映画『ブルースチール(1990)』の概要:キャスリン・ピグロー監督の1990年のサスペンス映画。新人警官のメーガンは勤務初日にスーパー強盗を射殺し、客の男に犯人の銃を持ち去られてしまう。男は銃弾に彼女の名前を刻み、無差別殺人に利用し始めた。
映画『ブルースチール』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:キャスリン・ビグロー
キャスト:ジェイミー・リー・カーティス、ロン・シルヴァー、クランシー・ブラウン、ルイーズ・フレッチャー etc
映画『ブルースチール』の登場人物(キャスト)
- メーガン・ターナー(ジェイミー・リー・カーティス)
- マンハッタンの新人警察官。勤務初日に遭遇したスーパー強盗で犯人を射殺し、犯人の銃を見失ったため、停職処分を受ける。偶然を装いディナーに誘うユージンとデートを重ね、親しくなっていく。
- ユージーン・ハント(ロン・シルヴァー)
- ウォール街のブローカー。スーパー強盗に偶然居合わせて、犯人の銃を持ち帰る。メーガンに執着し、彼女の名を刻んだ弾で無差別殺人を始める。
- ニック・マン(クランシー・ブラウン)
- メーガンの同僚刑事。犯人がメーガンに執着していると分かり、彼女を尾行して犯人を捕まえようとする。
- トレイシー・ペレス(エリザベス・ペーニャ)
- メーガンの友人で専業主婦。世話焼きでメーガンに男性を紹介しようとする。
映画『ブルースチール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブルースチール』のあらすじ【起】
ニューヨークの警察学校の卒業式。メーガン・ターナーは憧れの警察官の制服姿で式に臨んだ。両親は娘が警察官になることを反対しているため式に参列せず、彼女は少し寂しく感じた。
勤務初日。メーガンはパトロール中に、スーパーに銃を持った強盗がいるのを目撃する。彼女は店内に入り、銃を下ろせと命じたが、犯人が抵抗したため射殺する。その際、犯人の銃は客の男がこっそり持ち去ってしまった。
メーガンの発砲は正当と認められず、銃も見つからないため、停職処分を受けることになった。彼女は親友のトレイシーのホームパーティに招かれて、男性を紹介されたものの、全く気乗りしなかった。
銃を盗んだのはユージンというウォール街のブローカーだった。株価の暴落で大損失を出した日の夜、彼は泥酔で街を歩きながら、通りすがりのサラリーマンを射殺する。
正式に警察バッチと銃を取り上げられたメーガンは、落ち込みながら警察署を出た。タクシー乗り場で、偶然を装い待ち伏せていたユージンと会い、相乗り乗車をする。メーガンは彼が犯人だと全く気付かず会話が弾み、2人でディナーに行くことになった。
映画『ブルースチール』のあらすじ【承】
高級レストランに入ると、ユージンは以前からメーガンを知っているかのような口ぶりで話し始めた。メーガンはほろ酔い気分であったため、その矛盾に気づくことはなかった。
その日の深夜。殺人現場にメーガン・ターナーという文字が彫られた銃弾が発見された。殺人課のニック刑事は、犯人がメーガンに興味を持っていることから、彼女を復帰させて尾行することを思い付く。
メーガンは警察官に復帰し、その夜もユージンとディナーを楽しんだ。彼から一目惚れだと言われて、彼女はすっかり舞い上がり、彼を部屋に招くが断られてしまう。そこへニックが現れ、監視されていることを忘れるなと忠告する。
ユージンはその後も連続殺人を続けた。しかし、銃弾以外に犯人の決め手となる証拠はなく、警察の捜査は行き詰まる。
そんなある夜。仕事を終えたメーガンは、再びユージンを自宅に誘った。彼は部屋に入ると彼女の腰を触りながら、銃を撫で回し始める。彼女はようやく彼の異常性に気が付いた。彼がスーパーでの事件について言及したため、彼女はユージンが犯人だと確信。その場で逮捕した。
映画『ブルースチール』のあらすじ【転】
ユージンは警察に拘留されると弁護士を呼び、彼女に話した証言を撤回する。すると証拠不十分で釈放されてしまい、メーガンはまたしてもミスを犯したと悔やんだ。
親友のトレイシーがメーガンを励まそうと、アパートにやって来た。結婚して幸せそうなトレイシーを見て、メーガンは羨ましさを感じる。しばらくして、トレイシーを見送るために部屋を出ると、そこにはユージンが待ち伏せていた。トレイシーはメーガンの目の前で、ユージンによって銃殺される。
メーガンは今度こそユージンを捕まえようと、ニック刑事とマンションへ突入した。するとユージンは平然と居直り、礼状がないのに家宅捜索をしたと弁護士を呼んだ。彼女は再び捜査を外されてしまう。
メーガンは全てが裏目となることに疲れ果てた。実家に帰り母に泣きつくと、母の腕に新しいアザを見つける。彼女は父の暴力だと確信し、父に手錠をかけ、警察に連行しようとした。車中で父が反省をしたため、彼女は警察に行かずに家に戻った。すると実家には、ユージンが訪問していた。
映画『ブルースチール』の結末・ラスト(ネタバレ)
母はユージンをメーガンの恋人だと思い込み、隣に座って嬉しそうに喋っていた。メーガンは彼を刺激しないように、慎重に母から遠ざけて家から追い出した。
翌日の夜。メーガンとニックはユージンの張り込みをしていると、公園で怪しい男を目撃する。メーガンはニックを車に閉じ込めて、ひとりで戦おうと公園に向かうが、その男はただのホームレスだった。車に戻ると、ユージンがニックを殺そうとしていた。メーガンはユージンに向かって銃を撃つが、逃げられてしまう。
メーガンはニックを部屋に招き、彼に妻子がいると知りながらも抱き合った。ユージンはバスルームに息を潜めて2人の声を聞いた後、ニックを撃って逃亡した。ニックは重傷を負った。
メーガンは今度こそ決着をつけることを決意。停職中であるため、男性警官の制服を盗んで着用し、街の中を探し回った。地下鉄の出口でユージンと遭遇し、激しい撃ち合いとなる。壮絶な撃ち合いの結果、最後はユージンの銃が弾切れとなり、メーガンの2発の銃が命中。ユージンはついに息絶えるのだった。
映画『ブルースチール』の感想・評価・レビュー
新人女性警官がサイコパスの犯人に執着されて、追い詰められていく心理サスペンス映画。キャスリン・ビグロー監督の初期作品で、『ニア・ダーク 月夜の出来事』の次の映画である。ストーリーラインはしっかりしていると思うが、全体的に淡々と描かれており、連続殺人事件とは思えないくらい静かで、最後の銃撃戦はあまりに唐突だった。方向性が見えない中、ジェイミー・リー・カーティスは自分の仕事をこなし、毅然さと不安定さを併せ持つ警官を熱演していた。(MIHOシネマ編集部)
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