12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『キャンディマン(1992)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キャンディマン(1992)』の概要:都市伝説について調査している大学生のヘレン。彼女は黒人居住区に伝わる「キャンディマン」という殺人鬼の幽霊について調査していた。面白半分でキャンディマンを呼び出してしまったヘレンの周りで次々怪異が起こり始め……。

映画『キャンディマン』の作品情報

キャンディマン

製作年:1992年
上映時間:101分
ジャンル:ホラー
監督:バーナード・ローズ
キャスト:ヴァージニア・マドセン、トニー・トッド、ザンダー・バークレイ、ケイシー・レモンズ etc

映画『キャンディマン』の登場人物(キャスト)

ヘレン・ライル(ヴァージニア・マドセン)
都市伝説を研究している大学生。当初はキャンディマンの伝説には半信半疑といった感じで構えていた。が、面白半分に鏡の前で「キャンディマン」を呼び出してしまったせいで散々な目に見舞われることとなる。キャンディマンの真相を探すため、彼の居場所だったというスラム街「カブリーニ」に訪れてから、より一層最悪な事態を招いてしまう。
キャンディマン(トニー・トッド)
毛皮のコートを着て、右腕が鉤爪になっているという黒人の殺人鬼。彼の名前である「キャンディマン」を鏡の前で5回唱えると背後に突然現れるらしい。その素性について調べていくうちに、元々は普通の実在した人間であったことが判明する。
トレバー(ザンダー・バークレー)
ヘレンの夫で、大学教授。キャンディマン事件に巻き込まれたヘレンを、常に傍で献身的に見守る良き夫だが……。
バーナデット(カシー・レモンズ)
ヘレンの友人。共にキャンディマン事件について調べ、論文を一緒に執筆する。論文のためとはいえ治安の悪いカブリーニに向かうことは当初反対していた。
アン=マリー・マッコイ(ヴァネッサ・A・ウィリアムズ)
カブリーニのアパートに住むシングルマザーの黒人女性。当初はヘレン達を警察だと勘違いし冷たくあしらっていたが、後に協力的になる。生まれたばかりの赤ん坊のアンソニーを大事にしており、アンソニーがキャンディマンに誘拐された時にはその場にいたヘレンに誤解から襲い掛かり、逆に包丁で切り付けられた。

映画『キャンディマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キャンディマン(1992)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キャンディマン』のあらすじ【起】

とあるカップルが部屋でこんな噂話をしている。「鏡を見ながらキャンディマンの名前を5回呼ぶと、片手に鉤爪をつけた後ろに現れるんですって」「やってみる?」。試したカップルの女の背後に本当にキャンディマンは現れた。惨殺された彼女と、逃げ出した男も発狂してしまったという――大学生のヘレンは論文のために都市伝説について研究している。キャンディマンの噂について調査をしているヘレンは、清掃業の女性を通じて実際にキャンディマンの被害に遭ったルーシーという女性について話を聞くことになる。ルーシーは夜中に壁に穴を開けるような音を聞き、警察に行ったがとりあってもらえず結果鉤爪のようなもので殺害されたらしい。この事件は実際に「キャンディマン事件」として新聞にも掲載されたようだ。その晩、ヘレンは友人・バーナデットと一緒に、半信半疑なのもあり面白半分でキャンディマンの名を唱えてしまう。

翌日、ヘレンはバーナデットと共にキャンディマンの本拠地であるスラム街・カブリーニへ現地調査に向かう。治安の悪いその場所を嫌がるバーナデットだが、不承不承結局ついていくことに。荒れたアパートの中を進み、キャンディマンが出たという部屋に向かう2人。バーナデットが止めるのも聞かず部屋の奥へと進むヘレン。しかしアパートの住人である黒人女性・アンに叱られ一度調査を中断してしまう。アンはその場では苛立った様子を見せたものの根は優しい女性なようで、ヘレン達がキャンディマンに殺されたルーシーについて知りたがっていることも見抜いていた。アンはルーシーが襲われた夜に警察を呼んだが、誰も来なかったと話す。皆、キャンディマンを恐れているのだという。「あいつは壁からやってくるの、あたしも怖いわ。警察に早く捕まえてほしい」と怯えた様子で話す。

映画『キャンディマン(1992)』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『キャンディマン(1992)』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『キャンディマン』のあらすじ【承】

調査の末、キャンディマンの誕生の秘密を知ることになったヘレン。ことの始まりはこうだ。1890年、彼は奴隷の息子だった。彼の父は南北戦争の後、靴を生産する機械を作り財を築いた。そのため彼は恵まれた環境で育つ。絵の才能にも溢れた彼は、画家としても活躍していた。ある日彼は裕福な地主から娘の絵を描くように依頼される。しかし2人は恋に落ちてしまい、娘は妊娠してしまった。怒った地主は金で雇ったゴロツキたちを使い、カブリーニでキャンディマンを追い詰めた。連中は錆びたノコギリで彼の右手を切り落としたのだ。仕打ちはそれだけには留まらず、キャンディマンは近くの養蜂場から盗んで来た蜂蜜を浴びせられる。飢えた蜂に全身を蝕まれるキャンディマン、彼はそのまま死亡し遺体を焼かれ、その灰をカブリーニに撒かれた……。

再び、キャンディマンの情報集めのためカブリーニのアンの元へ訪れるヘレン。しかしアンは留守にしており、部屋の前には一人の黒人の少年・ジェイクがいた。ジェイクにキャンディマンについて尋ねるヘレン。渋々ではあったが、キャンディマンの居場所について教えてくれることになる。彼が案内した場所は薄汚れた公衆トイレ。ジェイクは友人伝いに聞いたそうだが、トイレで一人の少年が殺されたらしい。それも陰部を切り取られ、切り取られたものは便器の中に浮かんでいたそうだ。キャンディマンの仕業なのか尋ねるヘレンに頷くジェイク。何か手掛かりになるものを集めるため一人トイレに入るヘレンだが、酷く汚れらトイレの中には何故か蜂がびっしりと蠢いていた。写真を収め出て行こうとすると、チンピラに突如襲われ怪我を負うヘレン。彼女を襲った男はキャンディマンの名を名乗り団地内で悪事を行っていた悪党だと警察の調べで判明する。やはりキャンディマンは作り話だったんだとヘレンはジェイクに話し安心させる。

今回の事件がきっかけで、出版社までが論文を読みたいとの話まで持ち上がってくる。怪我も治り、順調な生活を取り戻しつつあるヘレンだったが、そんな彼女の前に突如コートに身を包んだ背丈の高い謎の男が姿を見せる。「お前は私を疑った。私の伝説を疑ったから私は現れた」と意味深な言葉を発しながら近づいてくる男の片腕は――血に塗れた鉤爪だった。愕然とするヘレンに、「我が生贄となれ」と告げる男。ヘレンは催眠術にでもかかったようにそのまま気絶してしまう。再び目を覚ますと、どこからか女性のなくけたたましい声がする。起き上がるとヘレンの全身は身に覚えのない血で濡れており、辺りを見渡すとどうやらそこはカブリーニのアパートの一室だ。浴室らしき場所で起き上がり扉を開けると、先にキャンディマンの件で協力してくれた女性のアンが泣き叫んでいた。赤ん坊のアンソニーが行方不明らしい。錯乱した彼女はヘレンを犯人と決めつけ襲い掛かってくる。勢い余りアンを持っていた包丁で切り付けてしまうヘレンの元に警察が駆けつけ、彼女は誤解を解く間もなく逮捕されてしまう。

映画『キャンディマン』のあらすじ【転】

弁護士を雇い無実を証明しようと奔走するヘレンだが、まるで記憶のない彼女の証言では無罪を立証するのが難しいようだった。

一人、自宅で取材の写真を眺めている時だった。再びあの鉤爪の男……そう、キャンディマンが現れたのだ。彼はこう話す。「私の存在を信じるか?お前が疑ったせいで私の伝説が崩れた。だから私は来たのだ。そしてお前を殺すことで、子供達は怯え、恋人達は一層抱き合う。お前も伝説になれ」――、彼の証言によれがアンの子供はキャンディマンの元にいるという。赤子を返してほしければ、共に来いと呼びかける。キャンディマンに襲われている最中、部屋を訪ねてくるバーナデット。来ないように叫ぶヘレンの叫びも虚しく、中に飛び込んで来たバーナデットはキャンディマンの犠牲になってしまう。直後帰宅してきた夫のトレバーだったが、血まみれで包丁を持ったままのヘレンを見て愕然とする。全ては彼女の妄想ではないのかと疑われ、ヘレンはそのまま精神病院に拘束されてしまう。一人にしないでと叫ぶ彼女の元に再び姿を見せるキャンディマン。パニックを起こすヘレンに鎮静剤を打つ医師達。キャンディマンの存在を訴えても信じてもらえずじまいのヘレンの元に、またもや現れるキャンディマン。彼はヘレンの拘束を解き、言うことを聞くのを条件に脱走の手引きをする。無事病棟を脱出し、自宅へ帰ると別の女の姿がそこにはあった。トレバーの浮気相手で、同じ大学で、トレバーの教え子でもあるステイシーだった。信じていた最愛の夫にも裏切られ、ヘレンは失意の底のままに家を後にした。

映画『キャンディマン』の結末・ラスト(ネタバレ)

外を彷徨うヘレンの耳に聞こえてくるのは「お前はみんなに見捨てられる。私しかいない」――それは幻聴なのか、定かではない。彼女はやがてキャンディマンの住むカブリーニのアパートへと足を運ぶ。待ち構えていたキャンディマンは彼女を見るなり、「私のものになれ。そうすれば、あの赤ん坊も傷つけずに帰してやる」と話す。キャンディマンがそこでおもむろにコートを脱ぐと、彼の身体中は蜂に覆われていた。身体だけではなく、口からもそれは溢れ出していた……蜂まみれの口で接吻されるヘレンはその場で気絶してしまう。

再び目を覚ますとキャンディマンの姿は既になく、代わりに壁に文字と壁画が残されている。『ヘレンよ。いつもお前だった。ずっとお前を愛していた――』、文字の傍にはヘレンに似た女性の絵がある。過去にキャンディマンが恋に落ちた女性の生まれ変わりがヘレンだったということなのだろうか。やがて赤ん坊の泣き声が聞こえ、アンの子供が無事だと分かる。その声がスクラップ置き場の中から聞こえたと分かり慌てて外に飛び出すヘレン。粗大ごみの山をかきわけ中へと入っていくヘレンだが、それを見ていた住人達はキャンディマンが現れたと勘違いし、ガソリンをまき放火してしまう。燃え広がる炎の中、助けを乞うヘレンの元に再び姿を見せるキャンディマン。「騙したのね!」と憤る彼女に、「お前と私は灰になり結ばれるのだ」と歪んだ愛情を押し付けようとする。ヘレンは隙をつき、炎の点いた木材でキャンディマンに反撃する。燃え盛る炎の中、赤ん坊を守りながら何とか逃げ出すヘレン。「戻って来い、ヘレン!!」――キャンディマンの叫びが虚しく響き渡る。しかし、彼女の身体もまた既に引火し炎に包まれていた。逃げ出してきた彼女を鎮火する住民達だったが火傷の具合が激しく、皮膚は爛れ髪は全て燃え尽きていた。それでも何とか微笑みながら赤ん坊をアンへと返すヘレン……彼女はそのまま息を引き取った。キャンディマンの断末魔と共に崩れ落ちるスクラップ。赤く揺らめく炎の中、キャンディマンの黒く煤けた身体のシルエットだけが不気味に浮かび上がっていた。

赤子を守り命を落としたヘレンの死に顔を、トレバーは何ともいえない顔で見下ろしていた。「彼女の亡骸を土に返します――土は土に、灰は灰に、塵は塵に。願わくば、主よ。どうか彼女の罪を許し平安をお与え下さい」――祈りを終えた一同だったが、そこへやってきたのはカブリーニの住人達だった。アンを先頭に、次にジェイクが千切れていた鉤爪をヘレンの棺桶に入れていく……。

一方、ヘレンを失くしたトレバーは悲観に暮れていた。今更のように蘇ってくる彼女との思い出に涙を流しながら、鏡の前で何度もヘレンの名を呼び続けるトレバー。1回、2回、3回、4回、5回。そして……その時だった。彼の背後に、頭髪を全て失い、醜い火傷に覆われた女が――そう。ヘレンの姿がそこに現れたのである。「どうしたのトレバー。私が怖いの?」……問いかける彼女の片腕には鉤爪が付いていた――、浮気相手のステイシーが呼びかけてもいつまでも戻ってこないトレバーの様子を不思議に思い覗きに行くと――そこには見るも無残な形で惨殺され、血まみれで息絶えたトレバーの姿があるのだった……。

映画『キャンディマン』の感想・評価・レビュー

今やホラーの定番とも言える「都市伝説もの」を扱った古き良き傑作。殺人鬼キャンディマンの見た目がコートにごく普通の黒人男性、という装いなのでジェイソンやチャッキー、マイケルマイヤーズ等と比べると今一つインパクトに欠ける気もするが、コートを脱いだ後の蜂塗れの姿は圧巻。CGも今ほど進化していない時代だろうし本物なんだろうか……、か・痒い……!それにキスさせられた女優も凄いしその後、火傷だらけで丸坊主になったのもプロ魂を感じる。(MIHOシネマ編集部)


「都市伝説」って聞いただけでワクワクしませんか?今作で描かれるのは日本で言う「トイレの花子さん」のようなホラー系の都市伝説。キャンディマンなんて可愛い名前をしていますが、その見た目は蜂まみれの身体に鉤爪をしたヤバい男でした。
鏡の前で5回「キャンディマン」と唱えると彼が現れるという設定が物凄く良いですよね。観終わったあと絶対にやりたくなるやつです。そして彼について調べていたヘレンが最終的には彼と同じような鉤爪の姿になるのが最高でした。
愛した女の生まれ変わりがヘレンなのか少し分かりにくい点もありましたが、全体的に昔っぽいホラーで大満足の作品でした。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー