映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』の概要:フランシスはアフリカからヨーロッパに不法入国を果たした。真面目に生きようと誓うものの、難民が真っ当に生きるなど容易ではないことを思い知る。やがて悪い男に出会い、犯罪に手を染めていく。
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』の作品情報
上映時間:183分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ブルハン・クルバニ
キャスト:ヴェルケット・ブンゲ、イェラ・ハーゼ、アルブレヒト・シュッヘ、ヨアヒム・クロール etc
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映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』の登場人物(キャスト)
- フランシス・B(ヴェルケット・ブンゲ)
- アフリカのビサウ出身の難民。不法入国したドイツで真っ当に生きたいと誓うが、ドイツ人の売人ラインホルトと出会い、犯罪に関わっていく。ラインホルトからドイツ名「フランツ」を命名される。
- ラインホルト(アルブレヒト・シュッヘ)
- 麻薬の売人。建設現場で働いていたフランシスを気に入り、自分の手下にする。見た目は猫背でひ弱そうだが、暴力的で悪魔のような男。
- ミーツェ / ナレーター(イェラ・ハーゼ)
- 左腕を失ったフランシスを世話する女性。やがて心を通わせて恋人同士になり、彼の子を身ごもる。
- エヴァ(アナベル・マンデン)
- ナイジェリア出身のナイトクラブの経営者。ドイツ生活が長く、立ち振る舞いはドイツ人と同じ。ベルタというトランスジェンダーの恋人がいる。
- プルム(ヨアヒム・クロール)
- ラインホルトのボスの元締め。縄張りの麻薬売買を取り仕切るだけでなく、刺激を求めるために自ら強盗も行う悪人。
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』のあらすじ【起】
アフリカからヨーロッパに船で不法入国をしようとしていたフランシスは、嵐で船が転覆して恋人を失いながらも、ひとりだけ生き延びる。半死半生の状態で岸辺に辿り着くと、これからは善人になって真っ当に生きようと神に誓った。
(第1部)フランシスは危険と隣り合わせの建設現場の仕事で働き始めた。作業員の宿舎にヤクの売人、ラインホルトが現れる。フランシスを一目見てワルだと見込み、売買の手伝いをしないかと持ち掛けるが断られる。その後、フランシスは雇い主や同僚と揉めたことで現場をクビになった。
(第2部)行き場のなくしたフランシスは、ラインホルトに拾われた。ラインホルトは自分の女をフランシスに抱かせ、その様子を眺めて喜ぶ狂気じみた男だった。
フランシスはヤクの売買に直接関わることを拒み、アレクサンダー広場に集まる売人たちに食事を提供する食事係の仕事をすることになった。やがて、ラインホルトからフランツというドイツ名を命名される。
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』のあらすじ【承】
フランシスはナイトクラブでナイジェリア出身のエヴァと出会う。フランシスはラインホルトに飲まされた麻薬でラリってしまい、路上で意識を失う。エヴァの部屋で目覚めた彼は、彼女と抱き合い、ラインホルトは危険な人物だと忠告される。
ラインホルトは一度抱いた女に嫌悪感を覚える歪んだ性格で、新しい恋人とすでに険悪な状態になっていた。そこにフランシスが戻り、2人の仲裁に入る。
フランシスはラインホルトに誘われて、強盗の現場へ。犯罪に関わりたくないフランシスは逃げようとするが戻ってしまい、強盗に関わってしまう。ラインホルトはフランシスが逆らったことが気に食わず、彼を走行中の車から突き落とした。フランシスは後続車に轢かれ、左腕を失う大怪我を負う。
(第3部)エヴァはミーツェという娼婦に、フランシスの世話をさせることにした。ある夜、ミーツェは客に薬を飲まされて暴行を受けて帰宅する。フランシスはケリを付けるため、2人でその男の自宅を訪問し、仕返しをするのだった。
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』のあらすじ【転】
フランシスとミーツェは恋人同士になった。沈む船で恋人の手を振り払い、自分だけが生き延びたことを悔やむ彼を、ミーツェは優しく抱き締めた。フランシスは体が回復すると、ヒモのような暮らしに嫌気を感じ始める。
フランシスはラインホルトの部屋へ。車から突き落とした理由で言い合いになるが、自分への罰だという考えを述べて和解し、売人の仕事を始めることになった。
(第4部)フランシスは広場に行き、金槌でリビア人売人を襲撃した。ラインホルトのボスのプムスは、フランシスの活躍に感心する。
ある夜、フランシスたちはプムスに同行して強盗をするが、逃亡の際、プムスの車が横転する。日頃からプルムを恨んでいたラインホルトは、救助もせずにガソリンに煙草の火を引火させ、車ごとを炎上させた。
ミーツェの妊娠が分かると、フランシスはラインホルトにプムス殺害を見逃す代わりに、旅券を用意しろと求める。そして、かつてラインホルトがしたように、不法移民を相手に仕事を勧誘する演説をした。一文無しからジャーマンドリームを手に入れたことを自負する彼は、「俺がドイツだ」と誇らしげに語るのだった。
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』の結末・ラスト(ネタバレ)
フランシスがラインホルトの主催するパーティに出ている間、ミーツェは娼婦の仕事に向かった。しかしその客は、会社員を装ったラインホルト。彼が危険な人物だと知っていたミーツェは警戒する。その夜遅く、フランシスはラインホルトを自宅に招いたため、3人は顔を合わせてしまった。彼女はラインホルトと決別するようフランシスに強く求める。
ミーツェはラインホルトに呼び出された。フランシスが左腕を失った真相を聞くためだったが、彼女は林の中でラインホルトに絞殺されてしまう。
(第5部)フランシスはラインホルトから、お前を解放すると告げられた後、ミーツェの殺害容疑で拘束される。ラインホルトも娼婦の暴行容疑で逮捕された。フランシスは獄中で、「ただ、善人になりたかった」と苦しむ日々を送る。
(エピローグ)数年後、出所したフランシスを待っていたのは、エヴァと一人の少女。ミーツェが宿した子は、奇跡的に助かっていたのだ。フランシスは目を細め、娘をしっかりと抱き締める。その後、広場の噴水に座り、じっと上を見上げるのだった。
映画『ベルリン・アレクサンダープラッツ』の感想・評価・レビュー
ドイツの小説家アルフレッド・デーブリーンの「ベルリン・アレクサンダー広場」の再映画化。上映時間は3時間と長めだが、1980年版の「ベルリン・アレクサンダー広場」は898分なので、それに比べれば全然短い。
真っ当に生きたいだけなのに、犯罪に手を染めていく難民のフランシスの苦しみが痛いほど伝わってくる。関係者を全て不幸に陥れるラインホルトの負のオーラがすごい。ミーツェの囁きかけるようなナレーションも胸に刺さる。映像や音楽など全てにおいて、完成度の高さを感じる作品だった。(MIHOシネマ編集部)
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