この記事では、映画『アイズ ワイド シャット』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アイズ ワイド シャット』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『アイズ ワイド シャット』 作品情報

- 製作年:1999年
- 上映時間:159分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー
- 監督:スタンリー・キューブリック
- キャスト:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、トッド・フィールド etc
映画『アイズ ワイド シャット』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『アイズ ワイド シャット』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『アイズ ワイド シャット』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『アイズ ワイド シャット』 あらすじ【起・承】
ニューヨークの開業医であるビル(トム・クルーズ)は妻アリス(ニコール・キッドマン)と娘とともに幸せな生活を送っていたが、ビルとアリスは倦怠期を迎えていた。
ある日、ビル夫妻は知人が主催したパーティに出席する。そこでピアニストを務める大学時代の旧友ニックと再会したビルは、アリスと別行動をする。一方、一人になったアリスは男に口説かれる。
ニックと別れたあと、ビルはパーティの主催者であるジーグラーの部屋に呼ばれる。そこでは、元ミスコンのマンディという女がドラッグの過剰吸引で倒れていた。ビルの処置によって大事には至らなかったが、ジーグラーはこの一件を他言しないよう彼に口止めをする。
男に口説かれたアリスは揺らぐような反応を見せながらも、夫がいることを理由に誘いを断ってその場を去る。
帰宅後、体を重ねる2人だったが、ささいなことで口論になる。そして、どんな女性に対しても浮気心を抱いたことがないと主張するビルに対し、アリスは他の男との関係を望むようなことをほのめかす。アリスの告白に呆然とするビルに一本の電話がかかってくる。それは、彼の患者が他界したという報せだった。
患者の遺族に顔を出したビルは、その帰り道、アリスが他の男に抱かれる姿を妄想して煩悶する。そして、娼婦に声をかけられた彼は誘われるまま彼女の部屋に入る。行為に及ぼうとしたビルだったが、帰りが遅いことを心配したアリスからの電話で我に返った彼は何もせずにその場を立ち去る。

映画『アイズ ワイド シャット』 結末・ラスト(ネタバレ)
悶々とした気持ちを抱いたままのビルは帰宅せずにバーに入り、そこでピアノの演奏をするニックと再び会う。演奏を終えたニックと酒を飲んだビルは、彼から奇妙な話を聞く。それは、謎の集会に呼ばれて目隠しをされた状態でピアノを弾くという怪しい仕事の話だった。
興味を持ったビルはニックを説得し、その集会が行われる場所と、参加に必要なパスワードを聞き出す。そして、その集会に参加するには仮装する必要があるということを知ったビルは仮装用の仮面とマントを購入して現地へと向かう。
そこでは仮面をつけた多くの男女が儀式のようなものを行い、他人の前で性行為をするという異様な光景が広がっていた。
動揺しながらも探求心を抑えられなくなったビルは他の者とは違う行動を怪しまれ、部外者であることがバレてしまう。赤いマントの男に呼ばれ、男たちに囲まれたビルは仮面を取ることを命じられ、素顔を晒す。さらに裸になることを強要されたビルだったが、一人の女性が身代わりになり彼を救う。女性の素顔を知ることができないまま、ビルはその場を追い出される。
翌日、ビルは事の真相を探るためニックが宿泊しているホテルを訪ねるが、彼はすでにチェックアウトをしていた。ニックが怯えた様子で二人の男に連れていかれたという話をホテルの受付係から聞いて不審に感じたビルは、さらに新聞記事でマンディが死亡したという事を知る。
病院を訪ねたビルは安置されているマンディの遺体を確認し、彼女こそが自分の身代わりになった仮面の女性だと確信する。
途方に暮れるビルはジーグラーから電話で呼び出される。そして、ジーグラーが集会の一員で前夜の一部始終を目撃していたということを伝えられ、余計な詮索をしないように忠告を受ける。
混乱したビルは帰宅し、涙を流しながらアリスに全てを打ち明ける。
翌日、娘を連れてクリスマスの買い物に出たビルとアリスは、数日間の夢か現実か分からないような出来事を回想し、そして、互いに愛を伝え合う。
映画『アイズ ワイド シャット』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『アイズ ワイド シャット』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
伝えたいことはただ一つ
それまで非現実的なフィルターを通して現実を描いてきたスタンリー・キューブリック監督が、今作では現実を正面から描いている。現実だけでなく夢との交錯もあるが、その夢さえも現実なのではないかと、ビルという一人の男の視点を通して感じてしまう。
秘密結社らしき集団なども登場させてビルの葛藤を長々しく描いているが、今作が伝えたいことはただ一つ。それは「セックスをしろ」だ。これは、ラストシーンでのアリスのセリフからも読み取れる。
散々まわりくどい表現で物語が進んでいくのに、この作品の主題は最後のアリスの言葉に凝縮されている。「とにかく、私たちは愛し合ってる。だったらやるべきことは決まってるわ。F○CKよ」という彼女の言葉に。
なんて稚拙な。と思う人もいるだろうが、この世界での男女関係は最終的にはこの結論に帰結するのではないだろうか。それを、キューブリック監督は映画という表現を用いて世界に発信した。
男は現実で性に対する欲望を探求し、女は妄想や夢の中で性に対する欲望を探求する。この対比も面白かった。
物理的な仮面と精神的な仮面
ほとんどの人は日常生活を送る中で、精神的な仮面をつけて生きている。初対面の相手に面と向かって「俺は君とセックスがしたい」なんて言う人はいないだろう。
この精神的な仮面をつけているのが、主人公のビルだ。彼はあくまで紳士的で、表面上だけで人間関係を築き上げてきた。そんな彼が本物の仮面を、物理的な仮面をつけると、それまで内に秘めてきた性への探求心が爆発する。
精神的な仮面で欲望を隠している人々が、物理的な仮面をつけることによって欲望を開放させる。それを表現するために今作では、仮面を欲望のメタファーとして登場させる。この構造が人間の真理を突いていて、はっとさせられる。
だがもしかすると、仮面にはもっと別の意味が込められていたのかもしれない。凡人には理解できない、キューブリック監督の想いが。
本作は、結婚9年目の夫婦に訪れる危機と、性に対する探求を描いたスタンリー・キューブリック監督の遺作となったサスペンスミステリー作品。
上手く消化できていないけれど、とにかく奇妙で最後までどっぷり食い入るように鑑賞。
無駄な詮索や疑り深い考察は何もいいことないと言われているかのような気分だった。
そして、倦怠期を迎えた夫婦がどのように危機を乗り越えていくのか、実生活でも夫婦だったトム・クルーズとニコール・キッドマンのリアルな演技も見応えがあり、あっという間の3時間だった。(女性 20代)
様々な疑惑の残る今作。独特の世界観を世に送り出してきたキューブリックが今作の公開後、原因不明の心臓発作で亡くなるというあまりにもタイミングの良すぎる出来事で今作に対する疑惑や注目度は想像以上に大きくなりました。それは、今作の内容も関係していて秘密結社や、仮面を付けた不気味なパーティー、そしてセックスと、人が興味を持つ要素がふんだんに盛り込まれているのです。
見れば見るほど謎が深まる今作。現実と非現実の狭間を感じながら鑑賞して欲しいです。(女性 30代)
とても不思議な映画。
映像は光や色が美しく、ただ眺めていても飽きない。ストーリーは謎めいた集会(?)やつかみ所のない登場人物達のおかげで、ぼーっとしていると何が起きているのか分からなくなっていく。そしてこの出来事がたった一晩の間に起きたことに感動に近いものを覚える。
意味など考えなくても十分に楽しめるので、公開から20年近く敢えて意味を考えようとはしなかった。あらためて考えてみると、そうかこれは普段観て観ぬ振りをしていることについての話なのかもしれない。(男性 40代)
最初は夫婦の痴話喧嘩のように始まりますが、次第に物語は不穏な方向へ進み、観ているこちらも現実感を失っていきます。ビルが夜の街を彷徨い、秘密の儀式に足を踏み入れる展開は、エロスよりも強い不安と恐怖を感じました。仮面の集団は明確な説明がされないからこそ想像力を刺激され、余計に不気味です。最後、夫婦が日常に戻ったようで戻れていない余韻が非常に印象的でした。答えを提示しない映画ですが、それがかえって記憶に残ります。(20代 男性)
結婚生活の中に潜む欲望や嫉妬、不安をここまで露骨に描いた作品は珍しいと思います。アリスの告白によってビルの自尊心が崩れ、彼が夜の街で彷徨う姿はとても痛々しい。秘密結社の儀式は非現実的なのに、どこか現実と地続きに感じられるのが怖いです。ラストで二人が「続ける」選択をするのも、解決ではなく一時的な合意に過ぎないように思えました。夫婦という関係の脆さを突きつけられる映画です。(30代 女性)
スタンリー・キューブリックの遺作として構えて観ましたが、想像以上に静かで不穏な作品でした。派手な展開は少ないものの、常に漂う緊張感が途切れません。特に仮面舞踏会のシーンは、美しさと恐怖が同時に存在し、忘れがたい映像体験でした。ビルは何かを知ったようで、結局何も掴めていない。その宙ぶらりんな感覚が、現実世界の権力や欲望の構造を暗示しているように感じました。難解ですが、考察しがいのある一本です。(40代 男性)
正直、一度観ただけでは理解しきれませんでした。しかし、後から考えるほど味わいが増す映画だと思います。アリスの夢の告白がすべての引き金になっているにもかかわらず、彼女自身は物語の中心から外れている。その構造がとても象徴的です。ビルが経験する出来事は現実なのか幻想なのか分からず、観客も同じ迷路に迷い込みます。最後の会話が前向きなのか、諦めなのか判断できない点も含めて、非常に大人向けの作品だと感じました。(20代 女性)
この映画はエロティックだと言われがちですが、実際に観ると欲望よりも不安の方が強く残りました。人はどれだけパートナーを理解しているつもりでも、心の奥底までは分からない。その怖さを突きつけられます。ビルの行動は軽率で滑稽にも見えますが、誰しも同じ衝動を抱える可能性があると思うと他人事ではありません。仮面のモチーフが象徴する「本音を隠した社会」というテーマが、現代にも通じていると感じました。(50代 男性)
映像と音楽がとにかく印象的で、現実が少しずつ歪んでいく感覚に引き込まれました。クリスマスの装飾が美しいはずの街が、どこか冷たく見えるのも効果的です。アリスの存在は物語の中心でありながら、ビルの視点でしか描かれないため、彼の未熟さがより際立ちます。最後に夫婦が日常へ戻ろうとする姿は救いにも見えますが、同時に不安も残る。簡単に答えを出さないところが魅力です。(30代 女性)
若い頃に観たときは難解で退屈に感じましたが、年齢を重ねてから再鑑賞すると印象が大きく変わりました。結婚生活の中で抑え込まれる欲望や、言葉にしない不満がリアルに描かれています。ビルが体験する出来事は、権力構造の縮図のようにも見え、ただの幻想では終わりません。すべてを理解する必要はなく、この不安定さを感じ取ること自体が重要な映画だと思いました。(60代 男性)
映画『アイズ ワイド シャット』を見た人におすすめの映画5選
マルホランド・ドライブ
この映画を一言で表すと?
現実と夢が溶け合う、答えのない悪夢のような映画体験。
どんな話?
女優を目指してハリウッドにやって来た女性と、記憶を失った謎の女の出会いから始まる物語。物語は進むにつれ、時間軸や人物像が崩れ、観客は現実と幻想の境界を見失っていく。明確な説明を拒む構成の中で、人間の欲望や後悔、自己欺瞞が浮かび上がる作品。
ここがおすすめ!
説明されない恐怖や不安を体感させる点が『アイズ ワイド シャット』と非常に近い。物語を理解するよりも、雰囲気や感情を受け取る映画が好きな人におすすめ。観終わった後も考察が止まらず、記憶に深く残る一本。
危険な関係
この映画を一言で表すと?
欲望と策略が交錯する、上流階級の残酷な恋愛劇。
どんな話?
18世紀フランスの社交界を舞台に、男女が恋と誘惑を武器に互いを操り合う物語。愛と快楽をゲームのように扱う登場人物たちの関係は、次第に破滅へ向かっていく。表向きは優雅だが、内側では欲望が渦巻く世界が描かれる。
ここがおすすめ!
仮面を被った社交界という点で、『アイズ ワイド シャット』の秘密結社を連想させる。欲望と権力が絡み合う関係性の描写が非常に鋭く、大人向けの心理劇が好きな人に刺さる作品。
セブン
この映画を一言で表すと?
人間の罪と闇を突きつける、救いのないサスペンス。
どんな話?
連続殺人事件を追う二人の刑事が、人間の七つの大罪をテーマにした凄惨な犯罪の真相へと迫っていく。捜査が進むにつれ、善悪の境界は曖昧になり、観る者に強烈な問いを投げかける。重苦しい空気が最後まで続く物語。
ここがおすすめ!
明確な答えを示さず、観客に不安と疑問を残す構成が共通している。人間の内面に潜む闇を直視させる点で、『アイズ ワイド シャット』が持つ哲学的な怖さが好きな人におすすめ。
ドニー・ダーコ
この映画を一言で表すと?
思春期の不安と世界の歪みが交差する、謎多き青春映画。
どんな話?
郊外に暮らす少年ドニーは、巨大なウサギの幻影に導かれ、不思議な出来事に巻き込まれていく。時間や運命、選択といったテーマが複雑に絡み合い、物語は一度観ただけでは理解しきれない構造を持つ。
ここがおすすめ!
現実と非現実の境界が曖昧な世界観が、『アイズ ワイド シャット』の夢のような構成と通じる。説明不足を恐れず、観客に解釈を委ねるタイプの映画が好きな人におすすめ。
ノクターナル・アニマルズ
この映画を一言で表すと?
過去の選択が、静かに心を蝕んでいく復讐劇。
どんな話?
裕福な生活を送る女性のもとに、元夫が書いた小説が届く。物語と現実が交錯する中で、彼女はかつての選択と向き合わされていく。フィクションの中の暴力と、現実の後悔が重なり合う構成が特徴。
ここがおすすめ!
表面的な成功の裏にある空虚さや後悔を描く点が、『アイズ ワイド シャット』と共鳴する。映像美と心理的な痛みを同時に味わえる、大人向けの一本。






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