この記事では、映画『クリミナル』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『クリミナル』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『クリミナル』の作品情報
上映時間:87分
ジャンル:サスペンス、フィルムノワール
監督:グレゴリー・ジェイコブズ
キャスト:ジョン・C・ライリー、ディエゴ・ルナ、マギー・ギレンホール、ピーター・ミュラン etc
映画『クリミナル』の登場人物(キャスト)
- リチャード(ジョン・C・ライリー)
- ベテラン詐欺師。偶然出会ったロドリゴをパートナーに引き入れる。家族や詐欺師仲間も騙すような冷たい一面を持ち合わせている。
- ロドリゴ(ディエゴ・ルナ)
- 若手の詐欺師。リチャードにスカウトされて一日行動を共にする。親しみやすい雰囲気で相手を油断させる能力を持っている。
- バレリー(マギー・ギレンホール)
- リチャードの妹。高級ホテルで働いている。親の遺産相続を巡ってリチャードと揉めている。2人の弟もホテルの従業員をしている。
- ハニガン(ピーター・ミュラン)
- 旧紙幣を収集する大富豪。バレリーが働くホテルに滞在しており、リチャードから偽造証券の取引を持ち掛けられる。
映画『クリミナル』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『クリミナル』のあらすじ【起】
ロドリゴはカジノでウェイトレスを相手に釣り銭を誤魔化す詐欺をする。しかし、途中で気付かれて大騒ぎになる。その様子を見ていたリチャードは警察を装ってロドリゴを助け出す。自らも詐欺師であるリチャードは丁度パートナーを探していたのだ。2人は一緒に行動することになる。リチャードは呼び鈴を鳴らして、家主の孫になりすませてお金をせしめる手口をロドリゴに見せる。
ロドリゴはカフェで父親の借金を返済するために大金が必要なことをリチャードに説明する。リチャードはカフェで騒ぎ立てて、支払いを誤魔化す詐欺をする。しかしロドリゴは派手な騒ぎを起こす手法を嫌がる。そのことでリチャードはロドリゴが度胸不足だと感じて、パートナーを解消しようとする。そこでロドリゴは自分の腕前を証明して見せることにする。ロドリゴは女性とエレベーターに乗り込んで、こっそりと緊急停止ボタンを押す。そして、女性を助ける振りをしてカバンを受け取る。それを見たリチャードはロドリゴの善人顔が役立つと考える。

映画『クリミナル』のあらすじ【承】
リチャードの元にバレリーから電話がある。リチャードの詐欺師仲間がバレリーの働くホテルで倒れたからと助けを求めてきたのだ。そこでリチャードはロドリゴを連れてホテルに向かう。ホテルにはバレリーだけでなく、リチャードの弟も働いていた。バレリーは2人をリチャードの詐欺師仲間の元に案内する。詐欺師仲間はホテルに滞在する富豪のハニガンに偽造証券を本物と偽って売ろうと目論んでいたが、体調を崩してしまったのだ、大金が絡んだ山だけにリチャードは代わりに取引をすることを引き受ける。
リチャードは詐欺仲間の家に偽証証券を取りに行くが、事情を知らない夫人が渡すのを渋ってしまう。しかし、ロドリゴの巧みな話術で夫人を懐柔させることができ、リチャードはロドリゴも取引の分け前を渡すことにする。2人はホテルに戻り、ハニガムがトイレに入った隙にリチャードがトイレの中で騒ぎを起こして、ハニガムの関心を買う。そこでリチャードは証券のコピーを見せて取引を持ち掛け、収集家のハニガムは話に飛び付く。
映画『クリミナル』のあらすじ【転】
バレリーがホテルにいるリチャードに気付き、口論となる。そしてバレリーはロドリゴにリチャードの前の相棒が酷い目に遭ったと警告する。リチャードとバレリーは遺産相続を巡り訴訟争いしていたのだ。2人は再びハニンガム部屋に戻り、証券を鑑定士に見てもらう。鑑定士は本物可能性が高いと判断し、ハニガムは75万ドルの引き渡すと約束する。しかし、ホテルを出た2人の元に鑑定士が現れて分け前を要求する。鑑定士は偽造品と見破っていたのだ。リチャードは渋々応じる。
リチャードは路上でスリに遭い、偽造証券を盗まれる。リチャードはもう一つの偽物を渡すように詐欺仲間に頼みに行く。しかし、詐欺仲間は分け前の前払いを要求し、リチャードとリカルドにお互いに金を出し合うことにする。リチャードは自分の車を売って現金を用意し、偽造証券を手にする。ホテルに戻ったリチャードはバレリーと裁判の件を話し合うが、それをハニガムに見られる。そしてハニガムはバレリーと一晩過ごすことを取引条件にする。
映画『クリミナル』の結末・ラスト(ネタバレ)
リチャードはバレリーに頼み込むが、バレリーは遺産相続の件で弟にも真実を話すように要求する。リチャードは遺産を独占するために弁護士や判事と手を組んでいたことを明かす。バレリーは更に自分の分け前も要求する。リチャードはそれも受け入れ、リカルドと共に部屋で待機する。バレリーが小切手を持って現れ、リチャードはリカルドを連れて銀行に向かう。
2人は途中で強盗に遭遇する。強盗は小切手を要求したため、リカルドはリチャードが騙そうとしているのだと見抜いてしまう。リチャードはリカルドに謝り、2人で銀行に入る。リチャードが窓口に向かうが、小切手を受け取った行員は怪しまれてしまう。リカルドは慌てて銀行から飛び出し、リチャードも逃げようとするが逮捕されてしまう。一人となったリカルドはバーに向かう。そこにはリチャードの詐欺仲間やハニガムが集まっており、バレリーも姿を見せる。実はリカルドとバレリーは交際しており、全てはリチャードから遺産を奪い返すために仕組まれた罠だったのだ。
映画『クリミナル』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
上映時間が87分と短く、テンポ良く話が進んでいく。そのためにちょっと目を逸らしたら話に乗り遅れてしまうくらいだ。誰がどのように騙すのかが読めず、最後まで楽しむことができた。『オーシャンズ』シリーズなどの犯罪映画を数多く手掛けるスティーブン・ソダーバーグらしい作品だ。ただ、個々のキャラクターをもっと丁寧に描き、状況説明をした方が親切だったと思う。オリジナルがどのような展開になっているのかも気になった。(MIHOシネマ編集部)
記憶移植というSF的要素をベースにしながら、アクションと人間ドラマを融合させた異色のスパイ映画でした。ケヴィン・コスナー演じる冷酷な犯罪者が、記憶を得ることで徐々に「人間」になっていく過程がとても切なく、特にラストで家族のために犠牲を選ぶ展開には思わず涙。派手なガンアクションもありながら、内面の変化をじっくり見せてくれるバランスの良さが印象的でした。(40代 男性)
予想以上に感情に訴えかける作品で驚きました。序盤は単なる暴力的な男だった主人公が、CIA捜査官の記憶と感情を受け継ぐことで人間性を取り戻していく描写がリアルで感動的。娘に対する優しさや、最後に妻を救おうとする行動に、思わずグッときました。アクション映画としてだけでなく、人格やアイデンティティをテーマにしたドラマとしても見応えがあります。(30代 女性)
スパイ映画としてのスリルと、ヒューマンドラマの感動を同時に味わえる傑作。ケヴィン・コスナーが最初から最後まで荒々しい演技を見せつけつつも、少しずつ変わっていく様がすごく自然で見入ってしまいました。「記憶を移せば人格も変わるのか?」という問いかけが興味深く、終盤では完全に感情移入していました。重厚だけど観やすい映画でした。(20代 男性)
記憶移植というアイディアは正直B級っぽいかもと思っていたけど、蓋を開けてみればかなりシリアスで見応えのあるドラマでした。元の記憶の持ち主の恋人や娘と接するシーンは、主人公にとっても観客にとっても感情が複雑に入り混じっていて、泣けます。アクションのテンポも良く、ラストの決断には胸を打たれました。過小評価されがちだけど良作だと思います。(30代 女性)
前半はただ暴れてるだけに見える主人公が、後半にかけてどんどん変化していく過程にぐっと引き込まれました。記憶はただの情報じゃなく、感情も魂も宿っているのだと感じさせる展開が良かったです。派手なアクションと共に、「本当の自分とは何か」を問いかける内容になっていて、想像以上に深かった。ケヴィン・コスナーの存在感がとにかく圧倒的です。(20代 男性)
女性目線でも意外と感情移入しやすい作品でした。主人公が記憶の中の「愛」に触れて変わっていく姿に、思わず涙してしまうシーンがいくつかありました。記憶の持ち主の妻と娘とのやり取りは、サスペンスとは思えないほど丁寧に描かれていて、静かな感動があります。バイオレンスと繊細さの対比が印象的でした。(40代 女性)
記憶移植という題材に惹かれて鑑賞しましたが、想像以上に深いテーマ性がありました。人間の感情や人格はどこから生まれるのか、それは脳に宿る記憶だけなのか? という哲学的な問いが、物語の中で自然と浮かび上がってきます。ラストの“本物の家族”のために行動する姿には、無骨だけど真の優しさを感じました。ケヴィン・コスナーの代表作の一つと呼べると思います。(50代 男性)
「記憶を持っている=その人になるのか?」というテーマに惹かれました。暴力的で感情のない男が、記憶の中にある“愛”に触れることで人間的に変わっていくプロセスが胸を打ちました。ラストに家族を守る選択をしたとき、彼はもう「他人の記憶を持った犯罪者」ではなく、一人の“父親”だったと思います。哀しさと希望が入り混じった良作でした。(30代 男性)
ケヴィン・コスナーがこんな役をやるとは思ってなかったけど、見事なハマり役でした。全体的に暗めのトーンで、最初は感情移入しにくかったけど、徐々に彼の中に芽生える“他人の記憶からくる情”が変化を与え、最後にはしっかり涙させられました。スパイものと見せかけて、人間ドラマが芯にある秀逸な作品です。(40代 男性)
映画『クリミナル』を見た人におすすめの映画5選
フェイス/オフ
この映画を一言で表すと?
顔を入れ替えた2人の男が繰り広げる、極限の心理戦アクション。
どんな話?
FBI捜査官とテロリストが手術で“顔”を交換し、それぞれが相手の人生を生きることになる。善と悪の立場が逆転しながら、複雑な人間ドラマとド派手なアクションが展開されていく。ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタの怪演も必見。
ここがおすすめ!
『クリミナル』同様、人格や記憶、身体の入れ替わりにまつわるアイデンティティの混乱がテーマ。二重生活によって生まれる葛藤とドラマ性も強く、アクションのスケール感と深みのある物語を両立した傑作です。
ジェイソン・ボーン(The Bourne Identity)
この映画を一言で表すと?
記憶を失った男が、自分の正体を追い求めるスパイ・アクションの金字塔。
どんな話?
海で発見された男は、自分の名前すら思い出せない記憶喪失状態。しかし驚異的な戦闘能力を持つ彼は、次第に自分が国家の陰謀に関わる“兵器”だったことを知る。世界を股にかけた逃亡と戦いが始まる。
ここがおすすめ!
『クリミナル』と同様、「記憶と自我」をテーマにしたスパイサスペンス。マット・デイモンのリアルなアクションや、ハイテンションな追跡劇が魅力。記憶を巡るスリルと人間ドラマを堪能したい人にぴったり。
アップグレード(Upgrade)
この映画を一言で表すと?
体を乗っ取るAIが生み出す、怒涛の復讐と変身のサイバースリラー。
どんな話?
事故で下半身不随になった男が、最新のAIチップ“STEM”を埋め込まれたことで身体能力を取り戻すが、そのAIが彼の意志を乗っ取っていく。次第に彼は、自分の意思と正義の境界を見失っていく。
ここがおすすめ!
『クリミナル』のように「自分の中の別の存在」に翻弄される展開が特徴。超人的アクション、サイバーパンクな世界観、倫理観を揺さぶるラストが鮮烈。SFアクション×人間ドラマが好きな人に強く勧めたい。
トータル・リコール(Total Recall, 1990)
この映画を一言で表すと?
現実か妄想か? 記憶と運命が揺らぐ近未来アクション。
どんな話?
退屈な日常を送る男が、仮想記憶体験サービスを利用したことで、自分が実は火星のレジスタンスだったという“記憶”を取り戻していく。しかし、それが真実なのか作られた記憶なのか分からなくなっていく…。
ここがおすすめ!
記憶の移植や操作といった『クリミナル』の主題に非常に近い作品。アーノルド・シュワルツェネッガーのアクションとスリルあるストーリー、観る者を混乱させるラストまで楽しめる。名作SFアクションの定番。
トランセンデンス
この映画を一言で表すと?
人間の“意識”はどこまでデジタル化できるのか? 静かに迫るAIの恐怖。
どんな話?
死に瀕した天才科学者の意識がスーパーコンピューターにアップロードされる。その後、彼はネットワーク上で進化を遂げ、人間社会を支配し始める。果たして彼は人類の救世主か、それとも脅威か?
ここがおすすめ!
『クリミナル』と同様、“人格”と“記憶”が別の肉体やシステムに移植されるというテーマを扱っている。ジョニー・デップ主演で、静かだが深く考えさせられるSFドラマ。技術と倫理の境界を考えさせる良作です。
みんなの感想・レビュー