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映画『変態村』あらすじとネタバレ感想

映画『変態村』の概要:フランスでは2004年、日本では2006年に公開されたフランス・ベルギー・ルクセンブルクの合作映画(原題:Calvaire)。奇妙な村に訪れたある青年を巡って、村自体がどんどんおかしくなっていくサスペンス・ホラーである。

映画『変態村』 作品情報

変態村

  • 製作年:2004年
  • 上映時間:94分
  • ジャンル:サスペンス、ホラー
  • 監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
  • キャスト:ローラン・リュカ、ジャッキー・ベロワイエ、フィリップ・ナオン、ジャン=リュック・クシャール etc

映画『変態村』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

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映画『変態村』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『変態村』のあらすじを紹介します。

売れない地方歌手のマルクは、何とか巡業や老人ホームを回るなどして日銭を得ていた。

そんなある冬の日、次の仕事場に向かっているマルクの車がエンストで止まってしまう。
そこに偶然通りかかった犬を探しているという男性ボリスが、村外れのペンションを営んでいるバルテルと言う人物を訪ねるよう教えてくれた。

宿に着くと何も無いと言いながら、妻に出ていかれたバルテルは親切にも食事を初め身の回りの世話をしてくれる。
さらに、故障した車も修理してくれるというのだ。
喜んだマルクは甘えることにする。
しかしバルテルは『村に絶対に近づくな』と釘を刺してきた。

とんだ足止めをくらったせいで、暇をもて余したマルクはダメだと言われながらも散策に出掛ける。
すると小屋から村人の声が。
中を覗くと何と数人の村人が子羊と性交をしているではないか。
慌てて逃げてきたマルク。

しかしペンションに戻ると今度はバルテルの様子が明らかにおかしい。
どうやらマルクをいなくなった妻だと思っているらしい。
逃げないよう車を壊し、妻の洋服を着せ坊主にし、監禁する。
そしてマルクはレイプされてしまう。

ある夜のこと。
滅多に顔を出さないバルテルが「妻が戻ってきたのだ」と村人が集まる酒屋を訪ねてきた。

その後村人たちはバルテルの家にやってきて、監禁されているマルクを集団で襲う。
何とか逃げる事が出来たマルクはひたすら森の中を走り回る。
そして後ろを振り向くとバルテルが底なし沼に足を取られているではないか。
バルテルは『少しでも俺を愛していたか』とマルクに聞く。
マルクはこう答えるのだった。
『愛していた』と。

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映画『変態村』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『変態村』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

まずいものを観てしまった感満載

本作品は脚本がとにかく凄い。
始まって30分もすると驚きの連続。
突然連れていかれてしまったパラレルワールドという感じの映画になる。
未知に迷い混んだ売れない歌手が、ペンションのおじさんと絡むというのはホラーの鉄則である。
「きっとそのあと二人の間に何らかあって,痛い恐怖が待っているのだろう。」
と、そんな具合に想像がつく。

しかしそこからが違うのが本作品。
ペンションのオーナーは主人公のマルクを男と出てった妻に見えてしまったという内容だ。
そして監禁、レイプする。
見ている側は何がなんだかわからず混乱しながらも、事態を飲み込もうと必死になる。

そして気がつく。
どうやら通常の感覚ではおいつけない作品なのだと。
その後もマルクを村の男達が集団で襲うなど奇妙きてれつ。
一体自分が何の映画を観ているのかさえ疑問になってくる。

その後逃げまくるマルク、追うオーナー。
何だろうよくわからない世界。
見終わった後の疲労感は凄く、どえらいものを観てしまったという感想は否めない。
しかし同時にとてつもない芸術性をもかもし出しているのかもしれないという気にさえなるから不思議である。

タイトルの意味

この邦題はショッキングである。
今までこんなにあからさまなタイトルのついた映画を知らない。
観る前からどんな映画なのか気になるが、実は原題はそういう素人が考えるような単純な物でも無い。

原題の意味はキリスト教でよく耳にする『受難』である。
主人公マルクにふりかかる受難を意味しているのだろう。
映画自体が普通の世界の話の事ではないので、このような神がかったタイトルがマッチしているように思う。

映画『変態村』 まとめ

摩訶不思議な映画である。
限りなくファンタジーに近いように感じるが、どこかリアル。
もっと言うとそこら辺にあるような都市伝説に近い感じもする。
恐怖を感じなから、どこか夢の中のようにふわふわしている感じ。
この映画を言葉で表すとそのような感想になる。

描写のグロさは意外と無く、肝心なシーンはうまくアングルが切り替わるようになっていたりする。
作り手はそのアブノーマルな世界の表現をしたいわけではない、ということがこの事からも汲み取れる。
もしかしたら、至ってシリアスでどうしようもない絶望感と希望感を紙一重で描くことで、キリストが体験したと言われている受難を再現したかったのかもしれない。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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