映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』の概要:レントンが幼い頃、先生と呼んで慕うドミニクが亡くなり、幼馴染のエウレカが軍に捕まる事件が起きる。その頃、人間達は地球を侵略してきた謎の巨大生命体、イマージュと戦いを繰り広げていた。
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:SF、アクション、アニメ
監督:京田知己
キャスト:三瓶由布子、名塚佳織、藤原啓治、根谷美智子 etc
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』の登場人物(キャスト)
- レントン・サーストン(三瓶由布子)
- 14歳。人民解放軍に入隊する。両親はルサワ研究所で対イマージュ兵器を開発していたが、「ドーハの悲劇」と呼ばれる災害を起こしてしまう。両親は既に他界している。
- エウレカ・ズィータ(名塚佳織)
- レントンの幼馴染。太陽の光に当たると皮膚が焼けてしまう。イマージュが送り込んだスパイロボット。人民解放軍に捕まり、酷い実験を受ける。人民解放軍から「被験体7号」と呼ばれる。
- ホランド・ノヴァク(藤原啓治)
- 人民解放軍第1機動師団軍第303独立愚連隊の強襲戦闘母艦・月光号隊長。正体は「ドーハの悲劇」の際に実験に参加させられた子供。実験の影響で人の3倍の速度で体が成長してしまう。戦闘の能力に優れている。
- タルホ・ユーキ(根谷美智子)
- 人民解放軍第1機動師団軍第303独立愚連隊の強襲戦闘母艦・月光号の艦長。ホランドの恋人。ホランドと同様体が急成長している。
- ドミニク・ソレル(山崎樹範)
- 「ドーハの悲劇」の実験に参加し、死亡する。レントンやエウレカから「ドミニク先生」と呼ばれ、慕われていた。
- アネモネ(小清水亜美)
- ドミニクの恋人。「ドーハの悲劇」の実験に参加していた。エウレカと同じイマージュが送り込んだスパイロボット。人民解放軍から「被験体6号」と呼ばれる。時を止めることができるなど強力な力を持っており、ヴォダラ宮と呼ばれる場所に幽閉される。
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』のあらすじ【起】
幼い頃、レントンとエウレカはKLF(軍事用の人型ロボット)の幼生であるニルヴァーシュと共に、先生と慕うドミニクに誘われて団地の裏山にある山を登ることになった。いつも厳しかったドミニクがなぜ突然山に登ろうと言い出したのか、レントンには分からなかった。だが、いつもとは違う優しい声でドミニクから誘われたことが嬉しかった。ドミニクの穏やかな表情を見たのは、そのときが最初で最後のことだった。
普通の人にはKLFの幼生の言葉は理解できなかった。しかし、レントンはニルヴァーシュの言葉を理解することができた。ドミニクはそんなレントンに気づき、「選ばれし者」だと言葉を漏らした。
レントン達は皆で「雪月花」と呼ばれる花を見た。その花には言い伝えがあり、100年に1度星の粉が降る日に虹色の光を放つ花が咲き、その虹色の光の中で願い事をすると必ず叶うと言われていた。星の粉がどんな物なのか、ドミニクにも分からなかった。エウレカが自分の願いについて話していると、突然花が咲いて光を放った。だが、すぐに枯れてしまう。レントン達が残念がっていると、ドミニクは花の種を2人に渡した。
ドミニクは2人に頼み事をした。それは、「雪月花」が咲く丘を見守り、いつか2人の手で虹色に輝く花を咲かして欲しいというものだった。それから1週間後、レントンはドミニクが亡くなったことを知る。ドミニクはイマージュを倒す研究をしていたが、レントンの父が計画した実験で亡くなっていた。
人民解放軍が政府の代理として、ワルサワ研究所(レントンの両親が所属している)の強制捜査を行った。エウレカは人民解放軍の兵士に捕まってしまい、太陽の光を当てられる。皮膚は焼け爛れ、エウレカは激しい痛みから泣き叫んだ。レントンは兵士達の暴力に屈し、助けることができなかった。
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』のあらすじ【承】
8年後、人民解放軍第1機動師団軍第303独立愚連隊の強襲戦闘母艦・月光号は、艦長ユウキ・タルホの指揮の下、イマージュの侵攻を受けているサウスダコタの軍基地に取り残された最重要機密の回収を行うことになった。新人のレントンも成長したニルヴァーシュに乗り、その任務に就くことになる。
西暦2009年4月、謎の巨大生命体イマージュが、突如南太平洋に出現した。イマージュと人間の戦争が始まって、45年もの月日が流れた。人間はイマージュの侵攻を押し留めることができず、人類の滅亡は時間の問題かと思われた。そんな中、西暦2054年に人民中央政府は、太陽エネルギーを使いイマージュを焼き払う究極兵器「神の鉄槌」の使用を決断する。反対勢力を排除しながら、移民宇宙船「メガロード」を建造し、選ばれし2万人の民と共に地球から脱出しようとしていた。しかし、思いも寄らない事態が起きようとしていた。
レントンはイマージュに襲われている人を助けるが、ホランド隊長から重要機密回収の任務を重視するよう叱られる。重要機密が回収できなければ、人類は終わりを迎えるのだ。その時、レントンの指示を無視し、ニルヴァーシュが勝手に動き出した。辿り着いた先にいたのはエウレカだった。エウレカはレントンとの再会を喜びながらも、一緒に行くのを嫌がった。レントンは必死にエウレカを説得した。エウレカはレントンを受け入れるが、建物の崩落に巻き込まれて落下してしまう。レントンがエウレカを助けると、ニルヴァーシュが変身した。ニルヴァーシュは圧倒的な力でイマージュを倒した。レントンは帰還中ホランド隊長から、エウレカこそが軍の最重要機密だと教えられる。
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』のあらすじ【転】
デューイ・ソレンスタム少将が暗殺され、彼が囲っていたとされる戦争孤児達が行方を眩ませた。子供達を憐れに思った部下の兵士がデューイを暗殺し、子供達を連れ去ったのではないかと噂されていた。犯人の名前に上がっていたのは、デューイの部下だったホランド・ノヴァクだった。暗殺事件の調査を行っていたコーダ・ラベルは、その話を知ることになる。そんな時、第303独立愚連隊が軍の重要機密を保持したまま失踪したと連絡が入る。
エウレカは自分の正体をレントンに話した。エウレカは人間を知るためにイマージュが送り込んだスパイロボットだった。レントンは信じることができなかった。すると、エウレカは軍に攫われて酷い実験を受けたこと、もうすぐ体の動きが停止して死ぬことを明かした。
コーダは少将の殺害現場に、「ダチュラ」と呼ばれる薬品が入った注射器が残っていたことが気にかかった。「ダチュラ」の効用は、成長の抑制だった。その効果は7日しか持たず、普通の人にとっては意味のない薬品だった。そんな中、ホランドの遺体が発見されたとの連絡が入る。デューイの部下のホランドと、第303独立愚連隊の隊長のホランドとは別人だった。
人民軍からの攻撃を受け、ホランド達は出撃した。レントンは状況が分からず戸惑った。すると、仲間のマシューから第303独立愚連隊が反乱を起こしたと教えられる。ホランドは少将を暗殺し、自分の保護者だったホランド・ノヴァックを殺害した。そして、彼に成りすまして兵として潜入した。第303独立愚連隊でレントン以外の全員が、「ドーハの悲劇」の生き残りだった。「ドーハの悲劇」の首謀者はレントンの両親で、共に死亡していた。
ワルサワ研究所は対イマージュ用の兵器の研究開発を行っていた。そこでは戦地で回収される人型のイマージュを拷問し、情報を得ていた。その人型のイマージュは、最重要機密と呼ばれる少女達のことだった。ワルサワ研究所の職員達は次第にカルト化していき、40名の戦争孤児と1人の少女を使って何らかの計画を成就させようと実験を行った。その実験に参加したのが、ドミニクとアネモネと呼ばれる少女、第303独立愚連隊に所属している者達だった。そして、その実験は「ドーハの悲劇」と呼ばれた。
「ドーハの悲劇」で実験台にされたホランド達は、常人の3倍の速さで成長するようになった。全員見た目は20代~30代にしか見えなかったが、本当の年齢は17歳だった。レントンはホランド達の思惑など何も知らなかったが、ホランドの仲間として軍から疑いを持たれることになる。
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』の結末・ラスト(ネタバレ)
レントンはホランド達から協力を求められるが拒んだ。エウレカはホランド達が薬を使い、レントンを洗脳しようとしていることを知ってしまう。第303独立愚連隊が軍と戦っている間にレントンを逃がすことにした。レントンはエウレカと一緒に逃げようとするが、エウレカはイマージュに人間の情報を漏らさないために戦艦と一緒に死ぬことを決めていた。レントンはエウレカを守るため、軍と戦うことを決意する。
レントンとエウレカはニルヴァーシュに乗って軍の兵士を退けた。その後、艦隊に攻撃標準を合わせ、自分達に何をさせようとしているのか問いかけた。ホランド達はレントン達を使い、「ドーハの悲劇」と同じ実験を行って、実験中に見た緑の星「ネバーランド」に行こうとしていた。ホランド達はワルサワ研究所がより成功確率の高いアイテムを使った新たな計画を進めていた情報を掴んでいた。それは、「第7次E懸案神話再生計画」、通称「エウレカセブン」と呼ばれるものだった。エウレカの体内のクリスタルには、イマージュと融合するためのパスワードが記憶されていた。エウレカが融合を行えば、イマージュの中にある異次元の扉が開くようになっていた。その鍵がレントンだった。「ネバーランド」は時の止まった世界だと言われており、永遠に今の自分のままで過ごすことができた。レントンはエウレカと生きるため、ホランド達と行動を共にすることにした。
ホランドは艦隊を攻撃しようとしたレントンを不問にした。仲間のハップとストナーはそんなホランドに不信感を抱き、エウレカが本物かどうか確かめるため襲撃を企てることにした。一方、世界各地でKLFのアーキタイプが暴走を起こす事件が起きる。
第303独立愚連隊の艦隊に乗っているKLFも暴走を起こした。エウレカはニルヴァーシュの暴走を止めようとするが、上手くはいかなかった。そんな時、ハップとストナーが現れ襲われてしまう。レントンはその現場を目撃し、ハップ達を殴りつけた。ハップは抵抗する際に銃を撃ってしまい、レントンは瀕死の重傷を負う。それに怒ったニルヴァーシュはハップ達を殺害した。ニルヴァーシュは幼生に退行してしまう。
イマージュ達は南極に集中していた。軍は12時間後に「神の鉄槌作戦」の決行を決める。コーダは「神の鉄槌」のエネルギーを使い、ホランド達が「ドーハの悲劇」と同じ実験を行おうとしていることに気づく。「ドーハの悲劇」の再来を恐れたコーダは「神の鉄槌作戦」の中止を申し出るが、既に作戦は止められないところまできていた。
ホランド達はアネモネが幽閉されているヴォダラ宮に辿り着いた。アネモネは軍から被験体6号と呼ばれており、エウレカと同じ存在だった。エウレカはアネモネを見て、ドミニクの恋人だと気づく。エウレカはアネモネを人質に取り、ホランド達にレントンを医者の元に連れて行くよう要求した。その時、イマージュが襲ってきた。アネモネは力を使い、時間を止めた。同じ頃、レントンの元にKLFの幼生ジ・エンドとドミニクが現れる。ドミニクは「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」という言葉を残して消えた。
アネモネの力が消え、イマージュが動き出した。その時、変身したニルヴァーシュに乗ったレントンが助けに現れる。レントンはエウレカと共に新たな未来を紡ぐことを決意し、ニルヴァーシュに乗って旅立った。レントン達に去られては「ネバーランド」に行けないため、ホランドは後を追った。レントンは腹部の怪我に耐えながら、必死にホランドと戦った。ホランドは自分の命を懸けてもレントン達を止めようとするが、恋人のタルホが妊娠していることを知り攻撃を止めた。タルホのお腹にいる赤ちゃんは、普通の速度で成長していた。仲間達はホランドとタルホの子供を見守るため、「ネバーランド」に行くのを止めた。
レントンの命が尽きてしまう。エウレカはレントンに生き続けて欲しいという願いを叶えるため、自分の記憶を使ってイマージュを動かす決意をする。「神の鉄槌作戦」が決行されたと同時に、エウレカはニルヴァーシュと共にイマージュの中枢に突撃した。レントンが目を覚ますと、故郷のワルスワにいた。腹部の傷は癒えていたが、エウレカは言葉が話せなくなり記憶を失っていた。そして、ニルヴァーシュは消滅してしまう。レントンはエウレカと寄り添い合った。
映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』の感想・評価・レビュー
アニメシリーズで描かれていた世界のパラレルワールドを描いた今作は、敵も味方も新しいものになっているので、アニメシリーズとは別物として考えた方が良さそうです。しかし、アニメシリーズの予備知識が無いとストーリーについて行くのはかなり難しいと思うので、今作を鑑賞する場合は、アニメシリーズで基本的な知識を得てから見ることをオススメします。
アニメシリーズに勝るものはありませんが、パラレルワールドとして考えるとこれはこれで面白かったです。(女性 30代)
TVシリーズ後に発表された作品で、登場人物は同じでも設定や境遇が全く違うパラレルワールドでのストーリーなので、本編とは全く違うものと捉えて観ることを勧める。
本編を鑑賞するか、或いは多少の予備知識を得てから観るとよりストーリーや境遇が分かりやすいと思う。今作では時を止めるイマージュという存在が侵攻中でエウレカやアネモネがスパイとして幼少期から送り込まれる。レントンとエウレカは幼馴染として育つが、その後の展開が結構複雑。専門用語も多いので置いて行かれるかもしれない。ただ、エウレカとレントンの絆が始めから強固なのでその辺は心配しなくても良かった。別物として観れば面白い作品だ。(女性 40代)
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