この記事では、映画『バーバリアン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『バーバリアン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『バーバリアン』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2022年 |
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上映時間 | 102分 |
ジャンル | ホラー サスペンス |
監督 | ザック・クレッガー |
キャスト | ジョージナ・キャンベル ビル・スカルスガルド ジャスティン・ロング マシュー・パトリック・デイヴィス |
製作国 | アメリカ |
映画『バーバリアン』の登場人物(キャスト)
- テス(ジョージア・キャンベル)
- ドキュメンタリー映画を製作する際に、下調べを行なうリサーチ業を仕事にしている若い女性。
- キース(ビル・スカルスガルド)
- テスが新しい仕事のために借りた、家の中にいた青年。
- AJ(ジャスティン・ロング)
- TV番組のディレクター。一緒に仕事をした女優から暴行容疑で訴えられる。
映画『バーバリアン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『バーバリアン』のあらすじ【起】
ドキュメンタリー映画の下調べを仕事にしているテスは、新しい仕事のためにデトロイトのバーバリー通りにある借家を借りる。雨の夜、テスが借家を訪れると、家の中にはすでにキースという見知らぬ青年がいた。
テスはキースを怪しむが、テスもキースも別々の不動産屋からこの借家を紹介され、ダブルブッキングしてしまったのだと判明する。時間も遅く不動産屋とは連絡が取れず、テスは仕方なくホテルを探そうと考えるが、キースは泊っていけばいいとテスを引き留める。
最初はキースを警戒していたテスだったが、偶然にもキースが自分が取材する団体の関係者だとわかり、次第に打ち解け始める。結局寝室をテスが使い、キースはリビングのソファーで寝るということで話がつく。
翌朝テスが目覚めると、すでにキースは出かけていた。テスも仕事先に出発するが、改めて日差しの中で辺りを見渡すと、周囲の借家のほとんどが荒れ果てていることに気付く。仕事を終えてテスが借家に戻ると、ホームレスのような男が「こっちに来い!」と迫ってくる。テスは急いで家に入り、カギをかけて男を振り払う。
映画『バーバリアン』のあらすじ【承】
その後テスは家の地下室で、壁から突き出るように紐が伸びているのを見つける。テスがその紐を引っ張ると、隠し扉のように壁の一部が開き、その奥に長い通路が広がっていることがわかる。恐る恐るテスが通路の先へ入ってみると、血の跡がある部屋があり、それをカメラで録画していたような痕跡も見つかった。
そこにキースが戻って来て、テスが地下室の隠し部屋のことを告げると、キースは確かめてみると隠し扉の奥へ入っていく。キースがなかなか戻って来ないことを心配してテスが通路に入ってみると、通路の奥からキースが「逃げろ!」と飛び出してくる。
するとキースの背後から怪物のような女性が忍び寄り、キースの頭を壁に叩きつけて惨殺する。そしてテスもその女性に殴られ、気を失う。
場面は変わり、TV局でディレクターをしているAJは、撮影で関わった女優から暴行容疑で訴えられ、弁護費用を稼ぐ必要に迫られていた。そこで資産として所有していた、バーバリー通りの借家を売却することにする。
映画『バーバリアン』のあらすじ【転】
家の状態を確認するためAJが向かったバーバリー通りの借家は、テスが借りていた家だった。AJはリビングに見知らぬ者のバッグが置いたままになっているのを見つけ、現在借りている者がいるのか不動産屋に確認するが、2週間前に貸したきりだと返答される。
そしてAJは地下室への扉が自然と開いたことに気付き、盗賊が潜んでいるのかもしれないと、警戒しながら地下室へ降りていく。そして隠し扉から繋がる通路があることを知ったAJは、家の敷地面先が広ければ売値が高くなる可能性があると考え、隠し扉の中を調べてみることにする。
通路の中で何者かの気配を感じたAJは咄嗟に逃げようとして、通路の床に開いた穴に落ちてしまう。穴の中には2週間前に謎の女性に捕らわれた、テスが監禁されていた。
この地域がまだ新興住宅地だった頃、フランクという男がこの家を所有していた。フランクは連続殺人鬼で、目に留まった若い女性を次々と拉致し、家の地下に監禁していた。地下室の奥にあったカメラは、フランクが監禁した女性の姿を録画したものだった。
映画『バーバリアン』の結末・ラスト(ネタバレ)
フランクは拉致した女性に子供を産ませ、その中の1人がキースを殺した謎の女性だった。謎の女性は長い地下での生活で凶暴化し、年老いたフランクを逆に監禁した上に、借家を借りに来た者を捕らえていた。テスに声をかけたホームレスの男はその事件を知っていて、テスを借家から助け出そうとしたのだった。
テスはAJと共に女性から必死に逃げ、ホームレスの男が住む給水塔へ向かう。しかし謎の女性はテスたちを追って来ていて、ホームレスの男は殺され、テスとAJは給水塔を登って女性から逃げようとする。するとAJは自分が助かるために、テスを給水塔から突き落とす。
AJは事故だったと言い訳をするため、落ちたテスの元に向かう。そこで謎の女性が背後から襲いかかり、AJは惨殺される。落ちた衝撃でもがくテスのことを、自分の子供のようにあやそうとする謎の女性に、テスはAJが持っていた拳銃を向け、引き金を引く。テスは傷だらけになりながらも立ち上がり、バーバリー通りを後にするのだった。
映画『バーバリアン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
最初はよくある“民泊ホラー”かと思いきや、どんどん展開が狂っていくのが最高でした。地下室の通路に気づいたときの不気味さ、そして突然訪れる“母”の登場には本当に驚かされました。人間の恐怖と化け物的存在の恐怖が融合していて、ラストでテスが自らの命を賭けて母に向き合う姿も印象的でした。ホラー好きにはたまらない映画です。(20代 男性)
本作の構成がとにかく斬新でした。前半の静かな不安と、後半の突如切り替わる視点によるテンポの変化が見事。ジャスティン・ロング演じる男が地下室に入り、あの“存在”に出会うまでの流れは、怖いのに笑ってしまうほど奇妙でした。最後にテスが“母”に対して見せた慈悲のような行動が心に残りました。怖いけど、人間味のあるホラーです。(30代 女性)
終盤まで“正体不明の何か”がうまく隠されていて、その分明かされたときの衝撃が強かったです。あの家の構造や、地下のさらに奥に広がる空間の異様さにはゾッとしました。見せ方の工夫が多く、観客の想像力をかき立てる演出が素晴らしい。特に中盤のカメラ視点の変化には鳥肌が立ちました。脚本もよく練られていると思います。(40代 男性)
ホラーというよりも“ジャンルを超えた恐怖体験”という印象でした。テスとキースのやりとりは、男女間の不信感や警戒心を巧妙に描いていて、リアルに怖かったです。地下に潜ってからは完全に悪夢のような展開で、特に“母”の造形と声がトラウマ級。加えて過去の回想であの家のルーツが語られるあたりも衝撃的でした。構成の妙が光る一作です。(20代 女性)
「予測できない」という点では、近年のホラーでも群を抜いていました。途中で主人公が変わったかと思えば、まさかまたテスが戻ってくる展開。ホラーとしての怖さもありますが、根底にある“加害者の自己正当化”や“母性の歪み”など、考察の余地が多いテーマ性にも感心しました。単なる恐怖では終わらせない作品でした。(30代 男性)
中年の私でもこの映画は最後まで楽しめました。昔ながらの“見てはいけない部屋”を現代版にアップデートしたような作りが秀逸。特に、地下の更なる地下へと進んでいく不安感が強く、古典的ながらも新しさを感じました。ラストのテスの決断にも感動すら覚えました。ホラー映画をあまり観ない人にもおすすめできる作品です。(50代 男性)
とにかく不気味! 静けさの中にある違和感がじわじわと不安をかき立てて、地下で“何か”がいると分かった瞬間に一気に恐怖が爆発する感じがたまらなかったです。母のビジュアルもショッキングだけど、悲哀も感じるのがこの作品の深さ。怖いだけじゃない、感情の余白を感じられるホラーでした。(20代 女性)
映画全体の構造に驚かされました。三部構成のような流れで、主人公が入れ替わるように感じるところや、視点の転換のうまさが非常に印象的でした。“母”という存在が単なる怪物ではなく、ある意味で“生まれた犠牲者”であることを知ったときは、ただの怖い話では終わらない重さを感じました。(40代 女性)
全体的に“絶妙なバランス”が光るホラーでした。テスの行動が理にかなっているのも好感が持てるし、彼女がただ逃げるのではなく、もう一度あの家に戻る展開は、恐怖と勇気のせめぎ合いとして秀逸。“母”がただの怪物ではないと気づいたとき、この映画の奥深さに唸らされました。怖くて切ない傑作です。(30代 男性)
序盤は静かなスリラー、中盤はグロテスクな恐怖、そして終盤は人間ドラマ的な感動。ジャンルを横断しながらも破綻しない脚本が素晴らしかったです。悪人と善人が簡単には割り切れないキャラクター造形が印象的で、とくに“母”に対する見方が時間とともに変わっていく構成が巧妙。ホラーに苦手意識のある人にもおすすめできる一作です。(50代 女性)
映画『バーバリアン』を見た人におすすめの映画5選
ゲット・アウト
この映画を一言で表すと?
人種差別の裏に潜む狂気が、静かに牙をむくサスペンスホラー。
どんな話?
黒人青年クリスが白人の恋人の実家を訪れるも、どこか奇妙な空気に気づく。やがてその家には、表面上の好意を裏切るおぞましい秘密があった。人種問題と恐怖を巧みに融合させた社会派ホラー。
ここがおすすめ!
『バーバリアン』と同様に「最初は普通に見える」環境が、じわじわと狂気へと変貌していく構成が秀逸。ジャンルを超えたメッセージ性と緊迫感が融合し、予想を裏切る展開がクセになる傑作です。
ハウス・ジャック・ビルト
この映画を一言で表すと?
狂気の連続殺人者が語る“芸術としての殺人”という悪夢。
どんな話?
連続殺人犯ジャックが、自らの行為を“美学”として回想する構成で描かれる異色のサイコホラー。無機質な視点と狂気の哲学が交錯し、観る者の倫理観を問う問題作。
ここがおすすめ!
『バーバリアン』のように、“見る者の常識を揺さぶる恐怖”を体験したい人におすすめ。ショッキングながらも、哲学的な問いを含んだストーリーは唯一無二の後味を残します。ラース・フォン・トリアー監督作。
イット・フォローズ
この映画を一言で表すと?
“それ”はゆっくり、確実に、そして止まらずにやってくる。
どんな話?
性行為によって“呪い”が感染し、姿を変えながら追い続けてくる“それ”から逃げる少女ジェイ。どこまでも迫り来る恐怖と静寂に包まれた映像美が高く評価された新感覚ホラー。
ここがおすすめ!
『バーバリアン』と同様に、日常の中に潜む“見えない恐怖”がじわじわと広がる演出が光る作品。パニックに頼らず、静かな緊張感で観る者を追い詰めていく構成が魅力です。独特の不安感がクセになります。
マザー!(mother!)
この映画を一言で表すと?
崩壊していく家庭と自己が、悪夢のように描かれる芸術ホラー。
どんな話?
作家の夫と田舎で暮らす女性のもとに、次々と“訪問者”が現れる。次第に家は混乱と暴力の場と化し、彼女の精神は崩壊していく。寓話性の強い構造とカオスな展開が話題を呼んだ問題作。
ここがおすすめ!
“密室”と“徐々に狂っていく世界”という『バーバリアン』に共通する要素を、さらに寓話的・宗教的な視点で極端に描いた作品。意味不明さの中に不気味なリアリズムがある、知的スリラーとしても楽しめます。
キャビン
この映画を一言で表すと?
「よくあるホラー」の裏側に、壮大すぎる仕掛けが待っていた!
どんな話?
山奥のキャビンに訪れた若者たちが次々と不可解な出来事に巻き込まれていくが、実は全てが“ある計画”の一環だった。ジャンルの枠を破壊する、メタホラーの金字塔。
ここがおすすめ!
ホラー映画に慣れた人ほど驚かされる構造が『バーバリアン』と共通。観客の予想を裏切る展開と、ブラックユーモア満載の展開で、最後にはホラーというジャンルそのものを再定義するかのような痛快さがあります。
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