映画『ドラゴン怒りの鉄拳』の概要:上海を舞台に、中国武術の大家である師匠を毒殺された愛弟子が、道場乗っ取りを企む日本武術の指導者らと対決するカンフー映画。『ドラゴン危機一髪』に続くブルース・リーの映画出演第2作にあたる。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:アクション
監督:ロー・ウェイ
キャスト:ブルース・リー、ノラ・ミヤオ、ロバート・ベイカー、ジェームズ・ティエン etc
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』の登場人物(キャスト)
- チェン(ブルース・リー)
- 精武館の師匠の愛弟子。短気で血気盛んなところがあり、師匠の死の真相を突き止めようとする。
- ユアン(ノラ・ミャオ)
- 精武館の門弟であり、チェンの婚約者。チェンと共に家族を持ち、精武館の教えを広めていきたいと思っている。
- 鈴木館長(橋下力)
- 日本武道の虹口道場の指導者。精武館の師匠を暗殺して、精武館を乗っ取ろうと企てている。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のあらすじ【起】
師匠の死を聞きつけたチェンは慌てて精武館に戻って来る。そして棺が埋葬されているところに駆け付け、動揺で取り乱してしまう。チェンは放心状態になり、ユアンはその身を案じる。健康だった師匠が突然病死したというのが信じられないチェンは、死の真相を暴いてみせると誓う。
精武館で師匠を追悼する式典が行われているところに虹口道場の鈴木館長の通訳がやって来る。通訳は鈴木館長に代わり、精武館の門弟達を侮辱する発言を繰り返す。チェンは怒りを覚えるが、師範が通訳の挑発に乗らないようにと制止する。
チェンは単身で虹口道場にやって来る。そして、日本武道がどんなものか試してみたいと挑戦を叩き付ける。全員総出でチェンに挑んでくるが、チェンは相手を次から次に蹴り飛ばしたり、投げ飛ばしたりする。そしてヌンチャクを取り出し、全員の足元を狙ってめった打ちにする。その様子を見た一番弟子がチェンに挑んでくる。チェンは攻撃の隙を与えぬまま連続で蹴りを決めて、一番弟子を打ち負かす。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のあらすじ【承】
事情を知った鈴木館長は怒り狂い、仕返しのための全員で精武館に殴り込むように指示する。精武館に虹口道場の武術家が乗り込んできて、精武館の門弟達と乱闘となる。精武館は荒らされ、チェンを引き渡さなければ精武館を閉鎖すると脅されてしまう。門弟達は師匠さえ存命だったらと嘆く。そこにチェンが戻って来る。師範は勝手な行動をしたチェンを責める。そして、チェンに身を隠すように命じるが、チェンは精武館のことが心配で逃げることを拒む。
夜中に眠れずにいたチェンは物音を聞いて厨房の前にやって来る。そして、門弟の2人が師匠殺しについて話しているのを耳にする。2人が菓子に毒を盛って師匠を殺したのだ、チェンは2人を殴り殺してしまう。
チェンは師範に毒殺についての手紙を書き残し、姿を消す。師匠の墓の前にいたチェンの元にユアンが探しに現れる。ユアンは精武館に戻るように説得しようとするが、チェンは迷惑を掛けられないと断る。2人は将来の夢を語り、チェンは決着をつけたら迎えに来ると約束する。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のあらすじ【転】
通訳が毒殺に関わった2人が殺されたことを鈴木館長に報告する。通訳は報復として警察を使って精武館に圧力を掛けることを提案する。警部が精武館にやって来てチェンを引き渡すように要求する。
鈴木館長は酒宴を開き、ロシア人の武術家と手を組む。酔っぱらった通訳は店の前で待っていた人力車に乗るが、その人力夫はチェンの扮装だった。チェンは真相を突き止めようと通訳を尋問する。通訳は鈴木館長の命令で師匠を毒殺したことを認める。チャンは通訳を見逃そうとするが、通訳が石を手に襲いかかって来たために殴り殺してしまう。
通訳の死を知った鈴木館長はチェンを逮捕するように警察に更に圧力をかける。警部は再び精武館にやって来てチェンの引き渡しを求める。しかし、師範はチェンの居場所は知らないと貫き通す。ユアンはこっそりと師範にチェンに会ったことを打ち明ける。
チェンは電話の修理人の振りをして虹口道場に潜入する。中ではロシア人が日本人相手に実力を披露していた。さらに鈴木館長は精武館の門弟を皆殺しにすることを命じる。一方、師範達はチェンを探しに師匠の墓にやって来るが、そこにチェンの姿はなかった。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』の結末・ラスト(ネタバレ)
チェンは敵討ちのために虹口道場に乗り込む。一番弟子が刀を抜いて襲いかかって来るが、チェンは返り討ちにする。チェンは道場の奥へと進み、ロシア人と対峙する。ロシア人は長身を活かした蹴りを繰り出してくるが、チェンはそれを巧みにかわして大量のパンチを浴びせる。ロシア人は足で絞め技をしてくるが、チェンは足を噛んで技を解く。チェンはロシア人の後頭部に跳び蹴りを食らわし、喉元にチョップを決める。
遂に鈴木館長と一対一の対決を迎える。鈴木館長が刀を手にしたので、チェンはヌンチャクを手に挑む。チェンはヌンチャクを巧みに操って鈴木館長を殴って刀をはじく。鈴木館長が素手で飛びかかって来ようとしたところに、チェンは天井に届くほどの高さにジャンプし、鈴木館長の喉元に跳び蹴り決めて止めを刺す。
師範達が精武館に戻って来ると、門弟達が皆殺しに遭っていた。そこに警部が日本の領事館員を連れてやって来る。領事館員は、全員を逮捕するように命じる。そこにチェンが戻って来る。チェンは警部に自首をする代わりに精武館を守るように約束させる。そして、チェンは銃殺隊が待ち構えている表に飛び出し、周囲に銃声が響き渡る。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』の感想・評価・レビュー
『明日に向かって撃て』などとも通じるラストシーンが印象に残る最高傑作。数少ないブルース・リー主演作の中で最もドラマチックな作品なのではないだろうか。師匠の敵を討ちたいと思いながらも、人を殺めることに抵抗を感じている主人公の悲しげな表情が堪らない。恋愛の要素も良いアクセントとなっている。実は、ジャッキー・チェン主演の続編が製作されている。興味がある人はそちらも観てみると良いが、クオリティーは大きく劣っている。(MIHOシネマ編集部)
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