映画『アミスタッド』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「アミスタッド」のネタバレあらすじ結末と感想

アミスタッドの概要:1839年にアメリカで起きた「アミスタッド号事件」を、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した作品。スペイン籍のアミスタッド号でアフリカ人奴隷が起こした反乱は、アメリカ国内の奴隷廃止運動を加速させる重要な事件に発展する。

アミスタッドの作品情報

アミスタッド

製作年:1997年
上映時間:155分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:マシュー・マコノヒー、アンソニー・ホプキンス、ジャイモン・フンスー、モーガン・フリーマン etc

アミスタッドの登場人物(キャスト)

シンケ(ジャイモン・フンスー)
シエラレオネのメンデ族に属するアフリカ人。ポルトガルの奴隷商人に捕まり、キューバの奴隷市場でスペイン籍のアミスタッド号に買われる。アミスタッド号の船上で反乱を起こし、アメリカで身柄を拘束される。奴隷たちのリーダー的存在。
セオドア・ジョッドソン(モーガン・フリーマン)
アメリカの奴隷解放論者。自身も黒人で、奴隷にされていた経験がある。シンケたちの解放を求め、親身になって動く。
ジョン・クィンシー・アダムズ(アンソニー・ホプキンス)
アメリカの第6代大統領だった人物で、現在はマサチューセッツ州の連邦議会議員をしている。弁護士の資格を持っており、シンケたちの弁護を頼まれる。父親も元大統領。
ロジャー・ボールドウィン(マシュー・マコノヒー)
所有権の問題専門の若手弁護士で、地方法廷でシンケたちの弁護を担当する。当初は金のために弁護をしていたが、シンケと交流するうち、人間として彼らを救いたいと思うようになる。
ルイス・タパン(ステラン・スカルスガルド)
ジョッドソンの相棒の奴隷解放論者。カトリック教徒という立場から、奴隷制度の廃止を訴えているが、シンケたちの本当の苦しみは理解していない。
マーティン・ヴァン・ビューレン(ナイジェル・ホーソーン)
アメリカの現職大統領。再選に向けての選挙活動の途中でアミスタッド号事件が起こり、あちこちの顔色を伺って裁判を混乱させる。
ジョン・フォーサイス(デヴィッド・ペイマー)
アメリカの国務長官。大統領の右腕であり、優柔不断な大統領を陰で操っている。
ルイス(ジーノ・シルヴァ)
アミスタッド号に乗船していたスペイン人。
モンテス(ジョン・オーティス)
ルイスと同じく、アミスタッド号に乗船していたスペインの貿易商人。舵取り役として生き残り、シンケを騙してアメリカ方面に船を進める。

アミスタッドのネタバレあらすじ

映画『アミスタッド』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

アミスタッドのあらすじ【起】

1839年。キューバ沖を航海中の奴隷輸送船「アミスタッド号」には、鎖に繋がれた50名ほどのアフリカ人奴隷が乗せられていた。彼らのリーダー格であるシンケは、船板の釘を使って鎖をほどき、仲間の拘束具も外してやる。シンケの指揮で、奴隷たちは船底にあった鉈などの武器を手に取り、彼らを買ったスペイン人に襲いかかる。この反乱により、舵取りに必要なモンテスとルイス以外のスペイン人は殺害され、船は奴隷たちに乗っ取られる。シンケの要求は、自分たちを故郷のアフリカへ帰すことだった。

モンテスとルイスはシンケに従う振りをして、船をアメリカ方面へ進める。シンケには地図の見方や正しい方角がわからないため、モンテスたちを信用するしかない。モンテスたちの目論見通り、アミスタッド号はロング・アイランド沖でアメリカ海軍のワシントン号に発見され、アフリカ人奴隷は身柄を拘束される。

アメリカ海軍から地元警察に引き渡された44名のアフリカ人奴隷は、囚人として牢屋に収監される。その中には、女性と数名の子供もいた。アミスタッド号がスペイン籍の船だったため、この事件はスペイン女王の耳にも入る。アメリカのフォーサイス国務長官は、それを第8代アメリカ合衆国大統領のマーティン・ヴァン・ビューレンに伝え、対策を練る。しかし、大統領は再選をかけた選挙活動に忙しく、それどころではなかった。

奴隷解放論者のタパンとジョッドソンは、シンケたちの自由を勝ち取るために動き出す。ジョッドソンは、彼らが違法に売買されたアフリカ人だと睨んでいた。それが証明できなければ、シンケたちは殺人罪で起訴されることになる。

アミスタッドのあらすじ【承】

地方法廷で開かれた1回目の裁判で、検事は海賊行為と殺人罪の容疑で囚人たちの起訴を求める。そこへ、大統領の代理としてフォーサイス国務長官がやってきて、スペイン女王からの要請を伝える。スペイン側は、1795年調印の海事条約に基づいて奴隷の所有権を主張し、彼らの速やかな返却を望んでいた。次に現れたワシントン号の海軍士官2名も、公海で保護したアミスタッド号とその積荷の所有権を主張。さらに、モンテスとルイスもキューバのハバナで発行された奴隷購入の領収書を提示し、彼らの所有権を主張する。

奴隷の解放を望むタパンとジョッドソンは、この裁判に勝つためには、かなり有能な弁護士が必要だと考える。彼らが最初にアタックしたのは、弁護士資格を持つ元アメリカ大統領のジョン・クィンシー・アダムズだった。しかし、アダムズには弁護を断られる。

タパンとジョッドソンは、所有権の問題が専門分野だという若手弁護士のロジャー・ボールドウィンと話をしてみる。ボールドウィンは現実的で、農場生まれでない奴隷の売買は禁止されているのだから、彼らがアフリカ出身であることを証明すれば、裁判に勝てると考えていた。この裁判を利用して奴隷制度の廃止を訴えたいタパンとしては、物足りない部分もあったが、とりあえず彼を雇うことにする。

ボールドウィンは通訳の言語学者を伴い、シンケの面会に行く。しかし、言語学者はシンケたちの話すメンデ語をほとんど理解しておらず、話が通じない。そのため、シンケたちの出身地を確かめることはできなかった。

奴隷たちがキューバ生まれではないというボールドウィンの主張に対し、判事は物的証拠の提出を求める。ボールドウィンとジョッドソンは証拠を探すため、アミスタッド号を捜索する許可をもらい、船内に入る。

船底で生々しい拘束具や血痕を見たジョッドソンは、恐怖で凍りつく。黒人のジョッドソンも奴隷にされた経験があり、悪夢のような過去を思い出したのだ。ジョッドソンの様子を見にきたボールドウィンは、船底の柱の隙間に隠されていた書類を見つける。この書類は、悪名高い奴隷船「テコラ号」の積荷目録だった。

アミスタッドのあらすじ【転】

ポルトガル籍のテコラ号は、イギリス領のシエラレオネや象牙海岸で違法な奴隷の売買をしていることで知られていた。ボールドウィンが発見した積荷目録は、シンケたちがアフリカのシエラレオネでテコラ号に乗せられたことを示していた。この証拠を見た判事の反応を見て、ボールドウィンたちは勝利を確信する。

ところが、奴隷解放に反対のスペインは強硬な姿勢を崩さず、アメリカに圧力をかけてくる。この事件は奴隷廃止論の声が高まりつつあるアメリカでも注目されており、大統領は難しい対応を迫られる。フォーサイス国務長官は、シンケたちが処刑されたら奴隷廃止論に弾みがつくし、逆に釈放された場合は保守的な南部諸州の反感を買い、大統領再選の見込みはなくなると考えていた。それどころか、アメリカで内戦を引き起こす可能性まであると脅され、大統領は頭を悩ませる。しかし、フォーサイス国務長官はすでに陪審員を罷免して判事を更迭する裏工作をしており、後任候補の若手判事まで用意していた。

陪審員の罷免と判事の交代を知ったジョッドソンは、再びアダムズを訪ね、助言を求める。アダムズは、法廷では良い物語を語る者が勝つことを知っており、シンケたちがどういう人間かを考えるようアドバイスする。

ボールドウィンとジョッドソンは、シンケと深いコミュニケーションを取るため、メンデ語を話せる人を探す。言語学者にメンデ語の数字の読み方を教わり、港でそれを披露していると、1人の黒人船員がそれに反応する。彼はイギリス海軍に救われたシエラレオネ出身の元奴隷で、シンケの通訳を引き受けてくれる。

黒人船員の通訳により、ボールドウィンはシンケがどういう経緯でアミスタッド号に乗せられたのかを知る。シエラレオネの小さな村で、家族と幸せに暮らしていたシンケは、白人に買収された仲間の裏切りにより、ロンボコ奴隷港からテコラ号に乗せられた。テコラ号の船員は奴隷を人間扱いしておらず、船内では数多くの奴隷が虫ケラ同然に殺されていた。その後、シンケはキューバのハバナ港にある奴隷市場で競りにかけられ、アミスタッド号に買われた。

ボールドウィンは裁判でこの経緯を説明し、イギリス海軍士官から違法な奴隷市場が実在するという証言を得る。さらに、テコラ号の積荷の重量が極端に減っている日に、50人近い奴隷が食糧不足を理由に海へ捨てられたというシンケの話を立証する。裁判を見守っていたシンケは、「俺たちに自由を!」と英語で叫んで、自分たちの釈放を訴える。それはシンケたち奴隷の魂の叫びだった。

アミスタッドのあらすじ【結】

判決の日。若い判事は自分の正義と良心に従い、囚人たち(シンケたち奴隷)を直ちに釈放し、アフリカへ送り返すという判決を出す。ルイスとモンテスは、違法な奴隷売買の容疑で逮捕される。

この判決を受け、スペイン女王はアメリカに抗議し、南部の有力議員は内戦の可能性があることを大統領にほのめかす。大統領は困惑し、最高裁での裁判のやり直しを決定する。絶望するシンケを見て、ボールドウィンはアダムズに手紙を書く。最高裁の9人の裁定人のうち7人が奴隷所有者であり、裁判で勝つためには、アダムズの助けがどうしても必要だった。

ずっと事態を静観していたアダムズも、ボールドウィンの熱意にほだされ、重い腰を上げる。アダムズは囚人のシンケを自宅に呼び、警官に彼の鎖を外すよう命じる。アダムズは対等な立場でシンケと対話し、彼の人生を知ろうとする。シンケは祖先が味方してくれると信じており、アダムズはその話に心を打たれる。

最高裁の法廷で、アダムズはシンケたちの弁護を担当する。アダムズは、これは「人間とは何か?」を問う重要な事件であり、アメリカの司法が試されていると裁定人たちに訴える。アダムズはシンケを「友人のシンケ」と紹介し、祖先の魂を敬うメンデ族の素晴らしさを説く。そして、先達者のおかげで今のアメリカがあることを認め、正義のための内乱ならば起こればいいと主張する。

アダムズの弁論は裁定人たちの心に届き、最高裁はアミスタッド号に関して、スペインとの条約は適合不可であると判断する。最高裁は、シンケたちを奴隷ではなく人間であると認め、彼らを拘束から解き放ち、アフリカへ送り返すよう命じる。勝利を勝ち取ったシンケは、ボールドウィンやジョッドソンと握手を交わし、感謝の気持ちを伝える。

その後、イギリス軍によってロンボコの奴隷砦は陥落し、拘束されていた奴隷たちも解放される。大統領は再選に敗れ、アメリカ国内では南北戦争が起きるが、1964年に南部が敗戦する。そして、シンケは仲間と共に祖国のシエラレオネに帰国。しかし、シエラレオネは内乱の真っ最中で、村は消え去り、シンケの家族は行方知れずになっていた。

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