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映画『毒戦 BELIEVER』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『毒戦 BELIEVER』の概要:ジョニー・トー監督作品「ドラッグ・ウォー 毒戦」を韓国リメイクした一作。姿の見えない麻薬王「イ先生」を追う一人の刑事と組織に見捨てられた男が手を組み、大胆な潜入捜査に挑む。

映画『毒戦 BELIEVER』の作品情報

毒戦 BELIEVER

製作年:2018年
上映時間:124分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、フィルムノワール
監督:イ・ヘヨン
キャスト:チョ・ジヌン、リュ・ジュンヨル、キム・ソンリョン、パク・ヘジュン etc

映画『毒戦 BELIEVER』の登場人物(キャスト)

ウォノ(チョ・ジヌン)
麻薬取締官のチームを率いるベテラン刑事。手柄を上げようと、誰も姿を見たことのない麻薬王「イ先生」を追い始める。
ラク(リュ・ジュンヨル)
ウォノが狙う麻薬組織の工場で爆発事故に巻き込まれた青年。組織の犬として置いて行かれたと憶測され、潜入捜査のおとりに使おうとしたウォノの手伝いをするようになる。
ブライアン理事(チャ・スンウォン)
巨大組織の幹部。自身の神道を説くため宗教団体も率いている。ある取引を機にウォノとラクに近づいてくるが、正体不明の存在であり現場を困惑させる。

映画『毒戦 BELIEVER』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『毒戦 BELIEVER』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『毒戦 BELIEVER』のあらすじ【起】

誰も正体を知らない「イ先生」を追うウォノ。麻薬取締官として長く務めているが手柄を挙げられず、おとり捜査に利用していた少女が命を落とす事件が起きてしまった。上司には捜査の打ち切りを指示されてしまう。韓国で最大の麻薬組織を支配するイ先生の姿を諦めきれず、少しでもヒントを掴もうとするウォノの耳にある麻薬工場で爆破事件が起きたという情報が入った。唯一の生存者であるラクはイ先生との繋がりがある可能性が高く、ウォノは危険な潜入捜査を決心した。

ラクの証言を基に、ハリムという中国人麻薬バイヤーとの接触を試みるウォノ。ソンチャンという男を演じ会長との接触に成功したものの、威圧的な態度に委縮してしまう。さらにラクのネクタイピンに仕込んだ隠しカメラは、薬物中毒の妻のいたずらにより壊されてしまった。目的を達成したいウォノは「ライカ」と呼ばれる麻薬をネタにハリムに新たな話題を振った。新作を試し上機嫌になったハリムと妻は、その場では答えを濁すのだった。

ウォノは次に、ハリムとして本物のソンチャンと対面した。実際にハリムが見せた言動を真似てソンチャンを騙すウォノ。ラクが用意したライカには濁りがあると言い出したソンチャンは、ライカとより強力な新商品を用意していた。ソンチャンを信用させるため、両方を試したウォノ。あまりに強い麻薬の効力に、ウォノはイ先生と会わせるようソンチャンに銃を向け脅してしまうのだった。ソンチャンが部屋を後にしてから、ウォノの心臓発作を起こす。チームの仲間とラクの懸命な看護により何とか一命を取り留めるのだった。

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映画『毒戦 BELIEVER』のあらすじ【承】

ラクの仲間意識に苛立つウォノだったが、ハリムからの取引を受ける連絡が入り捜査は進展していく。ハリムのツテでライカの原料を手に入れることとなる。工場にはラクだけを向かわせたウォノ。そこで馴染みの青年二人と接触したラク。母親の死を悼み、笑顔を見せたラクの姿は、ウォノ達には新鮮であった。すぐにライカの製作に取り掛かるラクと青年達。30時間以上シャカリキに動き続ける姿は、麻薬を常用しないウォノ達には異様な光景であった。

突如工場にソンチャンとブライアン理事と呼ばれる男が訪ねてきた。リストにない男の存在に戸惑うウォノたち。ブライアン理事は事故の慰謝料だとラクに金を渡し、神学を説いた。思わず「イ会長の指示ですか?」と聞いたラクに対して、ブライアン理事は厳しい視線を浴びせ工場を後にする。

ブライアン理事はイ会長の弟であると情報を得たウォノたち。そしてウォノはおとり捜査で命を落とした少女が残したマークと、ブライアン理事が仕切る宗教のマークが同じであることに気付くのだった。

映画『毒戦 BELIEVER』のあらすじ【転】

ライカの仕上がりに併せて、一斉に関係する人物を逮捕する計画のウォノたち。ソンチャンの迎えを待つ中で、突如現れたハリムの妻たちに拉致されるのだった。ハリムはウォノの正体を突き止めていた。一方で工場を見張っていたチームの隊員たちも窮地に追い込まれていた。共に銃撃戦となった中ウォノの命を救ったラクだったが、工場に仕掛けられた爆弾がきっかけで部下のドンウが殉職したことでほかの部下たちはラクへの疑いを持ち始めてしまう。

部下たちの反対を押し切り、ラクとのタッグは継続することにしたウォノ。ソンチャンに呼ばれ、麻薬製造本部に向かったがそれは罠であった。ラクはソンチャンに連れられ、目を覚ますと手術台の上に乗せられていた。一方でウォノはブライアン理事と対峙する。自分がイ先生だと告白したブライアン理事だが、ウォノは動揺を隠しながらそれを否定した。機嫌を損ね、ブライアン理事がウォノに手を挙げようとした時、ソンチャンの部下が「イ先生から」だという荷台を届けに来た。その中にはソンチャンのものと思われる腕が入っている。手に握らせた携帯には「イ先生」と表示され着信が来ているのだった。

一同が携帯に集中した時、何者かが煙筒を投げ入れ銃撃戦となる。ウォノの部下たちも突入し乱闘になった中で、ブライアン理事は何者かに連れ去られた。目を覚ましたブライアン理事の前には防弾マスクをした二人の男が立っていた。それはラクがライカの製作を依頼した工場の青年達である。そして最後に現れたのはラクだった。

映画『毒戦 BELIEVER』の結末・ラスト(ネタバレ)

実はイ先生の正体はラクであった。ブライアン理事は上層部を爆発事件で一掃し、イ先生となるつもりだったのだ。ウォノと組んだことで全ての情報を仕入れたラクは、ターゲットをブライアン理事に絞っていた。ソンチャンは始末し、捨て子だった自分を育ててくれた母親も爆発事故で亡くなったことやこれまでの計画を、全てをブライアン理事に明かした。

ウォノが持っていた携帯に着信が入る。それはラクからである。指示された通り空港に向かったウォノの前には、背中に「ライカ」と焼き印を押されたブライアン理事が置き去られていた。全てを察したウォノ。気付いた時にはラクは爆破事件で負傷した犬を連れて姿を消していた。

ラクが残した大量の麻薬のおかげで、事件はブライアン理事を犯人とし解決したように見せかけ幕を下ろした。辞職したウォノは車である場所を目指す。GPSが指し示す場所で、「ライカ!」とウォノが叫ぶと目先の家から一匹の犬が走ってきたのである。実はラクの裏切りが頭によぎった時、ウォノは犬にGPSを付けていた。再び対峙した二人。

互いに銃を置き、テーブル越しに向か言い合った二人は温かなコーヒーを飲み交わしながら、窓の外に広がる雪景色を眺めた。不意にウォノが「人生で幸せだったことは?」と問うとラクはウォノを凝視する。そして一発の銃声が、静かで広大な土地に鳴り響くのだった。

映画『毒戦 BELIEVER』の感想・評価・レビュー

重厚でありながら、気持ちのいい余韻で作品を印象付ける展開と演出であった。ナチュラルに狂っている演者の凄みを感じる内容である。韓国ノアール作品独特の艶やかな残酷さは一度癖になると抜け出せない。今作も十二分にその味わいを堪能できる一作である。原案の「ドラッグ・ウォー 毒戦」の設定を大切にしながらも、無駄のない展開で見る者を魅了する2時間であった。(MIHOシネマ編集部)

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