映画『クリミナル』の概要:偽造通貨の取引を巡る詐欺師の駆け引きを描いたサスペンス映画。アルゼンチン映画『NINE QUEENS 華麗なる詐欺師たち』のハリウッド・リメイク版で、スティーブン・ソダーバーグが脚本・制作を手掛ける。
映画『クリミナル』の作品情報
上映時間:87分
ジャンル:サスペンス、フィルムノワール
監督:グレゴリー・ジェイコブズ
キャスト:ジョン・C・ライリー、ディエゴ・ルナ、マギー・ギレンホール、ピーター・ミュラン etc
映画『クリミナル』の登場人物(キャスト)
- リチャード(ジョン・C・ライリー)
- ベテラン詐欺師。偶然出会ったロドリゴをパートナーに引き入れる。家族や詐欺師仲間も騙すような冷たい一面を持ち合わせている。
- ロドリゴ(ディエゴ・ルナ)
- 若手の詐欺師。リチャードにスカウトされて一日行動を共にする。親しみやすい雰囲気で相手を油断させる能力を持っている。
- バレリー(マギー・ギレンホール)
- リチャードの妹。高級ホテルで働いている。親の遺産相続を巡ってリチャードと揉めている。2人の弟もホテルの従業員をしている。
- ハニガン(ピーター・ミュラン)
- 旧紙幣を収集する大富豪。バレリーが働くホテルに滞在しており、リチャードから偽造証券の取引を持ち掛けられる。
映画『クリミナル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クリミナル』のあらすじ【起】
ロドリゴはカジノでウェイトレスを相手に釣り銭を誤魔化す詐欺をする。しかし、途中で気付かれて大騒ぎになる。その様子を見ていたリチャードは警察を装ってロドリゴを助け出す。自らも詐欺師であるリチャードは丁度パートナーを探していたのだ。2人は一緒に行動することになる。リチャードは呼び鈴を鳴らして、家主の孫になりすませてお金をせしめる手口をロドリゴに見せる。
ロドリゴはカフェで父親の借金を返済するために大金が必要なことをリチャードに説明する。リチャードはカフェで騒ぎ立てて、支払いを誤魔化す詐欺をする。しかしロドリゴは派手な騒ぎを起こす手法を嫌がる。そのことでリチャードはロドリゴが度胸不足だと感じて、パートナーを解消しようとする。そこでロドリゴは自分の腕前を証明して見せることにする。ロドリゴは女性とエレベーターに乗り込んで、こっそりと緊急停止ボタンを押す。そして、女性を助ける振りをしてカバンを受け取る。それを見たリチャードはロドリゴの善人顔が役立つと考える。
映画『クリミナル』のあらすじ【承】
リチャードの元にバレリーから電話がある。リチャードの詐欺師仲間がバレリーの働くホテルで倒れたからと助けを求めてきたのだ。そこでリチャードはロドリゴを連れてホテルに向かう。ホテルにはバレリーだけでなく、リチャードの弟も働いていた。バレリーは2人をリチャードの詐欺師仲間の元に案内する。詐欺師仲間はホテルに滞在する富豪のハニガンに偽造証券を本物と偽って売ろうと目論んでいたが、体調を崩してしまったのだ、大金が絡んだ山だけにリチャードは代わりに取引をすることを引き受ける。
リチャードは詐欺仲間の家に偽証証券を取りに行くが、事情を知らない夫人が渡すのを渋ってしまう。しかし、ロドリゴの巧みな話術で夫人を懐柔させることができ、リチャードはロドリゴも取引の分け前を渡すことにする。2人はホテルに戻り、ハニガムがトイレに入った隙にリチャードがトイレの中で騒ぎを起こして、ハニガムの関心を買う。そこでリチャードは証券のコピーを見せて取引を持ち掛け、収集家のハニガムは話に飛び付く。
映画『クリミナル』のあらすじ【転】
バレリーがホテルにいるリチャードに気付き、口論となる。そしてバレリーはロドリゴにリチャードの前の相棒が酷い目に遭ったと警告する。リチャードとバレリーは遺産相続を巡り訴訟争いしていたのだ。2人は再びハニンガム部屋に戻り、証券を鑑定士に見てもらう。鑑定士は本物可能性が高いと判断し、ハニガムは75万ドルの引き渡すと約束する。しかし、ホテルを出た2人の元に鑑定士が現れて分け前を要求する。鑑定士は偽造品と見破っていたのだ。リチャードは渋々応じる。
リチャードは路上でスリに遭い、偽造証券を盗まれる。リチャードはもう一つの偽物を渡すように詐欺仲間に頼みに行く。しかし、詐欺仲間は分け前の前払いを要求し、リチャードとリカルドにお互いに金を出し合うことにする。リチャードは自分の車を売って現金を用意し、偽造証券を手にする。ホテルに戻ったリチャードはバレリーと裁判の件を話し合うが、それをハニガムに見られる。そしてハニガムはバレリーと一晩過ごすことを取引条件にする。
映画『クリミナル』の結末・ラスト(ネタバレ)
リチャードはバレリーに頼み込むが、バレリーは遺産相続の件で弟にも真実を話すように要求する。リチャードは遺産を独占するために弁護士や判事と手を組んでいたことを明かす。バレリーは更に自分の分け前も要求する。リチャードはそれも受け入れ、リカルドと共に部屋で待機する。バレリーが小切手を持って現れ、リチャードはリカルドを連れて銀行に向かう。
2人は途中で強盗に遭遇する。強盗は小切手を要求したため、リカルドはリチャードが騙そうとしているのだと見抜いてしまう。リチャードはリカルドに謝り、2人で銀行に入る。リチャードが窓口に向かうが、小切手を受け取った行員は怪しまれてしまう。リカルドは慌てて銀行から飛び出し、リチャードも逃げようとするが逮捕されてしまう。一人となったリカルドはバーに向かう。そこにはリチャードの詐欺仲間やハニガムが集まっており、バレリーも姿を見せる。実はリカルドとバレリーは交際しており、全てはリチャードから遺産を奪い返すために仕組まれた罠だったのだ。
映画『クリミナル』の感想・評価・レビュー
上映時間が87分と短く、テンポ良く話が進んでいく。そのためにちょっと目を逸らしたら話に乗り遅れてしまうくらいだ。誰がどのように騙すのかが読めず、最後まで楽しむことができた。『オーシャンズ』シリーズなどの犯罪映画を数多く手掛けるスティーブン・ソダーバーグらしい作品だ。ただ、個々のキャラクターをもっと丁寧に描き、状況説明をした方が親切だったと思う。オリジナルがどのような展開になっているのかも気になった。(MIHOシネマ編集部)
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