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映画『永遠の僕たち』あらすじネタバレ結末と感想

映画『永遠の僕たち』の概要:交通事故で両親を亡くしてから見知らぬ人の葬式めぐりをしていた高校生と余命3ヶ月を宣告された少女が出会い、愛することのつらさと喜びを経験していく。ガス・ヴァン・サント監督作品。2011年公開のアメリカ映画。

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映画『永遠の僕たち』 作品情報

永遠の僕たち

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:90分
  • ジャンル:ラブストーリー、青春、ファンタジー
  • 監督:ガス・ヴァン・サント
  • キャスト:ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮、シュイラー・フィスク etc

映画『永遠の僕たち』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『永遠の僕たち』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『永遠の僕たち』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『永遠の僕たち』 あらすじ【起・承】

高校生のイーノック(ヘンリー・ホッパー)は両親を交通事故で亡くしてから知らない人の葬式めぐりをしていた。ある日、ガン病棟にいた子供の葬式に出たイーノックは、そこでアナベル(ミア・ワシコウスカ)という同い年くらいの女の子と知り合う。

事故の際、イーノックは後部座席に座っており、3ヶ月の昏睡状態を経て元気になった。それ以来イーノックにはヒロシ(加瀬亮)という元特攻隊員の幽霊が見えるようになり、2人は親友になっていた。

両親の墓地の側でアナベルを見かけたイーノックは彼女に話しかけ、意気投合する。初めてのデートでアナベルは自分が脳腫瘍で余命3か月であることを告白する。しかしその現実をアナベルは気丈に受け止めており、イーノックも明るく彼女の話を聞く。

互いに孤独だったイーノックとアナベルは急速に惹かれ合い、恋人同士になる。ヒロシはいずれ死ぬアナベルに深入りしていくイーノックを心配していたが、イーノックはむしろヒロシを遠ざけるようになる。イーノックとアナベルはハロウィンの夜に結ばれ、その後も楽しい時間を過ごす。

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映画『永遠の僕たち』 結末・ラスト(ネタバレ)

しかしアナベルへの愛が深くなるごとにイーノックは徐々に冷静さを失っていく。現実と向き合い死に際や死後の話をするアナベルにイーノックは反発するようになり、ついに喧嘩をして彼女を深く傷つけてしまう。

イーノックは彼女の主治医や面倒を見てくれている叔母へ八つ当たりをし、自分を残して死んだ両親の墓を壊しに行く。ヒロシはアナベルが危篤状態になったことをイーノックに知らせに行くが、2人は殴り合いの大喧嘩となり、イーノックは病院に運ばれる。

病院で目覚めたイーノックにヒロシは恋人に渡せなかった手紙を託し、姿を消す。イーノックはアナベルの病室へ行き、彼女と仲直りをする。

死期が近くなったアナベルは自宅に戻り、イーノックは彼女のために何かをしてあげたいと必死だった。しかしアナベルは現状に満足しており、残されるイーノックのことを心配していた。ヒロシは正装してアナベルを迎えに来てくれ、彼女にも以前は見えなかったヒロシの姿が見える。イーノックはヒロシに深々とお辞儀をする。

アナベルの告別式には彼女の望み通りたくさんの食べ物が用意されていた。イーノックはアナベルを語るため壇上に上がるが言葉は何も出てこず、ただアナベルのことを思い出して優しく微笑むのだった。

映画『永遠の僕たち』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『永遠の僕たち』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

宗教抜きで死を考える

本作はアメリカ映画であるが、アメリカっぽい空気感が全くない。特に新鮮だったのは、“死”というものの捉え方だ。

私の記憶しているアメリカ映画では、墓地か教会で神父のいる葬儀が行われている。さらに“天に召される”とか“神のもとへ”というキーワードが必ず出てくる。しかし本作では日本にあるような葬儀社での告別式が描かれており、宗教的な儀式の描写は全くない。死を目前にしたアナベルもそれと向き合うイーノックも“天国へ行く”というような言葉は一切発せず、ただ死というものを非常に現実的に受け止め、どう生きてどう死ぬかを語り合う。宗教という精神的な拠り所を排除して死と向き合うことは、ほぼ無宗教に近い状態の人が多い日本人の感覚では普通だが、アメリカ映画ではとても珍しいことだ。

私はごく一般的な日本人(ご先祖様に手を合わすことはするが、特定の宗教を信仰しているという意識はない)なので本作の死生観に強い共感を覚えた。死について考えることは結論の出ないことを考え続ける哲学のようなもので、“絶対にこうなる”が誰にもわからない。そこを宗教抜きで描こうとした本作の真摯な姿勢は高く評価したい。

ヒロシという存在

本作の面白いところはイーノックの親友が幽霊の元特攻隊員ヒロシであることだ。最初に軍服姿のヒロシを見たときはコスプレマニアなのかと思ったが、まさかの幽霊だった。作品内では彼の存在を使い“死とはどういうものか”を伝えようとしている。

ヒロシは恋人へ宛てた手紙に“今では死はたやすく、つらいのは愛だと分かります”と書いている。この手紙は彼が突撃する直前に書いたもので、ヒロシはこの手紙を恋人へ渡せないままこの世を去った。死という現象は一瞬の出来事でありそのことに恐怖心はないが、愛する人に想いを告げられないまま逝くのはとてもつらいと彼は言っている。それは残される側も同じで、愛が深いほどその存在を失うことはつらい。だからヒロシはアナベルに深入りしていくイーノックを心配している。実際にイーノックはアナベルを深く愛したことで彼女の死を受け入れられなくなり、自分を見失っていく。ここでしっかりとイーノックの苦悩を描きヒロシと対立させたことで、本作は単にファンタジックな悲恋ものと違うリアリティを持ち、いい意味で簡単には泣けない作品に仕上がっている。

それにしてもヒロシを演じた加瀬亮の自然な存在感は素晴らしかった。海外作品で英語を話す幽霊という難役に挑み、浮き立つことなくこの世界観に溶け込んでいる。加瀬亮にはどんどん世界進出してほしい。彼にはその実力がある。


本作は、両親を亡くしてから見知らぬ人の葬式の参列し続ける高校生の少年と余命三か月を宣告された末期がんの少女の出会いと交流を描いたラブファンタジー作品。
主人公2人も良かったけれど、何よりも特攻隊の幽霊役の加瀬亮さんの好演がとても印象的だった。
あまり起伏のないストーリーだけれど、2人の生き方を通して愛と死を繊細に描いている。
そして、テーマの重さとは違った音楽のセンスや北欧っぽい映像の雰囲気が良かった。(女性 20代)


死をテーマにしたストーリーで、あらすじだけ見ると重い内容なのだが、淡々と物語が進んでいく中で主人公たちそれぞれが死というものに向き合っていく姿が静かで心地よく、切ない気持ちにはなるが心にスッと入ってくるような映画だ。どこかポップでアートを感じる映像も良かった。ラストの主人公の表情が、2人と過ごした時間の大切さとその意味を表しているようでとても素敵だった。加瀬亮が戦死した日本人兵の幽霊という重要な役どころを演じていたがとてもハマり役だった。(女性 20代)


日本人向けに作られたアメリカ映画と言うべき今作。加瀬亮が特攻隊員の幽霊として登場していることからも分かるように、主人公は日本人ではありませんが、葬式の描き方や死への向き合い方など非常に日本人が感情移入しやすい作りになっていました。
私は宗教的なものに興味や関心が無いので、神とか死後の世界なんて話をされるとどうも気持ちが冷めてしまうのですが、今作で描かれている「死」は私が知っている死そのものでなんの違和感もありませんでした。誰しもが感じる死への恐怖や大切な人を亡くすことの苦しみ、そして愛のつらさなど共感と納得ができる素敵な作品でした。(女性 30代)

映画『永遠の僕たち』 まとめ

本国アメリカでの評価は良くないようだが、それはレビューでも書いたように本作がアメリカ人向けの映画ではないからだろう。作風や空気感など、全てにおいて驚くほどにアメリカ的でなく、そこが日本人には受け入れやすい。デニス・ホッパーの息子であるヘンリー・ホッパーも良かったが、アナベルを演じたミア・ワシコウスカの透明感はこの役にぴったりだった。「アリス・イン・ワンダーランド」でアリスを演じた女優さんといえば、ピンとくる人も多いはずだ。

この手の話は苦手なので少々警戒して見たのだが、これは良作。ラストもいい。

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