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映画『ボクたちの交換日記』あらすじとネタバレ感想

映画『ボクたちの交換日記』の概要:放送作家・鈴木オサムによる小説で、原題は「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」である。2011年に舞台化し人気を博したこともあり2013年に映画として製作された。

映画『ボクたちの交換日記』 作品情報

ボクたちの交換日記

  • 製作年:2013年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:内村光良
  • キャスト:伊藤淳史、小出恵介、長澤まさみ、木村文乃 etc

映画『ボクたちの交換日記』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『ボクたちの交換日記』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ボクたちの交換日記』のあらすじを紹介します。

結成12年目を迎えたお笑いコンビ・房総スイマーズ。
相変わらずの人気の無さで売れないまま30歳を迎えようとしていた。
何となく12年過ごしてきた田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)はお互いの本音を聞くこともなく過ごしてきてしまったことに危機感を感じ、交換日記を始めることにした。
そこへ最後のチャンスになるだろう、大きなお笑いトーナメントの出場を勧められる。
以前ネタ番組でネタを忘れてしまった苦い経験がある甲本は「失敗したらお笑いを続けていけるかもわからない」とすんなり答えをだすことが出来ないでいた。

しかしラストチャンスに懸けたい田中に押され出場を決意。
房総スイマーズはここぞとばかりに力を発揮し、準決勝まで勝ち進んだ。
しかしここで勝てば残り10組みという大事なところで、再び甲本がネタを忘れてしまう。
これがもとで準決勝は敗退。
甲本は日記で解散を申し出る。
理由には彼女が妊娠したり、1年の海外ロケが決まったりと色々あったのだが田中の足を引っ張っているのが辛いということが1番であった。
田中の提案でラストライブを決行し、解散した房総スイマーズ。

1年後、海外ロケから帰国した甲本は、TV番組の中に田中と同期の福田という芸人がコンビを組み人気を博していることを知る。
いよいよ芸人を辞める覚悟を持てた甲本だったが、最後に日記を書く事にした。
その日記を甲本の娘が田中に私に行く。
それは当時田中を押していたプロデューサーが解散を進めていたこと、福田と組めば田中が売れると言われ諦めたことなどが綴られていた。

しかし実はその内容を、田中は事務所の社長から全て知らされていた。
勝手に解散を進めた甲本の腹を立て、それを糧にここまで走ってきた田中は憤りを感じる。
しかし本音を書く事を決意。
本当は2人で売れたかったという内容を綴り、病気の療養中である甲本に会いに行くのであった。

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映画『ボクたちの交換日記』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ボクたちの交換日記』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

監督内村光良の才能光る作品

お笑い芸人として不動の地位を確立した「ウッチャン・ナンチャン」の内村光良がメガホンを撮った作品。
話題性は十分であったが何故か見る気があまり起きず、地味であると勝手に予想をしていた本作であったが凄く魅力的な映画であった。
ストーリーとしては想像がつきやすく、青春時代の苦い思い出や苦しい選択を描いていく。しかし、だからこそ描き方や撮影の仕方次第で面白くもなりつまらなくもなってしまうという難しい仕上がりが想像できる。

この映画は前者で、監督の人柄の良さがそのまま出ていて見やすかった。
嫌味や裏の汚い部分があまり見えず、人生の選択において常に相手を思いやる主人公2人の苦悩がリアルに描写されていたように思う。

リアルで良質な原作

今をトキメク放送作家鈴オサムの原作ということもあり、注目した人も多いはず。
原作小説を読まなくても内容が非常に分かりやすく鑑賞しやすい。
前知識がない方が実は楽しめる映画はたくさんあるのである。
内容は皆が幸せになれるサクセスストーリーというわけではなく人生の厳しさや夢を諦めることの悔しさやタイミングなど、1度は経験したことがあるようなリアルなものである。
だからこそ共感を呼び、自分の若かりし姿と重なって涙する人が多かったのかもしれない。
夢を追いかけ破れたり、成功したりする人を目の当たりにしてきた放送作家だからこそ描くことが出来た真実の物語なのであろう。

実力ある役者陣のおかげでさすがの仕上がり

若手実力派俳優で有名な伊藤淳史はもちろんだが、小出恵介がとても良い味を出している。
劇中のネタを忘れてしまった時の表情などはリアルそのもの。
見ている側にも本当のネタを見ているかのような緊張感を感じさせる芝居であった。
またウッチャンを見ているかのような表情をする時があり、いつのまにか引き込まれてしまう不思議な魅力がある俳優である。

映画『ボクたちの交換日記』 まとめ

有名な文学小説や推理小説しか読まない人にも読んでもらいたい、見てもらいたい作品である。
どこかに置き忘れてきてしまった感情がフツフツと蘇り、昔の仲間に会いたくなったりするそんな映画なのである。
この作品を映画化するにあたり、監督を内村光良に頼んだことが成功であったのではないだろうか。
大型の最新施術を駆使するような映画を撮影している大物監督では、このような人物の細かいリアルさや心の微妙な動きを表現出来なかっただろうと思う。
普段は決して除くことが許されない芸人世界の苦労話を、一般市民に身近に感じさせる手法で描いたことで作品の良さが生まれた。
ぜひ夢をもつ人や諦めようか悩んでいる人に見てもらい、本当の何かを探して欲しい映画である。
そこには失敗も成功もあるのだから。

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