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映画『エド・ウッド』あらすじネタバレ結末と感想

映画『エド・ウッド』の概要:「史上最低の映画監督」と呼ばれたエド・ウッドの半生を描いた1995年公開のアメリカ映画。ティム・バートン&ジョニー・デップという、今ではお馴染みとなったコンビによる伝記映画。

映画『エド・ウッド』 作品情報

エド・ウッド

  • 製作年:1994年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:コメディ、伝記
  • 監督:ティム・バートン
  • キャスト:ジョニー・デップ、マーティン・ランドー、サラ・ジェシカ・パーカー、パトリシア・アークエット etc

映画『エド・ウッド』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『エド・ウッド』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『エド・ウッド』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『エド・ウッド』 あらすじ【起・承】

1950年代、ハリウッド。

映画監督を目指すエド・ウッド(ジョニー・デップ)は、恋人のドロレスや仲間たちとともに小さな劇場で舞台の上演を行っていた。だがその出来はひどいもので、客もほとんど入らなかった。

映画スタジオで雑用としても働いていたエドは、映画会社のプロデューサーをなんとか説得し、性転換した男性の実話を基にした映画の制作を任される。

そんなある日、エドはベラ・ルゴシ(マーティン・ランドー)に偶然出会う。ベラはかつてドラキュラ役で一世風靡した人気俳優だったが、老いた彼にかつての面影はなかった。だがベラの大ファンであるエドは、彼を自分の映画に出演させることを決める。

エドは数日で脚本を書き上げ、『グレンとグレンダ』というタイトルも決める。だがその内容は性転換した男性の話ではなく、エド自身が悩んでいた女装癖にまつわる話だった。

脚本を読んで彼の女装癖を知ったドロレスに拒絶され、予定と違う内容に激昂したプロデューサーに怒られるエド。だが彼は気にすることなく映画の撮影を始める。

通常では考えられないペースで次々とシーンを撮っていくエドを、ベラは「天才だ」と褒め称える。しかし完成した作品はとても褒められたものではなく、興行的にも失敗に終わる。

だがエドは落ち込むことなく次の作品の構想を練っていた。

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映画『エド・ウッド』 結末・ラスト(ネタバレ)

次にエドが脚本を書いたのは『怪物の花嫁』という作品だった。

資金難によるトラブルに見舞われながらも、やっとの思いで作品を完成させたエド。だが、その作品も観客が暴動を起こすほど出来の悪いものだった。

そんな中、ベラが自殺未遂を起こす。重度の薬物依存症だった彼は、国からの生活保護が受けられなくなったことを嘆く。その事実を知ったエドは、彼を病院に入院させる。

そしてそこで、エドはキャシーという女性と出会う。すぐに彼女に惹かれるようになったエドはデートに誘い、2人は結ばれる。

幸せが続くかに見えたが、入院費を払えず退院させられたベラが、数日後に他界してしまう。憧れでもあり友でもあったベラの死。エドは失意に暮れる。

そんなある日、家賃の督促に来た大家と映画の話をしたエドは、彼が映画製作に興味があり、さらには1本分の製作資金を貯めているということを知る。

チャンスだと感じたエドは映画製作の全てを引き受ける代わりに、資金を提供する出資者になるよう大家を説得する。

そして彼は、『プラン9・フロム・アウタースペース』の撮影に取り掛かる。

全ての準備を整え撮影は順調に進むかと思われたが、撮影中に出資者から口出しされ続けたエドは怒りが爆発し、撮影を放置して撮影スタジオを出て行ってしまう。

バーにヤケ酒を飲みに行ったエドは、彼が最も尊敬する監督オーソン・ウェルズと出会う。自分も監督であり、いつも資金面で困っていることを打ち明けたエドは、オーソン・ウェルズから「他人の夢を撮るな、自分の夢を撮れ」というアドバイスをもらう。

そのアドバイスを聞いて自分が映画へ注いできた愛情を思い出したエドは、撮影スタジオに戻り、撮影を再開する。

出資者に一切の口出しを許さず作品を完成させたエド。上映された自信作に満足した彼は、劇場を出たところでキャシーにプロポーズし、2人は雨の中ラスベガスへと車を走らせる。

その後、エドは映画を撮り続けたが、その才能が評価されることはなく酒に溺れてその生涯を終える。

現在、彼の作品は多くの映画好きたちによって賞賛され、「史上最低の映画監督」という愛称で親しまれている。

映画『エド・ウッド』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『エド・ウッド』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

シネフィルのシネフィルによるシネフィルのための

シネフィルという言葉がある。「cinema」(映画)と「phil」(愛する)を合わせたフランス語の造語で、映画狂、つまり狂うほど映画を愛している人物のことを意味する。

そんなシネフィルの1人であり、今作でメガホンを握ったのがティム・バートン監督。そして彼が描いたのが、こちらもシネフィルの映画監督エド・ウッドだ。

エド・ウッドといえば、B級映画ならぬZ級映画を撮り続け(本人は真剣だった)、「学芸会レベル」などと揶揄されてきたことで有名なのだが、今では熱狂的なファンがいるほど評価され「史上最低の映画監督」という愛称で呼ばれている。

そんな彼の作品の中でも最も人気のある『プラン9・フロム・アウタースペース』を撮るまでの姿が今作では描かれているのだが、ティム・バートンのエド・ウッドへの愛情がひしひしと感じられるものとなっている。

エド・ウッドの作品に出てくるシーンはセットを作り忠実に再現され、配役にもこだわりが見える。特に、ベラ・ルゴシ役のマーティン・ランドーとヴァンパイラ役のリサ・マリー(当時のティム・バートンの元恋人)には鳥肌が立つほど感動させられる。

作品としての完成度も高い。高いんだけど、これ、映画好きじゃないと全然楽しめない。開始10分で眠たくなると思う。それを加味してのオススメ度★★。

だが、映画好きは終始ニヤつきながら観るだろう。

これは、シネフィルのシネフィルによるシネフィルのための映画だ。

夢を持つという恐怖

今作ではエド・ウッドの半生が喜劇的に描かれている。どんなに否定されようと気に留めることもなく映画を撮り続けた彼からは、夢を持つということの喜ばしさのようなものを感じる。

だがその反面、悲劇的な印象を受ける瞬間が何度もある。笑顔の彼から目をそむけたくなる。ここまで報われないものか、と。

夢を持って俳優になったであろうベラ・ルゴシも、エドと出会ったころには薬物に溺れ、死を待つだけの人生を送っている。彼もまた、報われなかった者の1人だろう。

果たして自分の夢は報われるのか、と自問させられる。

夢を持つ者の喜劇と悲劇の混在のバランスが見事な作品だ。


本作は、アメリカで「世界で最低の映画監督」と言われたエド・ウッドの半生を、彼を尊敬してやまないティム・バートン監督が描いた伝記コメディー作品。
モノクロームの映像の雰囲気が良かった。
そして、半ば辺りでそれがネタになっているところもまた素晴らしい。
周囲から否定されても自分の作りたいものを貪欲に作品化し貫き続けた彼への尊敬の念を感じずにはいられなかった。
エド・ウッド監督の作品が観たくなること間違いなし。(女性 20代)


映画に対する評価って本当に人それぞれで、見る人によって感じ方も違うし万人受けする作品は「普通」なんて評価されてしまったりと、かなり難しくてレベルの高い世界ですよね。今作はそんな映画の世界で、評価を気にせず、自分が求める作品を撮り続けた映画監督エド・ウッドの半生を描いています。
彼の作品を見たことが無かったのが恥ずかしくなるほど魅力的でユニークで一生懸命なエド・ウッドの姿。ジョニー・デップが演じたことでより魅力的に見えてしまっている可能性もありますが、自分らしさや自分の夢を追い続けたからこそ「史上最低の映画監督」なんて愛称で呼ばれ、後世に名を残す監督となったのだろうと感じました。(女性 30代)

映画『エド・ウッド』 まとめ

作品自体は否定されてきたエド・ウッドだが、彼にはなぜか協力者が多い。当時人気女優だったヴァンパイラが彼の作品に出演していることからもそれがうかがえる(赤狩りのせいで職を失ったからというのが一番の理由だが)。

彼の映画に対する熱意や愛嬌のある性格が人を惹きつけるのだろう。そんな彼を演じたジョニー・デップが魅力的だった。そして彼の周りにいた人物たちを演じたマーティン・ランドーやパトリシア・アークエット、ビル・マーレイ、というかもう全員が本当に魅力的だった。

それにしても、ヘレナ・ボナム・カーターしかりリサ・マリーしかり、自分の作品に恋人を出すのが好きだなティム・バートン。

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