この記事では、映画『チェーン・リアクション(1996)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『チェーン・リアクション(1996)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『チェーン・リアクション』の作品情報

上映時間:107分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:アンドリュー・デイヴィス
キャスト:キアヌ・リーヴス、モーガン・フリーマン、レイチェル・ワイズ、フレッド・ウォード etc
映画『チェーン・リアクション』の登場人物(キャスト)
- エディ(キアヌ・リーブス)
- シカゴ大学でエネルギープロジェクトに携わるエンジニア。研究所の襲撃事件の犯人に仕立て上げられ、警察や組織の追っ手を躱しながら真犯人を探すこととなる。
- リリー(レイチェル・ワイズ)
- エディの同僚。エディ共々あらぬ疑いをかけられ、真相を突き止めようと逃避行に臨む。
- ポール・シャノン(モーガン・フリーマン)
- エディの研究チームへの出資者。エディの理解者であったが、秘密組織との繋がりがあり、怪しい動きを見せる。
- コリアー(ブライアン・コックス)
- 秘密施設であるC-システムの責任者。新エネルギー研究の乗っ取りを目論み、あらゆる手段を使う。
映画『チェーン・リアクション』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『チェーン・リアクション』のあらすじ【起】
物語は、環境問題について訴えるバークレイ博士のプレゼンテーションで始まる。悪化の一途をたどる地球環境において、新たなエネルギーを開発し、人類皆で共有しようという内容であった。
主人公のエディはエンジニアで、バークレイ博士が責任者である、シカゴ大学の水素エネルギー・プロジェクトに参加している。このプロジェクトこそが、冒頭でバークレイ博士が主張していた未来のクリーンエネルギーである。
失敗が続いていた実験だったが、ある日エディが実験成功の兆しを見つけ、見事水からエネルギーを取り出すことに成功する。研究チームの一同は、実験の成功を祝い、ラボでのパーティを楽しんだ。
しかしその夜、インターネットで研究の成果を発表しようとするバークレイ博士たちのもとに何者かが襲撃をかける。襲撃者は博士を殺害し、さらには研究所に爆弾を残して去っていった。研究所に戻り惨劇を目の当たりにしたエディだったが、ギリギリのタイミングで爆発には巻き込まれずに済んだ。
映画『チェーン・リアクション』のあらすじ【承】
爆発により研究所は跡形もなくなり、事件は大ニュースとして世間に知れ渡った。
捜査にはFBIが参加し、生き残ったエディやリリーへの事情聴取が始まった。
当初の報道では、唯一研究所から姿を消したチェンが疑われていた。しかし、疑いはエディにも向けられ、リリーのもとにも「上海に来い」というチェンからのFAXが届く。
嵌められたのではないかと不安がるリリーと行動を共にするエディだったが、家に戻ろうとすると警察がエディの家を家宅捜索しており、そこで大量の現金が発見される。
明らかに犯人に仕立て上げられていることを悟ったエディたちは、プロジェクトの出資者であるシャノンのもとに相談しに行く。しかし、シャノンの助けを得ることはできず、知人のマギーに匿ってもらうことにした。
FBIの会見で重要参考人に指定されてしまったエディたちのもとへ、大量の追っ手がかかり始める。エディとリリーは二手に分かれて逃亡し、エディは橋の上に追い詰められてしまう。しかし、とっさの機転で難を逃れたエディは、リリーと共にマギーのもとで匿ってもらうことに成功する。
映画『チェーン・リアクション』のあらすじ【転】
一方、FBIはシャノンにも疑いを持っており、密かに彼の動向を追っていた。
シャノンは、FBIにさえ開示されない秘密施設・C-システムへ出向いていた。その施設の責任者コリアーに、エディたちを追い詰めるのをやめるよう訴えるが、取り合われない。
そんな中、エディはシャノンに電話するが、FBIに逆探知されて再び追われることとなる。その際、エディたちを追い詰めた警官が何者かに射殺されたことで、エディに殺人容疑までもがかかってしまう。
FBIはシャノンの財団の資金源について疑問を持ち、CIAがらみの金が流れているのではないかと、シャノンを問い詰める。
エディたちは無人の家屋に潜んでいたが、ある夜、追っ手の襲撃を受ける。リリーと協力して襲撃者を倒したエディは、身分証を見て襲撃者がC-システムという組織の人間であることを知る。
シャノンに連絡をとり、C-システムについて問い詰めるエディだったが、シャノンが黒幕の一人だと悟る。その瞬間C-システムの人間たちが再び襲いかかり、リリーをさらってしまう。
映画『チェーン・リアクション』の結末・ラスト(ネタバレ)
リリーはC–システムの本拠地に連れ込まれ、行方不明だったチェンと再会する。彼もまたこの施設へさらわれ、研究を強要されているのであった。
一方、エディもC–システムの施設に潜り込み、リリーやチェンたちを発見する。
実験のカギを握る周波数は、エディだけが知っている。こっそりと施設の周波数を調整したエディは、シャノンやコリアーたちと対峙する。
コリアーがエディの交渉条件に対し強硬な姿勢を取った瞬間、エディは施設に関わる大量のデータをFBIに送信した。さらに、実験システムをハッキングし、数十分後に自爆するように設定する。
コリアーはチェンを射殺し、エディにシステムを元通りにするよう脅す。しかし、もう施設の爆発が止まらないと悟ると、エディとリリーを閉じ込めたまま脱出を図る。
シャノンが施設を出る直前にコリアーを射殺し、エディとリリーに脱出を促した。エディたちは最後の追っ手も撃退し、命からがら施設からの脱出に成功した。
C–システムの施設は爆散したが、エディは研究データを世界中の科学者に配布していたため、新エネルギーの恩恵は世界中が受けられることとなった。
現場を離れる車の中で、シャノンが事件の結末を報告する。彼はCIAのエージェントだったのである。
映画『チェーン・リアクション』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ、モーガン・フリーマンとかなり豪華な俳優陣なので、それだけでも一定以上の面白さは担保されているように思える。設定としてキアヌがさほど戦闘力のない一般人で、超人的なアクションには期待できない分、しっかりと科学者としてのスキルを活かしていたことに好感が持てた。黒幕と思われていたモーガン・フリーマンはCIAのエージェントだったのだが、事件解決の全てをキアヌに任せっきりだったので逆にCIAだったことに驚き、面白いと思った。(MIHOシネマ編集部)
王道でわかりやすいアクションサスペンスで、キアヌ・リーブスにレイチェル・ワイズ、モーガン・フリーマンとキャストもめちゃくちゃ豪華なので意外と見応えがありました。
開発した新エネルギーを求める何者かによって、国家レベルの陰謀に巻き込まれていくキアヌ・リーブスとレイチェル・ワイズ。この頃のキアヌ・リーブスはまだワイルド全開ではなくて美しさがあります。レイチェル・ワイズは科学者っぽい神経質な感じがすごく出ていました。
大きな盛り上がりは無いのですが、全体的にハラハラする展開でラストも面白く締めてくれるので個人的には満足です。(女性 30代)
クリーンエネルギーの発明がもたらす希望と陰謀を描いたサスペンス。キアヌ・リーヴス演じる若き科学者が、上司の殺害と爆破事件の濡れ衣を着せられ、政府機関から追われる展開はスリリングでした。モーガン・フリーマンの存在感が作品を引き締め、誰を信じていいのか分からない緊張感が持続します。終盤、国家レベルの陰謀が明らかになり、科学の理想と政治の現実のギャップが浮き彫りに。テンポの良い逃走劇として楽しめる作品でした。(20代 男性)
理想のエネルギー開発が一転して命を狙われる悲劇に変わる――この構図が実に皮肉で、現代社会にも通じるテーマを感じました。キアヌ・リーヴスの誠実で無垢な科学者像が光り、彼が逃げながらも真実を追い求める姿には共感しました。ラストで陰謀を暴いても決して爽快ではなく、むしろ「正義とは何か」を問い直されるような余韻が残ります。アクション要素だけでなく、社会派サスペンスとしても見応えのある一作でした。(30代 女性)
冒頭の爆破シーンの迫力がすごい。低温実験装置の暴走によって生まれる連鎖反応の描写は、90年代とは思えないクオリティでした。中盤以降の逃走劇もテンポが良く、科学と政治が交錯するストーリーに引き込まれます。モーガン・フリーマンが演じる謎めいた政府関係者が物語のカギで、最後まで彼の真意が読めません。真実が明かされる終盤は少し駆け足でしたが、緊張感ある展開で最後まで飽きさせない娯楽サスペンスです。(40代 男性)
キアヌ・リーヴスとレイチェル・ワイズの逃亡劇は、スリラーとして王道ながらも人間味があって良かったです。科学者としての理想と、現実社会の権力構造との間で揺れる主人公の姿がリアル。研究成果を利用しようとする政府の裏の顔も描かれ、倫理的な問題提起も見えてきます。終盤でモーガン・フリーマンが彼らを助ける展開にはホッとしつつも、完全な勝利ではない余韻が残りました。90年代らしい硬派な社会派アクションでした。(20代 女性)
「クリーンエネルギー」をめぐる陰謀というテーマは、今見ても色褪せません。理想を追う科学者が国家に利用され、命を狙われるという構図は、技術の進歩と人間の欲望の矛盾を突いています。キアヌ・リーヴスの抑えた演技がストーリーに説得力を与え、レイチェル・ワイズとの関係にも静かな化学反応がありました。アクション映画としては控えめですが、緊張感の持続と社会性を両立した秀作です。(30代 男性)
本作は“静かなアクション映画”という印象。派手な爆破や銃撃戦よりも、逃走の緊迫感と心理戦が中心で、最後まで緊張が続きます。特にモーガン・フリーマン演じるシャノン博士が味方なのか敵なのか分からない存在として物語を支配していて、彼の存在が作品の格を上げています。ラストでのどんでん返しも悪くなく、スパイ映画のような余韻が残る。90年代サスペンスの隠れた佳作だと思います。(40代 女性)
久しぶりに見返して思ったのは、「90年代アクション・サスペンス」の完成度の高さ。コンピュータや科学実験装置の描写は時代を感じるけれど、物語の構成は今でも通用する。キアヌ・リーヴスが「普通の青年」として描かれている点が良く、派手なヒーローではないリアルさが共感を呼びます。モーガン・フリーマンの渋さも際立っており、知的で上品な緊張感が最後まで続く作品でした。(50代 男性)
科学技術が人類を救うのか、それとも破滅に導くのか――そのテーマが根底に流れています。主人公エディは理想主義者ですが、真実に近づくたびに現実の汚さを知っていく。政府と企業の思惑に翻弄される姿は、科学者としての誇りと人間としての苦悩を感じさせます。最終的に彼が逃げ延びても、失ったものの大きさに虚しさが残る。それが本作の“冷たいリアリティ”であり、ただのエンタメに終わらせない深みがありました。(30代 女性)
映画『チェーン・リアクション』を見た人におすすめの映画5選
ペリカン文書(原題:The Pelican Brief)
この映画を一言で表すと?
一人の女性が国家の巨大な陰謀に挑む、緊迫のサスペンス。
どんな話?
法学生のダービー(ジュリア・ロバーツ)が偶然、二人の最高裁判事暗殺事件の背後にある真実を突き止めたことで命を狙われる。記者(デンゼル・ワシントン)とともに逃亡しながら、陰謀を暴こうとする彼女の姿を描く。政府と企業の癒着が生む恐怖がリアルに迫る社会派スリラー。
ここがおすすめ!
『チェーン・リアクション』同様、権力に立ち向かう主人公の逃亡劇がスリリング。政治の裏に潜む“真実”を描く構成や、緊張感ある展開が秀逸。ロバーツとワシントンの共演が生む知的な緊迫感も見逃せません。
エネミー・オブ・アメリカ(原題:Enemy of the State)
この映画を一言で表すと?
監視社会の恐怖を先取りした、90年代を代表するテクノスリラー。
どんな話?
弁護士のロバート(ウィル・スミス)は偶然、政治家暗殺の証拠映像を手に入れ、NSA(国家安全保障局)に命を狙われる。全ての通信を監視され、逃げ場を失った彼は、元NSA職員(ジーン・ハックマン)の助けを得て、巨大権力に立ち向かう。
ここがおすすめ!
テクノロジーと国家権力の恐ろしさをリアルに描き、『チェーン・リアクション』の“国家による追跡劇”の緊張感をさらにスケールアップ。逃走と情報戦が融合した傑作サスペンスで、時代を先取りした社会批判も見どころ。
交渉人(原題:The Negotiator)
この映画を一言で表すと?
濡れ衣を着せられた男の逆転劇を描く、心理戦スリラーの傑作。
どんな話?
汚職事件の濡れ衣を着せられた交渉人ダニー(サミュエル・L・ジャクソン)は、警察署を占拠し、人質を取って真相を暴こうとする。外では冷静沈着なもう一人の交渉人(ケヴィン・スペイシー)が説得にあたるが、事件の裏には組織的な陰謀が潜んでいた。
ここがおすすめ!
『チェーン・リアクション』と同じく“無実の男が逃げる”構図。会話と心理戦で緊張が続く展開は圧巻。ジャクソンとスペイシーの演技合戦が見どころで、真実を求める信念の強さが胸を打ちます。
ザ・フュージティブ/逃亡者(原題:The Fugitive)
この映画を一言で表すと?
濡れ衣を着せられた医師が真犯人を追う、逃亡サスペンスの金字塔。
どんな話?
妻殺しの罪で死刑判決を受けた医師リチャード・キンブル(ハリソン・フォード)。移送中に脱走し、無実を証明するため真犯人を追いながら、執拗な捜査官(トミー・リー・ジョーンズ)に追われ続ける。
ここがおすすめ!
『チェーン・リアクション』が影響を受けたとも言える逃亡劇の原点。ハリソン・フォードの必死の演技と、トミー・リー・ジョーンズの鋭い追跡が生む緊迫感は圧倒的。アクションとサスペンスの融合が完璧な一本。
スニーカーズ(原題:Sneakers)
この映画を一言で表すと?
ハッキングと陰謀を描く、知的でユーモアのあるサスペンス。
どんな話?
天才ハッカーのマーティン(ロバート・レッドフォード)率いるセキュリティチームが、政府の秘密暗号解読機をめぐる陰謀に巻き込まれる。チームの個性派メンバーたちは、機転と技術で真相に迫っていく。
ここがおすすめ!
『チェーン・リアクション』の科学・技術サスペンス要素が好きな人にぴったり。軽妙な会話とテンポの良い展開で、社会的テーマを娯楽的に描く。90年代スパイ系サスペンスの中でも知的で洒落た魅力が光る一作です。






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