映画『危険な情事』の概要:幸せな家庭にもキャリアにも恵まれた男が、魅力的な女と一度きりの関係を持つ。男への妄執に捕らわれた女の行動は、次第に常軌を逸していく。暗い執念に憑かれた女の狂気を描いた、終始緊迫感が漂うサイコスリラー。
映画『危険な情事』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:サスペンス
監督:エイドリアン・ライン
キャスト:マイケル・ダグラス、グレン・クローズ、アン・アーチャー、スチュアート・パンキン etc
映画『危険な情事』の登場人物(キャスト)
- ダン・ギャラガー(マイケル・ダグラス)
- ニューヨークで公私ともに充実した暮らしを送る弁護士。火遊びのつもりで、アレックスと一度きりの関係をもつ。
- アレックス・フォレスト(グレン・クローズ)
- ダンが顧問弁護士を務める出版社の新入編集者。肉体関係をもったダンに固執する。
- ベス・ギャラガー(アン・アーチャー)
- ダンの妻。ダンとの仲は極めて良好。郊外にマイホームを持ちたいと思っている。
- エレン・ギャラガー(エレン・ハミルトン・ラッツィン)
- ダンの幼い娘。
- ジミー(スチュアート・パンキン)
- ダンと同じ弁護士事務所に勤める、家庭争議専門の弁護士。ダンの親友。
映画『危険な情事』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『危険な情事』のあらすじ【起】
弁護士ダン・ギャラガーは、公私ともに恵まれ多忙な日々を送っている。ある夜、ダンと妻ベスはとある出版社の刊行記念パーティに出席する。ダンは魅力的な女性アレックスとふと目が合い、アレックスに話しかける。アレックスはダンが顧問弁護士を務める出版社の新入編集者で、二人は簡素な会話を交わす。
翌日、ベスと娘のエレンは郊外の新居の下見を兼ねて、ベスの実家へ帰省する。二人を見送った後、ダンはある書籍を巡る訴訟の緊急会議に出席する。アレックスが前編集者の代理で会議に出席する。ダンはアレックスを意識し、アレックスはダンに思わせぶりな視線を送る。
会議後に外へ出ると雨が降っており、ダンは傘が壊れた上にタクシーを捕まえられない。ダンは、その様子を見かねてて声をかけてきたアレックスとレストランで雨宿りをする。会話の中で、アレックスはダンを誘惑する。二人はアレックスの自宅になだれこみ、突発的なセックスをする。
翌朝、ダンは自宅に戻り、ベスからの留守電を聞いてかけ直す。ベスとエレンは新居の下見が長引き、今夜も帰れない。その直後、アレックスから会いたいとせがむ電話があり、ダンは再度アレックスのアパートを訪れる。
ダンとアレックスは濃密な時を過ごす。食事中、アレックスはダンに対し、ダンの中での自分の立場を明確にしてほしいと要求する。ダンは、自分には家庭があり二人の関係はあくまで楽しみ止まりだ、と話す。アレックスはダンの言い分に理解を示したような素振りをする。
ダンが帰ろうとする際、アレックスは手首を切ってみせ、ダンを引きとめる。帰れなくなったダンは、アレックスの家からベスに電話をかける。寝たふりをしているアレックスが、聞き耳を立てている。
映画『危険な情事』のあらすじ【承】
翌日、仕事から帰宅すると、ベスとエレンが戻っていた。しばらくぶりの穏やかな家庭に安堵するダン。ダンはベスの念願のマイホーム購入案に同意し、翌朝二人は新居の下見に行く。
ダンが弁護士事務所に出勤すると、アレックスが待っていた。アレックスはダンに謝りたいと話す。二人は、関係は終わったのでもう会わないという結論を出す。
ある日、ダンの勤務中にアレックスから電話がかかってくる。もう会わないと話し合った後も、アレックスは再三ダンの職場に電話をかけてきていた。辟易したダンは、秘書にアレックスの電話は繋がないよう言いつける。
ある深夜、アレックスはダンの自宅に電話をかけ、会いたいと言って聞かない。翌日、ダンはしぶしぶアレックスに会う。アレックスは妊娠したことを告げる。ダンは中絶を勧めるが、アレックスは産むと決意しており、ダンとは別れるつもりはないと言い放つ。
アレックスの留守中、ダンはアレックスの自宅に忍び込み、アレックスの弱みを探すが何も発見できなかった。
アレックスとの問題について、ダンは家庭争議が専門の友人ジミーに相談するが、ジミーからは、ダンは圧倒的に不利だと聞かされるだけであった。
ダンが帰宅すると、アレックスが来ておりベスと談笑している。アレックスは、ダン夫妻が新居へ越す際に売りに出しているこのアパートを購入したい、という口実でダンの自宅に難なく入りベスに接近していた。
腹を立てたダンはアレックスの家へ押しかけ、二人は激しい口論となる。アレックスは、ダンが責任を取らないまま別れるなら二人の関係をベスに暴露する、と迫る。激昂したダンは、ベスに話したら殺す、とアレックスを脅す。
映画『危険な情事』のあらすじ【転】
危機感を強めたダンは新居への引っ越しを早め、穏やかな日常が戻ったかのように見える。ダンはエレンが以前から欲しがっていたウサギを購入し、早く退社しようとするところに、秘書がダン宛に届いた小包を渡す。
駐車場に向かうダンをアレックスが見つめているが、ダンは気づかない。ダンの車は、アレックスによって強酸がかけられ故障していた。ダンは仕方なくレンタカーで帰路につく。ダンの車を、アレックスが追尾する。ダンが受け取った小包の中身は、アレックスから送られてきたテープだった。ダンが車内でテープを再生すると、アレックスの声でダンへの執念が語られていた。
テープを聞きながらダンは帰宅する。続いてアレックスも離れて車を停め、ダンの家の庭へ忍び込む。家の中では、ダンがプレゼントのウサギをエレンに渡している。いかにも幸せそうなダン達を外から盗み見たアレックスは、悲しみのあまり嘔吐する
ダンは警察に、アレックスとの件を知人に起きた問題だと偽って相談する。警察は真剣に取り合わない。
ダン一家はベスの実家へ出かけて帰宅する。エレンは、庭のウサギ小屋へ一目散に走っていく。ベスは、誰もいないはずのキッチンで鍋が火にかけられているのを見つける。エレンは小屋の中にウサギがいないことを知り、叫び声をあげる。同時に、ベスが鍋の蓋を取ると、小屋にいるはずのウサギが煮てあった。
事態の深刻さを実感したダンは、ベスにアレックスと一度だけ関係を持ったことを告白する。ダンはアレックスに電話をかけ、ベスに打ち明けたことを告げる。ベスが電話を代わり、二度と近寄るなとアレックスに直接忠告する。ダンは家を出る。
映画『危険な情事』の結末・ラスト(ネタバレ)
ベスが学校にエレンを迎えに行くと、何者かが先にエレンを迎えに来て連れ出した後だった。ベスは必死に街中を探しまわるが、エレンは見つからない。動揺したベスは、衝突事故を起こす。エレンを連れ出したのはアレックスだった。アレックスはエレンを遊園地に連れて行ったあと、自宅前まで送り届ける。
事故でベスは入院し、ダンは病院に駆けつける。重症のベスを見て、ダンはエレンを連れ回していたアレックスに激怒し、アレックスの家に押しかける。二人は乱闘になり、ダンはベスを絞殺しそうになる。隙をついたアレックスは包丁でダンを刺そうとする。何とかアレックスを押さえつけたダンは、疲弊しきってその場を去る。
ダンは、警察にアレックスを捜査するよう、今度は実名を名乗って依頼する。
ダンが帰宅すると、退院したベスがバスルームで入浴の準備をしている。ダンはベスにお茶を淹れてやろうと、キッチンへ降りる。警察からダンに、アレックスがしばらく行方不明であるとの電話がかかってくる。
ベスが湯気で曇ったバスルームの鏡を拭うと、鏡の中のベスの背後にアレックスが映る。アレックスは包丁を手に、ベスに襲いかかる。ベスの悲鳴を聞きつけたダンは、バスルームに駆け込む。アレックスはダンを何度か切りつけるが、ダンはアレックスをバスタブに沈めて溺死させようとする。死んだように見えたアレックスは再度ダンに襲いかかるが、銃を持ち出したベスがアレックスを射殺する。
警察が到着し、捜査が始まる。ダンとベスは夫婦の固い絆を確かめ合う。
映画『危険な情事』の感想・評価・レビュー
サスペンス映画ながら、冒頭からラストに向かうまでのじわじわ来るホラー感はピカイチの作品。
仕事も家庭も平均以上に上手く行っている主人公。平和な幸せが自分の手の中にあるということが、いかに脆く儚いかを教えてくれる。
どこにでもありそうな男女の出会いと心の隙間、そしてタイミング。
徐々に異様さを増す展開は大多数の男性の背筋を存分に凍らせてくれること間違いなし。
この映画は、単なるサスペンスの域を超えて家庭を持つ人間に教訓を与えてくれる。
もしもちょっと素敵な女性と出会って火遊びしたくなった時は、ぜひともこの映画のラストシーンを思い出してもらいたい。(女性 30代)
身体が強張るほどの、トラウマ間違いなしのサスペンス映画。女性がサイコパスを演じるのは珍しく、また彼女の怪演はホラー映画を観ているかのようです。家庭を持つ幸せなお父さんが、一夜の過ちを犯し、惚れられて…異常なまでの愛と執着に鳥肌が立ちます。家族を巻き込み、全員が心に深い傷を残したと思います。幸せな家庭だった故に、一人の女性に壊されていく様子は観ていられないほど辛いです。浮気なんて怖くてできなくなります。(男性 20代)
1回限りの「火遊び」のつもりが、相手の女がヤバいやつだったお話。マイケル・ダグラスが火遊びしてしまう男を演じることで「色気」と「フェロモン」が物凄いです。こんな男にだったら執着してしまう女の気持ちも分からなくは無いですが、女がとにかくヤバかったです。娘のウサギを煮るシーンはトラウマ級の衝撃でした。
ラストはなんとなく丸く治まってしまったので、もう少し過激なラストでも良かったかなと感じます。彼女の存在自体が十分過激ですが。(女性 30代)
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