映画『ブルベイカー』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「ブルベイカー」のネタバレあらすじ結末と感想

ブルベイカーの概要:選ばれた囚人たちで運営している地獄のような刑務所を改革するため、ブルベイカーは暴力的な囚人や彼らを利用して金儲けをしている権力者たちと戦う。実話に基づいて書かれた小説を脚色した作品。ロバート・レッドフォードが主演を務めた刑務所映画の秀作。

ブルベイカーの作品情報

ブルベイカー

製作年:1980年
上映時間:130分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:スチュアート・ローゼンバーグ
キャスト:ロバート・レッドフォード、ヤフェット・コットー、マーレイ・ハミルトン、ジェーン・アレクサンダー etc

ブルベイカーの登場人物(キャスト)

ヘンリー・ブルベイカー(ロバート・レッドフォード)
州知事に依頼され、囚人としてウェークフィールド刑務所に潜入して内部の実態を調査し、新所長に就任する。「不正は絶対に許さない」という強い信念を持ち、腐敗し切った刑務所の改革を進めていく。行動力のある理想的なリーダー。
リチャード・“ディッキー”・クームス(ヤフェット・コットー)
収監されて15年になる囚人。刑務所を自治運営する役付け囚人の1人だが、暴力で威圧して他の囚人をいびるようなことはしない。同じ黒人のエイブラハムと仲が良い。
リリアン・グレイ(ジェーン・アレクサンダー)
州政府の補佐官。ブルベイカーを新所長にして、刑務所を改善しようとしていたが、結局は保身に走る。
ジョン・ディーチ(マーレイ・ハミルトン)
刑務所の管理委員会の委員長。保険会社を経営しており、刑務所と架空の保険契約を結び、私腹を肥やしている。ブルベイカーの改革に反対する。
ヒューイ・ラウチ(ティム・マッキンタイア)
刑務所の役付け囚人のリーダー。刑務所内を暴力で支配し、やりたい放題のことをしている。役人やディーチとも繋がっており、彼らの不正に協力している。
ラリー・リー・バレン(デヴィッド・キース)
囚人になりすましていたブルベイカーと一緒に入所してきた受刑者。不遇な環境で育った若者で、役付け囚人の暴力に屈しない強さを持っている。
ロイ・パーセル(マット・クラーク)
刑務所の事務を担当している役付け囚人。長いものに巻かれる小役人タイプ。
エイブラハム・クック(リチャード・ウォード)
刑務所に収監されて38年になる年老いた囚人。すでに刑期は終わっているのに、出所の手続きが取られていない。良心に従い、刑務所内での大量殺人を告発する。
バール・ウィレッツ(ロン・フレイザー)
州から派遣された刑務所の購買係。数多くの不正を見逃してきた。

ブルベイカーのネタバレあらすじ

映画『ブルベイカー』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

ブルベイカーのあらすじ【起】

アメリカの田舎にあるウェークフィールド刑務所に、新しい囚人たちが護送されてくる。その中にブルベイカーという白人男性がいた。刑務所敷地内に入る前、ブルベイカーは脱走者だという瀕死の囚人と銃を手にした囚人たちと遭遇する。ここは、囚人が自治運営を行う特殊な形式の刑務所で、役付けのある囚人は銃の使用も許されていた。

ブルベイカーは、役付けのない囚人たちが収監される大部屋の房に入る。この房の衛生環境は最悪で、ベッド数も足りていない。ここにいる囚人たちの食事は蛆虫の湧いたような豆とパン一切れだけで、ブルベイカーはその酷さに驚く。一方、役付け囚人たちは衛生的な個室を使用し、食事も飲酒もテレビ鑑賞も自由に楽しんでいた。

役付け囚人は刑務所内を暴力で支配し、やりたい放題のことをしていた。不当な鞭打ちや強姦も日常茶飯事だったが、彼らを止める者は誰もいない。刑務所長も役付け囚人とグルで、囚人を町の材木工場で働かせたり、飲食店に刑務所の食料を横流ししたりしていた。

ある日、ブルベイカーは、役付け囚人に逆らってリンチを受けたバレンという囚人と共に、死刑囚が収監されている独房の掃除を命じられる。そこで1人の死刑囚が劣悪な環境の改善を訴えるため、バレンを人質に取って「所長を出せ!」と騒ぎ始める。ブルベイカーは、「私が所長だ」と名乗り出て、その死刑囚の話を聞いてやる。役付け囚人たちは失笑するが、ブルベイカーの話は本当だった。ブルベイカーは、州政府のリリアン・グレイ補佐官からウェークフィールド刑務所の新所長に任命された政府関係者で、この刑務所の実情を知るために囚人になりすましていたのだ。

ブルベイカーのあらすじ【承】

ブルベイカーが新所長になることは、現在の所長にも知らされていなかった。ブルベイカーは、この刑務所の改革を知事と約束しており、すぐに行動を開始する。

ブルベイカーは囚人たちを集め、鞭の使用を禁止することや、刑務所の広大な敷地を農場にすることを説明する。ブルベイカーは、現在の劣悪な環境を早急に改善する必要があると考えていた。

刑務所の管理委員会で委員長を務めているディーチは、ブルベイカーの急速な改革案に難色を示す。ブルベイカーはディーチの圧力に対しても一歩も引かず、自分のやり方を押し通していく。

所長室の横にある事務室には、事務を担当している役付け囚人のパーセルと州直属の購買係のウィレッツがいた。パーセルはブルベイカーの機嫌を取りつつ、役付け囚人たちに所長室の様子を知らせていた。ブルベイカーは、あの時の死刑囚の訴えも忘れておらず、彼らを毎日1回は外へ出してやるよう命じる。ブルベイカーが本気でこの刑務所を改革するつもりだとわかり、役付け囚人たちは警戒を強めていく。

囚人になりすまして様子を見ていた期間に、ブルベイカーは信用できそうな人物の目星もつけていた。1人目は役付け囚人に反抗したバレンで、もう1人は黒人のディッキーだった。ディッキーは役付け囚人だったが、リーダー格のヒューイを嫌っており、他の役付け囚人と群れていなかった。

ブルベイカーが自室にディッキーを呼び出し、話をしていた夜、ひどい雨で大部屋の房の屋根が落ち、多くの囚人が重傷を負う。その時、刑務所の担当医が囚人から金を巻き上げていたことを知り、ブルベイカーはその医師をクビにする。

ブルベイカーのあらすじ【転】

刑務所の屋根が落ちたと聞き、材木工場の社長が、仕事を貰うためにブルベイカーを訪ねてくる。この社長はヒューイたちに賄賂を渡し、囚人を自分の工場でこき使っていた。屋根が落ちたのも、この業者が手抜き工事をしていたからだった。ブルベイカーは社長の申し出を断り、これからは人手も貸さないとはっきり言っておく。長い間、刑務所と蜜月関係を築いてきた社長は、「伝統に逆らうな」とブルベイカーを脅す。しかし、ブルベイカーは怯まない。

いろいろと調べていくうちに、州警察まで刑務所と癒着し、数々の不正を働いていたことがわかる。ブルベイカーから報告を受けたリリアンは、この問題の複雑さを痛感する。

ブルベイカーを追い出すため、刑務所の畑や牧場で嫌がらせが始まる。犯人探しをしていたブルベイカーは、ヒューイが刑務所の敷地内にある小屋に恋人を連れ込み、自宅代わりに使っていたことを知る。ヒューイは、ここのガレージに刑務所の食料を大量に運び、それをあちこちへ横流ししていた。ブルベイカーは、この不正を見逃してきたウィレッツをクビにし、ヒューイの小屋も燃やしてしまう。

ブルベイカーは、刑務所内に明るい風を吹き込むため、町の人も招いて運動会のようなものを開催する。ディッキーは、子供のような笑顔を見せる囚人たちを見て、刑務所の空気が変わりつつあると感じる。ブルベイカーは、選挙で囚人たちから委員を選び、自分たちで刑務所の抱える問題を考えるよう導いていく。

そんなある日、エイブラハムという年老いた囚人が所長室にやってきて、殺された囚人の棺を作っていたことを告白する。エイブラハムの告白によると、200人ほどの囚人が拷問などで殺され、敷地内のどこかに埋められているらしい。ブルベイカーはこれを大問題だと考え、エイブラハムに協力してもらい、真相を究明していくことにする。

その日の夜は管理委員会の会議があり、ブルベイカーは刑務所を留守にする。管理委員会のメンバーと地元の有力議員は、不正を許さないブルベイカーに苦言を呈す。ここにいるメンバーは、ヒューイや材木工場の社長と同じく、刑務所を自分の利益のために利用していた。彼らと対立するブルベイカーに、リリアンは妥協も必要だと忠告する。ブルベイカーは、そんなリリアンにも失望する。

ブルベイカーのあらすじ【結】

翌朝、エイブラハムの案内で死体を掘り起こす段取りをしていたブルベイカーは、ポールに吊るされたエイブラハムの死体を発見する。昨晩、ブルベイカーの留守中に、エイブラハムはヒューイたちに呼び出され、口止めのために殺害されていた。エイブラハムと仲の良かったディッキーは、彼を死に追いやったブルベイカーに怒りをぶつける。ブルベイカーもショックを受けていたが、ここで引き下がるわけにはいかなかった。

ブルベイカーが埋められた死体を探し始めたと聞き、リリアンが彼を呼び出す。そこには委員会のメンバーと議員がいて、採掘作業を中止するようブルベイカーに命じる。州が管理する刑務所内での大量殺人が暴かれると、知事も責任を問われるので、リリアンは採掘作業の中止を望んでいた。しかし、ブルベイカーは自分の信念を曲げない。

多くの囚人たちと共に、広い牧場を根気強く掘り返していたブルベイカーは、土が軟らかくなっている箇所を見つける。囚人たちを集め、その周辺を掘っていくと、棺に入った人骨が次々と発見される。ブルベイカーは死体を検視に回し、マスコミにも連絡する。そんな中、自分の罪が発覚することを恐れたヒューイが脱走する。

ブルベイカーはバレンと共に、ヒューイの恋人の家に向かう。ブルベイカーは生け捕りにするつもりだったが、ヒューイの方からバレンに発砲したため、やむなくヒューイを射殺する。ヒューイに撃たれたバレンも、その場で絶命する。

刑務所から採掘された死体に関する審問会で、州政府と管理委員会は検視をした医師に圧力をかけ、死体の死因が暴行による殺人とは断定できないと証言させる。そこへ、解雇が決まったブルベイカーが姿を現す。「重要なことはありますか?」というマスコミの質問に対して、ブルベイカーは遠回しに、知事が望んでいたのは節税のため受刑者を殺せということだったと伝える。

ブルベイカーが刑務所を去る日、新所長が中庭に囚人たちを集めて、「ここを元の姿に戻す」と宣言していた。その最中、車に乗ろうとしていたブルベイカーをディックが呼び止め、「あなたは正しかった」と言ってくれる。ディックがゆっくり拍手を始めると、彼に賛同する多くの囚人たちがフェンスの前に集まってきて、ブルベイカーに拍手を送る。ブルベイカーは涙ぐみながら、静かに刑務所を去っていく。

それから2年後、24人の囚人が刑務所を憲法違反で告発し、裁判で勝訴する。ウェークフィールド刑務所は改善もしくは閉鎖を命じられ、州知事は選挙で落選する。ブルベイカーの孤独な戦いは、2年の時を経て報われたのだった。

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