映画『クリムゾン・リバー』の概要:ジャン・レノが主演を務めた本格サスペンス映画。フランスで爆発的ヒットとなった、ジャン=クリストフ=グランジェが発表したミステリー小説が原題となっている。
映画『クリムゾン・リバー』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:マチュー・カソヴィッツ
キャスト:ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル、ナディア・ファレス、ドミニク・サンダ etc
映画『クリムゾン・リバー』の登場人物(キャスト)
- ピエール・ニーマンス警視(ジャン・レノ)
- とある事件解決のために召集された敏腕刑事。次々と起こる連続殺人に翻弄される。
- マックス・ケルケリアン警部補(ヴァンサン・カッセル)
- 街で起きた墓荒らし事件と学校強盗事件の調査にあたっていた刑事。ニーマンスと合流する。
- フェニー・フェレイラ(ナディア・ファレス)
- 死体の第一発見者である女性。ニーマンスの調査に協力するが・・?
- ジュディット・エロー(ナディア・ファレス)
- 10歳という若さでこの世を去った少女。遺体は未だ発見されておらず、指だけが残された。
映画『クリムゾン・リバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クリムゾン・リバー』のあらすじ【起】
グルヌンというフランスにある穏やかな街で、ある日突然猟奇殺人事件が発生した。殺されたのは、大学の図書館で働く男性で、その遺体からは目が抜き取られ、さらに、両手が切断されていた。そして、それらの行為は彼がまだ生きている時に行われたと推測された。
この事件を解決するため、パリ警部からニーマンスという敏腕刑事が派遣された。ニーマンスが注目したのは、抜き取られた目だった。実はこの地方では昔から近親婚が多く、そのため先天的に目を患っている者が多かったという。
一方、街では墓が何者かに荒らされるという事件も起きていた。その墓には、不運な事故によって10歳という若さでこの世を去った、ジュディットという少女が眠っていた。また、小学校に強盗犯が入るという事件も同時期に起こっていた。しかし、その犯人は金目のものなどには一切手をつけていなかった。警察が調べを進めると、なんと犯人は、なぜかジュディットに関する資料だけを抜き去っていたことが判明した。
映画『クリムゾン・リバー』のあらすじ【承】
一方、ニーマンスは死体の第一発見者であるファニーという女性に話を聞きに行っていた。大学に通いながら登山家としても活躍するファニーは、とある山でその死体を発見したのだという。そして、その頃ニーマンスが検査に出していた、とある物の解析が終了した。それは、遺体の目が抜き取られた部分の空洞に溜まっていた雨水だった。その雨水を検査した結果、その雨水がとある場所にある氷河と同じ成分であることが判明した。そして、ニーマンスはファニーに協力を仰ぎ、その氷河へと向かうのだった。
一方、同じく事件を調査していたマックスという刑事は、墓荒らしと学校強盗事件の共通点であるジュディットについて調査を開始していた。マックスはジュディットが死んだ際の遺体の写真を見るが、それは指しか残っていないという非常に悲惨なものだった。
そして、マックスはジュディットの母親にもコンタクトをとる。しかし、ジュディットの母親は最愛の娘を失ってからというもの、精神的に不安定になっていた。そして、娘を悪魔にとられたと発言したのだった。
映画『クリムゾン・リバー』のあらすじ【転】
調査を続けていたマックスは、とある男性がこの事件に関わっている可能性があることを突き止める。その男性とは、街で産婦人科医を営んでいるセルティスという医者だった。一方、その頃氷河に辿り着いたニーマンスとファニーは、なんとその場でもう一つの遺体を発見したのだった。そして、その遺体こそが、現在マックスが行方を捜しているセルティスだったのである。
街に戻ったニーマンスは、セルティスの素性を突き止めるため彼の家へと向かった。そして、その時ちょうどセルティスを調査しようとしていたマックスが、彼の家の扉をこじ開けようとしていたのである。当初は互いを警戒していた二人だが、互いが警察であることが分かると、彼らは協力して事件の究明に乗り出すこととなる。
セルティスも、先の遺体と同様に目が抜き取られており、今回は代わりに義眼が埋め込まれていた。そして、ニーマンスがシュルヌゼという医師に会いに行った時だった。なんと、彼もまた何者かによって殺害されていたのである。そして、ニーマンスは何者かがその現場から立ち去るところを目撃する。
映画『クリムゾン・リバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ニーマンスとマックスは慌ててその後を追うが、結果的に逃げられてしまうのだった。そして、ここで不可解なことが起きる。犯人が残した銃に、ジュディットの指紋が付着していたのである。さらに事件を調査していた二人は、とんでもない事実を突き止めるのだった。
なんと、ファニー達が通う大学では、恐ろしい実験が行われていた。それは、遺伝的に優秀な人物同士を結婚させ、さらに優秀な人材を産ませるというものである。この街に近親婚が多い理由はそこにあったのだ。しかし、そのため遺伝的疾患が起きてしまった。そこで、彼らは外から優秀な遺伝子をこっそり入れるために、赤ん坊をすりかえるという禁忌をおかしていたのだった。
ジュディットとファニーは、そんな大学の犠牲になった少女達だった。ジュディットは自らの指だけを切断すると、自分が死んだかのように見せかけていた。そして、ファニーとジュディットは、大学に関わる人間を次々と殺害していったのである。ニーマンス達が真相を見破ったことで、殺人事件は解決した。そして、大学側による人体実験も、中止を余儀なくされたのだった。
映画『クリムゾン・リバー』の感想・評価・レビュー
劇中で登場する遺体は、激しい拷問を受け、痛々しさ満載ですが、それと同時に美しさも有し、フランス映画ならではの美術センスを感じることが出来ます。
クリムゾン・リバーは、ミステリー映画ですが、時折コメディ描写が入るため、緊迫感と楽しい気分、どちらも味わうことが出来る稀有な作品です。シリアスなシーンの次にはギャグが来たりと、視聴していて飽きることがありません。
ラストのラストまで、犯人像が分からない所は、ミステリー映画として成功していると思います。見応えのある良作映画です。(女性 20代)
グロテスクでシリアスな表現の中にも時々コメディが出てくるので、気分が悪くならずに最後まで見ることができます。
ジャン・レノとヴァンサン・カッセルのコンビでストーリーが進むのかと思ったら、2人で協力し合って事件を解決という流れにそこまでなっていなかったのが残念でした。2人なのにあまり相棒という感じがしません。
ミステリーにたくさん触れる人は途中で犯人の目星がついてしまうので、後半部分は楽しめないかもしれません。(女性 30代)
過激な描写が多いながらも、グロテスクさや気持ち悪さは無く、むしろ美しさを感じてしまった今作。
ジャン・レノとヴァンサン・カッセルのコンビがフランスの人々や街並みと物凄く合っていて、美しさを倍増させていました。
サスペンスではありますが、捜査する2人に感情移入できるような作りになっているので、あまり身構えることなく見られたと思います。
最後にしっかり謎が解けるのでスッキリ出来ました。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー