映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』の概要:銀河のハテノハテ星雲にできたドリーマーズランドへの切符を手に入れたドラえもん達が銀河超特急(エクスプレス)に乗って未来のテーマパークに出かける。そこはヤドリと呼ばれる天敵に狙われていた。
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 作品情報
- 製作年:1996年
- 上映時間:97分
- ジャンル:アドベンチャー、アニメ
- 監督:芝山努
- キャスト:大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、肝付兼太 etc
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映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 あらすじ【起・承】
3日間ドラえもんが家に帰ってこない上にスネ夫たちに意地悪されたのび太は泣きながら家に帰宅する。するとそこに未来のテーマパークドリーマーズランド行きの入手困難なチケットを手に入れたドラえもんが帰ってきていた。
のび太たちは学校の裏山から出発する銀河超特急に乗り込む。車両は8両編成だが、中に入ると異空間とつながり車両が延々と続く仕組みになっている。各自に個室が分け与えられ、シューティングゲームなど近未来型の楽しみが詰まった夢の列車であった。それからワープに入って数日後、列車は夢の楽園ドリーマーズランドに到着する。
のび太たちを昔もんと馬鹿にする未来人アストン・ドン・ジェーンが登場し彼らの揶揄にはやれやれだったが、ドリーマーズランドに降り立ったのび太たちは興奮冷めまない。車両がそのまま宿舎に様変わりし、みんなはそこから好きな惑星へ遊びに出かける。のび太・ドラえもんは西部の星、ジャイアンとスネ夫は忍者の星、しずかはメルヘンの星へ。
のび太は西部の星で天才ガンマンの腕の発揮し見事保安官に任命される。昔もんと呼んできた未来人のアストン達を見返す。一方、忍者の星に行ったジャイアンとスネ夫。実はスネ夫は、本当はメルヘンの国に行きたかったのだがジャイアンに無理やりここに連れてこられた。二人は壁抜けの術・バッタの術・ネズミ変身の術がインプットされた巻物を仮免許皆伝で手にする。しずかは童話の世界が体験できるメルヘンの星へ。ところが人気童話は順番待ちで7人同時に王子に見初められるシーンに。しずかは王子に選ばれるものの、何回待っても王子がやってこない不細工な女の子たちにブーイングされてしまう。
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 結末・ラスト(ネタバレ)
翌日みんなで恐竜がいる中生代の星に行く。ロボットとはいえ本物さながらの恐竜たち。1日目に恐竜と仲良くなり翌日には恐竜レースに出るイベントがある星だ。そこで、ヤドリの不穏な影が…。ジャイアンとスネ夫がティラノサウルスを手なずけようとするが襲われ間一髪のところで恐竜ロボット達の動きが止まる。
異常事態の発生に、宿舎がある中央惑星に戻ると、そこはすでに宇宙制服を企てる寄生生物ヤドリに脅かされていた。車掌と再会し車両型の宿舎をつなげて何とか他の乗客も一緒に中央惑星を脱出するのび太たち。ところが宇宙でヤドリに襲われてしまい、行ってはならないと言われていた禁断の星に不時着する。
砂漠の砂の上に墜落したことで助かったのび太たち。そこはかつて鉱山としてにぎわった星だったので食料や武器が豊富にあった。そこでヤドリに寄生され隔離されていたスネ夫にのび太が寄生されてしまう。のび太はお風呂に入るしずかを襲いに行くも、真空ソープで撃たれ正気に戻る。そこで真空ソープがヤドリの弱点であることが明らかになる。
列車が壊れて逃げ場がない中、ジャイアンが炭鉱内に機関車があると聞き、落盤だらけで危ないことも聞かず、炭鉱に足を踏み入れる。そこでジャイアンは行方不明になっていた未来人のドンとジェーンに遭う。ところが落盤で入口がふさがれてしまう。助けに来たのび太たちが炭鉱の入り口でジャイアンの足跡を見つけ、ジャイアンが…死んでしまったと皆が絶望に襲われる。ところがその時、ジャイアン達が壁から機関車とともに現れる。忍者の星でもらった壁抜けの術が使える巻物を使っていたのだ。
そしていよいよヤドリとの直接対決。真空ソープで応戦し接戦だったが、ヤドリの天帝が大きな巨人を操っており、真空ソープが効かない。そこでのび太が自ら生け贄を買い出る。捕まえられ、ヤドリ天帝自らがのび太に寄生しようと巨人の中から飛び出した時、のび太が天帝を撃つ。天帝を失ったヤドリは宇宙へと退散していくのだった。
未来人たちとも仲良くなり、のび太たちは楽しい思い出と成長を重ねて旅を終えるのだった。
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
藤子・F・不二雄の生存時最後の公開映画
ドラえもんの映画はかつて毎年作者の藤子・F・不二雄が大長編として書いた漫画を映画化していた。原作者の書いた大長編漫画を映画化していた時代のドラえもん作品は楽しいだけでなく興味深く学習できる教育映画のような要素も加えられている。現在のエンタテイメント性に富んだドラえもん映画とは作風が違うところを見てほしい。
夢がある未来のテーマパークというとてもキャッチーな内容である。しかし廃れた銀河の果ての星雲にテーマパークを建てて再興するという展開は、福島県いわき市の常磐炭鉱跡地にスパリゾートハワイアンズを設立したことのようで、現代の時代を生きていても共感できるSFなのだ。
面白さの中にも学びや共感要素を必ず入れ込んだ藤子・F・不二雄は次回作「南海大冒険」の映画化を見届ける前に亡くなっている。
未来であっても生きる人間たちの心はいつも変わらない
未来の世界に不可能はないと思いたいのが現代人の心境ではないだろうか。しかし未来であろうと生きる人間の基本性質は変わらないことがこの映画から伝わってくる。
未来を託すヤドリという天敵がドリーマーズランドを支配していく様は実に不気味である。ヤドリは単に力が弱い子供や女性にまず寄生していくのではない。心が不安定なものからつけこむように寄生していくのである。それはのび太にガンマンの腕では及ばなく悔しさを隠し切れないアストンや、ジャイアンの言いなりばかりのスネ夫にまず寄生していくところから読み取れる。
つまり心の弱さこそ一番危険で、それらは便利な道具や科学技術が発展した未来の世界でも変えられないことを表現している。ひみつ道具という夢のあるものを提供する傍ら、ドラえもんという作品は、自らの努力なしには代えられないものがあることも同時に教えてくれているように思う。
映画『ドラえもん のび太と銀河超特急』 まとめ
この映画はわたしが小学生の時に幾度となく観た映画だ。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をオマージュした銀河超特急(エクスプレス)にのって、ベアリングロード(動く歩道)など、素晴らしい技術が発展した未来へいくのび太たち。好奇心が膨らむことばかりなのに、ヤドリという宇宙侵略をもくろむ生物にと必死に戦わなければならない。のび太達の未来人と現代人が共に戦う姿は何度みても楽しかった。
炭鉱で閉じ込められたジャイアンたちが、忍者の星で手に入れた壁抜けの術の巻物で機関車と共にのび太たちの前に現れるシーンの小物使いの天晴れなこと。わたしは100回以上観ているが、毎回感動して泣いてしまうドラえもんの中でも一二位を争う素晴らしい映画である。
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