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映画『デリカテッセン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『デリカテッセン』の概要:世界が荒廃し、食糧難に陥っていた近未来のとある町。そこには、産業が衰退していっても肉を客に提供し続けるデリカテッセンという店があった。新聞の求人広告を頼りにその店を訪れたルイゾンは、そこで肉屋の正体を知る。

映画『デリカテッセン』の作品情報

デリカテッセン

製作年:1991年
上映時間:100分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
キャスト:ドミニク・ピノン、マリー=ロール・ドゥーニャ、ジャン=クロード・ドレフュス、カリン・ヴィアール etc

映画『デリカテッセン』の登場人物(キャスト)

ルイゾン(ドミニク・ピノン)
芸人。新聞の求人広告を見て、デリカテッセンを訪ねる。
ジェリー(マリー・ロール・ドゥニャ)
デリカテッセンで暮らす女性。誰もが自分のことばかりを考えて生きるようになってしまった時代で、他人に親切にする心を持つルイゾンに心惹かれる。
肉屋(ジャン・クロード・ドレフュス)
デリカテッセンの店主。求人広告を出して求職者をおびき寄せ、売り物の肉にしている。

映画『デリカテッセン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『デリカテッセン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『デリカテッセン』のあらすじ【起】

路地裏にある肉屋、デリカテッセン。店主が包丁を研ぐ音が響く中、ルイゾンは紙袋で作ったスーツを着込んでいた。耳を澄ます。配管から厨房の音が聞こえた。店主はまだ包丁を研いでいる。店の外にゴミ収集車が止まった。男は慌ててゴミ箱に潜り込んで、ゴミ収集車がゴミを回収するのを待った。男はゴミに紛れて店主から逃れるつもりだった。男が待機していると、ゴミ箱の蓋が開けられた。男は助かったと一瞬期待した。しかし、男を見下ろしていたのは肉屋の店主だった。肉屋は笑いながら研いだばかりの包丁を振り降ろした。

ある日、店主が店の掃除をしていると、仕事を探しているという男が訪ねてきた。男の名はルイゾンといった。新聞の求人広告を見たというが、店主は求人を出していないと白を切る。ルイゾンは住所を間違えたかも知れないといって帰ろうとしたが、店主はルイゾンを引き留めた。ルイゾンの体格と肉付きを調べたあと、店主は彼を住み込みで働かせることを決めた。何も知らないルイゾンは職と住処を手に入れたことを喜んだ。

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映画『デリカテッセン』のあらすじ【承】

肉屋が部屋を借りているビルのテナントの管理を任されたルイゾンは、掃除に励んでいた。天井のペンキ塗り、店の看板の修理。ルイゾンは懸命に働いた。ある日、ルイゾンが電球の交換をしていると、郵便屋がやってきた。郵便屋はルイゾンの部屋の上階で暮らすジェリーという女性に荷物を届けようとした。そこに、同じビルの他の階にいた住民がやってきた。郵便屋が持っている荷物が食糧だと勘付き、ビルの住民は郵便屋から荷物を奪おうとした。その場に居合わせたルイゾンは、騒動から荷物を守り、ジェリーに渡した。荷物が宛先に渡ったことを確かめた郵便屋は、肉屋の店主に、二日前、近所で銃殺された者の話をした。肉屋は、その死体はどこだと問う。肉屋は「奴ら」に食われたと話した。肉屋の店主と郵便屋は壁に貼られたトログロ団のポスターを睨み付けた。

ジェリーは郵便屋に届けてもらった食糧を一緒に食べないかとルイゾンを誘った。ルイゾンは花束を持参してジェリーの部屋を訪ねた。ジェリーは人々が自分のことばかりしか考えていないと嘆いた。ルイゾンは仕方ないと話す。最近は何も無い。配給の靴まで食べる奴が出た。そんな冗談がまかり通るほど、町は食糧難だった。近所の住民に嫌気がさしていたジェリーは一緒に引っ越さないかとルイゾンを誘った。引っ越してきたばかりのルイゾンはその話を断ったが、そそっかしいジェリーを放っておけないという思いもあった。

映画『デリカテッセン』のあらすじ【転】

肉屋の店主の妻に頼まれて、ルイゾンはスプリングベッドの修理をしていた。ルイゾンは、油差しの口を拭くのに使った新聞の記事に眼を留めた。トログロ団。肉屋の妻は誰も見たことがない無法者集団だと語った。町の不況も犯罪も、全てはトログロ団のせいにされていた。

肉屋は家賃を払っていない住民の部屋を訪ね、金の催促をした。しかし、住民は払う金がないと言う。ならば、義理の祖母を売れと肉屋は迫った。住民は、腹が減っているなら、最近雇った男を先に食べたらどうだと勧めた。

ジェリーは、肉屋がルイゾンを食うつもりで雇ったことを見抜いていた。ルイゾンに好意を持ったジェリーは肉屋に彼を逃がして欲しいと懇願する。しかし、肉屋がジェリーの願いを聞き入れることはなかった。

ジェリーは夜遅く、肉屋の目を盗んで下水道に向った。彼女はそこに潜んでいるトログロ団に、ルイゾンの救出を依頼した。返答を渋るトログロ団だが、ジェリーが肉屋の倉庫に沢山のトウモロコシが貯蔵されていると伝えると、彼らはジェリーの依頼を快く引き受けた。

映画『デリカテッセン』の結末・ラスト(ネタバレ)

人は悪くなく、状況が悪い。人は人を赦すべきだ。ルイゾンがジェリーにそう話しているのを盗み聞きしていた肉屋の店主は、心打たれ、改心しようとしていた。あなたのようなゲスな男が何をと妻は思い留まらせる。その晩、ルイゾンの前に現れ、本性を見せた肉屋。肉屋は包丁を手に、ルイゾンに襲いかかる。一方、ジェリーの依頼を受けたトログロ団はビルに潜入していた。トログロ団は男の部屋に忍び込みそこに居た人物を浚って下水道に戻った。しかし、彼らが連れ去ったのは別人だった。

肉屋の攻撃をかわしたルイゾンは、ジェリーと共に、部屋に籠城した。戸を家具で塞いだが外には肉屋と彼に従う住人が待ち受けている。ルイゾンはジェリーを連れて浴室に向った。水道管を壊し、浴室に溜められるだけの水を溜めて、肉屋が来るのを待った。何も知らない肉屋が部屋の戸を壊し、浴室のドアを開けるとそこから勢い良く水が流れ出て、肉屋たちを浚っていった。丁度、間違いに気付いたトログロ団がルイゾンとジェリーの前に現れ、二人を救助した。

映画『デリカテッセン』の感想・評価・レビュー

その後のジュネ(&キャロ)の作風が予見できる作品。徹底的に作り上げた世界観がクセになる。荒廃した近未来という時代設定だが、インテリアなど美術効果で古き良き時代のパリという趣がある。

アパートの住人たちは個性派揃いで、変な人たちばかり。後年の『ロスト・チルドレン』や『アメリ』でも見られるような“仕掛け”が盛りだくさん。ジュネ作品の常連ドミニク・ピノンがいい味を出している。音楽もいい。サントラも映画も何度もリピートしている作品。(女性 40代)


『デリカテッセン』というタイトルだけで食べ物をテーマにした作品かなと思ってきましたが、パッケージから怪しい様子が漂っていて、想像とは全く異なる作品でした。
食べ物がありふれていて、すぐに手にすることができる時代を生きている私たちは、食料がないから人の肉を食うなんて考えられませんよね。人のものを奪ったり、靴を食べることが当たり前のように起きている世界は見ているだけで苦しくなりました。
彼らに明るい未来が訪れるのか、正しい道を歩めるのか複雑な気持ちになりました。(女性 30代)

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