 20代)
映画『ベイブ』 まとめ
農場でいろんな事件が起こり、ベイブを中心に繰り広げられるドタバタコメディ。ファンタジー要素が強く子供向け作品だけど、絶対に大人も楽しめる。ベイブは牧羊豚として力を発揮したから主人に可愛がられた。そうでなければ食肉になる運命だったし、途中アーサーに疑われた時は問答無用で殺されるところだったのだ。これをコメディとして描いているから面白いけれど、よく考えれば社会をよく表していると思う。人間と家畜の絆なんてたやすく壊れてしまうし、そしてそれは人間同士でもいえることなのだ。
制作のジョージ・ミラーは、『マッドマックス』シリーズの監督・制作としても知られる。こういう映画も作るんだなあと少し意外に思ったけれど、やはりいろんな映画をヒットさせただけあって本作も面白い。
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