映画『ディープ・ブルー(1999)』の概要:『ジョーズ』とはまた違う、賢くなったサメと頭脳戦をしながら戦うという新感覚のモンスターパニック映画。監督は、レニー・ハーリン。主演は、サフロン・バロウズ。トーマス・ジェーン、サミュエル・L・ジャクソン他。
映画『ディープ・ブルー』 作品情報
- 製作年:1999年
- 上映時間:104分
- ジャンル:ホラー、SF
- 監督:レニー・ハーリン
- キャスト:トーマス・ジェーン、サフロン・バロウズ、サミュエル・L・ジャクソン、LL・クール・J etc
映画『ディープ・ブルー』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ディープ・ブルー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ディープ・ブルー(1999)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ディープ・ブルー』 あらすじ【起・承】
スーザンは、アルツハイマー病の特効薬を研究している研究者である。その研究とは、サメの脳からアルツハイマーに効く成分がとれるため、海軍の海上施設を再利用してサメを飼育するというものだった。その施設では、脳を大きくする改良を加えられたサメが、第一世代、第二世代、第三世代と3頭飼育されていたが、どのサメも脳が大きいため通常より賢い個体として育っていた。
スーザンの研究も佳境に入っていた頃だったが、サメの凶暴性に問題があったため、親会社は研究施設の閉鎖をスーザンに命じた。しかし成果を焦るスーザンは48時間猶予をくれと交渉し、海上の「アクアティカ研究所」で最後の研究に取り組む。出資してくれている会社の社長を説得のためにラボにつれてきて、サメの世話をしてくれているカーターと共に必死に説明をするスーザン。その時、サメの2頭が彼らに襲い掛かってくる。しかし銃を向けると、サメたちはバックで泳いで逃げていった。通常ではありえない行動は、大きくした脳のなせる業だったのだ。
映画『ディープ・ブルー』 結末・ラスト(ネタバレ)
麻酔で眠らせたサメから血清を取り出し、アルツハイマー病の脳に注入すると、脳の活性化が認められ、喜ぶ一同。しかし、目覚めたサメが、職員の腕を噛みちぎってしまう。重傷を負った職員を救急搬送するためのヘリを要請し、無事彼を乗せるが、サメが襲い掛かったせいで、ヘリは墜落、ラボは一部大爆発を起こした。また、サメがコンテナを硝子剤にぶつけてきたせいで、地下施設に海水が浸水してくる。スーザンやフランクリン、カーターは施設からの脱出のため、潜水艇に向かうが、潜水艇は破壊されていた。爆発のせいではなく、意図的に破壊された潜水艇を見て、まさかサメがと信じられないスーザン達。
なんとかサメの襲撃と海水をかわしながら地上を目指し進むが、仲間は一人また一人とサメの餌食になっていく。コックとスーザンによって2頭のサメは撃退したが、最も賢い個体が残っていた。地上にたどり着く間際で、スーザン達はこの一連のことそのものが、閉ざされた施設から外の海へと出ていくためにサメが仕組んだことだと気が付く。ただ逃げるだけではなく、サメを殺さなければとスーザンは自ら囮になり、命を落としてしまった。しかしカーターとコックのシャーマンは、なんとか最後に、サメを爆死させることができたのだった。
映画『ディープ・ブルー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ディープ・ブルー(1999)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
サメ映画の新境地
サメ映画を作っておけば儲かる、というような空気でもあるのか、定期的に作られるサメ映画。しかし「JAWS」がその代表として君臨しているからか、その後のサメ映画はサメがひたすら巨大だったり、透明になったり砂地を泳いだりと、どちらかというとトンデモ映画に走りがちである。しかし、このディープ・ブルーはまっとうなモンスターパニック映画に仕上がっている。アルツハイマーの血清を取るために、脳を巨大化する遺伝子操作を施されたサメが襲ってくるという設定も、そんなにぶっ飛んだものではない。サメの映像も最新のCGが使われており非常にリアルだし、地下施設から脱出するためにサメと知恵比べするという設定もサメにただ一方的に襲われる以上のスリルがある。個人的には、サメ映画の中では最高傑作だと思っている。
美しい映像
タイトルのディープ・ブルーのとおり、海中の施設は深い海の中にあり、描かれる海は深い青色をしていて本当に美しい。その深い青のなかを、巨大なサメが知能を持って襲い掛かってくるという絵が世界観を強固なものにしている。
ヒロインが死ぬ
バッドエンドのホラー映画でもない限り、なかなか主人公クラスの人間が死ぬことはない。しかし、この映画では最後の最後で、スーザンが自らを囮にしてサメを倒そうとし、命を落とす。ショッキングな展開ではあるが、そもそもサメを生み出したのはスーザンである。最初のサメを研究の成功の証なのにと逃がしたのもスーザンである。そのスーザンが、最後に自分自身の責任をとった形で物語が終わるのがまたすばらしい展開だった。
サメ対人間のパニックムービーは嫌というほどありますが、この作品は他の作品では味わえない海の美しさを感じられる作品です。
パニックムービーの見どころは襲われそうになる人間が命からがら逃げ切るところだと思うのですが、この作品の主人公は自分を犠牲にしてサメを倒すので完全なハッピーエンドではありません。しかし、映像の美しさや海の神秘を感じられることからも今作は他とは違う作品だと言えるでしょう。
大定番の作品なので、サメ映画初心者はまずここから始めてみるのもオススメです。(女性 30代)
映画『ディープ・ブルー』 まとめ
モンスターパニック映画としては、絵も美しくストーリーも秀逸で、かなりいい出来の作品。ただ一方的に殺戮されるだけではなく、迫りくる海水から逃れつつサメと知能戦を繰り広げるという設定も飽きさせない。サメ映画と言えば「JAWS」という常識を覆してくれる良作である。
ただアメリカ映画ならではの、そこで助かるのか!?絶対無理だろ!みたいな突っ込みたいシーンは無きにしもあらずなので、その点だけは分かった上で観ていただきたい。
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