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映画『稲垣家の喪主』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『稲垣家の喪主』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『稲垣家の喪主』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『稲垣家の喪主』の結末までのストーリー
  • 『稲垣家の喪主』を見た感想・レビュー
  • 『稲垣家の喪主』を見た人におすすめの映画5選

映画『稲垣家の喪主』の作品情報

稲垣家の喪主

製作年:2017年
上映時間:114分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:英勉
キャスト:広末涼子、吉沢悠、松本若菜、篠原ゆき子 etc

映画『稲垣家の喪主』の登場人物(キャスト)

稲垣宙太(子供:金成祐里 / 大人:バカリズム)
小学生。極度のあがり症で、数々の失敗を経験して苦しい思いをしている。父の幸太郎もあがり症。
稲垣杏子(広末涼子)
宙太の伯母。かつては大手保険会社に勤めていたキャリアウーマンだった。現在は仕事を辞めて実家で暮らしている。
稲垣脩二 (森山未來)
宙太の叔父。あることがきっかけで少女漫画を描くことをやめている。現在は4コマ漫画を描いているが、売れていない。
松村祥平(吉沢悠)
郵便局員。バツイチ。ある秘密を抱えている。物腰が柔らかく、優しい性格。杏子に興味を抱く。
北沢美香(松本若菜)
脩二の高校時代の同級生。結婚して海外にいたが、突然脩二の前に現れる。脩二が描いた少女漫画のモデルになった女性。

映画『稲垣家の喪主』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『稲垣家の喪主』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『稲垣家の喪主』のあらすじ【起】

稲垣宙太は極度のあがり症で、演奏会で失敗したり上手く自己紹介が行えなかったり苦しい思いをしてきた。そんなある日、祖父の葬儀で父の幸太郎が喪主の挨拶をすることになった。父はあがってしまい、しどろもどろになりながら挨拶をしていた。それを見た宙太は、あがり症は遺伝だと確信した。

稲垣家は幸太郎一家、祖母の千枝、伯母の杏子、叔父の脩二が一緒に暮らしていた。杏子は大手保険会社に勤めていたキャリアウーマンだったが、今は仕事を辞めていた。脩二は売れない漫画家だった。宙太は杏子や脩二が結婚しなければ喪主をしなければならなくなると友達に指摘され、焦り始める。

幸太郎の妻の朱里のママ友のいとこ(松村祥平)が、杏子のことがタイプだと興味を持っていた。宙太は自分の誕生日会で祥平と杏子を会わせることを思いつく。誕生日会当日、杏子が気まずい思いをする中、祥平と杏子を2人きりにするために皆部屋を出ていった。宙太も出ていこうとするが、杏子に引き止められてしまう。

祥平は宙太に誕生日プレゼントとして遊園地のチケットを持ってきていた。それを見た杏子は、祥平と宙太に今から行くことを提案する。宙太達は杏子の提案に驚きながらも、遊園地を満喫した。宙太は杏子と上手くいきそうな祥平の姿を見て、杏子が亡くなったときは喪主を務めなくて良いと思って安堵した。

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映画『稲垣家の喪主』のあらすじ【承】

結婚して海外に行っていたはずの同級生・北沢美香が脩二の前に現れる。美香は脩二の初恋の人だった。美香は夫が何の相談もなしに仕事を辞めたことにショックを受け、離婚を考えていた。話を聞いた脩二は、激しく動揺する。一方、杏子は祥平と飲みに行き、交流を深めていた。

杏子の元に中条一美という女性が訪ねてくる。一美は氷室という男性と付き合っていたのだが、突然行方不明になり捜索を行っていた。氷室が捨てたゴミの中に杏子の家の住所が書かれた紙があり、何か事情を知っているのではないかと訪ねてきたのだ。だが、杏子が知っている男は氷室という名前ではなく、ホテイという名前だった。しかも、北海道に行くと言って連絡が取れなくなり行方不明になっていた。杏子と一美は同じ男にお金を騙し取られていたことが判明する。

一美にとって氷室が初めての恋人だった。色んな人と付き合っていれば騙されることはなかったのではないかと落ち込んだ。杏子はそれを否定し、自分の過去を打ち明けた。24歳のとき結婚しようと思っていた男は病気を患い、杏子を捨てて担当看護師と結婚した。その後、付き合った恋人は、既婚者でありながら独身だと嘘を吐いて杏子を騙していた。

映画『稲垣家の喪主』のあらすじ【転】

脩二は宙太の友人の早乙女ルナに頼まれていた、途中で終わっていた少女漫画の続きを描いた。今は4コマを描いている脩二だったが、元々は少女漫画を得意としていた。少女漫画を描かなくなったのは、好きな女の子に男が少女漫画を描くのは気持ち悪いと言われたからだった。その少女漫画は好きな女の子をイメージして描いた作品だった。脩二からその話を聞いた宙太達は、好きな女の子が美香のことだとすぐに気づく。

母は杏子に祥平と一緒に、厄払いするためにお寺に行くことを勧めた。そこでお坊さんが投げる福木をキャッチしたカップルは幸せになれると言われていた。母も父と結婚する前に福木をキャッチしていた。杏子はバカバカしいと思いながらも、祥平と一緒にお寺を参拝した。祥平が福木をキャッチする中、杏子は誰かからの連絡を受け取り慌ただしく去っていった。

探偵が氷室を見つけた。杏子は一美と一緒に氷室に会った。氷室は騙したことを悪いと思っておらず、杏子達に対して酷い言葉を投げかけた。宙太は杏子達を傷つけられ、氷室に対して腹を立てる。

脩二は就職をしようとしており、ルナに見せている作品が描き終われば漫画を描くことを辞めようと思っていた。脩二はそんな自分の考えを美香に話した。その後、美香はルナから脩二が少女漫画を辞めていた理由を聞かされ、謝るべきだと言われる。

映画『稲垣家の喪主』の結末・ラスト(ネタバレ)

祥平は杏子に結婚前提で付き合って欲しいと告白した。杏子が喜ぶ中、子供の話になったときに祥平の顔が曇った。杏子は戸惑い、改めて祥平に話を聞いた。祥平は重い口を開き、父から暴力を振るわれていたことを話した。父も虐待を受けながら育っており、祥平は子供を持って父になることに不安を抱いていた。祥平が離婚したのは、そのことが関係していた。

脩二は宙太と同じ年の頃から漫画家になることを夢見ていた。母は辞めてもいいのかと心配するが、脩二が決めたことならと受け入れた。一方、杏子は祥平との関係を前向きに考え始めていた。そんな時、祥平の元妻の田村千春と出会う。千春は祥平の子供を1人で育てていた。離婚してから妊娠が発覚したため、祥平は子供が産まれたことは知らなかった。

杏子は祥平に別れを伝えた。そして、千春と子供が祥平に会うのを見守った。宙太は泣くのを必死に堪えようとしている杏子の手を握った。一方、脩二は漫画を使って美香にプロポーズするが、ビリビリに破られ断られてしまう。美香は本気で離婚するつもりはなかった。美香は就職してからではなく漫画家として売れてからプロポーズするのが普通なのではないかと、意味深な言葉を残し去っていった。

杏子達は幸太郎が喪主をしたときの挨拶の録画映像を見た。幸太郎はしどろもどろになっていたが、父に対しての思いがしっかり伝わってくる素敵な挨拶だったと杏子達は思っていた。杏子は結婚を諦めており、もし死んでも葬式をしなくても良いと皆に伝えた。宙太はそんなのは寂しいと、自分が喪主になることを宣言した。杏子は喜び、宙太を抱き締めた。

映画『稲垣家の喪主』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

コミカルで楽しい演出が施されていながら、家族のことや人間関係などを考えさせられる深い作品だった。杏子と脩二の恋愛が上手くいかなかったことは残念だったが、稲垣家の絆が感じられて嫌な終わり方ではなかった。広末涼子や吉沢悠など俳優達の演技が素晴らしい中、主人公の大人の頃を演じたバカリズムの演技が光っていたと思う。主人公の宙太がとても可愛く、ほっこりした気持ちになれた。楽しい作品だったため、一度視聴をお勧めしたい。(MIHOシネマ編集部)


主人公は小学生の稲垣宙太。かなり緊張しいでたくさんの場面で辛い思いをしています。ある日祖父が亡くなり、父が喪主を務めますが、父も極度のあがり症でしどろもどろな挨拶にたじたじ。それを見た宙太はあがり症は遺伝だと察し、「将来自分が喪主になったら困る」と思い、まだ独身で恋人もいない同居のおじとおばをどうにか結婚させようと奮闘するストーリー。
考え方が小学生らしくてとても可愛いんです。でもあがり症って本当に辛いですよね。頑張らなきゃいけない時に限って声が震えて言葉が出なくなってしまうし…。私も緊張しいなので共感できる部分がたくさんありました。(女性 30代)


稲垣家の細やかな人物描写が心に響きました。長男が喪主として戸惑いながらも遺族をまとめる姿には、「家族の絆」を再認識。祖母の若き日の回想シーンも深みを添えており、物語の深層を感じさせてくれます。後半、遺言の真意が明かされる場面では思わず胸が締め付けられ、家族の歴史が連続して繋がっていく様が感動的でした。不在の存在を通して家族が再び一つになる瞬間に、言葉にならない感動と安堵を覚えました。(30代 女性)


喪主を務める主人公の成長物語としてグッときました。最初は葬儀の流れすら把握できずに戸惑う彼が、母親の言葉や祖父との対話を通じて覚悟を身につけていく展開は非常に共感できます。特に火葬場での心情吐露は圧巻で、遺された想いを丁寧に届ける演出に涙が止まりませんでした。儀式以上のものを彼が背負っていく姿に、自分の人生を見つめ直すきっかけをもらいました。(20代 男性)


エモーショナルな家族ドラマで、重さと温かさが絶妙に共存しています。葬儀準備の細やかな描写にはリアリティがあり、まるで自分もその場にいるような臨場感に圧倒されます。祖母の昔語りが物語に深い層を与え、彼女のエピソードによって家族の背景がふっと広がる瞬間には心が震えました。終盤の和解の場面では、家族というものの尊さを改めて実感させられました。(40代 女性)


正直、葬儀ものは重苦しいと思っていましたが、本作にはユーモアが効果的に散りばめられており、人生の意味を考えさせてくれる作品でした。末っ子の生意気なツッコミや親戚同士の珍妙なやり取りには思わずクスッと笑い、重すぎないバランスが絶妙です。終盤、故人のメッセージが遺族に届くシーンでは涙腺が崩壊しました。(20代 女性)


葬儀を通して家族の確執と和解が丁寧に描かれており、重厚でありながら心が温まる作品でした。兄弟姉妹の対立がクライマックスで一気に解けていき、皆が故人を想う姿には胸が熱くなりました。特に遺言状に込められた「本当の家族とは何か」という問いは深く刺さるテーマで、見終わった後にじんわりと余韻が残ります。(50代 男性)


涙あり笑いありのヒューマンストーリーです。葬儀準備の最中に明かされる家族の秘密や過去が、少しずつ紐解かれていくプロセスにぐいぐい引き込まれました。親戚の少女が思いがけず故人との絆を語る場面は特に印象的で、エンドロールの間も余韻が消えず、深い余情が胸に残ります。(30代 女性)


ライフレビューとして秀逸な映画でした。主人公が父親の死を通じて自分のルーツや家族観と向き合っていく描写は非常に丁寧で説得力があります。妻とのさりげない会話や静かな情景で描かれる心の機微にも、しみじみとした余韻が漂います。心に寄り添うような作風で、故人への思いが深く胸に刻まれました。(40代 男性)


笑い泣きできる映画というのはこういうことかと思いました。親戚のおじさんのあっけらかんとした弄りには思わず吹き出し、祖母の遺志が明かされる場面では涙が止まりませんでした。コメディとシリアスの融合が絶妙で、大人も子供も飽きずに観られる構成が魅力的です。(50代 女性)

映画『稲垣家の喪主』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『稲垣家の喪主』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

湯を沸かすほどの熱い愛

この映画を一言で表すと?

死を前にして家族を再生させる、涙と感動の母の物語。

どんな話?

余命わずかと宣告された母が、バラバラになった家族を再生しようと奔走する姿を描いたヒューマンドラマ。家族とは何か、生きるとは何かを真正面から描き、ラストには心揺さぶられるメッセージが残されます。感動作として名高い一本です。

ここがおすすめ!

宮沢りえの圧巻の演技が作品を支え、登場人物一人ひとりに深みがあります。終盤に明かされる衝撃の真実と、涙なしでは見られないラストシーンは必見。『稲垣家の喪主』のように、家族の再生や死との向き合い方に惹かれた方には特におすすめです。

おくりびと

この映画を一言で表すと?

“死”と“生”の尊さに向き合う、日本映画の金字塔。

どんな話?

チェロ奏者としての夢を断たれた主人公が、納棺師という仕事に出会い、最初は戸惑いながらも“死”に関わる仕事の尊さに目覚めていく物語。人との別れ、家族との和解をテーマに、静かに心に染み入る名作です。

ここがおすすめ!

第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した本作は、死を通して人間らしさを浮き彫りにする珠玉のドラマ。繊細な演出とモッくん(本木雅弘)の静かな演技が光り、見るたびに新たな気づきを与えてくれます。『稲垣家の喪主』と同じく、死を“生”の視点で捉えたい人にぴったりです。

そして父になる

この映画を一言で表すと?

「血」か「時間」か――父性を問う静かな衝撃作。

どんな話?

6年間育てた息子が他人の子だったと知った2組の夫婦が、それぞれの「家族の形」と向き合っていく感情のドラマ。血のつながりよりも心のつながりが問われるなか、彼らが下す決断は観る者に深い問いを投げかけます。

ここがおすすめ!

是枝裕和監督が描く家族のリアルは、日本社会における家族観を考え直させるほどの深みがあります。静かな演出の中に強烈な感情が潜む構成は、『稲垣家の喪主』のように“家族とは何か”を真摯に問う作品を求める方におすすめです。

家族はつらいよ

この映画を一言で表すと?

笑って泣ける、“現代の家族”あるあるコメディ。

どんな話?

三世代が同居する平田家に突如訪れる「熟年離婚」騒動をきっかけに、家族内のさまざまな本音や亀裂が噴出していく様子をユーモラスに描いたホームコメディ。山田洋次監督ならではの温かさと皮肉が絶妙です。

ここがおすすめ!

誰もが共感できる家族の風景を描きつつ、じわっと心に染みるメッセージも。笑いのなかに真理が隠されており、気負わず見られるのも魅力。『稲垣家の喪主』の重厚さとは異なるアプローチで、家族の本質に迫ります。

永い言い訳

この映画を一言で表すと?

喪失から始まる、再生と愛の物語。

どんな話?

妻を事故で亡くした作家・幸夫が、表面では平静を装いながらも心の中では喪失に苦しみ、彼女の友人家族との交流を通じて少しずつ変わっていく姿を描いたヒューマンドラマ。

ここがおすすめ!

本作は「悲しみ」とどう向き合うかに正面から挑んでおり、何気ない日常描写のなかに深いドラマがあります。西川美和監督ならではの繊細な人間観察と、役所広司の静かな演技が光ります。『稲垣家の喪主』に感動した方には間違いなく刺さる一本です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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