映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』の概要:アントワープ警察・麻薬取締隊の隊長のヤンは、警察を辞職し政界に進出しようとしていた。そんな時、麻薬の製造所についてのタレ込みが入る。ヤンは最後の任務として事件に関わることにした。
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ナビル・ベン・ヤディル
キャスト:ピーター・ファン・デン・ベヒン、スフィアン・シラー、ヤン・デクレール、ダヴィッド・ミュルジア etc
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』の登場人物(キャスト)
- ヤン・ファービーク(ピーター・ファン・デン・ベヒン)
- アントワープ警察・麻薬取締隊の隊長。警察を辞職し、政界に進出する予定。犯人を逮捕するために規律を違反することを厭わない。
- ドリス・ベン・ハイサ(スフィアン・シラー)
- アントワープ警察・警部。アラブ人。ヤンの部下で相棒。アラブ人であることから、周囲から差別されることが度々ある。ヤンのことを父のように慕っている。
- アクセル(デビッド・ムルジア)
- ヤンの息子だが、今まで会ったことはない。とある理由からヤンのことを恨んでおり、殺そうとしている。
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』のあらすじ【起】
アントワープ警察・麻薬取締隊の隊長であるヤン・ファービークは、政治の世界に足を踏み入れようとしていた。VPV党の候補として、テレビのインタビューに答えた。批判的な意見の1つとして、人種差別主義者ではないかという疑いを持たれていた。ヤンは相棒でアラブ人のドリス・ベン・ハイサ警部を紹介し、人種差別主義者を否定した。
MDMA(麻薬)製造所の場所について、タレ込みがあった。ヤンは警察官最後の任務として、管轄外の現場に突入した。だが、そこには麻薬は存在せず、製造所の痕跡がなかった。ヤンは怒りを爆発させた。
ヤンは秘密の部屋に隠れていた人を見つける。彼らはアラブ人で不法移民者だった。ヤンはドリスに尋問を任せた。ドリスは移民者の男の耳を傷つけ、麻薬の在処を聞こうとした。その時、その土地の管轄であるシャルルロワ警察が駆けつける。ヤンは密告者を病院に運び捜査を打ち切ることにした。
ドリスは製造所に突入した際、密告者が持っていた物を手に入れていた。ドリスはヤンにだけそれを見せた。ヤンは激しく取り乱し、誰にも言わないようドリスに強く言い聞かせた。その後、ヤンは病院を訪れ、密告者に会った。
密告者が持っていたのは写真だった。ヤンは金で雇った男に病院から密告者を誘拐するよう依頼した。そして、金で雇った男を始末すると、密告者を車に乗せて逃亡しようとした。その時、監視カメラの存在に気づく。ヤンはドリスに連絡を取り、病院の防犯カメラのデータを消すよう頼んだ。車での移動途中、記者に追いかけられてしまう。密告者の姿を見られるわけにはいかなかったため、その場を逃げ出した。
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』のあらすじ【承】
密告者が持っていた写真には、キャロルという女性が写っていた。ヤンはキャロルのことを知っており、彼女の差し金で密告者がやって来たのではないかと疑っていた。だが、何を聞いても密告者は口を開かなかった。
病院内で密告者の見張りをしていた警官の遺体が発見され、捜査が行われることになった。ドリスは同じ病院に入院している移民者の男に会い、ヤンを見たことを話さないよう脅した。新隊長のメルテンスは、ドリスの態度に不信感を抱く。その時、ヤンが記者を当て逃げしたときの映像が、ネット上にアップされた。
ヤンは密告者をトランクの中に隠した。駐車場で休んでいると警官が現れ、ひき逃げの件で指名手配を受けていると教えられる。ヤンはメルテンスに会いに行った。メルテンスは事件当日のヤンの行動に不信感を抱いており、記者を撥ねて逃げた理由を尋ねた。だが、ヤンはまともに答えようとはしなかった。
記者が告訴を取り下げたため、ヤンは釈放されることになった。メルテンスはヤンの手が傷だらけだったことから、病院にいたことは確実だと思っていた。ただ、見張りの警察官が殺されたことは知らない様子だったため、事件にどんな形で関わっているのかが分からなかった。ヤンはメルテンスが目を離した隙に密告者の住所を記憶し、後でメモに書き留めた。
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』のあらすじ【転】
ヤンは密告者の家を調べ、パソコンを見つける。そこには密告者が残した動画の遺書があった。密告者の名前はアクセル・バスティン。ヤンの息子だった。アクセルの母はヤンに中絶を迫られるが、産むことを選択した。体を売って生計を立て、麻薬に手を染めてしまった。アクセルは母を不幸にしたヤンを憎み、ヤンを殺して死のうとしていた。
メルテンスとドリスがアクセルの家の捜索に来たため、ヤンはパソコンを持って逃げ出した。ヤンは動画を見ながら車を運転した。アクセルは黄色の携帯を起爆装置にし、爆弾によってヤンを殺そうとしていた。ヤンは動画に気を取られ、事故を起こしてしまう。トランクの中を確認するが、アクセルはいなかった。
ヤンはアクセルを見つけた。だが、仲間の男がアクセルを渡してはくれなかった。ヤンはドリスに連絡を取り、警官が建物を取り囲んでいるように装った。その時、ドリスから現場(製造所だと言われていた場所)に来ており、携帯電話を見つけたと教えられる。それは、起爆装置になっている黄色い携帯だった。ヤンは慌てて起爆装置になっていることを伝えた。だが一足遅く、メルテンスが携帯の発信ボタンを押しており、爆弾が爆発してしまう。
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヤンはアクセルを連れ出し、ドリスに電話をかけ続けた。しかし、電話は一向に繋がらなかった。アクセルはホテルにあったナイフを使ってヤンに襲いかかるが、首を捕まれて壁に抑えつけられてしまう。ヤンはアクセルの頬を思いっきり叩いた。
ドリスはヤンに連絡を取り、メルテンスが亡くなり他の警官も死傷したことを伝えた。ヤンは爆弾が自分を狙ったものであることを明かした。ドリスは製造所の件は罠だと悟り、アクセルに対して激しい憎しみを抱いた。ドリスはヤンから居場所を聞き出し、ホテルに向かった。
ニュースで爆破の件が放送された。犠牲者は9名で、テロリストによる犯行だという疑いが持たれていた。ヤンは放送局に連絡を取り、自分が狙われていたことを話した。その時、部屋にドリスがやってきた。ヤンは連絡を切り、ドリスと会った。そして、密告者が自分の息子であることを打ち明けた。しかし、ドリスはアクセルを襲うのを止めようとはしなかった。ドリスはアラブ人であることから、周囲から反逆者で裏切り者の売国奴と悪口を言われていた。警察署内でも差別されていたが、ヤンのお蔭で頑張ってこられたのだ。ヤンのことを本当の父のように思っていた。だが、ヤンは息子は1人だけだとドリスの思いを拒み、アクセルを守った。
ヤンはドリスを殴って気絶させ、アクセルを連れて逃げ出した。そして、お金を渡し、逃亡させた。ヤンはVPV党の議員として舞台に立ち、用意された原稿を読んだ。そこに、ドリスが現れ、ヤンは撃たれてしまう。ドリスは周囲にいた者に暴行を加えられた。ヤンは暴力をやめさせようとするが、体が動かなかった。その後、英雄の死としてヤンの死は悼まれた。
映画『ブラインド・スポット 隠蔽捜査』の感想・評価・レビュー
主人公のヤンがあまりにも自分勝手で、警察の麻薬取締隊の隊長として皆から慕われているという設定が受け入れられなかった。部下に対して現場では怒鳴りつけるし自分の良いように扱き使うし、こんな上司がいたら嫌だなと思うような人物だった。ドリスがヤンに助けられていたというところが、物語の冒頭で描かれていればもっと楽しめたのではないかと思う。ただ、物語の根底に人種差別があるため、奥が深い作品だと感じた。(MIHOシネマ編集部)
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