映画『ファング一家の奇想天外な秘密』の概要:ケイレブ夫妻は即興劇を仕掛けるアーティストとして活躍していた。娘のアニーと息子のバクスターも幼い頃は即興劇に協力していたが、現在は作品に携わることはなかった。そんなある日、血痕が付着する車を残して、ケイレブ夫妻が行方不明になる。
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ジェイソン・ベイトマン
キャスト:ニコール・キッドマン、ジェイソン・ベイトマン、クリストファー・ウォーケン、メアリーアン・プランケット etc
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』の登場人物(キャスト)
- アニー・ファング(大人:ニコール・キッドマン / 18歳:テイラー・ローズ / 13歳:マッケンジー・スミス)
- 女優として活躍している。年齢を重ねたこともあり、落ち目で仕事を得ることに苦労している。
- バクスター・ファング(大人:ジェイソン・ベイトマン / 16歳:カイル・ドネリー / 11歳:ジャック・マッカーシー)
- 小説家。2年近くスランプに陥っている。アニーの弟。幼い頃はアニーと共に両親の作品に出演していた。
- ケイレブ・ファング(現在:クリストファー・ウォーケン / 若い頃:ジェイソン・バトラー・ハーナー)
- アニーとバクスターの父親。妻のカミーユと共に、即興劇を仕掛けるアーティストとして活躍している。
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』のあらすじ【起】
ケイレブ・ファングと妻のカミーユが忽然と姿を消した。残された車の車内には血痕が付着しており、娘のアニーと息子のバクスターは捜索を行っていた。
1カ月前。アニーは女優として活躍していた。だが、年齢を重ねたこともあり落ち目であった彼女は、人をバーで待っている姿の写真を撮られ雑誌で「孤独の晩酌」という題名で記事を書かれてしまう。アニーはショックを受けた。そんな時、撮影現場でトップレスのシーンを演じるよう要求される。台本になかったため、嫌だと突っぱねた。しかし、父が言っていた「恐れることはない、その瞬間を支配しろ。その時を制すれば、困難はきっとお前を避けていくはず」という言葉を思い出し、考え直してトップレスのシーンを演じることにした。
バクスターは小説家だったが、2年近くスランプに陥っていた。ある日、バクスターは仕事を頼まれ「ポテト大砲」の取材を行うことになった。父の「恐れることはない~」という言葉を思い出しながら大砲の的になるが、耳に当たってしまい入院することになる。
ケイレブ夫妻は即興劇を仕掛ける有名なアーティストで、人々に混乱を招いて注目を集めていた。作品にはアニーとバクスターも参加しており、AとBと呼ばれていた。1975年「スケート場」では、ケイレブが花火を出る装置を背負いながら我が子を抱いてスケート場を歩いていた。その姿をカミーユが撮影していた。
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』のあらすじ【承】
アニーは新しい仕事がもらえず、焦りを抱えていた。そんな時、バクスターから連絡をもらう。アニーはバクスターを見舞い、一緒に実家に帰省した。両親は新作を撮ろうとしており、アニー達に参加するよう強要した。アニー達は嫌がり、断った。ケイレブ夫妻は2人で新作を撮影しようとするが、失敗してしまう。アニーは芸術家として衰えてしまった両親の姿に不安を覚える。
カミーユは画家志望で、ケイレブに内緒でこっそり絵を描いていた。アニー達はその絵を見つけ、衝撃を覚える。素敵な絵だと感じたが、カミーユは表立って絵を描く気はない様子だった。ケイレブに裏切り者だと失望されるのを恐れていた。
アニー達の元に保安官が訪ねてきて、ケイレブ夫妻の車が見つかったと言われる。車内には争った痕跡と大量の血痕があった。アニーは芝居を疑った。しかし、車が発見された22号線沿いで誘拐が4件も発生し、全員殺されている事件が起きていることから芝居だと警察側は簡単に判断することはできなかった。現場の写真を見たバクスターは、両親の安否を心配した。
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』のあらすじ【転】
高校時代に学校の出し物で、アニーは『ロミオとジュリエット』のジュリエットを演じることになった。だが、ロミオ役のコービーが骨折して病院に行くことになり、代役を立てなければいけなくなる。代役に選ばれたのはバクスターだった。バクスターは演技でも姉とキスするのは嫌だったため、舞台上でキスを拒んだ。だが、そのせいで観客に笑われてしまい、アニーはショックを受ける。バクスターは仕方なくアニーとキスをした。校長は姉弟でキスをしたことに激怒し、演出を担当したデラノ教師を解雇した。アニー達はデラノから両親の計らいでコービーを降板させ、バクスターを代役に選んだことを教えられる。アニー達は姉弟でキスするよう仕組んだ両親の行動にショックを受ける。
アニーは両親の行方を捜した。そして、両親を教えていたホバート教授の存在を思い出す。捜索に乗り気ではないバクスターを連れ、ホバート教授に会いに行った。しかし、ホバートはケイレブ夫妻と絶縁関係にあり、何も知らなかった。ホバートは捜索の手がかりになるかもしれないと、ケイレブ夫妻が撮ったドキュメンタリー映像をアニーに渡した。
アニーは捜索を諦めなかったが、バクスターから協力を強く拒まれる。失踪が狂言ならば死んだと思われたいからやったことだと思うため、探し出すべきではないと考えたのだ。アニーはバクスターの考えを受け入れ、捜索を諦めて家にあった荷物をフリーマーケットで処分することにした。
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』の結末・ラスト(ネタバレ)
フリーマーケットの最中、音楽を流していた。その時、子供の頃にアニーが作詞した曲が流れていることに気づく。それは、家族しか知らない曲のはずだった。アニー達は曲を歌っているバンド、ボルツ兄弟の家に向かった。
アニー達がボルツ兄弟の家にいると、彼らの母親と父親が帰ってきた。それは、デラノとケイレブだった。アニー達は真実を知るため、ケイレブを連れてカミーユの元に向かった。ケイレブが偽の家族を作ったのは芸術のためだった。デラノは全てを承知の上でケイレブに協力し、偽の家族を演じていた。しかし、ある時子供が出来てしまい産むことになったのだった。ケイレブは別れを望んでいたが、カミーユはケイレブを愛していたため関係を続けた。ケイレブ達は芸術のため、今回のことを秘密にすることを望んだ。アニー達は承諾し、失望の表情を浮かべながら彼らの元を去った。
バクスターは『子供たちの穴』という本を出版した。アニーはバクスターが本を朗読するのを涙目で眺めた。バクスターは本を読み終わると、アニーと見つめ合い微笑み合った。
映画『ファング一家の奇想天外な秘密』の感想・評価・レビュー
芸術性を求める両親に振り回されるアニー達姉弟がとてもかわいそうで、ラストの部分は特に悲しく感じた。ポップな邦題がつけられているが、結構陰湿で悲惨な物語だと思う。子供の心を傷つけてまで芸術性を追い求めるケイレブ夫妻の気持ちが全く理解できなかった。きっと、アニー達姉弟も両親の気持ちが理解できなかったのだろうと思う。両親との関係が希薄な一方で姉弟の絆がとても強かったが、羨ましさよりもどこか悲しさを感じさせた。(MIHOシネマ編集部)
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