映画『赤ちゃん泥棒』の概要:「ファーゴ」や「ノーカントリー」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟による犯罪コメディ。出演はホリー・ハンター、ニコラス・ケイジ、フランシス・マクドーマンド。1987年の米国映画。
映画『赤ちゃん泥棒』 作品情報
- 製作年:1987年
- 上映時間:95分
- ジャンル:コメディ、アクション
- 監督:ジョエル・コーエン
- キャスト:ニコラス・ケイジ、ホリー・ハンター、トレイ・ウィルソン、ジョン・グッドマン etc
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映画『赤ちゃん泥棒』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『赤ちゃん泥棒』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『赤ちゃん泥棒』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『赤ちゃん泥棒』 あらすじ【起・承】
アメリカ、アリゾナ州。ハイ・マクダノー(ニコラス・ケイジ)は、コンビニ強盗を繰り返す犯罪者。州の刑務所に収監された際、出会った警官エド(ホリー・ハンター)に恋をした。
その後も何度が捕まり収監されるが、警官のエドが失恋したと聞き、プロポーズをした。こうして、2人は結婚します。ところが、子供が出来ないので病院で診てもらうとエドが不妊症であると判明した。
悲しみのあまり、警官の仕事を辞めてしまったエド。2人は養子をもらうことを考えるが、マクダノーに前科があるため認められなかった。エドに元気を取り戻して欲しいと願うマクダノーは、ある日、大手家具店の店長夫婦に5つ子が誕生したことを知ります。
2人は、子供のでき方があまりにも不公平だと感じ、5つ子のうち1人を盗もうと考えた。
1度めは、5つ子に翻弄されて盗むことが出来なかったが、エドが強く望んだために実行した。2人は愛らしく笑う赤ちゃんを見て、一目で気に入ってしまう。
エドは、”可愛すぎてもう離せない!”と喜ぶが同時に、この子の母親が心配しているのではないかと不安になるのだった。
大雨が降る夜。州の刑務所を脱獄した2人組、ゲイル(ウィリアム・フォーサイズ)とグレン(サム・マクマレイ)は泥まみれのまま、マクダノーの家へやってきた。2人の姿を見て、悪い予感を覚えるマクダノー。妻のエドは、脱獄犯にいられては困るというのだが、仕方なしに泊めることに。
その夜、マクダノーは未来に関する不思議な夢を見た。赤ん坊のいる我が家にハーレーに乗った地獄の使者がやってくるという内容で、一晩中うなされてしまう。
映画『赤ちゃん泥棒』 結末・ラスト(ネタバレ)
家具屋の社長ネイサン・アリゾナ(トレイ・ウィルソン)は、マスコミにインタビューを受けていた。妻は残った子供4人を連れて実家に帰ったらしい。子供の着ていた服などについて聞かれるが、よく覚えていない。
FBIに指紋を取られ、子供部屋も荒れたままだった。一方、脱獄犯が残した穴を警察犬が匂いを嗅いでいた。相変わらず、マクダノーの家に脱獄犯2人は居座っていた。
その日午後、マクダノーが勤める工場の友人夫婦(上司)が、マクダノー夫婦を訪ねてきた。友人夫婦の子供は、家を散らかし放題にした。エドは、育児の悩みを相談し、予防注射や銀行口座、保険加入などが必要だと聞く。
しかし、夫マクダノーは、上司から”夫婦交換”を持ちかけられ、”俺の女房に手を出すな!”と殴ってしまう。このために、マクダノーは会社をクビになってしまう。
それでも、息子がかわいくてたまらない。マクダノーは息子のオムツをコンビニに買いにゆくが、お金に困りコンビニ強盗をしてしまう。怒った妻は車で走り去るが、マクダノーは警官とコンビニ店員に追われるのだった。
彼が逃げ込んだ民家には、猛犬がいた。なぜか犬までマクダノーを追ってゆく。スーパー・マーケットに逃げ込み、オムツを抱えたまま走った。スーパーを出ると、妻が運転する車に乗り込んだ。
マクダノー夫婦が家に戻ると、まだ脱獄犯の2人がいた。”明日の朝、出て行って!”とエドは要求するが、脱獄犯は失業したマクダノーに銀行強盗しないかと持ち掛けます。1度は、妻と子供のために銀行強盗を決意し、エドに宛てた手紙を書きます。
一方、マクダノーの奇妙な夢に出てきた地獄の使者レナード・スモールズ(ランドール・”テックス”・コップ)が家具屋の社長ネイサンのもとに現れた。”俺が赤ん坊を見つけたら、2万5千万ドルをよこせ!”と彼は言う。
疑いつつも、社長ネイサンは地獄の使者レナードに子供の運命を託した。ある日。大けがした上司が来て、マクダノーをクビにする!と宣言。だが、もし、子供を俺達に渡せば許してやると理不尽な要求を突き付けた。
もちろん、子供は渡さない。だが、妻が留守をしていた間に、赤ちゃんを脱獄犯2人に奪われてしまう。
脱獄犯にも赤ちゃんは微笑む。脱獄犯2人は、雑貨店でオムツを強奪した。しかし、赤ちゃんを車の屋根に置いたまま、車を走り出してしまう。気が付いた時には、赤ちゃんがいない。
雑貨店に引き返し、赤ちゃんを見つけるとまた一緒に乗せてゆく。そして、田舎の銀行に強盗に入った。”ふせてるんだよ、ゲイル!””名前を呼ぶな!”と言い合う2人。
お金を奪い、成功したように思えたが、途中でお金が爆発して車内はインクまみれになってしまう。混乱の中、再び赤ちゃんは置いてけぼりにされてしまった。
そこへ、地獄の使者レナード・スモールズが現れ、赤ちやんを奪い、車を破壊していった。一方、赤ちゃんを取り戻そうと追っていたマクダノー夫婦も現場に居合わせた。
妻エドが赤ちゃんを保護したが、地獄の使者は執拗にマクダノーに襲いかかります。マクダノーは、手りゅう弾の引き金をひいて地獄の使者を殺した。
その後、マクダノー夫婦は、赤ちゃんを家具屋の社長ネイサンのもとに返した。ネイサンに見つかった2人は、子供を盗んだことを謝ります。そんな2人をネイサンは許すのだった。
その晩、マクダノーは未来の夢を見た。ゲイルたちはムショへ戻り、家具屋のネイサンの家ではクリスマス・パーティが開かれていた。ネイサン・ジュニアの1人に匿名の家族から贈り物が。
ジュニアの成長を自分の子供のように見守るマクダノー夫婦だった。マクダノーとエドは出てこなかったが、2人の幸せな老後をいつまでも夢見ていた。
映画『赤ちゃん泥棒』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『赤ちゃん泥棒』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
コーエン兄弟のコメディセンスが光る!初期の傑作
コーエン兄弟の作品には、「赤ちゃん」や「女警官」、「2人組の犯罪者」などその後の作品とパターン化された笑いがあります。この作品では、犯罪は悪いことだけど、犯罪者に同情したくなるような温かさも特色です。
ドタバタ感が嫌いな人は苦手かもしれないが、赤ちゃんを泥棒したことで巻き起こる騒動が憎めないのがいい。特に赤ちゃんのかわいさに癒されます。
ただ、ハーレーに乗って現れる地獄の使者という存在が突飛すぎてついてゆけない。この存在がいなくても、”赤ちゃんへの愛”は充分、伝わってきます。
ありえないのに、笑えるのは車のボンネットに赤ちゃんを置いて走り出してしまい、道路に置き去りにしてしまうシーン。すぐに赤ちゃんを助けに戻ってくる脱獄犯!
もし他の車が通ったらなんて考えると笑えないのだが、そんなベタな笑いも魅力的です。また若き日のニコラス・ケイジや妻役を演じる、ホリー・ハンターなど配役が新鮮で楽しめます。
主人公が見る夢
コーエン兄弟が好んで使うブラック・ユーモアの表現として、主人公が見る夢に注目したい。主人公は幸せな家庭生活を思い描きながら、赤ちゃんを泥棒したことで、何者かに奪われてしまうかもしれないという不安感に襲われます。
それが、”ハーレーに乗る地獄の使者”なのだ!主人公はこの時、初めて自分の罪を自覚したのではないだろうか。そして、やや強引だが、地獄の使者を殺すことでまっとうな生き方を実現させようとします。
心の葛藤を”夢”という形で上手く表現しているだけでなく、”暴力性”を超えた愛に目覚めることが重要なんです。物語の最後では、赤ちゃんをずっと遠くから見守ることと自らの家族観を描いています。
叶えられない夢だと分かっているからこそ、美しい。コーエン兄弟の緻密な心理描写にも注目です!
強盗を繰り返すような悪党でも赤ちゃんにはイチコロなのが本当に面白い今作。ドタバタのコメディ作品なのでありえない事ばかり起こりますが、それがまた面白い。ニコラス・ケイジが演じるマクダノーが一生懸命な姿もなんだか応援したくなってしまいます。
彼が時折見る「予知夢」のような夢を使ったシナリオもすごく良かったです。
強盗や脱獄犯が登場しますが、子供が見ても全く問題ないでしょう。明るいストーリーと赤ちゃんに癒される楽しい作品でした。(女性 30代)
本作は、不妊治療中で警官の妻と元強盗の夫婦が赤ちゃんを手に入れるため、五つ子の1人を誘拐する争奪戦を描いたコーエン兄弟による犯罪コメディー作品。
スピード感のあるカメラワークが独特で、音響も好みだった。
なんだかんだで、結局登場人物たちが皆愛しく思えたのは何故だろうか。
そうきたか!という展開やゆるい感じ、どんな状況に置かれても終始ニコニコしてる赤ちゃんに癒されるハートウォーミンングな作品だった。(女性 20代)
同じくコーエン兄弟の『ファーゴ』を先に観ていたので、そのギャップに驚いた。良い意味でシュールというか、脱力系というか。この絶妙な空気感はなかなか出せるものではないと思う。
話としては単純な物語を、独特すぎるキャラクターとテンポ、世界観で見事に表現している。
終始赤ちゃんが可愛いのと、登場人物全員赤ちゃんには優しいのが微笑ましい。
散々めちゃくちゃやらかした後、ラストでちょっとほっこり良い話みたいになるのがまた面白い。(女性 30代)
映画『赤ちゃん泥棒』 まとめ
ホリー・ハンターが演じる妻エドの、盗んできた赤ちゃんを愛おしそうに抱くシーンで、思わず泣きそうになってしまいます。実生活では、47歳という高齢で双子の赤ちゃんを出産したことでも有名です。
赤ちゃんがいないと幸せになれないわけではないけれど、劇中で微笑む赤ちゃんの姿を観ていると癒されます。その笑顔の力には、どんな罪人でも敵わない!
観ると元気になれる映画です!コーエン兄弟の監督作品には、「ファーゴ」や「ノーカントリー」など代表作がありますが、その源流にあたる初期の作品としておすすめです。
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