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映画『隣の家の少女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『隣の家の少女』の概要:実際に起きた事件を基に書かれた小説の映画化。とある田舎村で起きた、義母による養女監禁の末に起きた凌辱・暴行を生々しく描いたショッキングすぎる作品。本当の悪は誰なのか、自分が責められているようで恐ろしい問題作。

映画『隣の家の少女』の作品情報

隣の家の少女

製作年:2007年
上映時間:91分
ジャンル:サスペンス
監督:グレゴリー・M・ウィルソン
キャスト:ブライス・オーファース、ダニエル・マンチ、ブランチ・ベイカー、グレアム・パトリック・マーティン etc

映画『隣の家の少女』の登場人物(キャスト)

デヴィッド(ダニエル・マンシェ / ウィリアム・アザートン)
2度の結婚を繰り返した50歳を過ぎたサラリーマン。少年時代に受けた心の傷が元で今も尚それに悩まされている。その心の傷とは、少年時代の初恋の少女・メグのことであった。
メグ・ローリン(ブライス・オーファース)
聡明で活発な美少女。事故で両親を失い、妹と共に大叔母のルースの元に引き取られデヴィッドの隣人となる。母親の指輪を形見にしている。
スーザン・ローリン(マデリン・テイラー)
メグの妹。事故の怪我が元で、両脚が不自由。思うように行動できないためにメグが主に面倒を見ている。
ルース・チャンドラー(ブランチ・ベイカー)
メグとスーザンの姉妹を引き取った大叔母。夫は蒸発しておりその姿はない。デヴィッド含む近所の子どもたちからは良き理解者として人気があるものの、実態は3人の息子と共にメグ、スーザン姉妹を虐待している。

映画『隣の家の少女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『隣の家の少女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『隣の家の少女』のあらすじ【起】

冒頭、ひき逃げに遭う老人に人口呼吸をして救命措置をするサラリーマン。彼の名はデヴィッド。目を開けた老人の手を取りながら彼は心の中で問う、「君は痛みを知っているだろうか?」。その晩、デヴィッドは一人部屋で煙草を吹かしながら「あの男性の代わりに自分が車に轢かれれば良かった。そうすればほんの僅かでも自分の心の苦痛が和らいだ」と語る。一枚の古びた絵を取り出しながら彼は12歳の時の記憶を回想する。

水辺で一人、ザリガニを捕まえて遊んでいるデヴィッド少年。そこへ現れたのはデヴィッドの住む隣家へ引っ越してきたという少女・メグ。両親を事故で亡くした彼女とその妹スーザンは大叔母のルースに引き取られる形で越してきたのだという。すぐに気が合い共にザリガニ捕りを始め打ち解ける2人。デヴィッドはメグに一目で恋をしてしまった。ある日、隣の家に住むドニーの元へ遊びに行くデヴィッド。ドニーを始めとし、デヴィッドはこの辺りの少年らと付き合いがありいつも遊んでいた。子ども達は大体が知り合いで、遊び仲間であり秘密を共有し合う仲間達だ。大人達には大人同士の世界があるようで、デヴィッドは両親が不機嫌そうに言い争っている姿を何とも言えない眼差しで見つめる日々を送っていた。そんな中、隣のルースだけは子ども達に理解があり、ビールを飲ませ子ども達の悪戯にも付き合ってくれるような大人であった。その日、ルースの息子・ドニーに「メグにはもう会ったか?」と聞かれるデヴィッド。一緒にザリガニを捕ったことを話すと「彼女は可愛いし器用だからな。でも妹は少し違う、交通事故のせいで松葉杖がないと歩けない」と言う。それから近所の悪ガキ、エディ達と合流し大勢で遊ぶデヴィッド。その晩、遊園地でメグと再会したデヴィッドは彼女を観覧車へ誘う。2人で観覧車に乗りささやかな時間を楽しむが、メグは「もう帰らないとルースに怒られるわ。彼女、時々だけどかっとなって怖いの」と不安そうな顔をして話す。

翌日、子ども達を集めビールと煙草を与えて自分の家で遊ばせるルース。今の季節は近所にカーニバルがやってきている。ルースは昔のカーニバルは見世物小屋やショーガールがいて楽しかった、今じゃ上品ぶった連中のせいで大人しくなって面白くないと話す。当時のカーニバルに興味津々の子どもたちにその様子を聞かせながら、彼らをカーニバルに連れて行くルース。メグだけは妹の面倒を見ているようにと留守番をさせ、彼女はデヴィッド達と出て行ってしまう。その晩、少年らは秘密基地の中でポルノ雑誌を読みながら猥談に花を咲かせる。そこから火が点いて、メグの着替えを覗きに向かうが結局見れずじまいに終わってしまう。

夜が明けてルースは庭にできた毛虫の巣の駆除を子どもたちに任せる。炎で焼いて木の上に付着したそれを落とす作業だが、メグが毛虫が怖いからできない、と拒否するとルースは怒り出し彼女には洗濯物を任せることにした。それが原因なのかは分からないがあれからメグはルースに2日間ご飯を与えてもらえず、バーガーショップにいるデヴィッドにお金を借りに来る。哀れに思ったデヴィッドは彼女にチーズバーガーを与え、事情を聞くことに。ルースはこの前の毛虫の一件の時のように、事あるごとに激昂してはメグにきつく当たるという。「自分の子が男ばかりだから女の子の扱いに慣れていないんじゃないのか」と諭すデヴィッドに、メグはここへ来る前は水彩絵の具で絵を描いていたことを話す。しかしこの環境ではまたルースに文句を言われるから描く気が起きない、と嘆く彼女に「じゃあ僕に絵を描いてプレゼントしてくれよ」と言い、嬉しそうに微笑むメグ。感謝を述べデヴィッドの手を握るメグは彼に絵を描く約束をした。

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映画『隣の家の少女』のあらすじ【承】

数日後、デヴィッドの家に仕上がった絵を届けに来るメグ。デヴィッドの母親は彼女を笑顔で迎え入れ、食事に誘うがそれはできないと断られてしまう。デヴィッドはお礼を言いそれを受け取った。デヴィッドはその晩、ルースの家へと向かい彼女に「メグがルースのために描いた絵だ」とそれを渡す。ルースはその絵を見た瞬間、「あたしを馬鹿にしてるのか」と怒り出してしまう。そこに描かれているのは川岸でザリガニを捕る少年の絵で、「これはアンタを描いた絵だ。あたしはいらない。……これはいい教訓になる。あんた達よく聞きな」。ルースは絵を突き返すなり、子ども達を集めて話し始めた。「女には優しくすればいいことがある。男にどんなことでもしてくれる。デヴィッドをご覧、メグに親切にして絵を貰ったじゃない。他には何を貰ったの?最近の女は尻が軽いからね」。責め立てるルースにデヴィッドは反論するが、ルースはデヴィッドの父親が街の半数以上の女に手を出している事実を持ち出し、自分の出て行った夫を引き合いに出しながらメグがふしだらな女なのではないかと詰り始める。「絵の見返りに本当は何をくれたんだい。男が欲しいのは上品な芸術品なんかじゃないよ。男が欲しがるものを与えるなんて娼婦と一緒さ」泣きそうな顔のメグに吐き捨てながらルースは今後、家の中で妙な事をしたら尻を叩くと脅す。

ある日、デヴィッドがルース家へ遊びに行くとそこにはメグをくすぐって遊ぶ3人の息子の姿があった。末っ子のウーファーがその際にメグの胸を触ったことが原因でメグは怒り彼を叩いてしまう。ママに言いつけるとルースを呼んできたウーファーだったが、ルースは原因を探り始める。その場を見ていたデヴィッドも問い詰められるがあやふやな回答をするだけでメグを庇おうともしない。怒って出て行ったメグに代わり、その場にいた妹のスーザンが折檻を受けることとなる。少年らの前でパンツを脱がされ尻を叩かれ泣きじゃくるスーザン。慌てて戻ってきたメグが止めに入りやめるよう泣き叫ぶが息子達に押さえられてそれもできない。更には泣き崩れるメグから形見の指輪を奪うと、ルースは見兼ねて帰るというよりは逃げ出そうとするデヴィッドに向かい「これはうちのしつけの問題なんだよ」と釘を刺す。

メグは耐えかねたのか警察に事情を話したらしい。家に警官が来たようだ。ルースはメグに向かい、「警官が何とかしてくれるとでも思ったら大間違いだよ。あと、私は警官なんて怖くない。けど毎日来られちゃあ困ったもんだよ。さて、どうしようかね」と煙草を吹かすだけであった。

その日の晩、母親の反対を押し切りルースの家へと泊まりに行ったデヴィッド。地下室への扉が開いており、そこへ向かって階段を降りていくと信じ難くおぞましい光景が広がっていた。目隠しをされ、両腕を縛り上げられ猿轡をされたメグの姿がそこにはあった。その周囲に集まるルースとその息子達、そしてスーザン。ルースがデヴィッドを見るなり「全員揃った」と嬉しそうに笑う。止めるデヴィッドだったが「ママがやっていいって言うからいいんだ」と面白がってメグの服を脱がせ全裸にする息子達。卑猥な質問を浴びせる彼らにデヴィッドもスーザンも何もできない。やがてルースが「こういう女は汚い。絶対に触るんじゃないよ、猿轡をしてそのままにしておきな」と裸で縛り上げたままのメグを放置する。こうして、メグにとって悪夢としか言いようのない地獄の日々が始まるのだった。

映画『隣の家の少女』のあらすじ【転】

ルースの地下室での虐待は加速していく。メグが口答えしたり反抗したら「代わりに妹のスーザンが罰を受ける」とルールを授ける。やがて、息子達だけではなく近所の悪ガキ達も一緒になって地下室のメグで遊び始めた。殴る蹴るの暴行を浴びせた後は彼女をまた吊るし、玩具に飽きたかのように去っていく。何もできずに傍観者でいるしかないデヴィッド。メグの妹スーザンに、「何か力になりたい」と言いながら結局手を貸すこともならず、デヴィッドはある晩眠っている両親に声を掛ける。真実を話してしまおうと思い母親を起こそうとするが、彼女は起きてはくれずに諦めてしまう。

ある日、地下室へ行くと息子達がまたメグの身体にナイフで傷をつけて遊んでいる。切った箇所に煙草の火を押し当てて消毒するルース。そこへ誰かが訪問してくる。息子達を向かわせたルースだがデヴィッドが「また警官だったらあいつらにうまい受け答えができるとは限らない。ルースが行くべきだ」と彼女とメグを放す。家を訪ねてきたのは警官で、ルースは「姉妹は買い物に行っている」と言いごまかしていた。その間、デヴィッドは縛られたメグに「君をここから逃がす。お金も用意した。今夜、君を逃がすから君はまず警察に行くんだ」と言いきかせる。その晩、メグの元へと侵入し縄を解くデヴィッド。今まで助けられなかったことを詫びると、メグは「いいのよ。最後に何をするのかが大事だから」と微笑む。しかし、次の日地下室へ行くとメグがルース達の前で息子にレイプされている現場に遭遇する。結局メグは脱走しようとしてルースに見つかってしまったのだ。ルースはヘアピンを火で炙り、メグの身体に娼婦の証を彫り込むと言う。泣き叫ぶ彼女の身体に「I FUCK FUCK ME(私を犯して)」と消えない傷跡を刻むルース。満足そうに「これは一生消えない。あんたはもう好きな男の前で服も脱げないし、結婚もできなくなった。これでいいじゃないか、面倒な男や子どもに悩まされなくてもいいんだから」と笑うルースに息子達も賛同したように「やりたいと思っていたけどどうでもいい女になっちまった」と嘲笑を浴びせた。

映画『隣の家の少女』の結末・ラスト(ネタバレ)

エスカレートするルースの虐待だったが、次に彼女はメグの性器をバーナーで焼くことを提案する。流石に恐れをなしたデヴィッドが飛び出そうとするがすぐに捕らえられ彼もまた縛られ拉致される。メグが陰部を焼かれ倒れている傍ら、デヴィッドは脱出のために動いていた。何とか縄を抜け出し、スーザンと満身創痍のメグに近づく。スーザンは悲しそうに言う、「本当はお姉ちゃん逃げられたのよ。でも私を迎えに来たせいで見つかってしまって……」。メグとスーザンを励ましながら脱出の計画を立てるデヴィッド。火事を起こし、煙に地下室へとやってきたルースをスーザンの松葉杖で殴り飛ばすデヴィッド。息子達も飛び込んできてデヴィッドに馬乗りになりナイフを突きつけるが、間一髪の所で警官が飛び込んできて事なきを得る。ルースは既に息絶えており、警官はスーザンを保護し地下室を後にする。デヴィッドはメグの元へと駆け寄るが、残された時間はもうほとんどなかった。息も絶え絶えになりながらメグは「ママの指輪を取り返して」とデヴィッドに頼む。ルースの遺体から指輪を取り返し、彼女へと返すデヴィッド。メグは語る。「あなたの夢をたくさん見たわ。でも目覚めたら消えちゃった……スーザンのことをお願い。私はきっと大丈夫……あなたのことが好きよ」。彼女はそれきり、目を覚ますことはなかった。

時は再び現代へ。メグの描いた絵を見つめながら、大人になったデヴィッドは思う、「過去はいつでもついて回る。どんなに忘れたくても……」。それからメグとザリガニ捕りをした川べりに向かうデヴィッド。水面にはメグの幻がデヴィッドの隣で微笑んでいる。「私はメグのことを一生忘れない。苦痛に苛まれながら生きる私の傍にメグはいる気がする。彼女は教えてくれた、最後に何をするのかが大切なんだと……」。メグの幻が消え、映画は終わる。

映画『隣の家の少女』の感想・評価・レビュー

小説版と比べると、ルースが単なる胸糞の悪いおばさんにしか見えないのが残念かも(原作ではもう少し彼女の葛藤や背景が掘り下げられていたので……)。とは言ってもまだ幼い少女を傷つけ殺していい理由になる筈もなく、恐ろしい話なのは確か。デヴィッドももう少し要領よくやればいくらでも彼女らを助けるチャンスあっただろうに……と思いつつ自分ももしあの場にいて、且つ子どもだったとしたら傍観者にしかなれないのかもしれない。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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サスペンス映画

みんなの感想・レビュー

  1. より:

    広告の1カットが全て、そしてトラウマ。辛すぎて見たくも知りたくもない。慣れてしまったら終わりな気がする。

  2. 匿名 より:

    誰かがほんの少しルースに優しければ…
    でも、そうはならなかった。
    だから…この話はここでお終いなんだ。

  3. ななし より:

    コンクリート事件を思い出して、とても最悪な作品に感じました…

  4. なお より:

    原作本を、数ページ読んだら余りの酷さに耐えかね、それ以来読むのをやめた。作者は、このような作品ばかりを書いている。心では、拒否しつつも、何故か怖いもの見たさで此処に来た。
    最後に思った事は、大叔母をぶん殴りたいと、心から思った。