映画『ブロークン・ポイント』の概要:2014年製作のアメリカ映画。田舎の小さな湖畔にある別荘を舞台に、兄の病気のため久しぶりに実家を訪れたエリザベスを含めた家族・知人が遭遇する日常的で非日常的出来事を綴ったヒューマンストーリー。
映画『ブロークン・ポイント』の作品情報
上映時間:92分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:クリスチャン・カマルゴ
キャスト:ケイティ・ホームズ、ウィリアム・ハート、アリソン・ジャネイ、チェリー・ジョーンズ etc
映画『ブロークン・ポイント』の登場人物(キャスト)
- アレックス(ケイティ・ホームズ)
- ハーブの家の管理人。クールでポーカーフェイスだが優しく夫想い。
- エリザベス(アリソン・ジャネイ)
- 元スターの女優、兄のハーブが心配で実家に戻ることにする。息子が1人いて、恋人がいる。嫉妬深く女性的。
映画『ブロークン・ポイント』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブロークン・ポイント』のあらすじ【起】
女優のエリザベスは駅で人を待っていた。
遅れてきた恋人はピーターと言い、映画監督である。
最近エリザベスは主演するはずの舞台が中止になり、ピーターの次回作にも起用されない。
昔のような輝きが薄れてきたことに、本人が一番気づき始めているのかもしれない。
合流した2人はエリザベスの故郷へ向かう所だ。
遅れてしまったし車で行こうと言う彼女に、電車が好きだと列車で行くことを強く勧めるピーター。
彼は彼女と密室になることを避けたかったのだ。
故郷に向かう理由は、彼女の兄の誕生日を祝うため。
田舎村の駅に到着すると、ヨハンが待っていて彼のトラックで自宅に向かった。
到着するとヨハンの妻・メアリーが待っている。
エリザベスと挨拶をすると、緑豊かな小道を散策しながら歩く4人。
そこには熊が出ると言われていた。
時代はレーガン大統領が政権を握る時代。
森の中に見えてきたいかにも湖畔の別荘に似合う茶色いコテージ、そこに兄・ハーブは暮らしている。
出来ちゃった結婚した管理人のアレックス夫婦、ハーブの友人で医師であるルイも居て、エリザベスは彼らをピーターに紹介する。
アレックスの夫であるスティーブンは、湖一帯の野鳥の保護活動をしていた。
夕食の時間。
大勢で食卓を囲むと、ピーターはスティーブンの職業について質問する。
ルイが横から無職だと口を挟むが、本人は鳥類学者だと言った。
2年前森に渡ってきたハクトウワシを観察しているのだと。
ほぼ無給でフェンスを張ったり餌の面倒を見たりもしていた。
だが実は環境保護局で働いているのだった。
映画『ブロークン・ポイント』のあらすじ【承】
そして最後の人物、エリックはエリザベスの息子である。
夕飯もなかばを過ぎた頃現れ、ハーブに挨拶をすると彼をどこかに連れて行った。
すると暫くしてエリックの彼女であるエヴァが現れた。
エリックとエヴァは前衛芝居に夢中になっており、今日は夕飯の後その上映会をする予定である。
ピーターにもエリザベスにも見て欲しかったのだ。
夕飯が済み全員で森の中に用意された即席の舞台まで行くと、エリック達の舞台を鑑賞する。
しかし、時代を反映した政治的な内容と、あまりに斬新すぎる描写にエリザベス達は小さい声で文句を言ったりしていた。
エリックはその文句が聞こえると、スクリーンを破り怒って森から帰っていく。
その夜、エリックは家の外から中に居る人物を眺めている。
それぞれ思い思いに過ごしているが、気になったのはエヴァとピーターだ。
2人はなにやら微笑みながら会話をしていた。
翌朝、エヴァがポーチで本を読んでいるとエリックが迷彩柄の洋服に身を包み、ライフルを持って現れる。
エヴァにキスをすると「彼は君とは違う。考えるな」と言い、森に向かった。
しかしここでは銃は禁止されている。
彼とはピーターの事を言っているらしかった。
湖畔でピーターがハーブたちと穏やかな午後を楽しんで居ると、エヴァが現れた。
他の者は子供達と遊ぶためどこかに消えており、2人はベンチに座り話し始める。
それを少し離れた岩からエリザベスが見ていた。
そのことに恐怖を感じたエヴァは、家の中に戻っていく。
スティーブンはずっと観察しているハクトウワシが、最近卵を産みその様子を見に来た。
映画『ブロークン・ポイント』のあらすじ【転】
エリザベスは嫉妬心からか、ピーターに今夜帰ると伝える。
たまたまポーチにいたルイと顔を合わせた彼女は、兄の病状を教えてくれと頼んだ。
するとルイは、ハーブは免疫不全で消耗が激しいと教える。
余命は数ヶ月か1年だと。
初めて聞く事実にエリザベスはショックを隠せない。
その様子を見たハーブは1人大好きな音楽をかけながらダンスをしている。
一方で、エヴァはピーターを森の中に呼び出していた。
彼女はここを出たいが病気の叔母がいることと、金が無いことで出られないと言う。
2人はキスをしたあと、エヴァは「逃げるなら連れてって」と言い、ピーターも約束した。
エリックはその頃、スティーブンが大事にしているハクトウワシの巣を見ていた。
卵を狙われると思った親鳥が威嚇したため木から落ちたエリックは、頭に来てワシをライフルで銃殺してしまう。
森で銃声がしたため何事かと思ったスティーブンが「狩猟は禁止されているため警察に電話をしよう」と妻に言うが、ルイ達が慌てた様子で話す「エリックが銃殺した」と言う話しを盗み聞きしてしまい巣を確認しに行った。
皆で食事をしているとエリックがふらふらとやって来て、何も言わずさけを飲み始める。
全員がエリックに冷たくあたる中、彼は事故だと言い張る。
そして裁判をしてくれと言い出した。
映画『ブロークン・ポイント』の結末・ラスト(ネタバレ)
ハーブは鬘をつけると前に立ち、エリックを裁く真似をする。
そして、エリックに追放だと家から出そうとした。
そこでハーブは突然体調が悪化してしまい、倒れてしまう。
夜体調を心配しハーブに寄り添うエリザベスに、彼は息子に優しくしろと言った。
全てはそれだけでは無いのだと。
そして、星はお前のように綺麗だと話しを続けるハーブに、「昔のこと」と寂しそうに笑った。
そして愛しているとも言ってくれた。
エリザベスは思わず涙をこぼす。
エリザベスは部屋に戻るとピーターに朝帰ると伝える。
スティーブンは持ち帰った卵が孵化しそうになっているのを見た。
黙ってずっと傍にすわっている時、外で声がする。
エリックだった。
窓の向こうからライフルを構えてスティーブンを狙う真似をしたエリックに、思わず飛びつき殴るスティーブン。
銃は禁止なのだ。
エリザベスに怪我を見てもらいながら、怒られているエリックは落ち込んでいる。
冗談だったと言って母の前で泣いていた。
エリザベスはそんな息子を優しくなだめている。
その夜、ピーターは街を出ようと1人車に乗った。
そこで事故に遭う。
3年後。
湖畔の別荘でエリックはチェスをしている。
エリックは前衛的な俳優として有名だった。
ピーターもハーブも健在だ。
あのときの雛も無事に成長したハクトウワシになっている。
ふと外を見るとエヴァが来ていた。
エリックは彼女と話すと、3年前ピーターを探したが消えてしまいそのまま他の皆もいなくなってしまったと悲しそうに言う。
そして、森の中に姿を消したエヴァを追って、エリックは森を進んだ。
この湖畔の別荘の住人は全員引っ越すのである。
最後の食事中、銃声が聞こえた。
急いで銃声がした小屋へ行くと、エリックが自殺している。
泣き崩れるエリザベスを皆が支えていた。
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