映画『稲垣家の喪主』の概要:稲垣宙太は極度のあがり症で、数々の失敗を繰り返して苦しんでいた。ある日、祖父が亡くなり、父が喪主を務めることになった。父は喪主の挨拶でしどろもどろになっていた。それを見た宙太は、あがり症は遺伝だと確信した。
映画『稲垣家の喪主』の作品情報
上映時間:114分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:英勉
キャスト:広末涼子、吉沢悠、松本若菜、篠原ゆき子 etc
映画『稲垣家の喪主』の登場人物(キャスト)
- 稲垣宙太(子供:金成祐里 / 大人:バカリズム)
- 小学生。極度のあがり症で、数々の失敗を経験して苦しい思いをしている。父の幸太郎もあがり症。
- 稲垣杏子(広末涼子)
- 宙太の伯母。かつては大手保険会社に勤めていたキャリアウーマンだった。現在は仕事を辞めて実家で暮らしている。
- 稲垣脩二 (森山未來)
- 宙太の叔父。あることがきっかけで少女漫画を描くことをやめている。現在は4コマ漫画を描いているが、売れていない。
- 松村祥平(吉沢悠)
- 郵便局員。バツイチ。ある秘密を抱えている。物腰が柔らかく、優しい性格。杏子に興味を抱く。
- 北沢美香(松本若菜)
- 脩二の高校時代の同級生。結婚して海外にいたが、突然脩二の前に現れる。脩二が描いた少女漫画のモデルになった女性。
映画『稲垣家の喪主』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『稲垣家の喪主』のあらすじ【起】
稲垣宙太は極度のあがり症で、演奏会で失敗したり上手く自己紹介が行えなかったり苦しい思いをしてきた。そんなある日、祖父の葬儀で父の幸太郎が喪主の挨拶をすることになった。父はあがってしまい、しどろもどろになりながら挨拶をしていた。それを見た宙太は、あがり症は遺伝だと確信した。
稲垣家は幸太郎一家、祖母の千枝、伯母の杏子、叔父の脩二が一緒に暮らしていた。杏子は大手保険会社に勤めていたキャリアウーマンだったが、今は仕事を辞めていた。脩二は売れない漫画家だった。宙太は杏子や脩二が結婚しなければ喪主をしなければならなくなると友達に指摘され、焦り始める。
幸太郎の妻の朱里のママ友のいとこ(松村祥平)が、杏子のことがタイプだと興味を持っていた。宙太は自分の誕生日会で祥平と杏子を会わせることを思いつく。誕生日会当日、杏子が気まずい思いをする中、祥平と杏子を2人きりにするために皆部屋を出ていった。宙太も出ていこうとするが、杏子に引き止められてしまう。
祥平は宙太に誕生日プレゼントとして遊園地のチケットを持ってきていた。それを見た杏子は、祥平と宙太に今から行くことを提案する。宙太達は杏子の提案に驚きながらも、遊園地を満喫した。宙太は杏子と上手くいきそうな祥平の姿を見て、杏子が亡くなったときは喪主を務めなくて良いと思って安堵した。
映画『稲垣家の喪主』のあらすじ【承】
結婚して海外に行っていたはずの同級生・北沢美香が脩二の前に現れる。美香は脩二の初恋の人だった。美香は夫が何の相談もなしに仕事を辞めたことにショックを受け、離婚を考えていた。話を聞いた脩二は、激しく動揺する。一方、杏子は祥平と飲みに行き、交流を深めていた。
杏子の元に中条一美という女性が訪ねてくる。一美は氷室という男性と付き合っていたのだが、突然行方不明になり捜索を行っていた。氷室が捨てたゴミの中に杏子の家の住所が書かれた紙があり、何か事情を知っているのではないかと訪ねてきたのだ。だが、杏子が知っている男は氷室という名前ではなく、ホテイという名前だった。しかも、北海道に行くと言って連絡が取れなくなり行方不明になっていた。杏子と一美は同じ男にお金を騙し取られていたことが判明する。
一美にとって氷室が初めての恋人だった。色んな人と付き合っていれば騙されることはなかったのではないかと落ち込んだ。杏子はそれを否定し、自分の過去を打ち明けた。24歳のとき結婚しようと思っていた男は病気を患い、杏子を捨てて担当看護師と結婚した。その後、付き合った恋人は、既婚者でありながら独身だと嘘を吐いて杏子を騙していた。
映画『稲垣家の喪主』のあらすじ【転】
脩二は宙太の友人の早乙女ルナに頼まれていた、途中で終わっていた少女漫画の続きを描いた。今は4コマを描いている脩二だったが、元々は少女漫画を得意としていた。少女漫画を描かなくなったのは、好きな女の子に男が少女漫画を描くのは気持ち悪いと言われたからだった。その少女漫画は好きな女の子をイメージして描いた作品だった。脩二からその話を聞いた宙太達は、好きな女の子が美香のことだとすぐに気づく。
母は杏子に祥平と一緒に、厄払いするためにお寺に行くことを勧めた。そこでお坊さんが投げる福木をキャッチしたカップルは幸せになれると言われていた。母も父と結婚する前に福木をキャッチしていた。杏子はバカバカしいと思いながらも、祥平と一緒にお寺を参拝した。祥平が福木をキャッチする中、杏子は誰かからの連絡を受け取り慌ただしく去っていった。
探偵が氷室を見つけた。杏子は一美と一緒に氷室に会った。氷室は騙したことを悪いと思っておらず、杏子達に対して酷い言葉を投げかけた。宙太は杏子達を傷つけられ、氷室に対して腹を立てる。
脩二は就職をしようとしており、ルナに見せている作品が描き終われば漫画を描くことを辞めようと思っていた。脩二はそんな自分の考えを美香に話した。その後、美香はルナから脩二が少女漫画を辞めていた理由を聞かされ、謝るべきだと言われる。
映画『稲垣家の喪主』の結末・ラスト(ネタバレ)
祥平は杏子に結婚前提で付き合って欲しいと告白した。杏子が喜ぶ中、子供の話になったときに祥平の顔が曇った。杏子は戸惑い、改めて祥平に話を聞いた。祥平は重い口を開き、父から暴力を振るわれていたことを話した。父も虐待を受けながら育っており、祥平は子供を持って父になることに不安を抱いていた。祥平が離婚したのは、そのことが関係していた。
脩二は宙太と同じ年の頃から漫画家になることを夢見ていた。母は辞めてもいいのかと心配するが、脩二が決めたことならと受け入れた。一方、杏子は祥平との関係を前向きに考え始めていた。そんな時、祥平の元妻の田村千春と出会う。千春は祥平の子供を1人で育てていた。離婚してから妊娠が発覚したため、祥平は子供が産まれたことは知らなかった。
杏子は祥平に別れを伝えた。そして、千春と子供が祥平に会うのを見守った。宙太は泣くのを必死に堪えようとしている杏子の手を握った。一方、脩二は漫画を使って美香にプロポーズするが、ビリビリに破られ断られてしまう。美香は本気で離婚するつもりはなかった。美香は就職してからではなく漫画家として売れてからプロポーズするのが普通なのではないかと、意味深な言葉を残し去っていった。
杏子達は幸太郎が喪主をしたときの挨拶の録画映像を見た。幸太郎はしどろもどろになっていたが、父に対しての思いがしっかり伝わってくる素敵な挨拶だったと杏子達は思っていた。杏子は結婚を諦めており、もし死んでも葬式をしなくても良いと皆に伝えた。宙太はそんなのは寂しいと、自分が喪主になることを宣言した。杏子は喜び、宙太を抱き締めた。
映画『稲垣家の喪主』の感想・評価・レビュー
コミカルで楽しい演出が施されていながら、家族のことや人間関係などを考えさせられる深い作品だった。杏子と脩二の恋愛が上手くいかなかったことは残念だったが、稲垣家の絆が感じられて嫌な終わり方ではなかった。広末涼子や吉沢悠など俳優達の演技が素晴らしい中、主人公の大人の頃を演じたバカリズムの演技が光っていたと思う。主人公の宙太がとても可愛く、ほっこりした気持ちになれた。楽しい作品だったため、一度視聴をお勧めしたい。(MIHOシネマ編集部)
主人公は小学生の稲垣宙太。かなり緊張しいでたくさんの場面で辛い思いをしています。ある日祖父が亡くなり、父が喪主を務めますが、父も極度のあがり症でしどろもどろな挨拶にたじたじ。それを見た宙太はあがり症は遺伝だと察し、「将来自分が喪主になったら困る」と思い、まだ独身で恋人もいない同居のおじとおばをどうにか結婚させようと奮闘するストーリー。
考え方が小学生らしくてとても可愛いんです。でもあがり症って本当に辛いですよね。頑張らなきゃいけない時に限って声が震えて言葉が出なくなってしまうし…。私も緊張しいなので共感できる部分がたくさんありました。(女性 30代)
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