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映画『独裁者と小さな孫』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『独裁者と小さな孫』の概要:架空の国を舞台に、独裁的な政治を行ってきた大統領が革命による暴動で命を狙われ、孫と共に逃亡を繰り返す姿を描く。監督を務めるのは『サイクリスト』などのモフセン・マフマルバフ。

映画『独裁者と小さな孫』の作品情報

独裁者と小さな孫

製作年:2014年
上映時間:119分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:モフセン・マフマルバフ
キャスト:ミシャ・ゴミアシュヴィリ、ダチ・オルウェラシュヴィリ、イャ・スキタシュヴィリ、グジャ・ブルデュリ etc

映画『独裁者と小さな孫』の登場人物(キャスト)

大統領(ミシャ・ゴミアシュヴィリ)
独裁的な政治で国民を統治してきた。暴動により命を狙われる。逃亡を続けるうちに自らの国の姿を目の当たりにし、心を痛めていく。
孫(ダチ・オルウェラシュヴィリ)
大統領の孫息子。祖父が国民にどのような悪影響を与えているのかはまったく分かっていない。祖父との逃亡をゲームの一環だと思い込んでいる。

映画『独裁者と小さな孫』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『独裁者と小さな孫』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『独裁者と小さな孫』のあらすじ【起】

とある国を統治している大統領は、ある日テロリスト7人を処刑する。テロリストのうちの一人はまだ16歳の少年だった。しかし大統領はその事実に心を痛めることはもはや無かった。これがこの国での日常的な光景だった。

大統領は孫息子を膝に乗せ「陛下はすべて思い通りだ」と言うと、電話をかけ街中の電気を消すよう命令する。すると視線の先ですべての光が消えた。感激した孫息子は「僕もやりたい」とせがむ。大統領は電話口で「孫の命令は私の命令だと思え」と命令する。

祖父を真似て街中の電気を消したり点けたりと繰り返す孫。しかし何度目かに街の明かりを点けよと命令した際、しばらく経っても電気は復旧しなかった。不審に思った大統領は何度も電話口に呼びかけるが、返事は無いままだった。

そのとき、視線の先にある街中で次々と爆発が起こる。大統領はこの国で暴動が起きたことを悟る。銃声は段々と大統領の住む宮殿へと近づいてきていた。大統領は孫を連れ、騒動が治まるまでのあいだ海外へ逃亡することを決意する。

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映画『独裁者と小さな孫』のあらすじ【承】

翌朝、自家用ジェット機へ向かう一行だったが、街中は暴動を起こした市民と兵士との市街戦が繰り広げられており、大統領の乗る車はたちまち包囲されてしまう。騒ぎの中で側近の一人が命を落としてしまう。

残った側近一人と孫の三人でバイクに跨り逃げる一行だったが、途中孫がトイレに行きたいと言い出し、大統領がそれに付き合っているあいだに残った側近の一人も逃げ出してしまう。

取り残された大統領と孫は姿を変えるため、近くの床屋へと入る。そこの店主はまだ街で起こっている騒ぎを知らず、急な大統領の来店に目を丸くしていた。店主に服を借り、頭髪と髭を剃ってもらい、さらにはカツラを被ったことにより、大統領は以前の面影を無くした。

大統領は近くの民家からギターを盗み出し、孫に「旅芸人のフリをするゲームだ」と教え諭す。孫は宮殿に帰りたいと駄々をこねたが、しばらく泣いたあとにゲームをすることを承諾した。孫は大統領が弾くギターの音に合わせ、宮殿で踊っていた頃のように華麗に舞った。

映画『独裁者と小さな孫』のあらすじ【転】

移民たちの乗るバスに乗り込んだ大統領と孫だったが、途中で兵士による検問に引っかかってしまう。国中では今、国民すべてが大統領の行方を捜していた。大統領を捕まえた者には1000万ドルの報酬が支払われる約束になっていたからだった。

旅芸人のフリで何とかその場をやり過ごす二人。そこに結婚式帰りの新郎と新婦の乗るリムジンがやってくる。兵士は車を止めると、中から花嫁を連れ出し、納屋の中でレイプする。大統領を含め移民たちは皆、銃を向けられる中助けることはできなかった。花嫁はその後銃殺された。

大統領と孫は続いて、刑務所から刑期を終えた囚人たちを運ぶ馬車に乗り込む。そこには足を負傷した元テロリストの男が乗っていた。移動の際に男は歩けないため、仕方なく大統領が背負って歩くことに。

男は過去の罪について語り出す。なんとその男は、大統領の息子夫婦を殺した犯人だった。しかし大統領は怒りを鎮め、旅芸人の演技を続けた。男は五年ぶりに妻の暮らす家に帰ったが、妻はすでに新しい夫を迎えており、子供まで産んでいた。絶望した男はその場で命を絶ってしまう。

映画『独裁者と小さな孫』の結末・ラスト(ネタバレ)

大統領と孫は海辺に辿り着く。ここで待っていればじきに迎えの船がやってくる手筈になっていた。しかしそのとき、遠くから市民と兵士が何十人もこちらに向かって走ってくるのが見え、二人は慌ててその場を逃げる。

しかし、砂浜には二人の足跡が残ってしまっており、近くの土管の中に身を潜めていた二人は見つかり、引きずり出されてしまう。大統領のこれまでの独裁政治に憎しみを抱えていた市民たちは、その場ですぐに大統領を射殺しようとする。

そのとき一人の老婦人が現れる。彼女は自分の息子を、大統領の命令により目の前で処刑された過去を持っていた。彼女は「射殺するくらいじゃ物足りない」と言い、大統領の前でまずは孫を殺すべきだと主張する。

しかし「孫は何も関係ない」と主張する死刑反対派の男の発言により、孫はその場で解放される。反対派の男は尚も国民に向け、復讐は連鎖し同じ結果を生むだけだと語りかける。国民の顔に悩みが生じ始める。しかし大統領の首筋にはまだ斧が構えられたままだった。斧を持つ男の手は震えていた。

孫は騒動から耳を塞いだまま、一人海を眺めていた。祖父と二人で作った砂の城が、打ち寄せる波によって崩れていった。

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