この記事では、映画『エイリアン3』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『エイリアン3』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『エイリアン3』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:SF、アクション
監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:シガーニー・ウィーヴァー、チャールズ・S・ダットン、チャールズ・ダンス、ポール・マッギャン etc
映画『エイリアン3』の登場人物(キャスト)
- エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)
- 前二作からの主人公。エイリアンによって壊滅した惑星LV426からの脱出途中、流刑惑星フューリーに不時着する。エイリアンとの因縁の対決に決着をつけるべく、命をかけて戦う。
- ジョナサン・クレメンス(チャールズ・ダンス)
- フューリーの医師で、元囚人。理性的で誠実な人物で、リプリーの刑務所内での行動を助ける。
- ハロルド・アンドリュース(ブライアン・グローヴァー)
- フューリーの刑務所長。女のリプリーのせいで刑務所の秩序が乱れると考え、リプリーの行動を制限しようとする。
- フランシス・アーロン(ラルフ・ブラウン)
- 刑務所副所長。アンドリュースに従順で、弱気な性格。地球に妻子がいる。知能テストの結果がIQ85だったため、囚人達からミスター85と呼ばれている。
- レオナルド・ディロン(チャールズ・S・ダットン)
- リーダー格の囚人。元凶悪犯罪者だが、現在は他の囚人達の人望を集める温厚な人物。宗教的な教えを説く。リプリーの戦いに助力する。
- ウォルター・ゴリック(ポール・マッギャン)
- 不潔な囚人。他の囚人がエイリアンによって殺害された際、殺人容疑をかけられる。目撃したエイリアンの姿を「怪獣」と形容する。
- ロバート・モース(ダニー・ウェッブ)
- 囚人。アーロンと馬が合わずよくもめている。最初はエイリアンとの戦いに消極的だが、終盤では積極的に動きを見せ、リプリーをフォローする。
- ランス・ビショップ / マイケル・ビショップ(ランス・ヘンリクセン)
- ランス・ビショップは前作でリプリー達と共にエイリアンと戦ったアンドロイド。半壊のままリプリーと脱出したが、フューリー不時着時に致命的に破損したため廃棄される。
マイケル・ビショップは、アンドロイドのビショップの開発者と名乗るユタニ社所属の男。アンドロイド版と全く同じ姿。
- ニュート(マネキン)
- 前作のラストで、LV-426からリプリー達とともに脱出した少女。脱出ポッド着陸の際に、溺死する。
- ドウェイン・ヒックス(マイケル・ビーン / 写真のみ)
- 前作にリプリーと共闘し、生存した海兵隊の伍長。LV-426から脱出するも、脱出ポッド墜落時に死亡した。
映画『エイリアン3』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『エイリアン3』のあらすじ【起】
惑星LV-426でのエイリアン殲滅作戦の解決の後、生き残ったリプリー達は宇宙船スラコ号で冷凍睡眠に入り、地球へ帰還する予定であった。航海途中に船内で原因不明の事故が発生、リプリー達は脱出ポッドで搬出され、ある惑星に不時着する。
惑星の住人達がポッドを捜索するが、生存したのはリプリーのみであった。共に脱出したニュートとヒックスは着陸時に死亡、アンドロイドのビショップは機能停止していた。ポッドにはエイリアンの中間体のフェイスハガーが乗り込んでおり、惑星にいた犬に寄生する。
ポッドが着いたのは、流刑惑星フィオリーナ161、通称フューリー。スラコ号の持ち会社のユタニ社が運営する、極悪犯罪の男性囚人のみを収監する施設である。囚人達は放射性廃棄物の処理をしながら、宗教的戒律のもとで秩序を守って暮らしていた。
医務室で目を覚ましたリプリーは、医師クレメンスから他の乗員の死亡を聞き、ショックを受ける。リプリーはニュートの体にエイリアンが寄生しているではないかと懸念し、クレメンスに解剖を依頼する。解剖の結果、ニュートの体内には何もおらず、ニュート達の遺体は廃棄炉で火葬される。

映画『エイリアン3』のあらすじ【承】
刑務所の規則通りに、リプリーは坊主頭になる。長らく男のみの社会であった刑務所の中で、女のリプリーの存在は異物であり、囚人達を刺激していた。リプリーは親切に接してくれるクレメンスと親密になり、体を重ねる。
犬を連れている囚人マーフィーが、通風孔の掃除途中にエイリアンに襲われ、転倒して換気扇に巻き込まれ死亡する。囚人達はこの件は事故だと判断する。
リプリーは廃棄された脱出ポッドを一人で探り、壊れたビショップのボディーを発見し持ち帰ろうとする。突如現れた囚人の一味にレイプされそうになるが、囚人のリーダー格であるディロンに助けられる。
友人のマーフィーを弔うために通風孔へやってきた囚人のレインズ、エドワード、ゴリックは犬の形状のエイリアン・ドッグに襲われる。ゴリックのみが一人逃げ切る。
リプリーはビショップの蘇生に成功し、母船の中にはすでにエイリアンはいたこと、ユタニ社はその事実を知っていることを聞き出す。リプリーはビショップの望み通り、彼を完全停止させる。
生き残ったゴリックは、エイリアンを「怪獣」と形容した。他の二人の遺体は見つからず、所長はゴリックの犯罪だと疑うが、ディロンはゴリックの無罪を主張する。
映画『エイリアン3』のあらすじ【転】
医務室でのリプリーとの会話の最中、クレメンスがエイリアンに襲われ死亡。続けてエイリアンは、食堂で集会を開いていた所長を囚人達の目の前で殺害する。エイリアンの存在を認めた囚人達は、戦う決断をする。リプリーの指導のもと、刑務所内を走る通風菅を使って敵を核廃棄倉庫におびきよせ、爆薬で殺す作戦が立てられる。
作業中に、エイリアンはタバコをくわえた囚人を襲う。タバコの火が爆薬に引火し、多くの囚人達が死亡する。囚人達に動揺が走る。
リプリーは神経に不調を覚え、アーロンと共に自分の身体をスキャンする。リプリーの胸部に、エイリアンの幼生チェストバスターが寄生していることが判明する。リプリーは、ユタニ社は実はエイリアンを入手したがっていることを知っており、本社に救援要請をしようとするアーロンに反対する。アーロンが一人になった時、通信画面に、リプリーを保護せよとの本社からの連絡が届く。
リプリーはディロンに自分が寄生されていることを告げ、殺してくれるよう頼む。エイリアンは体内にチェストバスターを宿したリプリーは襲わないことを知ったディロンは、敵を倒すまで生きて戦うようリプリーを説得する。
映画『エイリアン3』の結末・ラスト(ネタバレ)
モースをはじめ、尻込みしていた囚人達はディロンの言葉で奮起する。エイリアンを鉛を精製するピストン室に誘導し、溶鉱炉に落とす作戦を立てる。誘導中、エイリアンによって囚人達は次々に殺害されていく。エイリアンを見失い、作戦は失敗しかけたが、他の囚人を襲っていたエイリアンをディロンが発見し、リプリーとともにピストン室に誘い込む。
ディロンは自ら溶鉱炉に入り、おとりとなってエイリアンに自分を襲わせる。リプリーとモースは熱した大量の鉛を注ぎ、エイリアンを封印する。成功したかに思えたのも束の間、エイリアンは炉から飛び出しリプリーに襲いかかる。リプリーはスプリンクラーを開き、熱い鉛まみれのエイリアンに浴びせる。身体が一気に冷えて硬化したエイリアンは破裂する。
本社より調査団が到着する。ビショップと同じ姿のマイケル・ビショップは、リプリーに体内のエイリアンを殺すと言い聞かせて連れて行こうとするが、真の目的はエイリアンを持ち帰ることである。見抜いたリプリーは自ら溶鉱炉に落ち、胸から飛び出してきたチェストバスターを握りしめたまま、命を断つ。
映画『エイリアン3』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
シリーズ1作品目から登場していた女性リプリーが又も登場する。
予期せぬ事故で男性囚人を収容する施設に辿り着いたリプリーだったが、同時にフェイスハガーも解き放たれてしまっており、又もエイリアンが誕生してしまう。
前回と違い、数は多くないが、限定された場所で次々と殺されていくという展開は、むしろエイリアン映画としては臨むところではないだろうか。
そして、ラストシーンではリプリーは自らがエイリアンに寄生されている事実を知り、又、それを軍事利用しようとする企みに気付き、共に溶鉱炉に落ちて自害するという終わり方となっていて、なんとも最後までかっこいいリプリーの姿は賞賛に値する。(男性 30代)
本作は後に名作『セブン』や『ファイト・クラブ』の監督を務めたデヴィッド・フィンチャーにとって映画監督デビュー作となります。
しかし、製作の段階から出演者や脚本の変更などのトラブルもあって、デヴィッド・フィンチャーだけじゃなく、シリーズのファンからも不満のある作品となってしまった。
それでも原点回帰として登場するエイリアンは一匹で、しかも、人間ではなく犬から生まれた事で四足歩行する新たなタイプとなります。
更に限られた空間での死闘を繰り広げる展開も悪くなく、強い女性である主人公がエイリアンとともに死を迎えるシーンも印象的でした。(男性 30代)
大ヒット映画のパート2を引き継いだのは、デビットフィンチャー監督。そのサスペンスに長けた演出は、ハラハラドキドキの連続である。
今回の見どころは、やはり主人公・リプリーのお腹に憎きエイリアンが寄生していた事実だろう。最悪の状態にも関わらず、リプリーは迫り来るエイリアンと勇敢に戦い続ける。そしてラストには自らの命と引き換えにエイリアンを全滅させるのだ。
しかしながら、観ているうちに、リプリーとエイリアンとの間に何か特別な関係が生まれているように見えてくるのが不思議である。(男性 40代)
エイリアンシリーズ第3作目である本作。今回も一作目からの登場人物であるリプリーがエイリアンと戦う。
リプリーの立場を思えば一作目で一匹のエイリアンと出逢い、命からがら助かったのち2作目ではニュートを救うために大量のエイリアンと女王と戦う、そして今回では知らぬ間にエイリアンに寄生されて自殺を選ぶという散々な半生である。
リプリーの最後は残念だったが、散々な目にあって諦めたくなるような絶望的な状況でも戦い続けて潔く終わったのはかっこよかった。
そして何度も思うのは、『会社』の最低っぷりである。幾度となく人の命を犠牲にしてエイリアンを持ち帰ることを失敗し続けたのに懲りないのはエイリアンよりはるかにタチが悪い。この『会社』は一度痛い目に遭わないと分からないんじゃないかな、と度々思ってしまう。(女性 20代)
シリーズ3作目。もうここまでくるとシガニー・ウィーバーはエイリアンに取り憑かれてますよね。因縁の決着をつけるためにということですが、開始5分で前作『エイリアン2』を否定する展開。アクション要素が多めのエイリアンが好きだった人にはちょっと残念な作品になってしまったかもしれません。
『エイリアン2』があまりにも魅力的な作品だったので今作は「これじゃない感」が否めませんが、単体として見れば楽しめる作品だと思います。(女性 30代)
冒頭からの衝撃展開に唖然。せっかく『エイリアン2』で生き残ったニュートとヒックスが死んでしまうという絶望的なスタートで、一気に暗いトーンに。リプリーがエイリアンの宿主になっているという設定も重く、終盤の自己犠牲にはただただ言葉を失いました。フィンチャー監督らしいダークな映像と重厚な空気感が印象的な一作です。(20代 男性)
シリーズの中でもとりわけ異色の作品。女性1人・男だらけの刑務所という閉鎖空間の中でのサバイバルが、他のエイリアン作品とは一線を画す緊張感を生んでいました。リプリーが命を賭けてエイリアンの繁殖を防ぐ決断を下す場面では、母としての強さと人類のための選択に心を打たれました。暗くて重たいけど、強く心に残る作品です。(30代 女性)
正直、最初観たときは戸惑いました。前作の続編というにはあまりに展開が暗すぎて。でも2回目に観ると、リプリーの孤独と覚悟、死を受け入れるまでの流れが深くて、すごく考えさせられました。若干テンポが悪い部分もありますが、フィンチャー監督の初期作らしい、アート的なホラーとしては評価できます。(40代 男性)
怖さやアクションを求めると物足りなさはあるけど、リプリーというキャラの終着点としては納得の内容。エイリアンが生まれた理由や人間の欲望がむき出しになる描写が、意外と哲学的で考えさせられます。女性として、彼女の“母性”が最終的に人類を救うという構図には、静かな感動がありました。シリーズで一番切ない作品です。(20代 女性)
『エイリアン2』の熱量を期待して観ると、肩透かしを食らう。でも“ホラー”として見ればかなり良作。エイリアンが犬から生まれるという設定も面白かったし、クイーンを宿すリプリーの苦悩もリアル。終盤の溶鉱炉へのダイブは、まさに映画史に残る名場面だと思います。賛否はあるけど、自分は肯定派です。(30代 男性)
映画『エイリアン3』を見た人におすすめの映画5選
第九地区(District 9)
この映画を一言で表すと?
エイリアンが“敵”とは限らない。社会問題を内包したSFの傑作。
どんな話?
突如、南アフリカ上空に現れた宇宙船。中のエイリアンたちは難民として地上で差別され、スラム化した「第九地区」に隔離される。そんな彼らと接触する人間側の主人公が、次第に“異形”との距離を変えていく物語。
ここがおすすめ!
『エイリアン3』が描いた「人間と異種の境界」や「閉塞感」を、まったく違う切り口で体感できます。リアルなモキュメンタリー風の映像、緊張感あふれるドラマ、そしてエイリアンとの“共感”が生まれる感動も魅力です。
サンシャイン2057(Sunshine)
この映画を一言で表すと?
太陽を救うミッションが、人間心理の極限を暴き出す。
どんな話?
死にかけた太陽を再生させるために送り込まれた宇宙船イカロスⅡ。乗組員たちは過酷な環境と、精神の限界、そして想定外の脅威に立ち向かうことになる。科学と神秘、そして人間の崩壊が交差するSFスリラーです。
ここがおすすめ!
閉鎖空間の緊張感、乗組員たちの葛藤、そして“何が人間を人間たらしめるか”という哲学的テーマが、『エイリアン3』の重厚さと通じるものがあります。ビジュアルの美しさも必見。隠れた名作SFです。
パンドラム(Pandorum)
この映画を一言で表すと?
極限の宇宙で覚醒したのは、記憶喪失と狂気と“何か”。
どんな話?
宇宙船内で目覚めた2人の男。しかし記憶が曖昧なうえ、船内には人間ではない“存在”が…。謎が謎を呼ぶ状況の中、彼らは徐々に衝撃の真実に近づいていく。サバイバルとSFミステリーが融合したサスペンス作品。
ここがおすすめ!
『エイリアン3』同様、限られた空間と情報の中で繰り広げられる生存劇が緊迫感抜群。人間の本能や狂気を丁寧に描く点も共通しており、SFホラー・サスペンス好きにはたまらない作品です。映像もかなり迫力あり。
イベント・ホライゾン(Event Horizon)
この映画を一言で表すと?
宇宙×ホラーの金字塔。地獄は“外”ではなく“内”にあった。
どんな話?
行方不明になった宇宙船「イベント・ホライゾン」が突如発見され、調査に向かった乗組員たちを待っていたのは、想像を絶する恐怖。船そのものが“異界”に変わっていく、極限の精神破壊型ホラーSF。
ここがおすすめ!
『エイリアン3』と同様に、閉鎖された空間、未知の脅威、そして登場人物たちの心の闇が鍵を握るストーリー展開。精神的に追い詰められるスリルと、視覚的恐怖が融合した重厚な作品で、じわじわと効いてきます。
ザ・フライ(The Fly)
この映画を一言で表すと?
天才科学者がハエになる――恐怖と悲劇のトランスフォーメーション。
どんな話?
転送装置の実験中、ハエと融合してしまった科学者が徐々に“変異”していく恐怖と苦悩を描いたボディホラーの金字塔。恋人との関係にもヒビが入り、肉体も精神も崩壊していく彼の末路とは…。
ここがおすすめ!
『エイリアン3』での“自分の中にエイリアンがいる”という設定と重ねて観ると一層恐怖が際立ちます。変化する身体、孤独、自己犠牲といったテーマがリンクしていて、フィジカルにもメンタルにも刺さる一作です。
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