映画『26年』の概要:同名インターネット漫画を映画化した一作。1980年5月に実際に起こった光州事件の被害者遺族たちが、26年の歳月を経て復讐を計画する。2AMのスロン、ペの銀幕デビュー作であり、人気若手俳優たちが脇を固める。
映画『26年』の作品情報
上映時間:135分
ジャンル:ヒューマンドラマ、フィルムノワール
監督:チョ・グニョン
キャスト:チン・グ、ハン・ヘジン、ペ・スビン、イム・スロン etc
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映画『26年』の登場人物(キャスト)
- シム・ミジン(ハン・ヘジン)
- 光州事件で母親を亡くした少女。射撃の韓国代表選手に選ばれ、元大統領を銃殺しようと狙っている。精神を病んだ父親も元大統領の自宅前で焼身自殺し、天涯孤独の身。
- クォン・ジョンヒョク(イム・スロン)
- 光州事件の真っただ中へ野次馬に行ったため姉が目の前で銃撃を受け、命を落としてしまった経験を持つ警察官。優柔不断な性格で、人に流されやすいタイプ。
- クァク・ジンベ(チン・グ)
- 無残な夫の最期を目の当たりにして、精神分裂症を患った母親を抱える男。やくざの一員として母と屋台を営みながら、光州守護派で多くの子分を率いている。
- キム・ジュアン(ペ・スビン)
- 光州事件で両親を失った男性。大手企業の会長のキム・ガプセの養子となり、秘書として行動を共にしている。両親のために元大統領への復讐を強く誓っている。
映画『26年』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『26年』のあらすじ【起】
1980年5月。民主化を要求した一般市民を戒厳軍が弾圧し、朝鮮戦争に次ぐ死者をもたらした。軍を率いた男は大統領となり、目の前で家族を失った者たちは心に大きな後遺症を患ったまま時が過ぎようとしている。
被害者遺族たちは“元”大統領の姿がテレビに映るだけでも気が振れてしまう。「ただの暴動だった」と一度の謝罪もない“元大統領”。ある日「光州事件はまだ終わっていない」と叫んだある酔っ払いが、元大統領の自宅に火炎瓶を投げ込もうとしたところ、警備をしていた警官たちに取り押さえられ焼死する事件が起こった。酔っ払いの娘であるミジンは亡き父の後を継ぎ、古書店を営みながら3年の時を過ごすのだった。
射撃の韓国代表であるミジン。光州事件から26年が経ったときある計画に参加するよう声をかけられる。指定された場所には姉を失った警察官のジョンヒョク、父を失い精神分裂症の母を抱えるジンベも集められていた。計画の首謀者であるキム・ガプセは元戒厳軍であり、ターゲットは「あの人」こと“元大統領”である。秘書のキム・ジュアン引率の元、私服SPや警察官による厳しい警備を超えあの人に近づく作戦を企てるのだった。
映画『26年』のあらすじ【承】
光州事件が起きた5月が近くなると元大統領の補佐達は緊張が高まっていく。被害者遺族たちや光州守護派の活動家による反発を恐れているからである。警備が厳しくなっていく中、正面突破を目指したジンベだが、あえなく惨敗。計画から抜けることを検討し始め、ミジンにも持ち掛けるが「死んだ両親に報いたい」と一蹴されてしまう。ジンベが元大統領をターゲットとした計画に参加していることは警察にも筒抜けだった。ジンベが慕うボスが警察に逮捕されてしまい、計画から抜ける意思を固める。しかしボスは「迷わず進め」とジンベの背中を押すのだった。
ガプセはジンベの父を手にかけた当本人であるとわかってしまった。計画に向けた結束にばらつきがで始めたとき、ミジンは元大統領の暗殺に強い意志を固める。警察官であるジョンヒョクの業務を利用し、白昼堂々とあの人の暗殺に挑むのである。しかし銃の威力は想像よりも弱く一発であの人を仕留めることができなかったミジン。独断で臨んだ計画はあえなく失敗に終わり、ひどく負傷してしまうのだった。
映画『26年』のあらすじ【転】
ジュアンは新たな作戦に踏み出した。大手警備会社・エクスカップに潜り込み元大統領へ近づくつもりなのである。一方で警察はジンベの存在に気づき始めていた。発砲事件の主犯であるミジンとジョンヒョクの繋がりにも察した刑事は、部下にジョンヒョクの行動を監視するように指示したのである。
様態が落ち着いたミジンは少しずつ笑顔を見せるようになる。再度銃口を元大統領に向けるための準備を始めていた。一方で身を案じたジョンヒョクは、当初の計画と大きくずれ始めていることでジュアンを責め立てしまう。警察官である以上、計画から抜けると宣言するのだった。
警察の目をジンベたちから逸らすため、別の事件が必要だというキム。光州事件で両親を亡くしたジュアンには、この計画を成功させる以外に道は残されていないのだ。ようやく元大統領と直接話す機会を得たキム親子だが、ジョンヒョクが警察側へ情報提供したことで、計画には暗雲が立ち込めるのだった。
映画『26年』の結末・ラスト(ネタバレ)
計画に気づかれキム・ガプセとキム・ジュアンは、警備員たちに捕らえられてしまった。盗聴器で様子を察したジンベは子分たちを率いて元大統領の自宅前で警備を混乱させるため暴動を起こし、ミジンは外のクレーン車から狙撃体制に入る。警察に狙われたことで動揺したミジンは、誤ってジュアンを撃ってしまい狙撃できずにいた。元大統領秘書は、今まで信じてきたものが正しいのかわからなくなり、元大統領に銃口を向けるもほかの警備員に押さえつけられてしまった。一向に悪びれることのない元大統領だけは、傷一つなく警備員に守られてしまうのだった。
しびれを切らしたジンベは子分たちを引き連れ、元大統領の自宅内へ襲撃をかける。薄くなった警備の隙をついた攻撃の結果、ジンベはついに元大統領と対峙する。窓際に元大統領を追い詰めミジンの狙撃を待つジンベ。しかしミジンは警察の攻撃を受け狙撃できずにいる。ようやく銃を構えたミジンはジンベの決意を受け取り、元大統領へ向けて銃弾を放った。不遇にも繋がってしまった若者たちの復讐劇の幕は下りたのである。
映画『26年』の感想・評価・レビュー
事実に関連するフィクションであるゆえに、制作することすらも阻まれ続けたという不遇の一作。物語自体も一つの事件によって人生を狂わされた犠牲者と遺族が集うという、不運な繋がり」がもたらすものである。だからこそ元凶を言い伝え、想定される惨劇を脳裏に植え付けるべきだと紆余曲折の末、個人投資家が集ったのだろう。国を揺るがす事件すらもきちんと描きぬこうとする姿勢が、韓国作品のいいところであり危ういところでもある。今作はアニメーションと融合しつつ、適度な塩梅で揺らぎを描いていたように見えた。(MIHOシネマ編集部)
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