映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』の概要:実在の女性サーファー6人が実際に行ったインド旅行を記録した、ロードムービー。世界の抱える環境やジェンダーの問題、貧困を考えながら、インドの文化と自然が織りなす鮮やかな色彩を映し出す。
映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』の作品情報
上映時間:46分
ジャンル:ドキュメンタリー、スポーツ
監督:クリスタル・ソーンバーグ=ホムシー、デイヴ・ホムシー
キャスト:イシタ・マラヴィヤ、エミィ・コッチ、ローレン・ヒル、ケイト・ボールドウィン etc
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映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』の登場人物(キャスト)
- クリスタル・ソーンバーグ=ホムシィ
- 主演の一人でありながら、本作品の監督兼プロデューサー。旅好きのサーファー。サーファーの女性5人を集め、自らの憧れの地・インドを旅し、そこで出会った人と、自分や仲間達の内面の変化を見つめ続ける。
- エミィ・コッチ
- 国際NPO「ビヨンド・ザ・サーフェス」の設立者。サーファー。サーフィンを通じて、貧しい子供達の救済を目指す。
- ローレン・ヒル
- サーファー。問題を抱える女性の保護や自立を助けるため、ジェンダー活動に精力的に取り組んでいる。
- リズ・クラーク
- サーファー。冒険心に溢れ、環境問題に取り組みながら執筆活動を続けている。
- ケイト・ボールドウィン
- ヨガ・インストラクター。スピリチュアルな分野に精通し、インドでの旅を導く存在。もちろん、サーフィンも大好き。
- イシタ・マラヴィヤ
- ムンバイ出身のインド人女性。子供の頃にサーフィンと出会い、インドで初めての女性サーファーとなる。先駆者となる勇気と自信を持った、強い女性。
映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』のあらすじ【起】
ハワイ生まれのサーファー・クリスタルは、女性サーファー五人を集め、インドを南下する旅を始めた。それを記録する映画の監督は、彼女自身。クリスタルは旅とサーフィンを愛し、女性だけで励まし合い、笑い合うサーフィンの旅に、心から満足していた。
旅の舞台にインドを選んだのは、クリスタル自身が、以前からインドに強い関心を持っていたからだ。長い時間をかけて、多様な文化が混ざり合ってきたインド。精神世界に深く訴えかけるその存在感は、クリスタルを惹きつける。そしてインドでは、これまで海は男のものだった。女は家を守り、海は漁をする場所。女性の日焼けも喜ばれない。その地でサーフィンに向き合うことは、サーファーのクリスタルにとって重要な意味を持っていた。
旅の仲間は、個性豊かな女性達だ。国際NPO「ビヨンド・ザ・サーフェス」を運営するエミィ。ジェンダー活動家で、優しいローレン。環境問題に取り組む、自立したリズ。経験豊かなヨガ・インストラクターで、スピリチュアル方面にも造詣の深いケイト。そして、このサーファーグループを象徴する存在、イシタ。イシタはムンバイ出身で、インド初となる女性サーファーだ。
映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』のあらすじ【承】
インドは、女性と子供の生きにくい国だ。自由を得る機会は限られ、貧困と暴力が横行する。しかしこれは、世界全体の問題だった。女性へのプレッシャーは常に存在し、彼女達は怯え、見た目を気にし、自信を無くしている。サーフィンは、自信を取り戻す絶好の手段だ。
旅の一つの目的地である、SISPセンター。南インドでも特に貧しいとされるケララ州の漁村にあり、教育を受けられない子供達に、私立学校という形で無償の学びの場を提供していた。そしてこの地は、絶好のサーフポイントでもある。学校は勉強のご褒美にサーフィンを教え、これからのインドのサーフィン界を支えるだろう子供達を育てていた。
ケイト達はここで、サーフィンとヨガを教えた。子供達は目をキラキラ輝かせて彼女達を見つめ、普段の生活を感じさせない笑顔を見せた。旅のメンバー達も、子供の頃から海やサーフィンに親しみ、夢中になっていた過去を持つ。彼女達は自らの子供時代をインドの子供達に重ね、他のどの分野より急速に発展しているインドのサーフィン文化に期待を寄せる。
映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』のあらすじ【転】
南インドでの旅を通して、メンバーは神や自然との付き合い方にも目を向ける。イシタは比較的信仰に寛容な母に育てられ、ただ心に優しさと人への思いやりを持つよう教えられてきた。そして、その心を彼女の中に育んだのは、サーフィンだ。
今では著名なヨガ・インストラクターとなったケイトは、元々はランナーだった。しかし、厳しく体を鍛えていたある日、突然脳出血に倒れてしまう。一命をとりとめたものの、彼女には自身の体との新しい付き合い方が必要だった。そしてヨガマットに初めて横たわった時、ケイトは、自分に必要なものを見つけた。
インドの言葉で「統一」を意味するヨガは、精神と身体のバランスを整え、自己認識を深める手助けをしてくれる。ヨガと出会ったケイトはすぐにその魅力に引き込まれ、自分の個性に気づき、自分の直す事が出来ない部分を受け入れる術を学んだ。
さらに、サーフィンやヨガは、自然との一体感を教えてくれた。すると湧き上がるのが、自然に対する人間の責任だ。インドの漁師達が持つ知恵は、自然を受け入れ、共存する生き方そのものだった。その一方、現代の新素材の発展が、インドに深刻なゴミ問題をもたらしていることも事実だ。先進国では隠されているゴミが、南インドでは丸出しになっている。ゴミは消滅するものでは無い。リズ達は、消費を減らし、プラスチックとの付き合い方をインドの人々と考えた。
映画『ビヨンド・ザ・サーフェス』の結末・ラスト(ネタバレ)
旅の終着点は、南インドのマナパットだ。ここでイシタ達は人を集め、サーフィンのデモンストレーションをした。集まったのは数百人。インドの人口を考えればほんのわずかだが、サーフィン人口という意味では快挙だった。
そして、何より彼女たちを喜ばせたのが、デモンストレーションの後で訪れたパームリーフ協会での出会いだった。歴史ある女性のための自助組織で、クリスタルたちが訪れた日は、二人のインド人女性が作業にあたっていた。
ここにやって来る女性達は皆貧しく、読み書きも出来ない者ばかりだ。しかし、彼女達は環境に敏感で、プラスチックは土に還らないということを昔からはっきり理解していた。そのため、いまでもヤシの葉を編み、雑貨を作って輸出する。
エミィ達は、自分達のサーフィンを見に来たか訊ねてみた。すると、見には行かなかったが、海に入ってみたいらしい。イシタ達は、早速この二人を海に連れ出した。
二人は、初めは恐る恐る海に入った。手を引かれ、水しぶきに目を固く閉じる。しかし、サーフボードに体を預け、目を開いて大きな笑顔で波と遊ぶようになるまで、そう長い時間はかからなかった。イシタをも驚かせたのが、二人がサリーを着たまま海に入ったことだ。彼女達は、自分は世界で唯一のサリーを着たサーファーだと言って笑った。
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