映画『ファンタスティック Mr.FOX』の概要:ロアルド・ダールの児童文学書、「父さんキツネバンザイ」が原作のアニメーション映画。同作をウェス・アンダーソンがメガホンを取り2009年に映画化。ウェス・アンダーソンにとっては初の長編アニメーション作品である。
映画『ファンタスティック Mr.FOX』の作品情報
上映時間:87分
ジャンル:アニメ、ファンタジー、コメディ
監督:ウェス・アンダーソン
キャスト:ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ etc
映画『ファンタスティック Mr.FOX』の登場人物(キャスト)
- Mr.フォクシー・フォックス(ジョージ・クルーニー)
- 元泥棒のキツネ。とある事件から泥棒家業から足を洗う事を妻と約束するが、未だその情熱は耐えておらず、再びその道に踏み込むこととなる。
- フランクリン・ビーン(マイケル・ガンボン)
- フォクシーが住む一帯を統べる意地の悪い三悪人の1人。Mr.フォックスに商品を盗まれる。
- ネイサン・バンス(ヒューゴ・ギネス)
- ビーンと並び三悪人の1人として名を連ねる。こちらもMr.フォックスの被害に合う。
- ウォルター・ボギス(ロビン・ハールストン)
- バンス、ビーンと共に三悪人の一角を担う。盗みを働くMr.フォックスに対して恨みを持っている。
映画『ファンタスティック Mr.FOX』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ファンタスティック Mr.FOX』のあらすじ【起】
Mr.FOXはかつて様々な人間の家から盗みを働いていた泥棒ギツネでした。しかし、とある日妻を巻き込んだ上に人間に捕まってしまい、危うく殺されそうになった事から妻と約束し、既に泥棒家業からは足を洗って静かに暮らしていました。しかし、彼の心の奥底にくすぶる泥棒としての本能は消えてはいませんでした。
彼は非常に優秀な親戚の少年を預かった事をきっかけに、妻には内緒で再び盗みを再開することにしました。彼のターゲットは巷で有名な3人の悪党達、ボギス、バンス、ビーンです。ブランクはあるものの、彼の泥棒としての腕は未だに健在でした。彼は悪党達の屋敷から鶏七面鳥、アヒルなどを毎日のように盗み出します。
しかし黙ってやられる悪党達ではありません。彼らは徒党を組み、泥棒を殺そうと画策します。そして犯人がMr.FOXである事を突き止めると、彼の住む巣穴に狙いをつけました。そして丁度巣穴から出てきたMr.FOXに対して銃を向けました。何とか急所は外したMr.FOXでしたが、代わりにしっぽを失ってしまうのでした。
映画『ファンタスティック Mr.FOX』のあらすじ【承】
しかし、尻尾だけでは悪党達は満足しません。悪党達はMr.FOXを完全に抹殺する事で一致団結、彼を捉えようと巣穴を掘り起こし始めました。しかし既に危機を察知していたMr.FOXとその家族は、既に家の下に深く穴を掘り、難を逃れていたのでした。どこまでも続く穴に対して悪党達は最終的にブルドーザーまで持ち出しますが、結局彼を捉えるには至りませんでした。
次に悪党達がとった作戦は、地中に潜ったMr.FOXを地上へと出さない作戦でした。ずっと地中に閉じ込める事で餓死をさせるか、または地上に這い上がってきたところを射殺すればいいと考えたのです。そこで悪党達は自ら散弾銃を手に取り巣穴の出口で待ち構えます。更にそれぞれの部下達に命じ、常に辺りを警戒するという厳重体制がとられたのでした。
この作戦にはさすがに切れ者のMr.FOXも頭を抱えました。彼と彼の家族は三日間空腹を耐えしのぎますが、現状に困っているのはMr.FOXの家族だけではありませんでした。悪党達とその手下達が辺りを徘徊しているせいで、その地に暮らす他の動物達も食べるものに困ってしまっていたのです。
映画『ファンタスティック Mr.FOX』のあらすじ【転】
こうなったのは悪党達に喧嘩を売ったMr.FOXのせいだ、と動物達は彼を攻め立てます。また、二度と泥棒業に手を染めないと約束した自分の夫が自分に隠れて、その上悪評ばかりのあの三悪人から盗みを繰り返したことに対してMr.FOXの妻もショックを受けてしまいます。周りの動物達と妻に対して、流石のMr.FOXも自責の念に駆られてしまいます。
しかし、そんな時Mr.FOXの頭に素晴らしいアイデアが降ってきました。そのアイデアとは、更に穴を掘り続ける事でした。ただし、ただ闇雲に穴を掘るのではありません。今回の目的はなんと、悪党達の養豚場でした。悪党達自身、そして部下達も自分を追って外に出ている今、逆にその本拠地に潜入する絶好のチャンスだと考えたのでした。
彼はもともとカリスマ性十分のリーダー体質という事もあり、他の動物達を率い作戦を実行します。そして彼のアイデアは大成功を収めます。途中人間に見つかり捉えられそうになるなど危険な目にはあったものの、最終的に養豚場で大量のガチョウやリンゴ酒、野菜など大量の食材を手に入れたのでした。
映画『ファンタスティック Mr.FOX』の結末・ラスト(ネタバレ)
手に入れた豪華な食事を用い祝宴を開いたMr.FOXは、これからは人間の手が届かない、自分達動物の為だけの素晴らしい隠れ家を作り上げる事を宣言するのでした。そしてその宣言通り、Mr.FOXは地中に地下街を作り上げました。まだやや小さくはあるものの、動物達がそれぞれの生活を安全に送る事の出来る機能は備わっています。
そして彼らは地上へと食材を確保できる、新しいルートも確保していたのです。動物達は人間が思うよりもずっと賢かったのでした。しかし自分たちの養豚場から次々と食料を盗まれている、挙げ句の果てには新たな場所で彼らが食べ物を確保しているなど梅雨も知らない3人の悪党達は、未だに巣穴の前で今か今かと待ち構えています。これだけ長い間食料を確保できていないのだから、そろそろ憎い狐が這い出てくると信じて疑いません。ファンタスティックなMr.FOXは、人間達を無事に出し抜き動物達を率いるリーダー的存在として優雅に生活するのでした。
映画『ファンタスティック Mr.FOX』の感想・評価・レビュー
ストップモーションアニメのアナログ感がとても良かった。
これまでのウェス・アンダーソン作品に見られるようなフレーミング、配色、衣装、音響へのこだわりは、本作でも存分に堪能することができる。
その作り込まれた世界観に、監督の映画への熱意を感じずにはいられない。
何と言っても、人間や動物たちのコミカルな動きや繊細に表情が愛くるしい。
台詞にもジョークが多く、時間があっという間に過ぎた。
子どもと一緒に観たい映画。(女性 20代)
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