この記事では、映画『クライシス・オブ・アメリカ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『クライシス・オブ・アメリカ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『クライシス・オブ・アメリカ』の作品情報
上映時間:130分
ジャンル:サスペンス
監督:ジョナサン・デミ
キャスト:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーヴ・シュレイバー、ジェフリー・ライト etc
映画『クライシス・オブ・アメリカ』の登場人物(キャスト)
- ベン・マルコ(デンゼル・ワシントン)
- 湾岸戦争で米軍部隊を率いていた大尉。戦争中に洗脳され、レイモンドが英雄だと信じ込まされる。毎晩悪夢に悩まされている。
- エレノア・ショー(メリル・ストリープ)
- 上院議員で、レイモンドの母親。レイモンドを大統領にするために、軍事企業と手を組んでベンやレイモンドを洗脳した。
- レイモンド・ショー(リーヴ・シュレイバー)
- ベンの部隊にいた軍曹で、ベン同様に洗脳を受ける。湾岸戦争の英雄として勲章を受け、下院議員にも選出される。
- トム・ジョーダン(ジョン・ヴォイト)
- 上院議員で、レイモンドと副大統領候補の座を争っている。ベンから洗脳の真相について知らされ、行動しようとする。
- ユジェネー・ローズ(キンバリー・エルス)
- FBI捜査官。身分に偽ってベンに近付き、洗脳事件について暴こうとしている。
映画『クライシス・オブ・アメリカ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『クライシス・オブ・アメリカ』のあらすじ【起】
1991年のクウェートでベンの部隊は偵察任務に出発する。しかし、偵察を開始した途端に奇襲を受ける。そこでレイモンドが一人で反撃を開始する。2人が犠牲になったものの残りの兵士は助かり、レイモンドは名誉勲章を得て戦争の英雄となる。
ワシントンでクウェートでの出来事を講演していたベンは、同じ部隊にいた伍長が話し掛けてくる。伍長は記憶が錯乱していることを打ち明ける。政界ではとレイモンドがジョーダンと副大統領候補の指名を巡って党大会で競っていた。エレノアは党の重鎮達と会談する。ジョーダンが指名を受けることが決まっていたが、エレノアは皆を説得してその決定をひっくり返す。
レイモンドの副大統領候補指名のニュースを見たベンは部隊の全員が洗脳を受けている様子を夢見る。軍人の集まりがあり、レイモンドは軍事会社マンチュリアン・グローバルの幹部に紹介される。その場にいたベンはレイモンドと話をしようとするが、断られる。ベンは軍の聴取を受け、レイモンドが勲章を得るために全員が洗脳を受けたというベンの主張はデタラメだと一蹴されてしまう。

映画『クライシス・オブ・アメリカ』のあらすじ【承】
ホテルの部屋に戻ったレイモンドは謎の科学者から催眠を掛けられ、脳にチップを埋め込まれる。一方、ベンは伍長の部屋に侵入し、壁中に洗脳の絵が描かれているのを発見する。ベンはニューヨーク行きの電車の中でローズに話し掛けられる。ローズはベンの行きつけのスーパーの店員だと自己紹介し、マルコを従姉のアパートに案内する。
ベンはアパートでシャワーを浴び、自分の肩にチップが埋め込まれているのに気付く。それを取り出すが、流しに落としてしまう。ベンはチップについては知人のドイツ人博士に相談する。ドイツ人博士はかつて緊急治療用の情報が入ったチップを埋め込む実験が行われていたことを説明する。
ベンはレイモンドに選挙事務所まで会いに行く。そして自分の見る悪夢について説明する。レイモンドはそんな夢を見ないと否定する。ベンは肩のチップについて話し、レイモンドの肩に噛み付く。ベンは逮捕され、伍長の遺体が川で発見されたことを説明される。レイモンドはベンを告発しないことにし、ベンは釈放される。
映画『クライシス・オブ・アメリカ』のあらすじ【転】
ベンは、レイモンドから噛み取ったチップをドイツ人博士に調べてもらう。ドイツ人博士はマンチュリアン・グローバルがチップの研究をしていたことを明かす。ベンはドイツ人博士に頼み、電気ショック療法を施してもらう。その結果、ベンは孤島で全員が洗脳され、レイモンドが英雄的活躍をしたと信じ込まされたことを思い出す。
意識を取り戻したベンの前にローズが現れる。ベンは思い出した全てをローズに打ち明け、洗脳されたベンとレイモンドが兵士2人を殺してしまったことも話す。その後、ベンはアパートにカメラが設置されているのに気付き、逃げ出す。ベンはドイツ人博士の元に向かうが、研究所はもぬけの殻になっていた。
ベンは新聞記事を調べ、チップの研究者の中に自分を洗脳した科学者がいるのを見付ける。チップにより記憶や性格を操作することに成功していたのだ。マルコはジョーダンに会いに行き、全てを説明する。ジョーダンはエレノアとレイモンドに会い、マンチュリアン・グローバルのために科学者が湾岸戦争中にチップの研究していた疑惑を問い質す。そして大統領選挙から手を引くことを求める。
映画『クライシス・オブ・アメリカ』の結末・ラスト(ネタバレ)
エレノアはレイモンドを操るキーワードを口にし、催眠術を掛ける。ジョーダンは趣味のカヤックに出掛け、戻ってきたところでレイモンドに溺れさせられる。ジョーダンが事故で溺死したというニュースを見たベンはローズに会いに行く。ローズは自分がFBI捜査官であることを明かす。
大統領選挙投票日に、ベンは投票所でレイモンドにこっそり接触する。そこにエレノアからマルコ宛ての電話があり、エレノアはベンを操るキーワードを口にする。エレノアはレイモンドにベンが大統領候補を暗殺し、レイモンドが大統領に就任するという筋書きを説明する。全てはエレノアが仕組んだ陰謀だったのだ。
選挙結果が発表され、レイモンドと大統領候補の勝利が決まる。式典で、レイモンドは敢えてステージ上の目印の位置に立ち、エレノアを手招きする。ベンは目印を狙って引き金を引き、レイモンドとエレノアは死んでしまう。ローズはベンの潜んでいた場所に向かい、ベンの身を守る。FBIはマンチュリアン・グローバルに関係する別の人物が暗殺犯だったと発表をする。
ベンは洗脳が行われた孤島に戻り、部隊の写真を波打ち際に置く。
映画『クライシス・オブ・アメリカ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
スパイ小説『影なき狙撃手』を下敷きとしており、今作は2回目の映画化となる。洗脳を盛り込んだ筋書きに無理があると感じてしまうが、2001年の同時テロ事件後の米国の雰囲気を的確に捉えている点は素晴らしい。だからこそ敢えてリメイクする必要があったのだろう。錯乱している様子を見事に表現したデンゼル・ワシントンの演技も素晴らしい。それだけに全てがベンの妄想である可能性をもっと匂わせれば緊迫感が増したと思われる。(MIHOシネマ編集部)
デンゼル・ワシントンよりもメリル・ストリープが凄かったです。自分の息子を副大統領にするためならどんな手でも使ってくるめちゃくちゃ胸糞悪い母親で、観客をこんなにもイライラさせるのは彼女の演技が素晴らしいのだと感じます。
作中に何度も登場するカップヌードル。洗脳や陰謀論的なことが唱えられている今作ではカップヌードルもサブリミナル効果の一つとして使われているのではないでしょうか。この作品を見て、カップヌードルが食べたいと思った人は、完全にマインドコントロールされてしまっていますね。(女性 30代)
政治スリラーとして非常に見応えのある作品でした。戦争帰還兵の記憶と陰謀、企業の思惑が絡み合い、観ているこちらも何が現実か分からなくなるような感覚に陥ります。デンゼル・ワシントンの鬼気迫る演技が光っていて、疑念と狂気のバランスが見事でした。クライマックスの「母親」の存在が物語に深みを与えていて、単なる陰謀ものではない人間ドラマとしても秀逸。(30代 男性)
予備知識なしで観ましたが、引き込まれました。記憶を操作された兵士たちの真実が徐々に明らかになる構成がスリリングで、途中から目が離せなくなります。ママに操られるレイモンドの姿は正直ゾッとしましたし、彼を「利用」するというより「支配」していた母の異様さが怖すぎました。SFというより現実味がありすぎて、観終わったあともしばらく気が抜けませんでした。(20代 女性)
原作や1962年版のファンですが、リメイク版もかなり完成度高いです。時代背景を冷戦から現代の企業・政治支配にアップデートした点が素晴らしく、現代的な恐怖がしっかり伝わってきました。メリル・ストリープが演じる母親がとにかく圧巻で、その支配力の描写はまさに恐怖そのもの。デンゼル・ワシントンの混乱する兵士像も説得力があり、見ごたえある一本です。(50代 男性)
途中まで現実と幻覚の区別がつかず、何が真実なのか観ている自分も惑わされました。記憶の改ざん、洗脳、そして政治が絡むプロットは、現代の陰謀論社会を思わせて不気味なリアルさがありました。特に母親のレイモンドへの執着ぶりが狂気じみていて、単なる政治サスペンス以上に“親子”というテーマでも怖さを感じさせてくれました。緊張感の持続がすごい映画です。(30代 女性)
SFとしてもスリラーとしてもよくできている。個人的に一番印象に残ったのは、記憶を失った兵士が“自分を取り戻す”までの過程。過去の記憶に疑念を持ち始め、そこからすべてが崩れていく描写が丁寧で、恐怖よりも悲しさが残りました。デンゼル・ワシントンが真実に近づくラストにかけての緊迫感は映画ならでは。政治や社会に興味がある人にも刺さる内容です。(20代 男性)
サスペンスの構成が非常に巧みで、テンポもよく一気に観てしまいました。戦場で何があったのかという謎が少しずつ明かされていく過程が非常に丁寧で、ラストの衝撃的な展開へと繋がっていきます。母親の役割が鍵になっていて、彼女の存在が全体の空気を不気味に変えていくのが印象的でした。社会風刺としても完成度が高く、観る人によっていろんな感想が出そうな作品。(40代 女性)
かなり怖かった。ホラーではないけど、人間が人間を完全に支配するという構造があまりにもリアルで、心がざわつく。特にレイモンドが自分の記憶に振り回され、最後には母親の命令に従わざるを得なくなる描写は、悲劇でしかない。メリル・ストリープの冷酷さが本当に恐ろしい。現代の民主主義がどれだけ脆いか、リアルに突きつけてくる社会派スリラーだと思います。(30代 男性)
軍事と企業、そして選挙という構図にゾッとしました。記憶を操られた兵士を政治利用するというアイデアがすごく現実味があり、今の世界情勢を考えると他人事には思えない。メリル・ストリープの演技が素晴らしくて、冷酷な政治家像にゾッとする場面が何度もありました。全体的に重くて緊張感が続くので気軽には観れないけど、見応えは抜群です。(50代 女性)
映画『クライシス・オブ・アメリカ』を見た人におすすめの映画5選
ボーン・アイデンティティー
この映画を一言で表すと?
記憶を失った暗殺者が、自分自身の正体と陰謀に挑むスパイアクション!
どんな話?
海で救出された男は、記憶を一切失っていた。自分を追う謎の組織、謎の暗殺者たち、自身の身体に染みついた戦闘スキル……。彼は自分が何者かを突き止めながら、巨大な陰謀に巻き込まれていく。
ここがおすすめ!
『クライシス・オブ・アメリカ』のように、記憶やアイデンティティを軸にしたサスペンスが展開される作品。リアルなアクションとスリリングな展開でテンポよく観られ、シリーズ化もされているので没入感抜群。
大統領の陰謀
この映画を一言で表すと?
ジャーナリズムが権力の闇を暴く、実録政治スリラーの傑作!
どんな話?
アメリカ政治史を揺るがした「ウォーターゲート事件」を、ワシントン・ポストの記者たちが地道な取材で暴いていく実話をもとにしたサスペンス。報道と権力のせめぎ合いを緻密に描く。
ここがおすすめ!
陰謀を暴く側の視点で進むため、『クライシス・オブ・アメリカ』のように“何が真実か”に迫る緊張感を味わえる。丁寧な描写とリアリズムで、実際の事件を追体験できる骨太な1本。
ペリカン文書
この映画を一言で表すと?
ある調査レポートが、国家を揺るがす巨大な陰謀を暴く!
どんな話?
法科大学院生のダービーが書いた仮説レポート「ペリカン文書」は、ふたりの最高裁判事の暗殺の真相に近づいていた。その文書をきっかけに、彼女自身が命を狙われる身となる。彼女は真実にたどり着けるのか。
ここがおすすめ!
『クライシス・オブ・アメリカ』同様、陰謀と個人の闘いが主軸。政治、メディア、司法が絡む緊迫したサスペンスが魅力で、ジュリア・ロバーツの熱演にも注目。知的で緻密なプロットが好きな方に最適。
ゼロ・ダーク・サーティ
この映画を一言で表すと?
執念の追跡劇がリアルに描かれる、史上最大の作戦の真実。
どんな話?
9.11以降、CIAはウサマ・ビンラディンの行方を追い続けていた。数年に及ぶ諜報活動の末、ついに実行された暗殺作戦――その裏側にいた女性分析官の視点で描かれる緊迫の実録スリラー。
ここがおすすめ!
政府の裏側、情報戦、愛国心、正義と倫理の葛藤など、『クライシス・オブ・アメリカ』と同様に“国家の裏側”を描くシリアスな視点が秀逸。ラスト20分の作戦描写は圧巻のリアリズム。
トリプル9 裏切りのコード
この映画を一言で表すと?
腐敗と裏切りが交錯する、ハードボイルドな警察×犯罪スリラー。
どんな話?
警官、ギャング、FBI――すべてが裏でつながり、正義と悪の境界が曖昧になる中、一件の警察官殺しをめぐって事態は崩壊していく。誰が敵で誰が味方か。緻密なプロットと裏切りが連鎖するクライムサスペンス。
ここがおすすめ!
『クライシス・オブ・アメリカ』に通じるのは、信頼と操作、そしてシステムに支配された人間たちの悲劇。アクション要素も強く、スリルある展開が好きな方にぴったり。豪華キャストも必見です。
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