この記事では、映画『ブラッド・ファーザー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ブラッド・ファーザー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ブラッド・ファーザー』の作品情報
上映時間:88分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ジャン=フランソワ・リシェ
キャスト:メル・ギブソン、エリン・モリアーティ、ディエゴ・ルナ、マイケル・パークス etc
映画『ブラッド・ファーザー』の登場人物(キャスト)
- ジョン・リンク(メル・ギブソン)
- 刑務所に入っていたことがあり、娘とは疎遠になっていた。現在は断酒プログラムに参加し、彫り師として仕事を行っている。
- リディア・ジェーン・カーソン(エリン・モリアーティ)
- 17歳。14歳の頃に家出をする。明るく物怖じしない性格。ジョンの娘。
- ジョナ・ピンサーナ(ディエゴ・ルナ)
- 叔父はカルテルのボス。表向きは不動産関係の仕事を行っているが、裏では麻薬の売買を行っている。リディアの恋人。
映画『ブラッド・ファーザー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ブラッド・ファーザー』のあらすじ【起】
リディア・ジェーン・カーソンは2012年に失踪した。失踪当時、14歳だった。現在。リディアは恋人のジョナに頼まれ、弾を買いに行った。ジョナは仲間の男達と共にある家の中に入り、リディアに裏口を見張らせた。家の中から銃声が聞こえたため、リディアは様子を伺いに行った。すると、男性が死んでおり、その妻が捕らえられていた。ジョナ達は奪われた金を取り返すために行ったのだが、妻は何も知らないと抵抗した。リディアはもう止めてくれと頼むが、ジョナは聞いてはくれなかった。ジョナはリディアに妻を殺させようとした。ジョナに銃を突きつけられたリディアは引き金を引き、誤ってジョナを撃ってしまう。
誕生日、ジョン・リンクは断酒プログラムに参加していた。そこで、刑務所に入っていたこと、現在仮釈放の身であることを話した。ジョンは彫り師として働いており、店には行方不明の娘についての張り紙を張っていた。
ジョンの元に娘のリディアから突然電話がかかってきた。リディアは仕事と部屋を探すのにお金を必要としていた。ひとまずジョンはリディアを迎えに行った。2人は久しぶりに会ったこともあり、ぎこちない雰囲気を漂わせた。ジョンはリディアの鞄の中に酒の瓶が入っているのが気になった。リディアが眠っている間に鞄の中を確認した。すると、拳銃が出てきた。

映画『ブラッド・ファーザー』のあらすじ【承】
リディアは恋人の裏社会の仲間に追われていることをジョンに打ち明けた。ジョンは薬と麻薬の依存症でリディアが妄想に囚われていると思い、話を信じなかった。リディアの携帯に、ジョナの仲間から「必ずお前を捕まえる」とメッセージが入った。怯えたリディアは麻薬を使ってしまう。ジョンはすぐにそのことに気づき、麻薬を使わないよう叱った。
ジョンはリディアの様子を不審に思う。そんな時、ガラの悪い男達がやってきて、リディアに会わせろと脅してきた。ジョンが無視して家の中に逃げると、拳銃などを使って攻撃してきた。リディアが刑務所に入れば殺されると怯えていたため、警官を呼ぶことはできなかった。ジョンはリディアを守りながら戦い、友人のカーヴィに連絡を入れた。すると、カーヴィが銃を持ち仲間を連れて現れた。男達はリディアに会うのを諦め、引き揚げていった。
ジョンはリディアを逃がすことにした。家を襲撃した男達のタトゥーを見て、2人はメキシコ系のギャングに所属しており、もう1人は「PEN1」と呼ばれる白人至上主義の組織に所属していることが分かった。その2組が手を組んでいるなら、大金が絡んでいると予想がついた。
リディアは母親の家を出てからのことをジョンに話した。襲ってきた男達のことは、ジョナの仲間ということしか知らなかった。ジョナは不動産関係の仕事を行っていた。あるパーティーで2人は出会い、付き合うようになった。リディアはジョナから、住み込みで谷にある小さなコテージの管理を頼まれる。そこは麻薬と現金の隠し場所だった。リディアはそこに友人達を呼んで遊んだ。その時、麻薬が紛失する事件が起きる。リディアは麻薬を見ておらず何も知らなかったが、ジョナの仲間はリディアを疑い激怒した。さらに、リディアはジョナも射殺してしまったことを打ち明けた。ジョンは衝撃の事実に言葉を失くす。
映画『ブラッド・ファーザー』のあらすじ【転】
ジョンとリディアはモーテルに泊まった。そこで、リディアが複数の殺人に関与しているとのことで、重要参考人としての令状が出ているとのニュースが流れた。さらに、ジョンもリディアの同行者としてテレビで放送された。モーテルに警官が駆けつけるが、ジョン達はモーテルで働いている青年に助けられる。ジョン達が警官の様子を伺っていると、銃声が鳴り響いた。正体不明の男が警官を撃ったのだ。ジョンは車を盗み、リディアと共に逃げ出した。正体不明の男は麻薬カルテルの手下で、警官や判事を狙う殺し屋だった。
ジョンは「説教師」と呼ばれる古い友人を訪ねることにした。説教師の居場所を知っているはずのバーを訪れるが、マスターは教えてはくれなかった。ジョンは酒の誘惑に負けそうになったため、カーヴィに電話をかけて気分を落ち着かせた。その間に、リディアは男達と楽しげにおしゃべりをしていた。ジョンはリディアを心配して電話を切った。リディアは男達から説教師の居場所を教えてもらっていた。
ジョンは説教師のことを父のように慕っていたため、彼の犯罪について口を噤んで1人で刑期を全うしていた。説教師はジョンに借りがあったが、リディアに懸賞金が懸けられていることを知り裏切ることにした。ジョンは説教師に預けていたバイクに乗り、リディアと共に逃げた。
映画『ブラッド・ファーザー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジョンは友人のリオスに会うため、1人で刑務所に向かった。不安になったリディアはジョンに連絡を入れるが、刑務所の中に入ったジョンは携帯を預けていたため気づかなかった。そんな時、リディアの携帯にカーヴィから電話がかかってくる。カーヴィは1人でいるのが危険なため、人がいるところに移動することを勧めた。
ジョンはリオスにジョナのことを聞いた。リオスはジョナの叔父がカルテルのボスであることを教えた。ジョナは問題行動が多かったため、組織から遠ざけられてロサンゼルスで麻薬の管理をしていた。ジョンが殺し屋につけ狙われていることを打ち明けると、リオスはジョナが大金を盗んだ罪をリディアに擦りつけた可能性があると説明した。リオスはジョンのために、ジョナの叔父に話をつけることにした。
リディアが映画を見ていると、ジョナから電話がかかってきた。ジョナは闇医者にかかり、一命を取り留めていた。リディアの前にジョナが現れ、周囲にはジョナの仲間の男達が待ち構えていた。リディアは逃げるが、捕まってしまう。
刑務所から出たジョンはリディアに電話をかけるが繋がらなかった。カーヴィに電話をかけると、ジョナが出た。ジョナはカーヴィを脅してジョン達の居場所を知ったのだ。ジョナはジョンと電話で会話をしながら、カーヴィを始末した。ジョンはジョナの叔父に連絡が取れることを話し、自分が行くまでリディアを殺すなと脅した。ジョナはそれを受け入れた。
ジョンは説教師の元から武器を奪い、目の前に立ちはだかった説教師を殺してリディアの元に急いだ。ジョナには逃げられてしまうが、ジョナの仲間を倒してリディアを救い出した。しかし、ジョンは撃たれてしまい、瀕死の重傷を負う。リディアは助けを呼びに行こうとするが、ジョンは傍にいることを望んだ。リディアが見守る中、ジョンは息を引き取った。
ジョナは逮捕される。刑務所ではリオスとその仲間達が待ち構えていた。リディアはお酒と薬物を止める会に参加し、父への感謝の気持ちを話した。
映画『ブラッド・ファーザー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
リディアは若いせいなのか、考えなしなところがあって無謀な女性だと感じた。しかし、愛嬌があり、彼女を演じているエリン・モリアーティも可愛かったので不快には感じなかった。リディアの父親を演じたメル・ギブソンは、今回の役がピッタリと合っていた。刑務所に入っていたり酒に溺れた過去があったりと、全うな人生を歩んできたわけではないが、何よりも娘を大切に思う気持ちが伝わってきたため、カッコいいお父さんだなと思った。(MIHOシネマ編集部)
メル・ギブソンが久々に本気を見せた一本。娘を守るためなら命すら惜しまない父親像に、胸が熱くなった。過去に問題を抱えながらも更生しようとする父と、トラブルに巻き込まれた娘の関係がリアルで、アクションだけでなく人間ドラマとしても見応えがある。特にラスト、娘を助けるため自らを犠牲にする姿には泣かされた。父親の無償の愛を描いた作品としても秀逸。(30代 男性)
元アル中の元囚人が娘のために命を張る。展開としては王道なんだけど、メル・ギブソンの存在感が圧倒的すぎて、それだけで引き込まれる。無駄な説明がなく、テンポよく進むのも好印象。銃撃戦やバイクチェイスも迫力満点で、B級アクションの枠を超えた良作。過去を清算しようとする男の姿に、どこか哀愁を感じた。(40代 男性)
想像していたよりもずっと感情に訴えてくる作品でした。アクションの派手さよりも、父と娘の再会、信頼の再構築がテーマになっていて、思わず感情移入してしまいました。ギブソンの荒んだ雰囲気と、娘役エリン・モリアーティの繊細な演技がぶつかり合いながらも共鳴していく流れにグッときました。決して派手ではないけど、心に残る映画。(20代 女性)
ストーリーはシンプルだけど、骨太なドラマでした。メル・ギブソン演じる父親が、昔の自分のような過ちを娘に繰り返させないよう、必死で守ろうとする姿に感動。派手な爆破やCGに頼らず、泥臭い肉体アクションで見せるところもリアリティがあって良かった。年齢を重ねたギブソンが演じるには最高の役だったと思う。(50代 男性)
父親と疎遠だった娘が、極限状況の中で再び心を通わせていく過程が丁寧に描かれていて、意外と感動系の映画だった。バイオレンスの中に親子の愛情がにじんでいて、涙腺が緩んだ。ラストの選択も、単なるヒーロー映画では終わらせない深さがあった。メル・ギブソンがリアルな歳の取り方をしているのも、この役に説得力を持たせていた。(30代 女性)
娘のために死地に飛び込む父親という、ありがちなテーマなのに全く飽きさせないのは、やはりギブソンの演技力あってこそ。最初は問題だらけの父親にしか見えないのに、終盤にはその覚悟と愛に圧倒された。セリフのひとつひとつにも重みがあり、娯楽映画というよりも、父と娘のヒューマンドラマとして評価したい。(60代 男性)
ギブソンのワイルドさ全開で、まさに”オヤジ無双”映画。悪党たちに追われる娘を、元犯罪者の父親が命がけで守るという展開に胸が熱くなる。アクションも決してスタイリッシュではないけど、その泥臭さが逆にリアル。ラストの選択には賛否あるだろうけど、個人的にはあの終わり方で良かったと思う。(20代 男性)
メル・ギブソンの復活を感じさせる映画でした。人生をやり直そうとする男が、突然現れた娘の危機にどう向き合うのか。彼の過去と現在が交差しながら、物語に深みを与えていました。ドンパチだけでなく、静かなシーンの演技も素晴らしかった。父と娘の絆という普遍的なテーマが、より多くの世代に響くと思います。(50代 女性)
過去に問題を抱える父と、危険な道に足を踏み入れてしまった娘。そんな二人が再会し、命がけで逃避行するという設定にグッときた。緊張感のある展開が続く中で、徐々に信頼を取り戻していく様子が丁寧に描かれていて、ラストは自然と涙がこぼれた。父親の背中がここまでかっこいい映画、なかなかないと思う。(40代 女性)
映画『ブラッド・ファーザー』を見た人におすすめの映画5選
マチェーテ
この映画を一言で表すと?
「復讐の炎を燃やす、ナタを振るう元捜査官の怒り爆発アクション!」
どんな話?
元メキシコ連邦警察の男・マチェーテが、裏切られ、罠にかけられた怒りから復讐のために立ち上がる。陰謀渦巻く政治の裏側に切り込みながら、次々と敵を倒していく姿が痛快。荒唐無稽でスタイリッシュなB級アクションの真骨頂!
ここがおすすめ!
血しぶき満載の過激なバイオレンスと、ダニー・トレホの無敵感がたまらない作品。『ブラッド・ファーザー』のような荒削りな正義と肉体で突き進む男の物語が好きな人にはドンピシャ。パロディ要素も多く笑える部分も◎。
イコライザー
この映画を一言で表すと?
「静かに怒る元CIAが悪を制裁する、孤高のダークヒーロー譚!」
どんな話?
平穏な日常を送っていた元CIA工作員の男が、裏社会の暴力に苦しむ少女と出会い、正義感から再び闇に身を投じる。冷静沈着にして圧倒的な戦闘力を持つ主人公が、悪を粛清していく様はスリリングで魅了される。
ここがおすすめ!
デンゼル・ワシントンの静かな迫力が光る傑作。アクションのキレと、善悪の境界線を越えるダークな魅力は『ブラッド・ファーザー』にも通じるものがある。シリーズ化されていて、続編も楽しめるのも嬉しいポイント。
リービング・ラスベガス
この映画を一言で表すと?
「人生の底を漂う男と女が、破滅の先に見た淡い希望の物語。」
どんな話?
アルコール依存症の脚本家と、孤独を抱える娼婦がラスベガスで出会い、心を通わせる。救いのない人生の中に生まれるかすかな愛情を描く、重くも美しい人間ドラマ。破滅を受け入れる覚悟に胸を打たれる。
ここがおすすめ!
ニコラス・ケイジの鬼気迫る演技が圧巻。『ブラッド・ファーザー』のような再生と贖罪をテーマにした作品が好きな方には特に刺さる。人生に傷を負った者たちの交流が、静かに深く心を揺さぶります。
ラン・オールナイト
この映画を一言で表すと?
「過去に決着をつける夜、父が選んだのは逃亡ではなく戦いだった。」
どんな話?
かつて殺し屋だった父が、息子を守るために再び銃を手にする。裏社会に追われながらも、家族への償いのために戦う一夜の逃避行が描かれる。父と息子の確執と和解が重なる、スリリングなアクションドラマ。
ここがおすすめ!
リアム・ニーソンの渋さと哀愁が光る一本。『ブラッド・ファーザー』と同じく「父の贖罪と愛」が軸にあり、アクションだけでなく人間ドラマも秀逸。夜を舞台に繰り広げられる緊張感あふれる追跡劇も見もの。
パニッシャー(2004年)
この映画を一言で表すと?
「家族を奪われた男の復讐が、静かに、そして凄まじく始まる。」
どんな話?
家族をギャングに殺された元FBI捜査官が、法では裁けない悪を己の手で制裁していく。冷徹にして孤独な戦いは、怒りと哀しみを孕みながら進んでいく。正義とは何かを問いかけるバイオレンスアクション。
ここがおすすめ!
『ブラッド・ファーザー』同様、孤独な戦士が家族のために立ち上がる物語。アクションのキレと演出の重厚さが光る。単なる復讐劇ではなく、失ったものと向き合いながら戦う主人公の姿に深く引き込まれる。
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