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映画『コインロッカーの女』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『コインロッカーの女』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『コインロッカーの女』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『コインロッカーの女』の結末までのストーリー
  • 『コインロッカーの女』を見た感想・レビュー
  • 『コインロッカーの女』を見た人におすすめの映画5選

映画『コインロッカーの女』の作品情報

コインロッカーの女

製作年:2015年
上映時間:111分
ジャンル:アクション、サスペンス、フィルムノワール
監督:ハン・ジュニ
キャスト:キム・ゴウン、キム・ヘス、オム・テグ、パク・ボゴム etc

映画『コインロッカーの女』の登場人物(キャスト)

イリョン(キム・ゴウン / キム・スアン)
へその緒がついた状態で駅のコインロッカーから発見された少女。借金の型としてウヒに売られ娘のように裏社会の中で育てられた。成人し初恋を知るも、残忍な現実と立ち向かっていく。
マ・ウヒ(キム・ヘス)
チャイナタウンで裏家業を担う女性。多くの孤児を買い取り家族のように育て上げている。イリョンの生命力を見抜き、本当の娘のように一番近くに置き家業を手伝わせていた。
ウゴン(オム・テグ / ウィ・ハジュン)
孤児としてイリョンと同時期にウヒに拾われる。一度捨てられそうになるが、イリョンに救われ恩を感じている。責任感が強くウヒに従順な男。
パク・ソッキョン(パク・ボゴム)
ウヒの顧客の息子。家業を失敗した父親の代わりに借金の返済に奮闘している中で、イリョンと出会う。人を疑うことを知らず、分け隔てなく優しく接する青年。

映画『コインロッカーの女』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『コインロッカーの女』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『コインロッカーの女』のあらすじ【起】

人が行きかう駅のコインロッカーで発見された少女。発見者は路上生活者だった。10番のロッカーから見つかった彼女は、番号からそのまま名前を付けられイリョンと名付けられた。多額の借金を抱える刑事・タクに拾われたイリョンは、チャイナタウンで裏家業を営むウヒに売られることになる。戸籍を持たない「まっさらな」状態のイリョンは、ウヒにとって使い勝手がいいのだ。

同じくウヒの元に寄せ集められた子供たちは地下街で物乞いとして育てられた。突然捨てられた子供もいる中、イリョンの生命力を見込んだウヒは自分の子供として育てるようになる。ウヒは死にかけの犬を前に「手伝ってあげたら?」と殺めるように諭すこともあった。すっかり裏家業に染まったイリョンは成人し、ウヒの金融業を手伝うようになるのだった。

少しのことでは動じないイリョン。未返済の借金がある顧客から集金時に暴力を受けても表情一つ変えず、あらかじめ拘束していた妻子の声を聞かせ脅すのである。賭け麻雀で勝たせ借金を回収したイリョンだが、利子として灰皿で殴り返すのだった。

映画『コインロッカーの女』のあらすじ【承】

ウヒの元には責任感のあるウゴン、知的障害を抱えるホンジュ、そして薬物中毒のソンも一緒に暮らしていた。食事は必ず揃ってするルールがある。年頃になっても色気のないイリョンだが、借金の取り立てに行きソッキョンと出会った。父親の借金を背負うソッキョンは、人を疑うことを知らず、イリョンにも分け隔てなく接してくれる。目の下にできた傷を見て手当てしてくれるほど優しい青年だったのだ。裏社会しか知らないイリョンは借金の回収をできず戻ってしまった。翌日、再びソッキョンの自宅を訪ねると留守で電話にも出ない。夜逃げしたものだと勘違いし、ピッキングして家に上がった矢先ソッキョンからバイト中であると折り返しの連絡があった。

ソッキョンのバイト先であるホテルのレストランに出向いたイリョン。ソッキョンは借金の一部を返し、映画の招待券も差し出したのである。ソッキョンと映画を見てから飲みに出たイリョン。苦労した学生時代の話や夢について語るソッキョンの姿に初めての感情を抱くのだった。

帰宅したイリョンは、大雨の中母親の命日の供養をするウヒの姿を見かける。自分の手で母親を殺めたというウヒは、実はイリョンの変化に気付きウゴンにある依頼をしていた。イリョンの変化はソンも気付くほどはっきりとしていたのだった。

映画『コインロッカーの女』のあらすじ【転】

ソンと出かけたイリョンは始めてワンピースを買った。パスポート用の写真を撮りたいというイリョンは、ソッキョンの影響を大きく受けていたのである。一方でソッキョンの借金は1億12万3000ウォンまで膨れ上がっていた。イリョンに代わり取り立てにソッキョンのバイト先に出向いたウゴンは、猶予は翌日までであることを告げるのだった。

ソッキョンの父親が行方をくらまし臓器売買が決まったとウヒに知らされたイリョン。ウヒは解体を担うホンジュを連れ、ソッキョンを捌くように指示をした。しかしイリョンは何とかソッキョンを助けようとしてしまうのだった。先手を取っていたウヒは、見せしめとして目の前でソッキョンを殺した。

「使い物にならない」とウヒに判断されたイリョンはチドの元に送られた。ウヒに頭の上がらないチドは、イリョンを利用し楯突こうとするがイリョンは自ら海に身を投げる。無事に陸に上がりソンと合流しようとしたイリョンだったが、裏切られたと怒り心頭のホンジュに襲われる。

映画『コインロッカーの女』の結末・ラスト(ネタバレ)

危機一髪のところでウゴンに助けられるも二人は相打ちとなり、イリョンの目の前で命を落とすのだった。チドから借金の返済の代わりにイリョン殺害を依頼されたタク。ウゴンとホンジュの死を悲しむイリョンを襲うも返り討ちにあってしまう。絶望の淵に立ち、行き場のないイリョンはウヒの元に戻る決心をする。すでにチドを処理したウヒは、「役立たずね」と自分を卑下しイリョンを待つのだった。

死を覚悟し、一緒に最期の食事をしようとするウヒだがイリョンは現実を受け入れられずにいる。イリョンに向けられた刃を何も言わずに受け止めたウヒ。「怖いときは笑いなさい」とその先も生きるイリョンに最期の言葉を残し、イリョンが捨てられた10番のロッカーのカギを渡すのだった。

ウヒ亡き後も、家業を続けるイリョン。ウヒから渡された10番のロッカーには住民登録票が残されていた。戸籍のなかったイリョンは初めて自分の存在を証明できるようになり、ウヒに感謝をする。そして自らの手で親を殺めたウヒと全く同じ運命を辿るのだった。

映画『コインロッカーの女』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

男の力を借りず凛と生きる強き女の姿を見せつけられる時間である。コメディの印象も強いキム・ヘスが実に美しい。老いていく姿を白髪と体型できっちりと見せつける実力はさすがである。韓国ノアールではよくある全く救いのない展開ではあるものの、愛情溢れた人物像が印象的な作品であった。捻りは少ないが、見るものを魅了するようなほの暗さと残忍さは癖になりそうで怖い。バッドエンド好きには勧めてみたい一作であった。(MIHOシネマ編集部)


文字通り「ノワール」な1本。
前知識なく観たので、どこかで「救いがありますように」という気持ちで観ていたのだが、しかしそこはノワール。少なくともシンプルな意味での救いはなく終わっていく。しかしそれはそれで何故か後味はそれほど悪くない。それはもしかしたら主人公が案外多くの人に愛されていることが明確だからかもしれない。それでもこういう結末になってしまうことの儚さ、ほろ苦さを味わうのがノワールの楽しみ方なのかもしれない。(男性 40代)


バッドエンドだけどクセになる非常に面白い作品でした。そもそも、韓国映画で描かれる残忍な描写が好きなのですが今作は衝撃的なシーンと言うよりも、ジワジワとメンタルが削られていくような作品でした。
「普通」って物凄く難しくて、ただ何事も無く生きてさえいければそれで良いと思っている人こそ、様々な困難に見舞われてしまったりするんですよね。
自分でなんでも出来る強い女性はすごくかっこ良いですが、個人的には男性に頼って助けてもらいながら生きていきたいなと感じてしまいました。(女性 30代)


コインロッカーに子供を捨てる親、コインロッカーで拾った子供を闇社会で働かせる親。”子は親を選べない”の持つ悪いイメージを全て引き出したような作品。主人公からしたら”お母さん”とはどういう存在なのか。恐らく世間一般で発せられる”お母さん”とは全く異質。優しさを知らずに育てられてきたのですから…もう何もかもが辛いです。最後も全く救いがないですし、落ち込みたいときに観たい作品とでも言えましょうか。(男性 20代)


コインロッカーに捨てられた少女イルヨンが、冷酷な“母”に育てられ、闇社会の一員として生きる様は衝撃的でした。感情を押し殺して生きてきた彼女が、少年スジンとの出会いによって心を取り戻し、最終的に“母”に刃を向けるラストは、痛みと解放が混じったような切なさが残ります。キム・ゴウンの無表情の奥に潜む感情が本当に素晴らしく、全体を通して映像も冷たく美しい作品でした。(30代 女性)


予備知識ゼロで観ましたが、想像を超えるハードな人間ドラマでした。暴力や闇金といった社会の底辺を描きつつも、イルヨンが少しずつ人間らしさを取り戻していく過程には希望も感じました。スジンを逃がすために母と決別するシーンでは、「愛」とは何かを問いかけられた気がします。母を演じたキム・ヘスの存在感も凄まじく、ラストの一撃には複雑な感情がこみ上げました。(20代 男性)


全体的に救いのない物語ではあるけれど、その分、イルヨンの小さな変化がとても尊く感じられました。彼女が「母」と呼ぶ存在は、血の繋がりではなく暴力と支配で繋がっていて、それでも彼女にとっての唯一の“家族”だったのが切ない。スジンとの淡い恋愛もあまりに儚くて、逃れようのない運命を突きつけられているようでした。韓国映画らしい、重く鋭い社会派ドラマ。(40代 男性)


キム・ゴウンの演技力が光っていた作品。イルヨンという感情を押し殺して生きる少女が、少しずつ表情を取り戻していく様子に胸が締め付けられました。特に母を刺す場面の“泣かないけど涙を感じさせる”演技は圧巻。スジンとの交流に一瞬だけ見えた幸福の可能性を、自らの手で断ち切る決断には、ある種の覚悟と哀しみがにじんでいて、見応えのある作品でした。(20代 女性)


韓国映画の中でも特に衝撃的な作品でした。コインロッカーに捨てられるという出発点からすでに救いがない。イルヨンが闇社会で育ち、“普通の感情”を知らずに成長していく姿は痛々しかったです。それでもスジンとの出会いがイルヨンに人間らしさを与えて、彼女が彼を逃がそうとする終盤は胸が熱くなりました。社会の底辺を生きる女性の強さと悲しさが胸に残ります。(30代 男性)


母という存在が、ここまで恐ろしく、支配的に描かれる映画は珍しいと思いました。キム・ヘス演じる“母”は、無慈悲で冷酷なのに、どこかイルヨンに対する執着のような愛を感じさせる複雑なキャラクター。イルヨンもまた、愛と支配の境界線に苦しみながら、自分で選択しようとする姿が印象的でした。単なるバイオレンス映画ではなく、人間関係の歪みを見せる社会派作品として秀逸。(50代 女性)

映画『コインロッカーの女』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『コインロッカーの女』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

マザー(2017)

この映画を一言で表すと?

母と子の“絆”が崩れ落ちていく、愛と狂気のサバイバル。

どんな話?

実際の事件をベースに描かれた本作は、母親に支配されながら成長した息子が、ある日母の期待に応えようとして重大な犯罪に関わってしまうまでを描く衝撃の人間ドラマ。歪んだ愛情と家族の在り方に深く切り込んでいく。

ここがおすすめ!

『コインロッカーの女』の“母”のように、愛と暴力が一体化した存在を描く作品として強く通じるものがあります。長澤まさみの鬼気迫る演技と、社会の闇が静かに描かれる構成は、一度観たら忘れられません。

アジョシ(2010)

この映画を一言で表すと?

一人の少女のために全てを捨てた元特殊部隊員の復讐劇!

どんな話?

謎めいた元兵士が、唯一心を通わせていた少女が犯罪組織に誘拐されたことで、再び闇の世界に戻り、命を懸けて少女を救い出そうとする。社会の裏側に蠢く闇と、心を閉ざした者同士の繋がりを描くハードボイルドアクション。

ここがおすすめ!

イルヨンとスジンの関係性に似た“傷を抱えた者同士”の絆が胸を打ちます。緊迫感のあるアクションと、感情を押し殺した演技が見事に融合した作品。感情を揺さぶられるラストも必見です。

バーニング 劇場版(2018)

この映画を一言で表すと?

曖昧な境界線に潜む狂気と喪失感──見る者を深く惑わせる心理サスペンス。

どんな話?

偶然再会した幼なじみと、その恋人らしき謎の男。3人の間で微妙な緊張が漂う中、やがて女性が失踪する。主人公はその行方を追ううちに、男の持つ不可解な一面に疑念を深めていく。村上春樹原作の短編を大胆に再構成した一作。

ここがおすすめ!

『コインロッカーの女』同様、“説明されない感情”が静かに、しかし確実に胸をえぐってきます。不在と沈黙の力を感じさせる演出が秀逸で、観終わった後も答えの出ない問いが残る作品です。

パラサイト 半地下の家族(2019)

この映画を一言で表すと?

笑って、驚いて、落ちていく──韓国社会の断層に切り込むブラックエンタメ。

どんな話?

貧困家庭の息子が裕福な家の家庭教師として働き始めたことをきっかけに、家族ぐるみで“寄生”を始める。しかし思わぬ展開から計画が狂い、やがて深い闇へと飲み込まれていく。ユーモアと社会風刺が絡み合った物語。

ここがおすすめ!

社会的弱者の過酷な現実と暴力的な転落を描く点で『コインロッカーの女』と共通しています。一見コミカルな始まりから、後半の怒涛の展開への変化が秀逸。社会の“裏”に興味がある方に刺さるはず。

MISS BAEK(ミス・ペク)

この映画を一言で表すと?

心を閉ざした女性が、虐待を受けた少女を救うために闘うリアルな人間ドラマ。

どんな話?

犯罪歴を持ち、社会に居場所のない女性ベクが、虐待を受ける少女ジウンと出会い、自分の過去と向き合いながら彼女を守ろうとする。暴力、無関心、沈黙といった現代の闇に真正面から挑む力強い物語。

ここがおすすめ!

イルヨンとベクの立場や境遇は異なるものの、少女を守ろうとする姿には重なるものがあります。社会から切り捨てられた者たちが、他者との関係を通じて変化していく描写は涙なしでは観られません。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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