この記事では、映画『ぼくたちの家族』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ぼくたちの家族』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ぼくたちの家族』の作品情報

上映時間:117分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:石井裕也
キャスト:妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三 etc
映画『ぼくたちの家族』の登場人物(キャスト)
- 若菜浩介(妻夫木聡)
- 若菜家の長男。引きこもりの過去を持つが、現在は就職をして結婚もしている。
- 若菜俊平(池松壮亮)
- 若菜家の次男。大学を留年しており、1人暮らしをしているが母親にお金を集る日々。
- 若菜玲子(原田美枝子)
- 克明の嫁で、浩介と俊平の母親。脳腫瘍と診断され、余命1ヶ月の宣告を受けるが、その後の再検査で悪性リンパ腫であると再診断される。
- 若菜克明(長塚京三)
- 玲子の夫で、浩介と俊平の父親。小さな会社を経営しているが、借金6500万円を抱える。
- 若菜深雪(黒川芽以)
- 浩介の嫁。妊娠3か月。
映画『ぼくたちの家族』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ぼくたちの家族』のあらすじ【起】
専業主婦の若菜玲子は、長男浩介からの電話で孫ができたことを知る。喜び、夫の克明に急ぎ報告をし、浮かれている玲子に克明は新婚旅行で行けなかったハワイに行こうと誘う。
次男の俊平は大学を留年し、1人暮らしをしているが玲子に度々お金をせびっていた。克明を駅まで送った後カフェで玲子と俊平は落ち合い、そこで玲子は、最近物忘れが激しいと悩みを打ち明ける。俊平は年のせいだと言い、玲子もそうだと納得する。
玲子と克明は、浩介の嫁である深雪の家族を交えて会食をする。お祝いムードだったところで、玲子が急に食事も取らず独り言を始め、浩介に咎められるも自覚はなく笑って何のことかと聞く。そして、深雪の両親の前で、深雪の名前を間違って呼んでいた。
流石に変だと思った克明は、次の日浩介と一緒に玲子を病院に連れて行く。脳のCTスキャンを行い、医師から脳腫瘍だと告げられる。これからのことを医師が説明しようとしたとき、診察室で玲子は叫び声を上げた。
全身のCTスキャンを取るために玲子と克明が診察室から出て行くと、医師は浩介に現状を説明する。浩介は玲子の余命が一週間だと告げられ、あまりに急過ぎて医師の言葉を理解できなかった。
浩介が克明に、医師から言われたことを伝えると、克明もひどく取り乱して見せた。玲子だけが、のんびりと何も変わらずいつものまま。病院から帰宅した玲子は、窓際のサボテンに水をやる。思い詰めている浩介に、こういうときは笑おうよと笑い掛ける。
映画『ぼくたちの家族』のあらすじ【承】
その日の内に、玲子は入院し、克明は浩介と俊平を呼び、3人でこれからのことを話し合おうと中華料理屋を訪れる。遅れてきた俊平の、緊張感がなく現実を理解していない様子は、克明と浩介を苛立たせた。
食事中に浩介の電話が鳴り、母親が叫び取り乱しているため、看護師から至急戻ってくるように連絡を受ける。病室に着くと、玲子は落ち着きを取り戻しており、俊平に煙草に行こうと誘う。突然の玲子の言葉に3人は困惑し、浩介が落ち着こうと話しかけると、玲子は浩介に誰?と問いかけた。
俊平にトイレに行きたいと言った玲子は、その後談話室で俊平を相手に楽しそうに話を始める。だが段々と俊平を相手にしているはずなのに敬語口調になり、談話室にいる克明や浩介の存在も忘れ、父親の稼ぎが悪いと愚痴り、それでも愛していると赤裸々に語る。
ひとまず克明が玲子の元に残ったが、帰宅し休んでいる浩介に何度も何度も電話を掛ける。頼りにならない父親に苛立ちを覚える浩介は、入院費の相談にも力なく何とかすると答えた。
早朝、なかなか起きてこない俊平を起こして病院へ行く準備をさせる。1人焦っている浩介に俊平は、この家族が壊れているのは今に始まったことではなく、浩介が引きこもりをしていた時からだと暗に責める。
病室に行くと、玲子は元気そうに克明と話をしている。昨日、母親に誰と聞かれた浩介は、玲子が浩介の名と赤ちゃんのことを嬉しそうに語っているのを見て安堵する。
仕事から帰宅すると、浩介は深雪に母親の状況を伝え、治療費にお金を回せないか相談する。深雪は、これから生まれてくる赤ちゃんにお金のことで苦労させたくないとはっきり意思を示す。浩介の親は浪費家で無責任すぎると言った上で、それでも治療費の支払いを理解してくれた。
だがその後すぐに俊平から連絡があり、金融機関から玲子名義で300万の借金があることを教えられる。翌朝、実家に戻った浩介は俊平から詳しく話を聞き、帰宅した父親にも借金があることを確認する。
母親の借金の他に、父親の借金は会社の分も合わせて6500万円にも及び、更に住宅ローンが1200万円あることが判明する。自己破産を勧める俊平に、住宅ローンの保証人が浩介になっているので自己破産できないのだと克明は肩を落とす。
浩介は力なく笑い、部屋に籠る。心配した俊平が部屋を訪ねると、浩介は急に家から飛び出し走り出す。浩介は昔何度も足を運んだ、住んでいる住宅街を見渡せる場所までやってくる。後を追いかけてきた俊平に、悪あがきをしてみると笑いかけた。
映画『ぼくたちの家族』のあらすじ【転】
浩介と俊平は、母親の病院を訪れ診察を装って医師に面会する。一週間の宣告から3日経ち、何のアクションも起こさない医師に説明を求めると、医師から既に治療する段階ではないので退院して欲しいと告げられる。
浩介は医師に無理を言って紹介状を書いてもらい、手当たり次第で母親を受け入れてくれる病院を探し始める。
俊平が玲子を見舞うと、玲子の記憶は更にちぐはぐになっていた。
仕事からの帰り、浩介は玲子の病室を訪れ、玲子にこれまで掛けてきた迷惑を詫びる。しかし玲子は、物忘れのせいか全く覚えておらず、俯く浩介に笑おうよと微笑みかけた。そして、自宅の窓際にあるサボテンに水を上げて欲しいと浩介にお願いをする。
家族の中で一番頼りになると玲子から言われ、浩介は泣くのを堪えた。
何件目かに訪れた病院で、俊平は医師から脳腫瘍ではなく悪性リンパ腫の可能性を言われる。病気の違いが分かっていない俊平に、医師は悪性リンパ腫であるならば余命はまだ見込みがあると告げ、ベッドのある病院を紹介する。
俊平は急いで紹介された病院を訪れ、入院まで漕ぎつけた。その夜、俊平は浩介と一緒に食事に行き、浩介から何度もお礼を言われる。
2人が実家へ帰宅すると、退院した玲子がリースのベッドで眠っており、その足元にもたれかかるように克明が眠っていた。俊平も隣のソファに倒れ込むように眠り、それを見た浩介は微笑みサボテンに水をやる。そのとき、サボテンの水受けの下に玲子から克明宛の手紙を見つける。そこには、お金になりそうなものをまとめておいた旨が記載されていた。
手紙の最後に、子供たちには絶対に迷惑を掛けないように書いてあり、浩介は苦笑いした。
翌朝、克明がラジオ体操をしている音で目が覚めた浩介と俊平は、3人でジョギングに出かける。帰宅後、克明を破産させるつもりだと宣告した浩介は、一家の主なんだから頑張れと父を励ました。
映画『ぼくたちの家族』の結末・ラスト(ネタバレ)
新しい病院でMRI検査をした結果、ステロイドによって腫瘍が小さくなっていた。医師からすぐにでも手術をして腫瘍を取り出し、悪性リンパ腫かどうか検査をしたいと言われる。手術当日、玲子はがんばるねと克明に手を振り、克明はぎゅっと玲子の手を握った。
手術の結果、医師から悪性リンパ腫で間違いないと言われ、治療の余地があると告げられた。玲子や家族がダメになってしまうかと思っていた3人は、声を殺して泣く。
一か月後、克明は浩介の嫁である深雪に、借金は自分が必ず返しますので浩介を見捨てないで下さいと頭を下げる。深雪は、一か月前の玲子の手術の日にも、俊平から同じことを言われましたと苦笑いを向ける。
そして、浩介が外資系の会社に転職したこと、自分が必ず借金を返すと言っていたことを克明に話す。浩介が何とかしてくれますからと涙を浮かべながら。
病室で浩介と俊平の2人とフラダンスを踊っている玲子のところへ、克明と深雪が訪れる。変なところを見られて気まずい空気が流れるが、玲子は深雪の手を取ると、お腹の赤ちゃんに向かって、おばあちゃんですよと声を掛けた。
映画『ぼくたちの家族』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
突然、母親が脳腫瘍と診断され、余命宣告を受けるところから始まる展開は非常に重く、現実の厳しさを突きつけられた。家族それぞれが問題を抱えながらも、母の病をきっかけに少しずつ本音を語り合う姿が胸に響く。特に無口だった父が、家族を守るために必死になる姿が印象的だった。奇跡的に手術が成功し、家族が再び前を向くラストは感動的で、命と絆の大切さを静かに教えてくれる作品だった。(20代 男性)
母親の病気によって崩れかけた家族が、再び一つになっていく過程が丁寧に描かれていて涙が止まらなかった。息子たちの未熟さや父親の不器用さがリアルで、自分の家族と重ねてしまう。余命宣告という絶望の中でも、日常を続けようとする姿がとても切ない。ラストで希望が示されるが、決して安易なハッピーエンドではなく、家族が現実を受け止めた上で進んでいく姿に深い余韻を感じた。(30代 女性)
派手な演出はないが、家族の会話一つ一つが胸に残る映画だった。母の病をきっかけに、兄弟の確執や父の過去の失敗が明らかになり、家族の脆さが浮き彫りになる。しかし同時に、血のつながり以上の絆も感じさせる。ラストで母が回復する展開は救いだが、それまでの苦悩があるからこそ重みがある。現代の家族の姿を静かに映した良作だと思う。(40代 男性)
この映画は病気の物語というより、家族の再生の物語だと感じた。母親の余命宣告によって、今まで見ないふりをしていた問題が次々に表に出てくる。その混乱がとてもリアルで、観ていて胸が苦しくなる。父親が仕事を辞め、家族を支えようとする姿には深い愛情を感じた。奇跡的な回復という結末に賛否はあると思うが、希望を描く点で心に残る作品だった。(50代 女性)
余命宣告という重いテーマを扱いながらも、過度に悲劇的にならない点が良かった。兄弟のやり取りには時折ユーモアもあり、日常の延長線上にある家族の姿が描かれている。母の病気によって、家族が本音をさらけ出していく様子は見応えがある。ラストの手術成功は現実的には厳しいが、観る側に生きる力を与えてくれる結末だと思った。(60代 男性)
母親の病を通して、家族それぞれの孤独が浮かび上がる構成が印象的だった。父は不器用で感情を表に出せず、息子たちも自分の人生に精一杯で家族を顧みる余裕がない。その関係が少しずつ変わっていく過程が丁寧に描かれている。ラストで家族が笑顔を取り戻す場面は、現実の厳しさを知った上での希望として心に残った。(70代 女性)
家族ドラマとして非常にリアルで、他人事とは思えなかった。母親が倒れた瞬間から、日常が一気に崩れていく様子が生々しい。兄弟の葛藤や父の決断は、誰にでも起こりうる問題として描かれている。奇跡的な回復にご都合主義を感じる人もいるかもしれないが、希望を持たせる終わり方として必要だったと思う。観終わった後、自分の家族に連絡したくなる映画だった。(20代 女性)
この作品の良さは、感動を押し付けない点にある。母親の病をめぐる出来事は淡々と描かれ、観客に考える余地を残している。父親の過去の借金問題や、息子たちの未熟さも含めて、理想化されていない家族像がリアルだった。最終的に家族が再び一つになる過程は静かだが力強い。人生の不確かさと、それでも続く日常の尊さを感じさせる映画だ。(30代 男性)
観ている間ずっと胸が締め付けられるようだった。母親の病気という避けられない現実に、家族がどう向き合うかが描かれている。兄弟が衝突しながらも、母のために協力する姿はとても人間的だ。ラストで奇跡が起こることで、観る側も救われるが、そこに至るまでの苦しみが忘れられない。家族の意味を改めて考えさせられる作品だった。(40代 女性)
この映画は「家族とは何か」という問いを真正面から投げかけてくる。病気という極限状況の中で、家族の弱さも強さも露わになる。父親が仕事を辞め、母を支え、息子たちが成長していく姿は王道だが、演技が自然で心に響く。ラストの希望ある結末は、現実の厳しさを知った上での光として受け取れた。静かだが深い感動を与える良作だと思う。(50代 男性)
映画『ぼくたちの家族』を見た人におすすめの映画5選
そして父になる
この映画を一言で表すと?
血のつながりか、共に過ごした時間か――家族の本質を問う感動作。
どんな話?
病院での取り違えが発覚し、6年間育てた息子が実の子ではなかったことを知る夫婦。実子と育ての子、二つの家族の間で揺れ動きながら、「親であるとは何か」を模索していく姿を描く。
ここがおすすめ!
家族の絆を感情的に押し付けず、静かな演出で描く点が『ぼくたちの家族』と共通。親子関係や責任、愛情の形を深く考えさせられる。観終わった後、自分の家族を見つめ直したくなる一本。
東京家族
この映画を一言で表すと?
現代に生きる家族の距離と孤独を描いた、静かな名作ドラマ。
どんな話?
地方に暮らす老夫婦が、東京で暮らす子どもたちを訪ねるが、仕事や家庭に追われる子どもたちは十分に向き合えない。やがて起こる出来事を通して、家族の在り方が問い直されていく。
ここがおすすめ!
病や老いをきっかけに家族の関係が浮き彫りになる構成は『ぼくたちの家族』と重なる。派手な展開はないが、現代の家族が抱える現実を丁寧に描き、深い余韻を残す作品。
湯を沸かすほどの熱い愛
この映画を一言で表すと?
母の愛が家族を再生させる、涙と希望のヒューマンドラマ。
どんな話?
余命宣告を受けた母親が、家族のためにやり残したことを一つずつ実行していく。崩れていた家族関係が、母の行動を通して少しずつ修復されていく姿を描く。
ここがおすすめ!
病気をきっかけに家族が変わっていく点が『ぼくたちの家族』と共通。強い母親像と感情の爆発が印象的で、涙なしには観られない。命と愛情の尊さを真正面から伝える一本。
余命1ヶ月の花嫁
この映画を一言で表すと?
限られた時間の中で輝く、愛と家族の実話ドラマ。
どんな話?
若くしてがんと闘う女性と恋人、そして家族が、残された時間を大切に生きようとする姿を実話をもとに描く。結婚と別れが同時に訪れる切ない物語。
ここがおすすめ!
病と向き合う家族の姿を通して、生きる意味を問いかける点が『ぼくたちの家族』と共通。悲しさだけでなく、前向きな愛の形を描いており、深い感動を味わえる作品。
海街diary
この映画を一言で表すと?
傷を抱えた姉妹が紡ぐ、やさしく静かな家族の物語。
どんな話?
父の葬儀で異母妹と出会った三姉妹が、鎌倉で共に暮らし始める。過去の確執や孤独を抱えながら、少しずつ本当の家族になっていく日々を描く。
ここがおすすめ!
血縁や過去に縛られながらも、新しい家族の形を見つけていく点が『ぼくたちの家族』と響き合う。穏やかな映像美と丁寧な心理描写で、心が温かくなる一本。



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