映画『ビッグ・リボウスキ』の概要:ロサンゼルスで気ままに暮らす一人の男が、同姓同名の富豪と人違いされたことから奇妙な誘拐騒動に巻き込まれる。コーエン兄弟の持ち味の独特のテンポと毒気あるユーモアが、ふんだんに盛り込まれた個性的なブラックコメディ。
映画『ビッグ・リボウスキ』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ジョエル・コーエン
キャスト:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・ブシェミ etc
映画『ビッグ・リボウスキ』の登場人物(キャスト)
- ジェフリー・リボウスキ / デュード(ジェフ・ブリッジス)
- ロサンゼルスでヒッピーのように気ままに暮らす、ボウリングを愛する中年の男。本名が気に入らず、デュードと名乗っている。ホワイトルシアンを愛飲し、マリファナを吸う。
- ウォルター・ソブチャック(ジョン・グッドマン)
- デュードの親友で、ボウリングチームのメンバー。ベトナム戦争退役軍人で、気が短く激昂しやすい。元妻の影響でユダヤ教に改宗している。
- セオドア・ドナルド・カラボッソス / ドニー(スティーブ・ブシェミ)
- デュードのチームメンバー。気が弱そうに見えるが、ボウリングを純粋に愛している。いつもウォルターに発言を邪魔される。
- ジェフリー・リボウスキ(デヴィッド・ハドルストン)
- デュードと同姓同名の大富豪、「ビッグ・リボウスキ」。戦争で脚を負傷し、車椅子に乗っている。年の離れた若妻バニーの誘拐事件の解決を、デュードに依頼する。
- ブラント(フィリップ・シーモア・ホフマン)
- 富豪リボウスキの秘書。リボウスキに忠実で、あらゆる業務をこなしている。
- バニー・リボウスキ(タラ・リード)
- リボウスキの若妻。以前はポルノ映画に出演していた。浪費癖があり、奔放な性格でリボウスキを困らせている。
- モード・リボウスキ(ジュリアン・ムーア)
- リボウスキの亡くなった前妻との娘。フェミニストで前衛芸術家。父親と年が大きく離れているバニーとの結婚を良く思っていない。
- ウーリ・コンコル(ピーター・ストーメア)
- ニヒリスト一団のリーダーのドイツ人。過去にバニーと一緒にポルノ映画に出演している。
- ノックス・ハーリントン(デヴィッド・チューリス)
- モードの友人のビデオアーティスト。
- ジャッキー・ツリーホーン(ベン・ギャザラ)
- 元ポルノ映画プロデューサーの富裕な男。現在はメディアや娯楽関係のビジネスをしているが、実は闇社会の大物。
- ダ・フィーノ(ジョン・ポリト)
- バニーの両親が雇った探偵。家出したバニーを探している。
- ザ・ストレンジャー(サム・エリオット)
- バーカウンターでデュードと出会う、テキサス訛りのカウボーイ姿の男。本作のナレーションもしている。
映画『ビッグ・リボウスキ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ビッグ・リボウスキ』のあらすじ【起】
男の声で、ナレーションが入る。声の主はのちに登場するテキサス訛りのカウボーイ風の男、ザ・ストレンジャーで、これはある怠け者の男の良い話だと語る。
ジェフリー・リボウスキことデュードは、ある夜自宅へ帰ると、待ち伏せしていた二人の男に襲われる。ツリーホーンの遣いだと名乗る男達は、デュードを同姓の大富豪「ビッグ・リボウスキ」と人違いしており、リボウスキの妻バニーの行方を尋ねる。バニーはツリーホーンに多額の借金があった。男達の一人は、デュードの大切な敷物に小便をして去っていく。
デュードは敷物が汚された根本的な原因はリボウスキにあると考え、弁償を求めてリボウスキの豪邸を訪れる。リボウスキはデュードを怒鳴りつけて追い返す。デュードはリボウスキ邸にあった高価な敷物を無断で持ち帰る。屋敷を出る途中、プールサイドでくつろぐバニーと遭遇、緑色のペティギュアを乾かしてと声をかけられる。傍らには昼寝しているウーリの姿があった。
ボウリング場でデュードはウォルター、ドニーとともにリーグ戦に挑む。対戦相手が違反をしたと言って、激昂したウォルターは銃を抜き、騒然となる。
リボウスキの秘書ブラントから連絡があり、デュードはリボウスキ邸を再度訪れる。バニーが誘拐され、リボウスキは消沈していた。誘拐犯はデュードの家を襲った暴漢と同人物ではという予想から、ブラントはデュードに身代金の受け渡しを依頼する。話を聞いたウォルターは、誘拐は偽装だと言い張る。
デュードが自宅でくつろいでいる最中、モードを含めた三人組が侵入し、デュードを殴って気絶させる。目を覚ますと、デュードが目を覚ます、リボウスキ邸から持ち出した敷物はなくなっていた。
映画『ビッグ・リボウスキ』のあらすじ【承】
ブラントから、誘拐犯から連絡があったと呼び出され、デュードは身代金を渡されて指定場所へ車で向かう。途中、替え玉カバンを持ったウォルターが、デュードを待っていた。ウォルターは車に乗り込み、身代金を横取りしようと提案する。受け渡し場所で、ウォルターは反対するデュードを押し切って替え玉カバンを投げ落とす。カバンを手に入れた誘拐犯達はバイクで立ち去る。
ウォルターとデュードは、そのままボウリング場に向かう。ウォルターは、バニーは殺されても当然だと開き直る。
ボウリング場を出ると、身代金を積んだままのデュードの車は盗まれていた。翌日、デュードが自宅で警察に盗難届けを出している最中に、モードから敷物の件で会いたいと電話がかかってくる。
デュードはモードのアトリエを訪れる。モードは、父リボウスキとバニーとの結婚を不快に思っており、過去にバニーがポルノ映画に出ていたことを暴露する。モードはデュードに、身代金は父リボウスキの金では無くリボウスキ財団の金だから取り戻して欲しい、と依頼する。モードは殴ったことを詫びて、デュードに診察を受けるよう勧める。
アトリエからの帰途、デュードはリボウスキとブラントに捕らえられ、身代金の行方を追及される。誘拐犯から切断された緑色のペティギュアの足の小指が届いていており、リボウスキはこれはデュードの横領の責任だと責める。
自宅で入浴中、デュードは警察から車を発見したとの連絡を受け安堵する。突如、バニーを誘拐したニヒリスト集団だと名乗る三人の男達が侵入し、デュードに身代金の在り処を詰問する。
翌日、車を受け取りに行くと、車内に身代金が入ったスーツケースはなかった。
映画『ビッグ・リボウスキ』のあらすじ【転】
八方ふさがりのデュードは、無責任なウォルターの発言にイラつき、チームは険悪になる。バーカウンターに居合わせた男、ザ・ストレンジャーと会話し、お互いのスタイルに好感を持つ。
デュードはモードの知人ノックスの家に呼び出される。ノックスの持っているレコードのジャケットから、デュードは、ニヒリスト集団のリーダーはかつてバニーとポルノ映画に出演していたウーリだと知る。デュードはモードに促され、紹介された医師の診察を受けるが、何故か下着も脱ぐように指示された。
帰路、運転中のデュードは何者かが尾行していることに気づくが、歩道に乗り上げてしまい尾行車を見失う。その時、座席のシートに挟まっていた社会科の試験の解答用紙を発見する。用紙から、車を盗んだのは有名脚本家の息子ラリー・セラーズだと推測する。
デュードとウォルターはセラーズ家を訪れるが、金はどこかと聞く二人に対し、ウォルターは無反応で何も答えない。ウォルターは怒って、表に停めてあるスポーツカーはラリーが盗んで手に入れた身代金で買ったのものだと誤解して壊す。しかし、その車の持ち主はセラーズ家の隣人で無関係だった。立腹した隣人は、仕返しにデュードの車の窓を割る。
その夜、デュード宅にツリーホーンの部下達が現れ、デュードはツリーホーンの豪邸に連行される。
映画『ビッグ・リボウスキ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ツリーホーンはデュードに薬を盛り、バニーの行方を聞き出そうとする。デュードははぐらかすが、昏睡してしまい豪邸の外に放り出される。ふらついていたところを逮捕される。警官に罵倒されて疲弊したデュードのすぐそばを、車に乗った無傷のバニーが上機嫌で通り過ぎる。デュードはバニーに気づかない。
帰宅したデュードの前にモードが現れ、デュードに迫る。二人は性交するが、モードは子供が欲しいだけでデュード自身に興味はなかった。デュードに勧めた診察も妊娠のためだった。
モードとの会話の途中で、デュードは、リボウスキはスーツケースにはもともと身代金を入れていなかったのではないか、と思い至る。バニーはたまたま誘拐され、浪費家の彼女を疎ましく思っているリボウスキが、バニーを都合よく始末するために誘拐に便乗したのだと考えをまとめた。デュードはウォルターに連絡する。
デュードは家の外にいる探偵に気づく。バニーの両親が家出した娘を連れ戻すために雇ったダ・フィーノという探偵だった。フィーノはデュードに情報と協力し合おうと持ちかけるが、デュードはフィーノを追い返す。
ダイナーでニヒリスト達が食事を注文している。その中の一人の女は、右足の小指の先が無かった。
デュードとウォルターがリボウスキ邸を訪れると、バニーは無傷で戻っていた。二人は、リボウスキはバニーの始末のために自分たちを利用したのだろう、とリボウスキに詰め寄る。リボウスキは頑なに認めようとしない。怒ったウォルターは、足の悪いリボウスキを無理やり立たせて侮辱する。
その夜、ボウリング場の駐車場で、デュード、ウォルター、ドニーは、ニヒリスト達に襲撃される。ニヒリスト達は、デュードが身代金を横取りしたといまだに勘違いしており、デュードの車に火をつけ殴りかかってきた。乱闘の末、デュード達は勝利するが、ドニーは心臓発作を起こし、絶命する。
高価な骨壷が買えないデュードとウォルターは、コーヒー缶に詰めたドニーの遺灰を海に撒く。二人は固い友情を確信する。
準決勝当日、デュードはストレンジャーに再会する。ストレンジャーはデュードを励ましたあと、観客に向かってこれは良い話だったと語りかける。
映画『ビッグ・リボウスキ』の感想・評価・レビュー
監督はコーエン兄弟、3人組はジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、スティーブ・ブシェミ。これだけでも観ないわけにはいきません。
ジョン・グッドマンの口癖が笑えます。
ブシェミの灰を撒くところ、ちょっとしんみりしかけたのに、そこでもその口癖。
最後まで笑えます。
内容も人間模様がそれぞれ絡み合っていて見応えあります。
自信を持って人に勧められる作品です。
本当に大好きな映画、最後に観てから随分経ったので、久しぶりにまた観たくなりました。(女性 40代)
独特の雰囲気のある作品。味のあるストーリーということもなく、もちろん教訓などもない(受け止める人次第かもしれないが)。観終わった時に何かが得られたということもまずない。出演者達はほぼ皆どうしようもないロクデナシ、しかしどこか憎めない。
え、なんでそうなるの?ということが次から次へと起こる。一々目くじらを立ててはいけない。出演者達と同じノリで流れに任せることができれば、なんとも言えない脱力感が心地よくなってくる。人生あんな感じで良いのかも。(男性 40代)
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