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映画『ブラッドショット』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブラッドショット』の概要:何者かに襲撃され、命を落とした優秀な海兵隊員。だが、彼は全身にナノマシンを注入され、復活させられる。記憶操作により妻を殺した犯人へ復讐する主人公だったが、実はこれまでに何度も同じパターンで標的を消して来たことが分かる。

映画『ブラッドショット』の作品情報

ブラッドショット

製作年:2020年
上映時間:109分
ジャンル:SF、アクション
監督:デヴィッド・S・F・ウィルソン
キャスト:ヴィン・ディーゼル、サム・ヒューアン、エイサ・ゴンサレス、ガイ・ピアース etc

映画『ブラッドショット』の登場人物(キャスト)

レイ・ギャリソン / ブラッドショット(ヴィン・ディーゼル)
優秀な海兵隊員だったが、何者かに襲撃され命を落とす。RSTの技術によってナナイトを注入され、ブラッドショットとなる。愛情深く正義心に厚く、常に冷静。
ジミー・ダルトン(サム・ヒューアン)
RSTの強化兵。アフガンの爆発攻撃にて両足を失い、RSTの技術によって義足を得る。他にも身体強化を行っており、レイを敵視している。
KT(エイサ・ゴンサレス)
ライジング・スピリット・テクノロジーの強化兵。元海軍スイマーだったが、化学兵器により呼吸器系に酷いダメージを負う。技術によって胸に呼吸器装置を装着し強化兵となる。エミールとの契約により命を握られているが、レイの境遇を憂い現状打破しようとする。
エミール・ハーティング(ガイ・ピアース)
ライジング・スピリット・テクノロジー。(以下、RST)の施設長。10代の頃に発症したがんにより、右腕を切断しメカの義手を装着している。技術によって強化した兵が使えなくなったら、高く売り捌いている。兵を実験材料だと思っており傲慢な性格。
ウィルフレッド・ウィガンズ(ラモーン・モリス)
天才的な技術屋でレイのソースコードの元を作成した人物。黒人で非常に陽気。嫌味のないビッグマウスが特徴。ナナイトの改良やKTの呼吸装置の改良も行う。

映画『ブラッドショット』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブラッドショット』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブラッドショット』のあらすじ【起】

ケニア、モンバサでの任務を無事に完遂し、イタリアのアメリカ空軍基地へ帰還した海兵隊員のレイ・ギャリソン。待っていた妻とアマルフィ海岸で有意義な休暇を過ごしていたが、何者かの襲撃に遭い妻共々捕縛されてしまう。黒幕はやけに陽気な男だったが、レイの制止も聞かず妻を銃殺。続けてレイまでもが殺されてしまうのであった。

次に目が覚めた時、レイはどこかの実験室のような場所に横たわっていた。何が起こったか分からず戸惑うレイだったが、彼の前にライジング・スピリット・テクノロジー(以下、RST)の施設長だと言うエミール・ハーティングと黒髪の女性KTが現れる。エミール曰く、レイはすでに死亡し、RSTは軍から遺体を提供されたと言う。それが、レイだったわけだが、RSTは実験にて既に死亡したレイを生き返らせたらしい。エミールはレイに二度目の機会が訪れたと笑うのだった。

RSTは軍の重要な資産の復元を目指し日夜、実験を行っている。それは、俊敏で強靭な身体を可能にする骨格や反応を高める神経系の装具などの開発だ。中でもレイは特別で生物工学ロボット、ナナイトにより傷を受けても直ちに修復され、死ぬことがない。ただし、ナナイトにはエネルギーが必要で、RSTでチャージしなければならない。ただ、軍での立場と仕事上、レイには過去の記憶が無かった。

施設にはリハビリ施設も完備しており、部位を復元した元兵士が己の限界と向き合っている。KTも元は海兵スイマーで化学兵器にも耐え得る肉体を手に入れた。他にも元シールズのジミー・ダルトンはアフガンの爆弾攻撃により両足を失い、RSTの技術で義足を得ている。施設にいるのは負傷兵ばかりだったが、エミール曰く彼らは改良され進化したらしい。

レイは現状を受け入れるべく、その日は休ませてもらうことにしたが、深夜になって悪夢で目覚める。彼は自分の力がどれほどのものか確認し、思わず笑ってしまう。ビルの柱を殴りつけても怪我一つ負わずむしろ柱の方に亀裂が入る。その後、偶然KTと過ごすことになったが、音楽をきっかけに死の間際の出来事を不意に思い出してしまう。レイはRSTを飛び出し、無意識にナナイトを使ってRSTのネットワークから妻を殺害した犯人を検索した。

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映画『ブラッドショット』のあらすじ【承】

このことに慌ててしまったエミール。レイは死から復活した貴重な存在で、重要な試作品だ。能力もまだ把握できていない状態であるため、可能性や限界が分からない。だが、レイはナナイトを使ってビジネスジェット機のマニュアルを瞬時に把握。航空機を自ら操縦し、犯人が潜伏するブタペストへと向かってしまった。

更に車両情報を検索し、犯人の車をトンネル内で足止め。すぐさま突入したレイは武装集団との戦闘を展開し、恐ろしいまでの圧倒さを見せつけ勝利。そうして、犯人を追い詰め復讐を遂げた。

翌日、ハンガリーのとある飛行場でRSTの隊員達と合流したレイ。激しい戦闘で肉体を何度も修復したせいでナナイトのエネルギーが低下している。彼を迎えに来たダルトンは呆れた様子で、KTもまたレイを労いつつもどこか悲しそうな表情だった。

その夜、エネルギーチャージ中にダルトンがやって来る。ナナイトを操作されてしまえば、レイは身動きも取れなくなってしまう。ダルトン曰く、妻を殺された報復心は今後も消えることがなく軍はその深い恨みを利用し、ターゲットの暗殺を順次行っているらしい。任務が完了すればRSTに戻され、記憶がリセットされる。いわば、レイは軍にとって最強のおもちゃの兵隊なのだ。全てを明かしたダルトンは、レイの記憶をリセットし去って行った。

RSTでは記憶でさえもデータ化され、リセット中に記憶の操作までが行われる。肝心なのは妻を殺した犯人像の設定である。KTは繰り返される任務に辟易とし、エミールへ不満をぶつける。レイは毎回、RSTが作り上げたシナリオ通りにターゲットの殺害を行っている。そこには彼の意思が反映しているように見えて反映されておらず、いいように使われているだけだ。だが、エミールは断固としてKTの話を聞こうとしない。意に反するならば、契約通りに死を与えるだけだと告げるのだった。

そうして、再起動したレイは覚醒から全てを新たにやり直し、設定された犯人を追うよう仕向けられる。次の標的を捕捉したレイは潜伏先の邸へ突入したが、内部へ入るため、一旦やられたように見せかけた。

映画『ブラッドショット』のあらすじ【転】

ところが、標的は元々エミールと反目した同業者で、彼の元にはレイに使われたソースコードを作成した天才技術屋のウィルフレッド・ウィガンズが雇われていた。標的はこの日のためにウィガンズへと、ある装置の製作を依頼していたのだ。それは電磁パルスを発生させる装置である。EMPが起動されれば、レイの身体を修復しているナナイトが全て破壊されてしまう。だが、レイはEMPが作動される前に標的の排除を完了させた。ところがその直後、何者かによってEMPが作動されてしまう。辺り一帯を巻き込みレイのナナイトはEMPによって全ての機能を停止させた。

EMPを作動させたのはウィガンズだった。レイが倒れたことにより、RSTでは状況把握ができずエミールは怒りを爆発させスタッフを怒鳴り散らした。
ウィガンズはレイを高圧電流で再起動し、覚醒を促す。目覚めたレイはウィガンズから事の経緯を聞き記憶を振り返る。妻を殺した犯人の顔が何度も別人にすり替わった。そのことを話すと、ウィガンズはRSTが何をしているかおおよそのことを把握したと言う。噂ではRSTを辞めた人間が次々に殺害されているらしく、その手口が個人的な報復のようだった。それは、レイがRSTによって記憶操作され使われていたからだ。

レイはナナイトをウィガンズへと渡し、分析しろと言う。その間、彼は妻を探し出すことに。彼女は存命中でイギリスのロンドンに住んでいた。家を訪ねるとレイとの再会に喜んではくれたが、今はもう家族がいると言う。会話に齟齬を感じたレイは、彼女と最後に会った日がいつかを確認。すると妻は5年前だと答えるのだった。

映画『ブラッドショット』の結末・ラスト(ネタバレ)

愕然としたレイは過去の記憶を辿りつつ車を走らせていたが、正面から装甲車に衝突される。レイを捕捉したRSTからダルトン達が追って来たのだ。今RSTに捕まってしまえば、再びリセットされ、また人殺しの道具として利用される。ダルトンと強化兵によって執拗な追跡が行われ、レイはダルトンの武器である両足を破壊したが、ナナイトをダウンさせる銃弾を撃たれ意識を失ってしまうのだった。

本部にてその結果を知ったKTは、エミールの命令を聞かずレイの元へ向かおうとするが、彼女の命はエミールに握られており逃げることができない。KTは仕方なく命令に従い、ウィガンズの排除へと向かった。しかし、彼女は護衛を倒し、ウィガンズを助けることで反旗を翻す。

仮想空間にて、エミールと話したレイ。双方の主張はまるで噛み合わず、レイはエミールへと怒りを募らせる。エミールは支配権を得るべくレイのナナイトの量を減らすことに。そこへKTが帰還。彼女はウィガンズ捕縛に失敗したと嘘の報告をする。すると、エミールはレイを使ってウィガンズ暗殺を決行しようとする。そこで、KTはウィガンズの協力を得てレイの記憶へと侵入し、リセットを阻止。

このことにエミールは激怒し、即座にKTを消そうとする。だが、ウィガンズによって装置の改良を行ったKTにはアクセスできず殺すことができなかった。
覚醒したレイはその場から逃走し、KTがRSTのサーバールームを破壊。

一方、逃げるレイを止めるべく、アーマーを装着したダルトンが立ち塞がる。高層ビルのエレベーターにて、激しい戦闘を展開したレイとダルトン。ビルから転落しつつ、ダルトンと共に地面へと激突した。だが、レイのナナイトは即座に彼の体を修復。彼は車に乗って逃走しようとしていたエミールを止めた。極限状態にまで作動したナナイトは度重なる修復でチャージ量を減少させ、最早修復不可能なレベルへと到達。レイはエミールが発砲した弾丸を手に握り、奴を拘束すると弾丸を手の平から落としエミールと共に自爆した。

ところが、しばらく後に再び覚醒したレイ。目の前にはウィガンズがいて、ナナイトを改良しスタミナを増やしたと言う。つまり、以前のように毎回チャージしなくても良くなったとういうことだ。ウィガンズは礼を言って外へ。そこは夕暮れの湖でKTが景色を眺めていた。レイは彼女へと未来は自分で選ぶものだと告げ、共に行動することにするのであった。

映画『ブラッドショット』の感想・評価・レビュー

原作はアメコミの同名作品。主演のヴィン・ディーゼルにとっても身内と言うべきオリジナルフィルム制作で、哀しきダークヒーローをより格好良く描いている。

ナナイトが身体を修復するCG映像がとても美しい。ストーリーにも違和感はなく、アクションも面白い。ヴィン・ディーゼル主演の過去作品『トリプルX』や大人気シリーズ『ワイルド・スピード』で鍛えてきたこともあり、その辺は抜かりないと感じた。見応えも充分あるし内容も充実しているが、何か物足りなさを感じたのも事実。ある意味、パターン化しているような印象を受けた。作品自体はとても面白いので、見る価値はあると思う。(MIHOシネマ編集部)

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